甲の厚いスニーカーは上に厚みを一つ返す|足元だけが重いと全身が下に沈む

甲が高く底の厚いスニーカーが浮くのは、かさのある面が足元にしか無いからです。 腰より上に、厚みのある面をひとつ返す。それだけで、足元のかたまりが全身につながります。
見るのは、靴のかさと、上に返す厚みの数
同じスニーカーという呼び方でも、足元に置かれるかたまりの大きさはまったく違います。薄い底で甲の低い一足と、厚い底で甲の高い一足では、全身に与える影響が別ものです。
判定の軸は2つです。
靴のかさ:指二本まで・指三本・指四本以上 上に返す厚みの数:一つ・ゼロ・二つ以上
前者が必要な手当ての量を決め、後者がその日の全身の重さを決めます。かさが大きいほど、上に返すものがはっきり必要になります。
かさの測り方|床から甲の頂点まで
靴を履いた状態で、横から見てください。床から甲のいちばん高いところまでに、指が何本入るかを数えます。
底の厚みと甲の高さを別々に測る必要はありません。足元に置かれるかたまりの大きさとして、合計で見るほうが判断に使えます。指二本までなら薄い側、三本なら中くらい、四本以上なら厚い側です。
手持ちを並べて一度測っておけば、その後は履くだけで分かります。 見た目の印象と実際の数字がずれていることも多いので、一度は指で確かめてください。
ずれが起きるのは、色と形が印象を左右するからです。暗い色でつま先の細い一足は、実際は指四本あっても薄く感じられます。明るい色でつま先の丸い一足は、指二本でも大きく見えます。印象ではなく指で測るという手順を挟むだけで、この食い違いは消えます。
測るときは、履いた状態で測ってください。手に持って測ると、底が沈んでいないぶん数字が変わります。実際に体重が乗った状態の高さが、その日に見える高さです。
かさ3段階
| かさ | 足元の見え方 | 必要な手当て |
|---|---|---|
| 指二本まで | 脚の延長として読まれる | 不要 |
| 指三本 | 足元に軽いかたまりができる | 状況によって一つ返す |
| 指四本以上 | 足元が全身で唯一の立体になる | 腰より上に一つ返す |
手当てが要るのは、いちばん下の一段だけです。 それ以外は、靴のことを考えずに組んで構いません。
なぜ、足元だけが厚いと沈むのか
人の目は、立体のある場所を先に見ます。平らな面が並ぶ中にひとつだけ厚みがあれば、そこが焦点になります。 焦点が床に近い位置にあると、全身の重心が下にあるように読まれます。
これは足元が悪いという話ではありません。焦点が一つしか無いことが問題です。 上にもう一つ焦点があれば、目は二点を往復し、そのあいだの縦の距離が読まれます。
二点あればいい、というのがこの記事の答えです。数を増やす必要はありません。
この現象は、鏡から離れるほどはっきりします。近くで見ると靴の細部が見えますが、2〜3歩下がると、細部は消えてかたまりの大きさだけが残ります。 人から見られている距離は、たいてい鏡の前より遠いところです。着る前に一度、下がって全身を見る習慣をつけると、この偏りに気づきやすくなります。
写真に写る日はさらに顕著です。写真は立体の情報を平面に置き換えるので、影のできる面だけが厚みとして残ります。足元にしか影が無い写真では、そこが唯一の焦点になります。 写真に残る予定がある日は、上に一つ返す手当てを省かないでください。
上に返す厚みとは、何か
厚みとは、光が当たったときに影ができる面のことです。起毛した表面、目の粗い編み地、重ねた二枚の縁、厚手の巻きもの。 どれも面の中に影ができるので、立体として読まれます。
反対に、平らでつるりとした面には影ができません。同じ色でも、目の詰まった生地は平面として読まれます。厚みを返したい日は、表面に影ができるかどうかで選んでください。
判定は簡単です。窓のほうを向いて、その面に凹凸の影が見えるか。見えれば厚みとして働きます。
厚みは、生地そのものだけでつくるものではありません。重ねた二枚の縁、折り返した袖口、たたんだ襟。どれも縁のところに影ができるので、厚みとして数えられます。 手持ちが薄手ばかりでも、重ね方で厚みはつくれます。
反対に、厚く見えて実は平らな面もあります。中に綿の入った上着で、表面がつるりとしたものは、輪郭に厚みがあっても面の中には影ができません。この場合、遠くから見ると平らな面として読まれます。面の中に影があるかどうかで見るというのは、この見分けのためでもあります。
置く高さ|腰より上、できれば肩の近く
置く位置は腰より上です。足元との距離が離れているほど、二点を結ぶ線が長くなり、縦の方向に効きます。
いちばん効くのは首元から肩にかけての範囲です。厚手の巻きもの、起毛した襟、目の粗い編み地の肩の面。どれもいちばん高い位置にあるので、線が全身を通ります。
腰のあたりに置いても働きますが、足元と近いので線が短くなります。上に置ける日は、できるだけ高い位置を選んでください。
置く場所が高いほど効くのは、二点の距離が縦の長さとして読まれるからです。足元と腰では距離が短く、足元と首元では距離が長い。同じ一枚を使っても、置く高さで効き方が二倍近く変わります。
返す厚みは一つ。二つ置くと決まらなくなる
上に厚みを二つ置くと、全身にかさが集まります。厚い一枚を着て、その上に厚い巻きものを足し、足元も厚い。この状態では、焦点が三つになり、どこを見ればいいか決まりません。
上限は一つです。厚い一枚を着ている日は、巻きものを薄手にするか、首元で細く収めてください。その日いちばん外側の一枚が厚みを担当していると考えると、数えやすくなります。
秋が深まるほど、上に着るものは自然に厚くなります。季節が進むにつれて、意識して足す必要は減り、むしろ数えて減らす方向になります。
ボトムスは、厚みを持たせない
ボトムスは足元のすぐ上にあります。ここに厚みがあると、下半分にかさが集まり、上に返した一つとの距離が縮まります。
すとんと落ちる生地や、目の詰まった生地を選ぶと、足元のかたまりから上へ線がまっすぐ通ります。裾の形も、まっすぐ落ちるものが噛み合います。
厚手のボトムスを履きたい日は、上に返す厚みを置かないでください。足元とボトムスの二つで完結させ、上は平らな面でまとめる。 これも成立する形です。
秋から冬にかけては、厚手のボトムスを履く日が増えます。目の粗い編み地のもの、起毛したもの、裏に別の生地が入ったもの。これらを履く日は、上に返すという手当てを一度取り下げてください。 手当ては足りないときに足すもので、いつも必要なものではありません。
見分け方は、鏡の前で下半分だけを見ることです。足元とボトムスの両方に影が見えるなら、下半分だけで二つの厚みがあります。この状態で上にも足すと、三つになります。数えるのは全身で三か所まで、そのうち上に置けるのは一つという上限で管理すると、迷いません。
色でも、かさは動く
同じ形の靴でも、色によって見える大きさが変わります。暗い色は輪郭がまとまって小さく見え、明るい色は輪郭が外へ広がって見えます。
厚い一足が明るい色の場合、指三本でも指四本ぶんの存在感になります。この場合は、上に返す厚みを確実に置いてください。暗い色の厚い一足は、指四本でも一段控えめに収まります。
靴下でも同じことが起きます。靴と同じ色の靴下は足元のかたまりを縦に伸ばし、明るい色の靴下は足首に区切りをつくって、かたまりを小さく見せます。足元を小さく収めたい日は、明るい色の靴下で区切ってください。
どちらとも取れるとき|上に着るものが薄手しかない
厚い一足を履きたいのに、上は薄手のものしか無い。この場合は、重ねる枚数で厚みをつくってください。 二枚重ねた縁は、それだけで影のできる線になります。
もうひとつの方法は、巻きものを一枚足すことです。薄手でも、たたんで層をつくれば厚みとして働きます。首元に置くので位置も高く、線が長く通ります。
かばんでも代用できます。編み地のかばん、起毛した表面のかばん、丸みのある形のかばん。 肩から下げれば位置は腰より上に来るので、返す厚みとして数えられます。手に下げると位置が下がり、足元に近づくので、線が短くなります。同じかばんでも、持ち方で効き方が変わります。
どちらとも取れるとき|厚い靴に丈の長い羽織り
丈の長い羽織りを着ると、足元との距離が縮まります。羽織りの裾が膝下まであると、靴のすぐ上に大きな面が来るからです。
この場合は、羽織りの前を開けてください。 縦に線が二本入り、そのあいだから中の面が見えます。開けた形なら、裾が足元に迫っていても、縦の線のほうが先に読まれます。
どちらとも取れるとき|靴が厚いか薄いか分からない
指三本のちょうど境目にある一足があります。この場合は、その日の服で決めてください。 上に厚みのあるものを着る予定なら、靴は厚い側として扱って構いません。上が平らな日なら、薄い側として扱い、何も返さずに組めます。
同じ一足でも、日によって扱いが変わってよいということです。靴の性質を固定して覚えるより、その日の組み合わせの中で数えるほうが速く決まります。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 厚い靴に平らな服だけを合わせる | 足元が唯一の立体になり、視線が下で止まる | 腰より上に厚みを一つ返す |
| 上に厚みを二つ置く | 焦点が三つになり、どこを見るか決まらない | 外側の一枚だけに担当させる |
| 厚手のボトムスを合わせる | 下半分にかさが集まる | ボトムスは落ちる生地に替える |
| 返す厚みを腰のあたりに置く | 足元との距離が短く、線が伸びない | 首元から肩の範囲へ移す |
| 明るい色の厚い靴を素足で履く | 足元のかたまりが外へ広がって見える | 明るい色の靴下で区切りをつくる |
まとめ|かさを測って、上に一つ返す
- 甲が高く底の厚い靴が浮くのは、かさが足元にしか無いため
- かさは床から甲の頂点まで指で測る。四本以上なら手当てが要る
- 手当ては、腰より上に厚みのある面を一つ返すだけ
- 返す厚みは一つまで。二つ置くと全身が重くなる
- ボトムスは落ちる生地に。下半分にかさを集めない
厚みのある靴は合わせにくいと言われます。 けれど実際に起きているのは、立体が一か所にしか無いという単純な偏りでした。偏りは、上に一つ足すだけで解けます。
この考え方は、かさのある靴すべてに使えます。底の厚い一足でも、甲を覆う面が大きい一足でも、床から甲までを指で測って、四本を超えたら上に一つ返す。 手順は同じです。
次に厚い一足を履く日は、鏡の前で自分の上半分を見てください。そこに影のできる面が一つあれば、その日はもう釣り合っています。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 底の厚いスニーカーを履くと、足元だけが目に入ります
- 腰より上に、厚みのある面をひとつ置いてください。かさのある面が足元にしかないと、そこが全身で唯一の立体になり、視線が下で止まります。起毛したニット、目の粗い編み地、重ねた二枚、厚手の巻きもの。どれでも構いません。上下に厚みが二か所あれば、目は上から下へ順に読み、足元だけが独立しません。置く位置は腰より上であれば、どこでも働きます。
- Q. かさは、どうやって測ればいいですか
- 靴を横から見て、床から甲のいちばん高いところまでに指が何本入るかを数えてください。指二本までなら薄い側、三本なら中くらい、四本以上なら厚い側です。底の厚みと甲の高さは別々に見なくて構いません。足元に置かれるかたまりの大きさとして、合計で測るほうが判断に使えます。手持ちを並べて一度測っておくと、その後は履くだけで分かります。
- Q. 上に返す厚みは二つ置いてもいいですか
- 一つで止めてください。二つ置くと、上にも下にもかさが集まって、全身が重くなります。厚い一枚を着たうえに厚い巻きものを足し、さらに厚い靴を履く。この状態では、どこを見ればいいのか決まりません。返すのは一つ、というより、上に置く厚みの上限が一つだと考えてください。上限を決めておくと、朝の判断が速くなります。
- Q. ボトムスは厚いものと薄いもの、どちらが合いますか
- 薄いほうが噛み合います。ボトムスは足元のすぐ上にあるので、そこに厚みがあると、下半分にかさが集まります。すとんと落ちる生地や、目の詰まった生地を選ぶと、足元のかたまりから上へ線がまっすぐ通ります。厚手のボトムスを履きたい日は、上に返す厚みを置かず、足元とボトムスの二つで完結させてください。
- Q. 秋冬は自然に厚いものが増えますが、どう調整しますか
- 上に置く厚みが増えていないかを数えてください。気温が下がると、上に着るものは自然に厚くなります。そこへさらに厚みのある巻きものを足すと、上限の一つを越えます。厚いものを一枚着ている日は、巻きものを薄手にするか、首元で細く収めてください。返す厚みは、その日いちばん外側の一枚が担当していると考えると数えやすくなります。
— メグラシ編集部





