アースカラーが地味に見える|茶とカーキは顔の横に明るい1色

結論:アースカラーが地味に見えるのは、明るさの段差が足りないから
茶色のニットに、カーキのパンツ、ベージュのコート。秋冬らしい組み合わせのはずなのに、鏡で見ると、落ち着いているというより地味に見える。疲れて見える。顔の印象が薄い。そう感じるなら、色を変える前に全身の明るさの段差を確かめてください。
アースカラーは、土や木や葉や砂のような、自然の中にある色です。共通しているのは、明るさが中くらいに集まりやすいことです。茶色もカーキもベージュも、真っ白や真っ黒からは遠く、明るさで見るとだいたい同じあたりに並びます。そのため、アースカラーどうしを重ねると、色みは違っても明るさが揃ってしまい、全身に段差が無くなります。
段差が無い装いは、遠目に見ると、一つの大きな面に見えます。顔も、その面の一部として溶け込んでしまう。これが「地味」の正体です。
この記事の答えは単純です。**顔の横に、明るい色を1つだけ置く。**それだけで全身の中に段差が生まれ、顔に目が行くようになります。手持ちのアースカラーを手放す必要はありません。
自分にどのアースカラーが似合うかの見分け方は、アースカラーが似合う人にまとめています。この記事は、似合う色で組んだのに沈んでしまうときの直し方だけを扱います。
「落ち着いている」と「地味」の境目
アースカラーの装いには、落ち着いて見えるときと、地味に見えるときがあります。どちらも同じような色で組んでいるのに、印象が分かれるのはなぜでしょうか。
落ち着いて見える装いには、全身のどこかに、はっきりした段差が少なくとも1つあります。たとえば、白いシャツの襟が顔の下に見えている。濃い焦げ茶の靴が足元を締めている。こうした段差があると、全身が面ではなく、組み立てられたものとして見えます。見る人の目は、段差のある場所に自然と止まります。
地味に見える装いには、この段差がどこにもありません。上から下まで、明るさがなだらかにつながっていて、目が止まる場所がありません。目が止まらないので、見る人の印象に残りにくく、結果として「地味」と感じられます。
つまり、落ち着きと地味の境目は、色の数でも色の種類でもなく、段差があるかどうかです。段差を1つ作るだけで、同じ色のまま、地味から落ち着きへ移ることができます。
身近な例で考えてみます。キャメルのニットにキャメルのパンツ、キャメルの靴を合わせると、同じ色で揃えた、まとまりのある装いになります。ところが、そのまま白黒写真で撮ると、上から下までほとんど同じ灰色の面です。ここで靴だけを焦げ茶にすると、足元に段差ができて、全体が締まります。さらに首元にアイボリーのインナーを入れると、顔の下にも段差ができて、顔がはっきり見えるようになります。色はほとんど変えていないのに、印象は大きく変わります。
まず全身を白黒で見る
明るさの段差は、色がついたままだと見えにくいものです。色みの違いに目が引っ張られて、明るさが揃っていることに気づけません。そこで、色を取り去って明るさだけを見ます。
方法は、スマートフォンで全身を撮って、白黒に変換するだけです。多くのスマートフォンの写真編集には、白黒に変える機能があります。
- 普段の装いで、鏡の前か、誰かに頼んで全身を撮ります。窓の光が横から入る場所が向いています
- 写真を白黒に変換します
- 頭から足元まで、明るさがどう並んでいるかを見ます
白黒にすると、茶色もカーキもベージュも、ほとんど同じ灰色に見えることに驚くはずです。これが、段差が無い状態です。逆に、白黒にしても、顔の下や足元にはっきり明るい場所か暗い場所があれば、その装いには段差があります。
白黒写真で見ると、段差を作るべき場所も分かります。顔のすぐ下が、顔と同じくらいの灰色になっていたら、そこに明るい1色を置くと、顔がはっきりします。
撮るときは、なるべく自然の光の下で撮ってください。室内の照明、とくに黄色っぽい電球の光の下では、茶色やベージュがどれも同じような色に見えやすく、白黒にしたときの差も実際より小さく出ます。昼間の窓際か、外の日陰で撮ると、実際に人から見える明るさに近い写真になります。
明るさを5段で数える
白黒写真を見ながら、明るさを5段で数えてみてください。白を1、明るいベージュや明るい灰色を2、キャメルや中くらいのカーキを3、焦げ茶や深いカーキを4、黒に近い色を5とします。
全身を、首元・胴・脚・足元の4か所に分けて、それぞれ何段かを書き出します。たとえば、首元が3、胴が3、脚が3、足元が4なら、全身でいちばん大きな段差は1段しかありません。これが地味に見える典型的な数字です。
目安として、全身のどこかに、2段以上の差がある場所が1つあると、装いに段差ができます。首元を1か2にすると、首元と胴のあいだに2段前後の差ができて、顔に目が行くようになります。
数字にするのは、自分の目の慣れを外すためです。毎日見ている自分の装いは、目が慣れてしまって、段差の無さに気づきにくいものです。数字で書き出すと、どこが同じ明るさで並んでいるのかが、はっきり見えます。
柄物を着ているときは、柄の中でいちばん面積の大きい色の明るさで数えます。茶色の地に細いベージュの線が入ったチェックなら、茶色の明るさで数えてください。柄の中の明るい色は、遠目には地の色に混ざって見えるので、段差にはなりにくいからです。柄の中の明るい色を段差として使いたいときは、その色が手のひら1枚分くらいの大きさでまとまっている柄を選んでください。
明るい1色を、なぜ顔の横に置くのか
段差を作る場所は、全身のどこでもかまいません。足元を暗くしても、胴に明るい色を入れても、段差は生まれます。ただ、「地味に見える」という悩みを直すなら、顔の横がいちばん効きます。
人の目は、明るさの差がいちばん大きい場所に最初に向かいます。顔の横に明るい色を置くと、その差に引かれて、見る人の目は顔のまわりに来ます。顔に目が来れば、表情が伝わり、印象に残ります。
反対に、足元だけに段差を作ると、目は足元に向かいます。全体は締まって見えますが、顔の印象は変わりません。地味さを直したいなら、目を顔のまわりに呼ぶことが先です。
写真やオンラインの会議では、この差がもっと大きく出ます。画面に映るのは胸から上だけなので、顔の横に段差が無いと、画面いっぱいに同じ明るさの面が広がり、顔がその中に溶けてしまいます。画面越しに人と話す機会が多い人は、とくに顔の横の明るい1色を意識してください。
顔の横とは、あごの下から鎖骨のあたりまでと、耳元です。この範囲に、手のひら1枚分ほどの明るい面があれば、段差としては十分です。全身を明るくする必要はありません。
顔の横に置いた明るい1色は、顔そのものに光を返す役目も持っています。白い紙を顔の下に当てると、あごの下や頬の影が少し薄くなるのが分かるはずです。明るい面が光を跳ね返して、顔を下から照らしているからです。アースカラーの暗めの面が顔の下に来ると、この光の返りがなくなり、顔の下の影が濃く見えます。明るい1色は、段差を作ると同時に、顔を下から明るくする役目もしているのです。
明るい1色の候補
アースカラーの装いに入れる明るい1色は、白か、白に近い明るい色が基本です。候補をいくつか挙げます。
アイボリーは、少し黄みを含んだ柔らかい白です。茶色やキャメルとのつながりがよく、いちばん失敗が少ない候補です。
オフ白は、アイボリーより黄みの少ない白です。カーキやオリーブのような緑みのアースカラーと合わせやすく、すっきりした印象になります。
砂色やごく明るいベージュは、白ほど強くない明るさです。段差は2段ほどになりますが、白だと浮いてしまう人にはこちらが向いています。
明るいグレージュは、灰みと黄みが混ざった明るい色です。灰みの強い肌の人にとって、アースカラーとのつなぎ役になります。
淡い黄色やクリーム色は、茶色の装いに明るさと温かさを同時に足します。ただし色みがあるので、ほかの差し色とは重ねないでください。
どの候補を選ぶかは、次の章で書く、自分の肌の色みによって決まります。
黄みの強い人と、灰みの強い人で、明るい1色は変わる
同じアイボリーでも、顔の横に置いたときになじむ人と、浮く人がいます。分かれ目は、肌の色みが黄みに寄っているか、灰みに寄っているかです。
黄みの強い人、つまり肌に温かさがある人は、少し黄みを含んだ白がなじみます。アイボリー、生成り、クリーム色です。真っ白や青みのある白を置くと、白だけが冷たく浮いて、顔とのあいだに切れ目ができます。
灰みの強い人、つまり肌に柔らかい灰色のニュアンスがある人は、少し灰みを含んだ白がなじみます。オフ白、明るいグレージュ、灰みのある明るいベージュです。黄みの強いアイボリーを置くと、顔が黄ばんで見えることがあります。
自分がどちらか分からないときは、白い紙と、生成りの布か紙を用意して、それぞれをあごの下に当て、1メートル離れて鏡を見てください。肌が明るく見えて、頬の赤みが残るほうが、あなたに合う白です。両方とも同じように見えるなら、あなたはどちらの白でも使える人です。そういう人は、合わせるアースカラーの色みで決めてください。茶色が多いならアイボリー、カーキが多いならオフ白です。
肌の色みは、季節によっても少し変わります。夏に日焼けした肌が冬に向けて戻っていく時期は、黄みが少しずつ弱まっていきます。秋のはじめにちょうど良かったアイボリーが、冬の深まりとともに少し黄色く感じられてきたら、オフ白に寄せてみてください。逆に、冬のあいだずっと灰みの白を使っていて、春が近づいて顔が少し温かく見えてきたら、アイボリーに戻すとなじみます。
明るい1色を置ける場所
顔の横に明るい色を置くといっても、トップスを全部白にする必要はありません。置ける場所はいくつもあります。
いちばん手軽なのは、インナーです。茶色のニットの下に、アイボリーの薄手のタートルネックや、オフ白のカットソーを着ると、首の付け根に明るい面ができます。見える面積は小さくても、顔のすぐ下なので、効き目は大きいです。
シャツの襟も使えます。キャメルのニットの襟元から白いシャツの襟を出すと、明るい面が顔の真下に来ます。襟は顔を縁取るように開くので、明るさが顔のまわりに広がります。
マフラーやストールは、冬にとくに便利です。焦げ茶のコートに、アイボリーや砂色のマフラーを巻くだけで、顔の横に大きな明るい面ができます。外にいるあいだの顔の印象は、マフラーの色でほとんど決まります。
耳元のアクセサリーも、小さな明るい点になります。白っぽい素材や、明るい色の金属の耳飾りは、面積は小さいですが、顔のすぐ横なので目を呼びます。ほかの場所に明るい色を置けないときの、最後の一手として覚えておいてください。
眼鏡をかけている人は、フレームの色も顔の横の面になります。焦げ茶や黒の太いフレームは、顔の横に暗い線を作るので、アースカラーの装いではさらに段差が減る方向に働くことがあります。明るい茶色やべっこう色、細い金属のフレームにすると、顔の横が少し軽くなります。化粧では、頬と唇に少しだけ明るさのある色を入れると、顔そのものが装いより一段明るく見え、装いとのあいだに段差ができます。服を変えられない日は、こちらで段差を作るのも一つの方法です。
どちらとも取れるとき:明るくすると浮く、しないと沈む
ここまでのやり方を試しても、明るい色を顔の横に置くと浮いて見え、置かないと沈んで見える、という人がいます。どちらにしても落ち着かない、いちばん困る状態です。こういうときの決め方を書いておきます。
**まず、明るさを1段下げます。**白で浮くなら、明るいベージュや明るいグレージュにします。段差は2段から1段半ほどに縮みますが、浮きは減ります。段差が小さくなった分は、置く面積を広げて補います。インナーではなくマフラーにする、襟だけでなく前の開きを少し広げる、といった方法です。
**次に、明るい面の質感を変えます。**同じ白でも、光沢のある白は強く、マットな白や起毛した白は柔らかく見えます。浮くと感じたら、つやの無い白、毛足のある白にしてください。光の跳ね返りが穏やかになって、顔とのつながりがよくなります。
三つ目は、明るい面と顔のあいだに、中くらいの明るさを1つはさむことです。たとえば、白いインナーの上に、キャメルのニットの首元が少し重なるようにする。顔、中くらい、明るい、の順に並ぶと、明るい面がいきなり顔の横に来るのではなく、段階を踏んで現れるので、浮きにくくなります。
それでも決まらないときは、外では明るく、室内では控えめに、と場所で分けてください。外の光は強いので、明るい色が浮きにくく、むしろ顔を持ち上げてくれます。室内の照明の下では、明るい色が強く出やすいので、マフラーを外したあとの首元は、明るいベージュくらいにとどめておくと安心です。
髪の色によっても、明るい1色の浮きやすさは変わります。髪が暗く、黒に近い人は、顔のまわりにすでに強い暗さがあるので、白を置いても段差が大きくなりすぎて、白だけが浮きやすくなります。この場合は、白より明るいベージュや砂色のほうがなじみます。髪を明るい茶色に染めている人は、顔のまわりがもともと明るいので、白を置いても浮きにくく、むしろ白くらいの明るさがないと段差になりません。自分の髪の明るさを5段で数えて、髪と明るい1色のあいだに3段以上の差がつくようなら、明るい1色を1段下げてください。
素材で段差を作る:つや・起毛・目の詰まり
色で段差を作るのがどうしても難しいときは、素材で段差を作る方法もあります。白黒写真で見ると、同じ色でも、素材によって明るさが変わって見えることが分かります。
つやのある素材は、光を返すので、同じ色でも明るく見えます。茶色のサテンのブラウスは、茶色のウールのニットより、白黒写真で1段ほど明るく写ります。
起毛した素材は、表面で光が散るので、柔らかく、少し白っぽく見えます。キャメルの起毛したコートは、平らなキャメルのコートより明るく見えます。
目の詰まった素材は、光をあまり返さないので、同じ色でも少し暗く見えます。目の詰まったウールのパンツは、ざっくりしたニットより暗く写ります。
この性質を使って、首元につやのある素材、脚に目の詰まった素材を置くと、同じ茶色どうしでも、上から下に向かって段差ができます。色を増やさずに地味さを和らげたい人には、この方法が向いています。
具体的な組み合わせで考えてみます。キャメルの装いなら、首元にキャメルのとろみのあるブラウス、胴にキャメルの起毛したカーディガン、脚に焦げ茶の目の詰まったパンツ。色はほぼ茶色だけですが、白黒写真で見ると、首元がいちばん明るく、脚がいちばん暗く写ります。カーキの装いなら、首元に艶のあるカーキのシャツ、脚に目の詰まったカーキのパンツ。同じカーキでも、上下で明るさの違う面になります。素材の段差は色の段差より穏やかなので、仕事の日のように段差を控えめにしたい日に特に使いやすい方法です。
差し色を足すなら、緑か赤みのどちらか1つ
段差ができて、それでもまだ物足りないと感じたら、差し色を足してもかまいません。ただし、順番は必ず段差が先、差し色はあとです。段差の無いまま差し色を入れると、色の話だけが増えて、全体がちぐはぐになります。
アースカラーの装いに合わせやすい差し色は、大きく二つの方向です。一つは深い緑。モスグリーンや深い森のような緑は、茶色やカーキと同じ自然の色なので、なじみながらも変化をつけてくれます。緑の合わせ方は、モスグリーンに合う色でも詳しく書いています。
もう一つは、赤みのある色です。えんじ、テラコッタ、くすんだ赤など、茶色に赤みを足したような色です。顔の近くに置くと、頬の赤みとつながって、血色がよく見えます。
この二つを両方入れると、色の数が多くなりすぎます。差し色は1つに絞ってください。迷ったら、顔の近くに置くなら赤み、足元やバッグに置くなら緑、と覚えておくと選びやすくなります。
差し色の面積は、明るい1色よりも小さくしてください。明るい1色が手のひら1枚分なら、差し色はその半分ほどが目安です。差し色のほうが大きくなると、目は差し色に向かい、せっかく顔の横に作った段差が目立たなくなります。差し色は、段差を作るためではなく、装いに少しの変化を足すためのもの、と考えておくと、量を間違えにくくなります。
茶・カーキ・ベージュの3色で組む順番
アースカラーの代表的な3色、茶色・カーキ・ベージュで組むときの、段差を意識した順番を書いておきます。
まず、いちばん暗い色を1つ決めます。この3色なら、多くの場合、茶色かカーキのどちらかです。いちばん暗い色は、足元か脚に置きます。
次に、いちばん明るい色を1つ決めます。この3色ならベージュですが、ベージュだけでは段差が足りないことが多いので、ここで明るい1色(アイボリーやオフ白)を加えます。この明るい色は、顔の横に置きます。
残った中くらいの色を、胴に置きます。
この順に並べると、上から、明るい、中くらい、暗い、と自然に段差ができます。白黒写真で見ると、首元が1か2、胴が3、脚や足元が4、という並びになります。これが、地味に見えないアースカラーの基本の並びです。
逆に、上を暗く、下を明るくする組み方もあります。焦げ茶のニットに、ベージュのパンツ、といった組み方です。この場合も、首元にだけは明るい1色を入れてください。上が暗いと、顔のすぐ下が暗い面になり、顔が沈みやすいからです。
実際の組み合わせを二つ挙げておきます。一つ目は、アイボリーのシャツに、キャメルのニットを重ね、焦げ茶のパンツと焦げ茶の靴を合わせる組み方です。首元が1、胴が3、脚と足元が4で、上から下へ段差がきれいに並びます。二つ目は、オフ白の薄手のタートルネックに、カーキのジャケット、ベージュのパンツ、焦げ茶の靴を合わせる組み方です。首元が1、胴が3、脚が2、足元が4で、脚が少し明るくなる分、全体が軽く見えます。どちらも、首元の明るい1色を外すと、とたんに地味に戻るので、試すときは明るい1色をつけた場合と外した場合の両方を白黒写真で撮って比べてみてください。
コートを着た冬の全身
冬になってコートを着ると、外から見える面の大半はコートになります。アースカラーのコートを着る日は、コートと顔のあいだに、明るい1色が来るかどうかがすべてです。
キャメルのコート、焦げ茶のコート、カーキのコートは、どれも中くらいから暗めの明るさです。前を閉めて着ると、顔のすぐ下まで同じ明るさが続きます。ここでマフラーが役に立ちます。アイボリーや砂色、明るいグレージュのマフラーを巻くと、顔の横に大きな明るい面ができて、コートの色が何であっても、顔は沈みません。
マフラーを巻かない日は、コートの襟元からインナーが見えるようにしてください。コートの前を一つだけ開ける、ボタンの無いコートなら少し襟を広げて着る、といった工夫で、首元に明るい面を出せます。
コートの色そのものを選ぶときにも、段差の考え方が使えます。手持ちのボトムスや靴が焦げ茶やカーキの深い色に寄っているなら、コートはキャメルやベージュのように1段明るいものを選ぶと、コートと足元のあいだに段差ができます。反対に、ボトムスが明るいベージュや白に寄っているなら、焦げ茶やカーキのコートにしても、全身の中に段差が残ります。コートを買う前に、手持ちのボトムスの明るさを5段で数えて、コートとのあいだに2段の差がつくかどうかを確かめておくと、冬のあいだ地味に悩むことが減ります。
キャメルの扱い方については、キャメルが似合う人も参考になります。冬の予定に合わせてアースカラーの深さを変えたい人は、アースカラーが似合う人の冬服で書いています。
仕事の日と休みの日で、段差の量を変える
段差は、多ければ多いほど良いというものではありません。場面によって、ちょうどいい量があります。
仕事の日は、段差を小さめにします。顔の横の明るい1色は、襟元から3センチほど見える程度に絞り、全体は中くらいの明るさでまとめます。落ち着いた印象を保ちながら、顔だけは沈まない、という状態です。
仕事の日に段差を小さめにするといっても、段差をなくすわけではありません。目安として、首元と胴のあいだに1段半ほどの差を残してください。白いシャツの襟が少し見えるだけでも、この差はできます。会議や面談のように、正面から顔を見られる時間が長い日は、襟の見える量を少し増やすと、表情が伝わりやすくなります。
休みの日は、段差を大きめにしてかまいません。アイボリーのニットを1枚で着る、白いマフラーを大きく巻く、といった、顔のまわりの明るい面を広く取る組み方ができます。段差が大きいほど、明るく、軽やかな印象になります。
人と会う予定がある日は、その中間です。ただし、人数の多い集まりでは、少し段差を大きめにしておくと、離れた位置からでも顔が見つけてもらいやすくなります。顔の横の明るい面を手のひら1枚分ほどにして、差し色を1つ足すと、地味にも派手にもならない、ちょうどいい加減になります。
よくあるつまずき
アースカラーの地味さを直そうとして、よく起こるつまずきをいくつか挙げておきます。
一つ目は、差し色から入ってしまうことです。地味さを直そうとして、鮮やかな色の小物を足すと、その小物だけが浮いて、全体はかえってまとまりがなくなります。段差を作るのが先です。
二つ目は、全身を明るくしてしまうことです。地味さを直そうとして、ベージュのニット、ベージュのパンツ、ベージュのコートと、明るい色で揃えると、今度は明るい側で段差が無くなります。明るい色を増やすのではなく、明るい色と暗い色の差を作ることが大事です。
三つ目は、明るい1色を顔から遠くに置いてしまうことです。白いスニーカーやベージュのバッグで段差を作っても、顔の印象は変わりません。地味さを直したいなら、明るい色は顔の横に置いてください。
四つ目は、白の色みを合わせていないことです。黄みの強い人が真っ白を、灰みの強い人が黄色っぽい生成りを顔の横に置くと、段差はできても、顔とのつながりが切れてしまいます。
五つ目は、明るい1色の面積を大きくしすぎることです。白いニットを一枚で着るのは、休みの日なら軽やかで良いのですが、アースカラーの装いの中では、白の面が大きすぎて、ほかの色が全部沈んで見えることがあります。明るい1色は、顔の横に手のひら1枚分あれば十分です。それより大きくしたいときは、白ではなく明るいベージュにして、強さを抑えてください。
手持ちで試す順番
最後に、手持ちの服で試す順番をまとめておきます。
- いつものアースカラーの装いで全身を撮り、白黒に変換します
- 首元・胴・脚・足元の4か所の明るさを、5段で書き出します
- 2段以上の差がある場所が無ければ、首元に明るい1色を置くと決めます
- 白い紙と生成りの紙をあごの下に当てて、自分に合う白の色みを確かめます
- 手持ちの中から、その色みの白か明るい色のインナー、シャツ、マフラーを探します
- 首元に置いて、もう一度白黒写真を撮り、首元と胴のあいだに段差ができているかを確かめます
- 浮いて見えたら、明るさを1段下げるか、素材をマットなものに変えます
ここまでで、手持ちのアースカラーのまま、地味さはかなり和らぎます。新しく一枚足すなら、自分の色みに合った白の薄手のタートルネックか、アイボリーや砂色のマフラーをおすすめします。どのアースカラーの装いにも、顔の横の明るい1色として使えるからです。
アースカラーは、落ち着いた印象を作るのにとても向いた色です。地味に見えるのは、色を選び間違えたからではなく、段差が1つ足りなかっただけです。顔の横に明るい色を1つ置くことを覚えておけば、秋冬のアースカラーは、ずっと頼れる色になります。
よくある問い
- Q. アースカラーは似合うと言われたのに、着ると地味に見えます
- 似合っているかどうかと、地味に見えるかどうかは別の問題です。アースカラーは土や葉や砂の色なので、組み合わせると明るさが中くらいに集まりやすく、全身の段差が少なくなります。段差が少ないと、落ち着いた印象を通りこして、のっぺりとした印象になります。色を変える必要はありません。顔の横に1か所だけ、アイボリーやオフ白のような明るい色を置いてください。それだけで全身の中に段差ができ、顔に目が行くようになります。
- Q. 明るい色を顔の横に置くと、顔が浮いて見えます
- 明るい色そのものではなく、選んだ白の色みと明るさが合っていない可能性があります。黄みの強い人が真っ白を置くと、白だけが冷たく浮きます。灰みの強い人が黄色っぽい生成りを置くと、顔が黄ばんで見えます。まずは白の色みを自分に合わせてください。それでも浮くなら、明るさを1段下げます。白ではなく、明るいベージュや明るいグレージュにすると、段差は残しつつ浮きにくくなります。
- Q. 差し色を入れたほうがいいのでしょうか
- 段差が足りないときに、色みの強い差し色を入れると、段差ではなく色に目が行くので、かえって全体がちぐはぐに見えることがあります。まずは明るさの段差を作るのが先です。段差ができて、それでも物足りないと感じたら、差し色を1つだけ足してください。アースカラーに合わせやすいのは、深い緑か、赤みのある色(えんじ・テラコッタ・くすんだ赤)のどちらかです。両方を入れると、色の話が増えすぎるので、1つに絞ります。
- Q. 仕事の日は地味なくらいがちょうどいいのですが
- 仕事の日は段差を小さめにしてかまいません。ただし、段差がまったく無いと、顔の印象が弱くなって、話しているときに表情が伝わりにくくなります。仕事の日は、顔の横の明るい1色を、襟元の3センチほどの見え方に絞ってください。白いシャツの襟が少し出る、明るいインナーが首の付け根に少し見える、といった程度です。これなら全体は落ち着いたまま、顔だけは沈みません。
— メグラシ編集部





