デニムセットアップの着こなし|生地と違う色の線と金具を、上下で8つまでに収める

デニムの上下で出かけようとして、鏡の前で止まる日があります。色はそろっているし、丈も合っている。それでも、着替えたほうがいい気がしてくる。
このとき引っかかっているのは、たいてい色でも形でもありません。
生地と違う色で見えている線と金具の数です。
結論:上下を通して8つまでなら、ふつうの服として読まれる
デニムには、地の色と違う色の縫い目が使われています。前立て、ポケットの縁、脇、裾、肩の切り替え。そこに留め具や飾りの金具が加わります。
この線と金具を、上下を通して数えます。8つまでならふつうの服、9つ以上になると作業着の側へ寄ります。
数え方|1.5メートル離れて、30秒
鏡から1.5メートル離れて立ってください。近づくと細かい縫い目まで見えて、数が実際より増えます。
数えるのは、その距離で生地と違う色に読めるものだけです。
| 数えるもの | 数え方 |
|---|---|
| 前立ての縫い目 | 続いて見えれば、途中で切れていても1つ |
| ポケットの縁 | 左右対なら2つ |
| 脇と裾の線 | 見える側だけ数える |
| 肩や腰の切り替え | 1本につき1つ |
| 留め具・飾りの金具 | 光って見えるものを1つずつ |
上下を足した合計が、その日の数字です。
帯|0〜4、5〜8、9以上
| 合計 | 見え方 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 0〜4 | 一続きの服として読まれる | 人と会う日、きちんとした場 |
| 5〜8 | ふつうの服として読まれる | 買い物、食事、休みの日の外出 |
| 9以上 | 作業のための服の側へ寄る | 動く日、汚れてよい日 |
9以上が悪いわけではありません。ただ、上下でそろえた日にこの数になると、そろえたこと自体が制服の気配として読まれます。
なぜ数が効くのか
線が増えると、見る側の読む手間が増えるからです。
服は、遠くから順に読まれます。まず全体の形、次に色、最後に表面の細かいところ。線と金具は最後に読まれる情報ですが、数が多いと最後まで到達せず、途中で「細かいものがたくさんついた服」としてまとめて処理されます。
作業のための服は、丈夫さのために縫い目を増やしてあります。増えた縫い目は、生地と違う色の糸で縫われることが多く、そのぶん読み取れる線が増えます。上下でそろえると、同じ種類の線が上半身と下半身で繰り返されるので、繰り返しそのものが目に入るようになります。
つまり、同じ一枚でも、単独で着れば読まれない線が、上下でそろえた瞬間に読まれ始めます。上下でそろえる日にだけ数える必要があるのは、このためです。
靴と鞄も、1つずつ数に入る
数えるのは服だけではありません。デニムと同じ系統の金具や縫い目が靴や鞄にあると、そのぶん合計に足されます。
足すのは、1.5メートルの距離で読めるものだけです。靴の甲に走る太い縫い目、鞄の縁の飾り縫い、目に入る位置の留め具。細かい飾りは、この距離ではひとかたまりとして読まれるので、いくつあっても1つと数えます。
上下でそろえる日は、靴と鞄の側を静かなものに寄せてください。服の合計が8つに収まっていても、靴と鞄で3つ足すと超えます。
上下でそろえる日と、離す日の分かれ目
合計が8つを超えるかどうかで決めてください。3つの操作を全部行っても超えるなら、その日は上下を離します。
離すときは、線の多いほうを上に置きます。上半身は顔に近いぶん見る時間が長いので、そこに線が集まると全身では一か所にまとまって読まれます。線を下に集めると、目が上下を行き来して落ち着きません。
離した日でも、色の濃さはそろえないほうが読みやすくなります。同じ生地で濃さだけ違うと、そろえ損ねたように見えるからです。離すと決めたら、片方は別の色に替えてください。
減らす操作は3つだけ
買い替えずに数を下げる手は、3つあります。
前を閉じる。 前立ての縫い目が上から下まで1本に見えていたものが、閉じると左右のどちらかへ寄って半分になります。合計で1つから2つ下がります。
袖をまくる。袖口の縫い目と留め具が内側へ入ります。まくる幅は3〜4センチを2回。合計で1つから2つ下がります。
裾を入れる。上着の裾の線と、腰まわりのポケットの縁が隠れます。合計で2つから3つ下がります。
3つとも行うと、合計は3つから5つ下がります。9つあった日でも、多くは8つの側へ戻ります。
順番は、下から
3つを全部やる必要はありません。効く順番は下からです。
裾を入れる、袖をまくる、前を閉じる。この順で1つずつ試して、8つに収まった時点で止めてください。全部やると、今度は締まりすぎて動きにくい見え方になります。
場面ごとの上限
| 場面 | 上限の目安 |
|---|---|
| 人と会う予定のある日 | 4つ |
| 職場の空気がゆるやかな日 | 6つ |
| 買い物や食事 | 8つ |
| 動く日・外にいる時間が長い日 | 上限なし |
上限を超える日は、上下でそろえるのをやめて片方だけを使うほうが早いです。
濃い色でそろえる日は、上限を2つ下げる
地の色が濃いほど、生地と違う色の線との差が大きくなります。同じ本数でもはっきり読めるということです。
上下とも濃い側でそろえる日は、8つではなく6つに寄せてください。逆に淡い側でそろえる日は、線と地の差が小さいので、8つのままで落ち着きます。
なお、上下の色の濃さがそろっているかどうかは、線の数とは別の判断です。そちらは重ねて置いて境目を見る方法があります。
数が減らせない一枚の使い方
線も金具も多く、3つの操作でも8つに収まらない一枚があります。
その一枚は、上下でそろえずに片方だけ使ってください。線の多い上着なら、無地で線の少ないボトムスと合わせます。線が上半分に集まるので、全身では読みやすくなります。
上下で着たい日は、あいだに丈の長い羽織りを重ねて、前面の線を縦に隠す方法があります。隠れた線は、その日の合計に入りません。
どちらとも取れるとき①|合計が8つちょうど
8つちょうどの日は、その日の予定で決めます。人と会う予定があるなら1つ減らす。ないならそのままで構いません。
減らすなら、いちばん目に入る場所から減らしてください。目に入りやすいのは、顔に近い側です。袖口より襟元、襟元より前立ての上のほうが先に読まれます。
どちらとも取れるとき②|数は少ないのに、きちんと見えない
このときは、線ではなく表面が効いています。同じ数でも、光を返す表面と、光を吸う表面では読まれ方が変わります。
指で生地を軽くつまんで放してください。すぐに平らへ戻るものは表面が張っていて、線の数が少なければきちんとした側へ寄ります。折り目が残るものは、線を減らしても柔らかい側に読まれます。
どちらとも取れるとき③|上下で線の色が違う
上着と下で縫い目の色が違うときは、少ないほうに合わせて数えてください。違う色が2種類あると、同じ本数でも読む手間が増えて、数えたときより多く見えます。
このときは、色の少ないほうを外側に出し、多いほうを隠せる位置へ回すと落ち着きます。
9月の重ね方|脱いだ状態で数えておく
朝に羽織って昼に脱ぐ日が続く時期です。羽織っているあいだは上着の前面が隠れるので合計は下がりますが、脱いだ瞬間に戻ります。
数えるのは、脱いだ状態のほうにしてください。脱いだときに8つ以内なら、羽織ったときは必ず収まります。逆をやると、上着を脱げない一日になります。
中に薄手の一枚を足すなら、襟と裾が外に出ない形を選ぶと合計が動きません。襟が出ると1つ、裾が出ると1つ足されます。
今日の1回で決める手順
- 鏡から1.5メートル離れて立つ
- 上下を通して、生地と違う色で読める線と金具を数える
- 合計が8つ以内なら、そのまま出かける
- 9つ以上なら、裾を入れる、袖をまくる、前を閉じるの順で1つずつ試す
- 8つに収まった時点で止める
かかるのは1分ほどです。
まとめ
デニムの上下が作業着に見えるかどうかは、色でも形でもなく、生地と違う色で読める線と金具の数で決まります。
1.5メートル離れて数えて、8つまで。超えたら、裾を入れる、袖をまくる、前を閉じるの順で下げる。数えられる形にしておくと、迷った朝に直す場所が一か所に決まります。
朝晩が冷えはじめるこの時期は、上に羽織る日が増えます。羽織ったときではなく、脱いだ状態で数えておいてください。
関連記事
よくある問い
- Q. デニムの上下を着ると作業着に見えてしまいます。何を直せばよいですか
- 色や形の前に、生地と違う色で読める線と金具を数えてください。前立ての縫い目、胸や腰のポケットの縁、肩の切り替え、裾の始末、そしてボタンと留め具。これらが上下を通して9つ以上見えていると、作業着の側へ寄ります。数え終えたら、前を閉じる、袖をまくる、裾を入れるの3つで隠せるものから隠してください。買い替えなくても、合計は3つから5つほど下がります。
- Q. 線と金具は、どうやって数えるのですか
- 鏡から1.5メートル離れて立ち、上下を通して見えるものだけを数えます。近づくと細かい縫い目まで見えてしまい、数が実際より増えるので、必ず離れてください。1本の線として続いて見えるものは、途中で切れていても1つと数えます。左右対になっているものは2つです。数えるのに30秒ほどしかかかりませんが、数えると直す場所が一か所に決まります。
- Q. 上下とも濃い色なら、線の数は気にしなくてよいですか
- 濃い色ほど線が目立つので、むしろ数が効きます。地の色が濃いと、生地と違う色の縫い目との差が大きくなり、同じ本数でもはっきり読めます。淡い色は線と地の差が小さいので、同じ本数でも静かに見えます。濃い側でそろえる日は、上限を8つではなく6つに寄せると落ち着きます。色の濃さが上下でそろっているかどうかは、線の数とは別の判断になります。
- Q. 線も金具も多い一枚しか持っていません。上下で着るのをあきらめるべきですか
- あきらめなくて大丈夫です。数が減らせない一枚は、上下でそろえずに片方だけ使ってください。線の多い上着は、無地で線の少ないボトムスと合わせると、線が一か所にまとまって読みやすくなります。上下で着たい日は、あいだに丈の長い羽織りを重ねて、上着の前面の線を縦に隠す方法があります。隠れた線はその日の合計に入りません。
- Q. 秋になって重ね着が増えると、数は変わりますか
- 増える方向にも減る方向にも動きます。上に羽織ると上着の前面が隠れるので減りますが、中に着たものの襟や裾が出ると、そのぶん別の線が足されます。9月の半ばからは、朝に羽織って昼に脱ぐ日が続くので、脱いだ状態で数えておいてください。脱いだときの数が上限に収まっていれば、羽織ったときは必ず収まります。多いほうで合わせておくのが確実です。
— メグラシ編集部





