袴 レディースの選び方|卒業式の袴は、足元を決めてから丈と色を選ぶ

**卒業式の当日、会場の最寄り駅から式場まで、何分歩きますか。**そして、登壇や写真のために、階段を何回上り下りしますか。
袴を選ぶとき、多くの人は色や柄から見始めます。けれど、先に決めるのは足元です。草履で歩くかブーツで歩くかで、袴の丈が3cmほど変わるからです。丈が決まると、上に合わせる着物の袖の長さも絞れて、色を選ぶ段階では、丈の合わないものを最初から外せます。
履物と足袋のサイズの合わせ方は草履と足袋のサイズに、卒業式の日の着替えや移動の組み立ては大学の卒業式の服装にまとめてあります。この記事は、袴そのものの選び方を扱います。
結論:足元→丈→着物の袖→色の順で決める
袴は、次の順で決めていくと、選び直しがなくなります。
| 順番 | 決めること | 決め手 |
|---|---|---|
| 1 | 足元 | 歩く距離と階段の段数 |
| 2 | 袴の丈 | 身長と足元から目安を出し、裾の位置で確かめる |
| 3 | 上の着物の袖 | 二尺袖か振袖か。階段と移動の多さ |
| 4 | 色と柄 | 式で座る時間と、写真を撮る場面 |
**色を最初に選ぶと、気に入った袴の丈が合わないことが後から分かります。**足元と丈を先に決めておけば、色を選ぶときに迷っても、候補がはじめから丈の合うものだけに絞られています。
秋のうちに決めておくこと
3月の卒業式に袴を着るなら、秋のうちに動き始めると、選べる幅が広がります。
卒業式の日付は、多くの学校で近い時期に重なります。同じ日に袴を借りる人、着付けや髪を頼む人が集中するので、冬を過ぎてから探すと、丈の合う袴や、朝の着付けの時間が残っていないことがあります。
秋のうちに決めておきたいのは、次の3つです。
- 式の日付と、会場までの移動……歩く距離と階段が分かれば、足元が決まる
- 足元と袴の丈……ここまで決まれば、候補がぐっと減る
- 着付けと髪の予約……式の開始時刻から逆算して、朝の時間を押さえる
写真だけを先に撮る日を設けるなら、その日も同じ袴と足元で撮るかどうかを決めておきます。前撮りの日と当日で足元を変えると、袴の丈がどちらかに合わなくなります。
足元を先に決める|草履かブーツか
足元は、当日の移動で決めてください。
| 当日の様子 | 向く足元 |
|---|---|
| 駅から式場まで10分以上歩く | ブーツ |
| 登壇や写真で階段を何度も上り下りする | ブーツ |
| 雨や雪の予報が出やすい土地 | ブーツ |
| 移動は車中心で、歩くのは数分 | 草履 |
| 式のあと、そのまま食事の席に移る | 草履でも落ち着く |
ブーツは、裾を踏みにくく、歩幅を取りやすいのが強みです。袴の裾が足首より上で止まるので、階段で裾を持ち上げなくても上れます。草履は、立ち姿が落ち着いて、写真で着物らしい雰囲気がいちばん出ます。そのかわり、階段では裾を少し持ち上げて上ることになります。
迷ったら、当日いちばん長く歩く道のりを思い浮かべてください。10分を超えるなら、ブーツを選んでおくと、式の終わりまで足が持ちます。
丈を決める|身長のおよそ55%から始める
袴の丈は、袴の前側、紐が付いているところの下から裾までの長さで表します。目安は、草履なら身長のおよそ55%、ブーツならそこから3cmほど短くです。
| 身長 | 草履の目安 | ブーツの目安 |
|---|---|---|
| 150cm | 83cm前後 | 80cm前後 |
| 155cm | 85cm前後 | 82cm前後 |
| 160cm | 88cm前後 | 85cm前後 |
| 165cm | 91cm前後 | 88cm前後 |
| 170cm | 94cm前後 | 91cm前後 |
この表は出発点です。袴の紐を結ぶ高さや、脚の長さ、着物を着たときの胸まわりの厚みで、同じ身長でも裾の位置は変わります。表で当たりをつけたら、次の方法で確かめてください。
丈を自分で確かめる|裾がどこで止まるか
試着をするときは、当日と同じ足元を履いて、裾の位置を見ます。
草履なら、くるぶしが隠れて、裾が足の甲に少しかかる位置。これより長いと、歩くたびに裾を踏みます。これより短いと、立ったときに足袋が見える範囲が広くなり、写真で足元が目立ちます。
ブーツなら、ブーツの履き口が隠れて、くるぶしのあたりで裾が止まる位置。編み上げの紐が少し見えるくらいが、歩きやすさと見た目のつり合いが取れます。これより長いと、ブーツのつま先が裾に引っかかります。
表と裾の位置が食い違ったときは、裾の位置を優先してください。1〜2cmのずれなら、袴の紐を結ぶ高さで調整できます。紐を高く結べば裾が上がり、低く結べば下がります。3cm以上ずれるなら、一つ隣の丈を試します。
上の着物|二尺袖か、振袖か
袴の上に合わせる着物は、袖の長さで分かれます。
二尺袖は、袖の長さがおよそ76cm。袴に合わせることを前提にした長さで、歩くときや階段で袖が足元に近づきにくく、腕を動かしやすいのが強みです。
振袖は、袖の長さがおよそ85cmから114cmほど。成人式で着た振袖を袴に合わせる人も多く、袖が長いぶん、立ち姿が華やかになります。そのかわり、階段や人の多い場所では、袖を片手でまとめて持つ前提で動くことになります。
分かれ目は、当日の移動の多さです。足元をブーツに決めた日、つまり歩く距離や階段が多い日は、二尺袖のほうが動きやすくまとまります。草履で移動が少ない日なら、振袖の長い袖も扱いやすくなります。
色の決め方|座っている時間と、立って写る時間
袴の色と着物の色は、見える時間が違います。
式のあいだ、多くの時間は座っています。座っているとき、膝の上に広がって目に入るのは袴の色です。着物は上半身だけが見え、袖は膝の横に落ちます。反対に、立って歩いたり写真を撮ったりするときは、着物の袖と柄が大きく見えて、袴は腰から下の一色の面になります。
式で座る時間が長いなら、袴の色を「自分が一日いちばん長く見る色」として選んでください。写真を撮る時間を大事にしたいなら、着物の柄と袖の色から先に決めて、袴はその中にある色を1つ選ぶと、全身がまとまります。
着物と袴の明るさの差は、大きいほどくっきり、小さいほどやわらかくまとまります。明るさの差の見方は、着物と帯の色の合わせ方の考え方がそのまま使えます。
無地か、裾に柄や刺繍があるか
袴には、無地のものと、裾に柄や刺繍が入ったものがあります。
裾の柄は、立っているときにしか見えません。座ると膝の下に隠れ、階段では裾を持ち上げるので形が崩れます。写真を撮る時間が長く、立ち姿を残したいなら、裾の柄は効きます。式のあいだ座っている時間が長く、そのあと食事の席に移るなら、無地のほうが一日を通して落ち着いて見えます。
着物に大きな柄があるなら、袴は無地か、裾の柄を控えめにしてください。柄が上下で二つ重なると、写真の中でどちらが主役か分からなくなります。
顔まわりの3cm|半衿と重ね衿
写真で顔のすぐ下に来るのが、着物の衿元です。ここには、半衿と、その上に重ねる重ね衿が見えます。見えている幅は、合わせて3cmほどです。
この3cmは、顔にいちばん近い色です。着物や袴の色が濃いときは、半衿を白か明るい色にすると、顔のすぐ下が明るくなります。重ね衿は、袴の色か、着物の柄の中の色を1つ選ぶと、上半身と下半身がつながって見えます。
袴の紐の結び目と、胸元の帯も、衿元と同じく写真の中心近くに来ます。飾りを付けるなら、衿元か帯のどちらか一方に集めると、顔まわりがごちゃつきません。
髪と頭の飾り|式の長さで選ぶ
袴の日の髪は、式の長さと、そのあとの予定で決めます。
式が2時間を超える日、そのあと食事や移動が続く日は、耳より高い位置でまとめて、飾りを1〜2か所で留める形が長持ちします。リボンや花の飾りは、袴の色か重ね衿の色とそろえると、頭から足元まで色がつながります。
座っている時間が長い式では、後ろの人の視界をふさがないよう、頭のてっぺんに高さの出る飾りは控えめにしてください。高さを出したいときは、後ろではなく横に広げると、座っていても周りの邪魔になりません。
3月の寒さ|羽織るものと足元
卒業式の3月は、日によって冬のような寒さが戻ります。屋外で写真を撮る時間があるなら、寒さの準備もしておきます。
着物の上に羽織るものは、袴の丈にかからない長さのものが向いています。長い羽織りものは袴の裾を覆って、せっかく合わせた丈が見えなくなります。脱いだときに持って歩けるよう、たたんで小さくなるものを選んでください。
足元は、ブーツなら中に厚手の靴下を仕込めます。草履なら、足袋の下に薄い足袋を重ねる方法があります。重ねると草履の鼻緒がきつくなるので、試着のときに重ねた状態で履いてみてください。
どちらとも取れるとき①|身長が表のあいだに来る/足元を決めきれない
身長が表の段のあいだに来るときは、歩く距離が長い日は短いほうに、写真を大事にしたい日は長いほうに寄せてください。短いほうに寄せれば裾を踏みにくくなり、長いほうに寄せれば立ち姿が落ち着きます。
草履かブーツかを決めきれない日は、ブーツの丈で選んでおくと困りません。ブーツの丈の袴を草履で着ると、くるぶしが少し見える短めの丈になりますが、歩くのに困ることはありません。反対に、草履の丈の袴をブーツで着ると、裾がつま先にかかって歩きにくくなります。
どちらとも取れるとき②|手持ちの振袖に合わせたい
成人式で着た振袖に袴を合わせたい日は、袖の長さを先に測ってください。
袖が100cmを超える振袖なら、階段や人混みで袖を持ち上げる場面が増えます。その日は、足元をブーツにして、足元の動きを楽にしておくと釣り合いが取れます。袴の色は、振袖の柄の中にある色を1つ選ぶと、もともと一着だったように見えます。
振袖に袴を合わせる着付けは、帯の結び方が袴向けに変わります。着付けを頼むところに、振袖に袴を合わせることを予約のときに伝えておいてください。
どちらとも取れるとき③|教員や付き添いとして袴を着る
卒業式で、教員として袴を着る人もいます。この日は、主役は卒業生だということを先に置いてください。
色は、卒業生の袴より一段落ち着いたもの、たとえば濃い紺や深い緑、黒に近い色。着物は無地か、柄の小さいものを選ぶと、卒業生と並んだときに主役を引き立てられます。足元は、式の進行で立ったり座ったり、生徒を誘導したりと動く場面が多いので、ブーツのほうが楽です。
髪の飾りは控えめにして、頭の後ろに小さくまとめてください。写真では、卒業生の後ろや横に立つことが多いので、高さのある飾りは後ろの列の顔を隠してしまいます。
よくある行き違い
**「気に入った色から選んだ」。**足元と丈を決めずに色を選ぶと、丈の合わない袴まで候補に並びます。先に丈を決めれば、色を選ぶ時間も短くなります。
**「袴丈は身長の表で決まる」。**表は出発点です。紐を結ぶ高さや脚の長さで、裾の位置は変わります。試着で裾の位置を見て決めてください。
**「ブーツと草履は当日決めればいい」。**足元で丈が3cmほど変わるので、当日に替えると、どちらかに合わない丈になります。
**「振袖の長い袖はそのままで平気」。**階段や人混みでは、袖が足元に近づきます。片手でまとめて持つ前提で動いてください。
装いに活かすなら
卒業式の袴は、色や柄を選ぶ前に、当日の足元を決めて、丈を確かめるところから始まります。足元と丈が決まれば、上の着物の袖の長さが絞れて、色は最後に、座っている時間と写真を撮る時間で選べます。
秋のうちに一度、式場までの道のりを地図でたどってみてください。歩く分数と階段の数が分かれば、袴選びの最初の一歩はもう済んでいます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 袴は草履とブーツ、どちらを合わせればいいですか
- 当日に歩く距離と、階段の段数で決めてください。会場の最寄り駅から歩く時間が長い、登壇や写真のために階段を何度も上り下りする、といった日はブーツのほうが歩きやすく、裾を踏みにくくなります。移動が車中心で、歩く距離が短いなら、草履の落ち着いた立ち姿を選べます。どちらにするかで袴の丈が3cmほど変わるので、丈を決める前に足元を決めておいてください。
- Q. 袴の丈は、身長から計算すればいいですか
- 計算は目安として使い、最後は裾の位置で確かめてください。草履なら身長のおよそ55%、ブーツならそこから3cmほど短い丈が出発点になります。ただ、袴の紐を結ぶ高さや脚の長さで、同じ身長でも裾の位置は変わります。試着のときに、草履ならくるぶしが隠れて足の甲に少しかかるか、ブーツなら履き口が隠れてくるぶしのあたりで止まるかを見ると、合っているかが分かります。
- Q. 成人式の振袖に袴を合わせてもいいですか
- 合わせられます。ただ、振袖は袖が長いので、袴と合わせると歩くときや階段で袖が足元に近づきます。袖丈が100cmを超える振袖なら、階段では袖を片手でまとめて持つ前提で動いてください。袴の色は、振袖の柄の中にある色を1つ選ぶと合わせやすくなります。振袖に袴を合わせる着付けをしてもらえるかは、着付けを頼むところに先に確かめておきます。
- Q. 袴を選ぶのは、いつごろから始めればいいですか
- 3月の卒業式なら、秋のうちに始めると選べる幅が広がります。卒業式の日付は多くの学校で近いので、同じ日に袴を借りる人、着付けや髪を頼む人が集中します。秋のうちに足元と丈まで決めておけば、色や柄を選ぶ段階で迷っても、丈の合わないものを候補から外せるので早く決まります。着付けと髪の予約は、式の日付が分かった時点で取っておくと安心です。
— メグラシ編集部





