顔のエラをなくす方法|写真は顎の向きとレンズの高さで消す

**写真の中のエラが気になるなら、まずレンズの高さを耳たぶより上に上げてください。**それだけで、張って見える量が変わる人は少なくありません。
鏡で見るときは、目と鏡がほぼ同じ高さにあり、距離も腕の長さより遠いのがふつうです。ところがスマートフォンで撮るときは、胸の前で構えて、顔から30cmほどの近さで、下からのぞきこむ形になりがちです。この下から・近くという2つの条件がそろうと、レンズにいちばん近い下顎がいちばん大きく写ります。鏡では平気で写真だけがつらい、という差の多くはここから来ています。
骨格そのものの見分け方はエラが張っていると言われる輪郭の角度に、髪と首元で幅を散らす方法は顔のエラを無くす方法|幅・角・影の見分け方にまとめてあります。この記事は、写真に撮られるときの位置関係だけを扱います。
結論:写真のエラは、レンズの高さと顎の向きでほとんど決まる
写真のエラを動かすのは、次の4つです。上にあるものほど効き目が大きく、手間は小さくなります。
| 動かすもの | 目安 | 効く理由 |
|---|---|---|
| レンズの高さ | 耳たぶより上、目の高さ〜指1本上 | 近い部分ほど大きく写るので、下顎を遠ざける |
| 顎の向き | 前に1cm出して、下に5mm落とす | 首と下顎の境目に線ができる |
| 顔の振り方 | 20度前後、奥の耳が半分隠れるまで | 角が頬の陰に入り、輪郭線にならない |
| 光の向き | 正面のやや上から、柔らかく | 下顎の外側に影の縁を作らない |
この順で直していけば、ほとんどの写真は1と2で足ります。3と4は、それでも気になるときに足してください。
ここで大事なのは、全部を一度にやらないことです。4つを同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなり、次に撮るときに再現できません。1つ変えるごとに1枚撮って、前の1枚と並べる。この手順を一度だけ通しておくと、自分の顔で何が効くかが分かります。
まず確かめる:写真だけエラが出ているのかどうか
最初に、自分のエラが写り方でどれだけ動くかを確かめます。用意するのはスマートフォンだけです。
1枚目は、いつも撮っているとおりに撮ります。構える高さも、顎の位置も、いつもの癖のままで構いません。2枚目は、スマートフォンを目の高さまで上げて、腕を伸ばしきった距離で撮ります。3枚目は、2枚目と同じ高さで、カメラの倍率を2倍にして、腕を伸ばした距離で撮ります。
3枚を並べて、下顎の角から角までの幅と、目の外側から外側までの幅を比べてください。指で画面の上をなぞるだけで構いません。1枚目では角の幅が目の幅よりはっきり広いのに、2枚目と3枚目では差が縮んでいるなら、あなたの写真のエラは写り方の比重が大きいということです。
反対に、3枚ともほとんど同じに見えるなら、写り方だけで消せる量は小さめです。その場合も、この記事の顎の向きと顔の振り方は効きますが、髪や首元で幅を散らす方法と組み合わせたほうが早く楽になります。
もう1つ見ておきたいのは、いつもの1枚で顎がどこにあるかです。画面の中で、顎先が首の付け根と重なって見えるなら、顎を引いて撮る癖があります。顎先と首の間にすき間が見えるなら、顎の位置は問題ありません。この癖は自分では気づきにくいので、過去の写真を5枚ほど並べて、顎先と首の重なり方だけを見比べてみてください。5枚とも重なっているなら、後で書く顎の向きの直し方がいちばん効くはずです。
撮り比べた3枚は、すぐに消さずに残しておいてください。この先で何かを1つ変えるたびに、この3枚と並べることになります。基準になる1枚があると、変えたことの効き目が目で分かります。
レンズの高さ:耳たぶの高さが境目になる
いちばん効くのはレンズの高さです。境目は耳たぶの高さに置いてください。
レンズが耳たぶより下にあると、顔の中でレンズにいちばん近いのは下顎になります。近いものほど大きく写るので、下顎の幅が実際より広がり、額と頬骨は奥へ下がって小さくなります。輪郭が台形に見えるのはこのためです。
レンズを耳たぶより上、目の高さまで上げると、近い順番が入れ替わります。額と頬骨が手前に、下顎が奥になります。輪郭は逆台形の側に寄り、角の張りは目立たなくなります。
| レンズの位置 | 近く写る部分 | 輪郭の見え方 |
|---|---|---|
| 顎より下 | 下顎・顎の裏 | 下が広い台形。角がもっとも強く出る |
| 耳たぶ〜口の高さ | 頬と下顎がほぼ同じ | 実物に近い |
| 目の高さ | 頬骨と額 | 下が少しすぼまる |
| 目より指2本以上上 | 額 | 下がすぼまりすぎて、首が細く短く写る |
上げすぎにも気をつけてください。目より指2本ぶん以上高くすると、今度は首が短く写り、上目づかいの表情になります。目の高さか、指1本ぶん上までが、実物から離れすぎない範囲です。
人に撮ってもらうときは、相手の身長に左右されます。相手が自分より背が低いと、ふつうに構えてもらうだけでレンズが顎の高さに来てしまいます。その場合は、相手に少し腕を上げてもらうか、自分が一段低い場所に立つか、座って撮ってもらうと高さがそろいます。
高さを確かめる簡単な方法があります。撮る人に構えてもらったら、画面をのぞかずに、レンズそのものを見てください。レンズが自分の目と同じ高さに見えれば合格です。自分の口や顎のあたりに見えるなら低すぎます。撮った後に画面で確かめるより、撮る前にレンズの位置を見るほうが、撮り直しが少なく済みます。
背の高い人が撮る側に回ってくれる場合は、反対に高くなりすぎることがあります。レンズが自分の額より上に見えたら、相手に少し腕を下げてもらってください。高すぎる位置から撮られると、首が短く、肩が丸く写り、顔の下半分が小さくなったぶん、かえって頬の横幅が目立つことがあります。
距離と倍率:近すぎると、下顎が横に広がる
高さの次に効くのが距離です。スマートフォンの標準のカメラは広い範囲を写す作りになっていて、顔に近づくほど、近い部分と遠い部分の大きさの差が開きます。
腕を曲げて30cmほどの距離で撮ると、鼻と頬の手前側が大きく、耳と輪郭の外側が小さく写ります。このときレンズが下にあると、手前に来る下顎だけが横に広がって見えます。反対に、1m以上離れて倍率を2倍にすると、手前と奥の差が小さくなり、輪郭の比率が実物に近づきます。
自撮りで1m離れるのは難しいので、腕を伸ばしきった距離が最低ラインと考えてください。肘を曲げた位置から伸ばしきるだけで、距離は1.5倍ほどになります。さらに離したいときは、自撮り棒や、棚の上に立てかけてタイマーで撮る方法があります。
人に撮ってもらうときは、相手に2〜3歩下がってもらい、倍率を2倍にしてもらうだけで十分です。「少し離れて、ズームで撮ってほしい」と一言添えると伝わります。
倍率を上げすぎるのも考えものです。5倍や10倍まで上げると、手前と奥の差がほとんどなくなり、顔が平たく写ります。平たくなると、頬骨と下顎の幅の差が縮まって、輪郭がまっすぐな縦長の四角に寄ることがあります。輪郭に立体感が残るのは、2倍から3倍のあたりです。迷ったら2倍にしておけば、大きく外れることはありません。
広い風景と一緒に撮る写真では、顔が画面の中で小さくなるので、距離による変形はあまり問題になりません。気をつけたいのは、顔が画面の半分以上を占める近い写真です。顔が大きく写る写真ほど、距離と倍率の影響を受けると考えてください。
顎の向き:前に1cm出して、下に引きすぎない
レンズの高さを直したら、次は顎です。写真を撮るとき、多くの人は無意識に顎を引きます。顔を小さく見せたい気持ちからですが、エラにとってはこれが逆に働きます。
顎を引くと、下顎の下にある柔らかい部分が首の前に押し出されて、下顎の輪郭と首の境目がなくなります。境目がなくなると、下顎の角から首までが1枚の広い面に見え、エラの幅がそのまま首の幅として写ります。
直し方は、顎を前に1cm出して、そのあと下に5mmだけ落とすことです。前に出すと、首と下顎の間に細い影の線ができます。この線が、下顎の輪郭を首から切り離します。そのあと少し落とすのは、前に出しただけだと首が突き出たように見えるからです。
量の目安は、横から見て耳たぶが肩の真上より少し前に来るところまでです。鏡の前で横を向いて、出す・少し落とすを3回くり返し、首の前に皺が寄らない位置を探してください。皺が寄るなら出しすぎ、首と下顎の境目に線が見えないなら足りません。
顎を上げるのも避けてください。上げると顎の裏が見え、下顎の幅を下から見上げる形になります。レンズを下に置いたときと同じことが、顔の側で起きます。
表情も顎の位置に関わります。口を閉じて歯を強く噛みしめると、下顎の横の筋肉が盛り上がり、角のすぐ上がふくらんで見えます。撮る直前に、上下の歯を軽く離して、舌の先を上の前歯の裏に当ててください。口は閉じたままで構いません。噛みしめがほどけると、下顎の横のふくらみが引いて、角の印象がやわらぎます。笑顔で撮るときも、奥歯を噛みしめずに口角だけを上げるようにすると、同じ効き目があります。
顔の振り方:20度で止める、45度までは振らない
正面以外が許される写真なら、顔を少し斜めに振るとエラの角を隠せます。ただし、振りすぎると逆効果になります。
斜めにすると、奥側の下顎は頬の陰に半分隠れます。一方で、手前側の下顎は輪郭線として背景に浮き出ます。20度くらいまでは、手前側の輪郭線はまだ顔の内側に寄っていて、角としては見えません。ところが45度まで振ると、手前側の下顎の角が、耳の下から顎先へ折れ曲がる線としてくっきり現れます。
角度を測る道具は要りません。目安は奥の耳が半分隠れるところです。正面では両耳が見えています。少しずつ顔を振っていくと、奥の耳が頬の後ろに入っていきます。半分隠れたところが、およそ20度です。耳がまったく見えなくなったら振りすぎです。
顔だけを振るより、肩ごと少し斜めに立ち、顔はそこから正面寄りに戻すほうが自然に写ります。体を30度、顔を10度戻すと、顔の向きはおよそ20度になります。体が斜めになることで首が長く写り、下顎と肩の間に余白ができるのも、エラには助けになります。
振る向きは、毎回同じにしておくと楽です。写真を何枚も見返したとき、同じ側から撮った顔が並んでいると、見る人にも自分にも見慣れた顔として映ります。毎回違う側を向いていると、そのたびに輪郭の印象が変わり、張って見える1枚が混じりやすくなります。どちらに振るかは、後で書く左右差の見分け方で一度決めて、あとは固定してください。
首を傾けるのは控えめにしてください。顔を振るのと同時に頭を横に傾けると、下顎の線が斜めに走り、片側の角が下がって見えます。傾けるなら、耳と肩の距離が左右で指1本ぶん違う程度までにします。
光の向き:下顎の外側に影の縁を作らない
光は、角の輪郭を強めることもあれば、ぼかすこともあります。
いちばん避けたいのは、真上から強い照明が当たる場所です。天井の照明の真下に立つと、頬骨の下と下顎の下に濃い影ができ、その影の縁が角の形をなぞります。部屋の中で撮るなら、照明の真下から1〜2歩ずれて、窓のほうを向いてください。
もう1つ避けたいのは、真横からの光です。片側から強く当たると、反対側の下顎の外側に影ができ、その影の縁がまっすぐな縦線になります。縦線と下顎の下の横線がつながると、角がはっきりした四角に見えます。
いちばん扱いやすいのは、正面のやや上から来る柔らかい光です。窓に向かって立ち、窓の上半分から光が入る位置で撮ると、顔全体が均一に明るくなり、下顎の外側に影の縁ができにくくなります。日差しが直接入る窓なら、薄いカーテンを1枚引くと光が柔らかくなります。
秋冬は日が低いので、午後の早い時間でも光が横から入りやすくなります。窓辺で撮るなら、昼前後の時間帯のほうが、上からの光を取りやすいです。
屋外で撮るときは、日なたより日陰のほうが扱いやすくなります。日なたでは光が一方向から強く当たり、下顎の外側に影の縁がはっきり出ます。建物の陰や木の下に一歩入ると、空全体から柔らかい光が回り、影の縁がぼやけます。日陰に入ったら、明るいほうの空に顔を向けてください。足元に白っぽい地面や明るい色の壁があると、下からも光が少し返って、下顎の下の影が浅くなります。
自撮りのとき:腕の高さと、画面の真ん中に置かない
自撮りでは、レンズの高さと距離を自分で決められます。そのぶん、癖がそのまま写ります。
まず、構える腕の高さを決めます。スマートフォンを持つ手を、目の高さまで上げてください。腕を上げると疲れるので、多くの人は撮る直前に少しずつ下げてしまいます。シャッターを押す瞬間まで、画面の上端が額より上にあることを確かめてください。
次に、顔を画面の真ん中に置かないことです。スマートフォンのカメラは、画面の端に近いほど形が横に引き伸ばされやすい作りになっています。顔を端に置くと、端に近い側の下顎が広がります。顔は画面の中央か、やや上の位置に置き、端には寄せないでください。
最後に、撮ったあとの確認です。自撮りの画面は左右反転していることが多く、保存されると反転が戻ります。画面で見たときより保存した写真のほうがエラが気になる場合は、反転のせいで、見慣れていない向きを見ているだけのこともあります。保存した1枚を、もう一度反転して見てください。
連写も役に立ちます。シャッターを長押しして数枚続けて撮ると、顎の位置や顔の向きがわずかにずれた写真が何枚か残ります。そのなかから、角がいちばん気にならない1枚を選べばいいのです。1枚で決めようとすると、シャッターを押す瞬間に力が入り、顎を引いてしまいがちです。続けて撮ると、2枚目以降で力が抜けて、首と下顎の境目が出やすくなります。
人に撮ってもらうとき:伝えるのは2つだけ
人に撮ってもらうときに、細かい指示を出すのは気が引けるものです。伝えるのは2つで足ります。
1つは、目の高さか少し上から撮ってほしいということ。もう1つは、少し離れてズームで撮ってほしいということ。この2つで、高さと距離の条件はそろいます。
集合写真では、自分の位置も効いてきます。列の端は、カメラから見て斜めに写るうえ、画面の端で形が横に引き伸ばされやすい場所です。選べるなら、列の中央寄りに入ってください。前後の列があるなら、後ろの列のほうがカメラから遠くなり、輪郭の比率が実物に近づきます。
座って撮る集合写真では、撮る人が立ったまま構えることが多いので、座っている人はレンズより低い位置になります。この場合は高さの条件が自然に満たされます。立っている人の前で座る位置を選べるなら、座る側に回るのも1つの手です。
集合写真で顔をどちらに振るかも、列の位置で変わります。列の右寄りに立つなら、カメラは自分から見て左前にあるので、顔を少し左に向けるとカメラに正対しやすくなります。このとき、張っている側が奥に入るかどうかを確かめてください。張っている側が手前に来てしまう位置なら、列の反対側に移るほうが早いこともあります。
撮る人が何枚か続けて撮るときは、1枚目のあとで顎の位置だけ直してください。1枚目は緊張して顎を引きがちで、2枚目以降のほうが首と下顎の境目がはっきり出ることが多いからです。
秋冬の写真で気をつけること:首元の厚みと室内の照明
秋冬は、写真に写る条件が夏と違います。気をつけたいのは、首元の厚みと室内の照明です。
首元に厚いマフラーや高い襟が来ると、下顎のすぐ下に布の面ができます。その面の上端が下顎の角の高さにそろうと、角の位置が強調されます。写真を撮る前に、マフラーは一度ゆるめて、上端を下顎の角から指2本ぶん下げてください。首元の上端の置き方はエラ張りがひどいと感じたらマフラーの上端に詳しく書いてあります。
もう1つは室内の照明です。年末の集まりや食事の席は、天井の照明の真下で撮ることが多くなります。先に書いたとおり、真上からの光は下顎の下に濃い影を作ります。席を立って撮るなら、照明の真下から少しずれて、窓や明るい壁のほうを向いてください。座ったまま撮るなら、白いナプキンやメニューを膝の上に置くだけでも、下から光が少し返って、下顎の下の影が浅くなります。
秋冬は肌が乾きやすく、頬の高い位置の艶が消えると、顔の中で光が当たる場所が下顎のほうに移ることもあります。写真の前に頬の高い位置だけ軽く保湿しておくと、光の中心が上に戻ります。
秋冬は、画面越しの会議や通話で自分の顔を長く見る時間も増えます。ノートパソコンを机に置いたまま使うと、レンズは顎より下に来ます。これは、先に書いた中でいちばんエラが張って写る条件です。パソコンの下に本を2〜3冊重ねて、画面の上端が目の高さに来るようにしてください。それだけで、会議のあいだずっと見ている自分の顔の印象が変わります。照明は、天井の照明だけでなく、画面の後ろの壁を明るくしておくと、顔の正面に柔らかい光が返ります。メイクで影を足す方法はエラをなくすメイク|シェーディングの幅にまとめてあります。
どちらとも取れるとき①:左右でエラの出方が違う
左右の下顎の張り方が違う人は少なくありません。この場合、どちらに顔を振るかで写り方が大きく変わります。
原則は、張っているほうを奥に、張りが弱いほうを手前にです。斜めの写真では、奥側の下顎は頬の陰に隠れ、手前側の下顎は輪郭線になります。張っているほうを奥に回せば、隠れる側に入ります。
どちらが張っているか分からないときは、正面から撮った写真を左右反転して、元の写真と並べてください。見慣れた鏡の顔と、人から見えている顔が並びます。片側だけ広く感じるほうがあれば、そちらが張っている側です。
迷うのは、張っている側と、自分が「写りがいい」と感じる側が逆のときです。目の大きさや前髪の分け目のせいで、張っているほうを手前にしたほうが顔全体はよく見える、ということがあります。この場合は、顔の振り方は好きな側のままにして、手前の下顎に髪を一筋かけてください。耳の前に髪を下ろし、下端を下顎の角より1〜2cm下で止めると、角の輪郭線が髪の縦線で途切れます。振る角度は20度より少し浅く、15度くらいにすると、手前の角が輪郭線として浮き出にくくなります。
左右差は、日によって変わって見えることもあります。寝不足の朝や、片側だけで噛む癖がある日は、片方の頬がわずかに張って見えることがあります。張っている側がいつも同じかどうかは、日を変えて3回ほど撮って確かめてください。3回とも同じ側が張っているなら、それがあなたの基本の向きです。日によって入れ替わるなら、その日に張って見えるほうを奥にする、と決めておけば十分です。
どちらとも取れるとき②:顎を前に出すと、首の皺が気になる
顎を前に出すと首と下顎の境目に線ができますが、人によっては首の前に横の皺が寄ることがあります。エラは消えても、今度は首が気になる、というときです。
まず、出す量を見直してください。皺が寄るのは、たいてい出しすぎです。1cmを5mmに減らして、下に落とす量も3mmくらいにすると、首の前は平らなまま、境目にだけ影が残ることがあります。
それでも皺が出るなら、顎を出す代わりに、頭のてっぺんを上に引く意識を持ってください。糸で頭頂を真上に吊られているつもりで背筋を伸ばすと、首が伸びて、下顎と首の間に自然に隙間ができます。顎を前に出したときほどはっきりした線にはなりませんが、首に皺を寄せずに境目を作れます。
もう1つの方法は、レンズの高さで代わりをさせることです。目の高さより指1本ぶん上から撮れば、顎を出さなくても下顎は奥に下がります。顎の位置は自然なままにして、レンズの高さで条件をそろえる。首の皺が気になる人には、こちらのほうが扱いやすいはずです。
どちらとも取れるとき③:正面しか許されない写真
証明写真や、仕事の資料に載せる顔写真のように、正面でしか撮れない写真があります。顔を振る方法が使えないので、残りの3つで整えます。
レンズの高さは、目の高さか指1本ぶん上。証明写真の機械では、椅子の高さを調整して、画面の中の目の位置が枠の上から3分の1あたりに来るようにすると、レンズがほぼ目の高さになります。椅子が低すぎるとレンズを見上げる形になり、下顎が広く写ります。
顎は、前に1cm出して、少しだけ落とします。正面の写真では、顎を引くと首と下顎が一体になって幅が強調されるので、ここは特に意識してください。
光は機械の中なら選べませんが、自分で撮る場合は窓に向かって立ち、正面のやや上から光を受けます。背景の壁から一歩離れると、壁に落ちる影が薄くなり、輪郭のまわりがすっきりします。
服の襟も見ておいてください。正面の写真では、襟の開きの幅が下顎の幅のすぐ下に並びます。開きの幅が下顎の角から角までの幅とほぼ同じだと、2つの幅がそろって、四角い印象が強まります。シャツなら第1ボタンを外して開きを縦に深くする、丸い襟ぐりなら下顎より幅の狭いものを選ぶと、幅がそろいません。
髪型の決まりがゆるい写真なら、耳の前に一筋だけ髪を下ろしてください。下端を下顎の角より1〜2cm下で止めるのが目安です。角の上で止めると、髪の終わる位置が角を指し示すことになります。角より下まで伸ばすことで、角の輪郭線が縦の線に切られて、四角い印象が弱まります。
撮り比べの手順:30秒で自分の位置を決める
ここまでの内容を、毎回思い出すのは大変です。一度だけ時間をとって、自分の位置を決めてしまいましょう。
窓に向かって立ち、スマートフォンを目の高さに構えます。腕を伸ばしきって、顎を前に1cm出して、少し落とします。この状態で1枚。次に、顔を張りの強い側が奥になるように振り、奥の耳が半分隠れるところで1枚。最後に、レンズを指1本ぶん上げて、もう1枚。
3枚を並べて、いちばん角が気にならないものを選びます。選んだ1枚のときの、腕の高さ、顔の向き、立った場所を覚えておいてください。次からは、その条件だけを再現すれば足ります。
決めた条件は、書き出しておくと迷いません。「目の高さ・腕は伸ばしきる・右を奥に・窓のほう」のように短く書いておけば、集まりの場で慌てて撮るときにも思い出せます。
条件が決まったら、季節が変わる頃に一度だけ見直してください。秋冬は窓から入る光の向きが変わり、首元の服も厚くなります。夏に決めた窓の位置が、冬には横からの光になっていることがあります。見直すときも手順は同じで、決めた条件で1枚、何か1つ変えて1枚、並べて比べるだけです。
やらないほうがいいこと
写真のエラを消そうとして、かえって目立たせてしまう動きがいくつかあります。
1つ目は、顎を強く引くことです。顔を小さく見せようとして顎を引くと、首と下顎が一体になり、幅がそのまま写ります。
2つ目は、頬に手を添えることです。手のひらを下顎の横に当てると、手の輪郭が角を隠すように見えますが、手の上端が角の高さにそろうと、そこに横の線ができて角の位置を示してしまいます。手を添えるなら、頬骨の高さより上にしてください。
3つ目は、加工アプリで輪郭だけを細くすることです。輪郭だけを削ると、背景の線が曲がったり、耳や髪の形が不自然になったりします。何より、実物と写真の差が広がるほど、次に加工なしの写真を見たときのつらさが増えます。写り方を整えるほうが、長い目で見て楽です。
加工を使うなら、輪郭ではなく明るさと光の向きに留めてください。顔全体を少し明るくする、影の濃さを少し浅くする、といった調整は、実物との差を広げずに、下顎の外側の影の縁をやわらげます。輪郭の線そのものを動かす機能は使わない、と決めておくと、写真と実物の間で迷うことがなくなります。
4つ目は、顔を振りすぎることです。45度以上振ると、手前の下顎の角が輪郭線として浮き出ます。斜めにするなら、奥の耳が半分隠れるところで止めてください。
5つ目は、撮るたびに全部を変えることです。高さも、顎も、向きも、光も、毎回違う組み合わせで撮っていると、写りのいい1枚が出ても、なぜよかったのかが分かりません。決めた条件は固定して、変えるのは1つずつにしてください。
最後に、写真の中の自分を見る時間の長さにも触れておきます。拡大して輪郭だけを何分も見ていると、どんな顔でも角が気になってきます。確かめるのは、撮った直後に画面いっぱいの大きさで1回だけ。拡大はしない。これだけで、写真を見るときの気持ちはずいぶん軽くなります。
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よくある問い
- Q. 写真のエラは、写り方を変えるだけで本当に目立たなくなりますか
- 骨の形そのものは変わりませんが、写真で「張っている」と感じる量はかなり動きます。同じ顔でも、レンズを顎より下に置いて近くから撮ると下顎がいちばん大きく写り、レンズを額の高さに上げて少し離れると額と頬骨のほうが大きく写ります。まず、いつも撮っている高さと、耳たぶより上の高さで1枚ずつ撮り比べてください。2枚を並べて差があれば、あなたの写真のエラは写り方の比重が大きいということです。差がほとんど無い場合は、髪や首元で幅を散らす方法と組み合わせると効きます。
- Q. 顎を前に出すと、変な顔になりませんか
- 出す量が多すぎると、首が前に突き出たように写ります。目安は1cmほどで、横から見て耳たぶが肩の真上より少しだけ前に来る程度です。出したあとに顎を下へ5mmほど落とすと、前に出した感じが消えて、首と下顎の境目にだけ細い影の線が残ります。鏡の前で、出す・少し落とすを3回くり返して、首の前に皺が寄らない位置を探してください。皺が寄ったら出しすぎです。
- Q. 証明写真のように正面でしか撮れない場合はどうすればいいですか
- 正面のときは顔の振り方が使えないので、レンズの高さと光と顎の位置で整えます。レンズは目の高さか、それより指1本ぶん上に。顎は前に1cm出して、下に引きすぎない。光は正面のやや上から当て、真上の照明だけの場所は避けます。髪は耳の前に一筋だけ下ろし、下端を下顎の角より1〜2cm下で止めると、角の輪郭線が髪の縦線で切れます。この4つで、正面でも角の出方はかなり変わります。
- Q. 左右でエラの張り方が違います。どちらを向けばいいですか
- 張っているほうを奥に、張りが弱いほうを手前にして振ってください。斜めの写真では、手前側の下顎は輪郭線として背景に浮き、奥側の下顎は頬の陰に半分隠れます。張っているほうを奥に回せば、隠れる側に入ります。どちらが張っているか分からないときは、正面の写真を左右反転して見比べると分かりやすくなります。見慣れた鏡像との差で、片側だけ大きく感じるほうがあれば、そちらが張っている側です。
— メグラシ編集部





