オールブラックが似合う人|冬の黒×黒は3か所の黒の差で決める

**黒は似合うと言われるのに、全身を黒でまとめると急に重く見える。**その原因は、あなたが黒に負けているからではなく、黒の面がひとつにつながってしまうことにあります。
オールブラックが似合うかどうかは、黒が似合うかどうかとは別の物差しで決まります。分かれ目は、首元・胴・足元の3か所に置いた黒が、互いにどれくらい違って見えるかです。違いが十分にあれば、黒だけでも体の形が分かれて見え、顔が先に目に入ります。違いがなければ、黒が一枚の大きな影になり、顔が小さく沈みます。
この記事では、自分にはいくつの差が要るのかを鏡で測る手順と、差の付け方を4つ、どちらとも取れるときの決め方、冬のコートを重ねたときの組み方までを書きます。新しい黒を買い足す前に、手持ちの黒を並べ直すところから始めてください。
結論:オールブラックが似合うかは、黒同士の差の数で決まる
先に結論を書きます。オールブラックが似合う人とは、黒を重ねたときに、自分に必要な数の差を黒の中に作れている人です。必要な差の数は、顔立ちと髪の色でおおよそ決まります。
| あなたの顔まわり | 必要な差の目安 | 足りないときに起きること |
|---|---|---|
| 黒髪で、顔立ちの線がはっきりしている | 3か所のうち2か所 | 服が先に目に入り、きつく見える |
| 髪か瞳の色がやや柔らかい | 3か所すべて | 顔が沈み、疲れて見える |
| 髪が明るく、顔立ちも柔らかい | 3か所すべてと、肌を1か所 | 服だけが浮いて、着せられて見える |
この表は答えではありません。どの行に近いかを自分で確かめるための軸です。確かめ方は、このあと書く鏡の手順で測ります。
覚えておくのは、オールブラックは黒の数ではなく、黒の違いの数で組むということです。
重く見える正体は「黒の面がひとつになること」
黒い服が重く見えるとき、そこで起きているのは、首から足元までの黒が一枚の面として見えることです。
人の目は、色の違うところに境目を見つけて、そこから形を読みます。白いシャツに紺のパンツなら、腰のところに境目があるので、上半身と下半身の長さや、ウエストの位置が読めます。ところが、上下とも同じ質の黒だと、その境目がなくなります。体の形が読めないので、目は全体をひとつの暗い塊として受け取ります。
暗い塊は、実際の大きさより重く、近く見えます。その塊の上に顔が乗ると、顔は塊に比べて小さく、遠くに見えます。これが、オールブラックで顔が沈む理由です。
だから、直し方は黒を減らすことではありません。黒の中に境目を作ることです。境目さえあれば、目は形を読み、塊として受け取らなくなります。境目は、色を変えなくても、黒の質を変えるだけで作れます。
まず手持ちの黒を並べる
差を付ける前に、手持ちの黒を全部出して並べてください。床か大きな机の上に、トップス・ボトム・アウター・靴・鞄・タイツやソックスを、すべて黒だけ集めます。
並べたら、昼の窓際の光で、次の4つを見ます。
- 光を返すものと、返さないもの。表面に光が乗るものと、光を吸うものに分けます
- 毛羽立っているものと、平らなもの。手のひらでなでて、毛の方向があるものを分けます
- 透けるものと、透けないもの。手を裏に入れて、指の形が見えるものを分けます
- 黒の色み。並べたときに、青く見える黒、茶色く見える黒、灰色っぽく見える黒に分けます
この4つの分け方で、手持ちの黒が何種類あるかが分かります。同じ箱に入るものばかりだと、全身黒にしたときに差が作れません。違う箱に入るものが3つ以上あれば、買い足さなくてもオールブラックは組めます。
自分にいくつ差が要るかを測る
次に、自分に必要な差の数を測ります。手順は簡単です。
- 手持ちの中で、いちばん同じ質に見える黒のトップスとボトムを着ます。艶もなく、毛羽もなく、色みもそろったものを選んでください
- 全身が映る鏡から2m離れて立ちます。2m取れない場合は、スマートフォンで全身を撮って、画面を腕を伸ばした距離で見ます
- 目を閉じて、開けた瞬間に、最初に目に入ったものを覚えます
最初に顔が目に入ったなら、あなたは差が少なくても黒に負けない人です。差は2か所で足ります。最初に服の黒が目に入ったなら、差が足りていません。3か所すべてで質を変えてください。服の黒が目に入ったうえに、顔が暗く見えたなら、3か所の差に加えて、肌の見える場所を1か所足す必要があります。
この測り方は、何度かやると判断がぶれなくなります。最初は家族や友人に、写真を見せて「最初にどこを見たか」を聞いてみるのも確かです。
3か所の黒を決める|首元・胴・足元
差を付ける場所は、首元・胴・足元の3か所です。それぞれに役目があります。
首元は、顔にいちばん近い黒です。ここの黒が顔に影を落とすかどうかで、顔の明るさが決まります。首元の黒は、3か所の中でいちばん軽く見えるものを選んでください。艶のある黒、透ける黒、首が見える開き方の黒が向きます。
胴は、面積がいちばん大きい黒です。ここが全身の印象の土台になります。胴の黒は、平らでマットなもの、またはウールのように落ち着いた質のものが向きます。冬はここにコートが重なるので、コートの質もあわせて考えます。
足元は、全身の黒を地面に下ろす場所です。ここの黒が重いと全身が落ち着き、軽いと全身が浮きます。足元の黒は、胴と違う質にしてください。胴がマットなら足元は艶のある革、胴が起毛なら足元は平らな革、といった具合です。
3か所の黒がすべて違う質になれば、黒だけでも上から下へ形が分かれて見えます。2か所で足りる人は、首元と胴、または胴と足元のどちらかで差を付けます。迷ったら首元と胴を先に変えてください。顔に近いほうから効きます。
3か所の役目は、毎日同じでなくても構いません。今日は首元を艶にして胴をマットにした、明日は胴を起毛にして足元を平らな革にした、というように、役目の割り振りを日によって入れ替えると、同じ手持ちの黒でも違う印象の日が作れます。大切なのは、どの日も3か所のうち必要な数だけ違う質が並んでいることです。どこを変えるかは、その日の気分と予定で選んでください。
差の付け方1|艶とマット
いちばん効く差は、艶とマットです。光を返す黒と、光を吸う黒を隣に置くと、同じ黒でも明るさが違って見えます。
艶のある黒には、サテンのような光沢のあるブラウス、薄く光を返す化学繊維のシャツ、革や合成皮革のスカートや靴があります。マットな黒には、綿のニット、ウールのパンツ、毛羽の少ない厚手の布があります。
組み方の基本は、顔に近いほうを艶、遠いほうをマットにすることです。艶は光を顔に返すので、首元に置くと顔が明るくなります。逆に、首元をマットにして胴を艶にすると、顔の下が暗く、胴だけが光って、重心が下がって見えます。
ただし、黒髪で顔立ちのはっきりした人は、逆にしても崩れにくい人です。首元をマットな黒のタートルネックにして、スカートを艶のある黒にしても、顔の強さが黒に負けません。逆にした組み方は、きりっとした印象を出したい日に向きます。
差の付け方2|起毛と平らな面
冬に使いやすいのが、起毛と平らな面の差です。起毛の黒は、毛先に光が散るので、実際より少し明るく、柔らかく見えます。平らな黒は、光をまとめて吸うので、深く締まって見えます。
起毛の黒には、毛足のあるニット、ベロアやスエードのような布、起毛したウールのコートがあります。平らな黒には、目の詰まった綿、表面のなめらかなウール、なめらかな革があります。
組み方は、柔らかく見せたいところを起毛に、締めたいところを平らにします。たとえば、上を毛足のある黒いニットにして、下をなめらかな黒いパンツにすると、上半身はふんわり、脚はすっきり見えます。逆に、上を平らな黒のシャツにして、下を起毛の黒いスカートにすると、上半身が締まり、下に柔らかさが出ます。
体の線が直線的な人は、平らな面を胴に置くと体の形がきれいに出ます。体の線が柔らかい人は、起毛を胴に置くと、黒の重さが和らぎます。どちらに置くか迷ったら、自分の体で重く見えやすい場所に起毛を置いてください。起毛は面を柔らかくするので、重さを打ち消す方向に働きます。
差の付け方3|透けと詰まり
透ける黒は、下の肌の色がわずかに見えるので、黒の中でいちばん軽く見えます。詰まった黒は、肌を完全に隠すので、いちばん重く見えます。
透ける黒には、薄手のニット、シフォンのブラウス、薄い黒のタイツがあります。詰まった黒には、厚手のニット、目の詰まった布のパンツ、厚い黒のタイツがあります。
いちばん手軽な差は、タイツの濃さです。全身黒の日に、厚い黒のタイツを合わせると足元まで一つの面になり、全身が重くなります。薄い黒のタイツに変えるだけで、脚に肌の色が透けて、足元に境目ができます。目安は、ふくらはぎの内側で肌の色がうっすら見えるくらいです。
首元に透ける黒を置くのも効きます。薄手の黒のハイネックを着て、その上に厚手の黒のニットのベストやカーディガンを重ねると、首元だけが軽く透けて見え、顔に影が落ちにくくなります。
差の付け方4|黒の色み|青い黒・茶色い黒・灰の黒
黒にも色みがあります。並べるとすぐ分かりますが、一枚だけで見ているとなかなか気づきません。
青い黒は、光の下で紺に近く見える黒です。冷たく、くっきりした印象になります。茶色い黒は、光の下で焦げ茶に近く見える黒です。温かく、柔らかい印象になります。灰の黒は、何度も洗った黒や、もともと灰色が混ざった黒で、軽く、落ち着いた印象になります。
色みの違う黒を重ねると、同じ質の素材でも境目ができます。たとえば、青い黒のニットに茶色い黒のパンツを合わせると、腰のところで色が切り替わるので、上下が分かれて見えます。
顔の近くに置く黒の色みは、肌に合わせてください。肌に青みのある人は青い黒を首元に、肌に黄みのある人は茶色い黒を首元に置くと、顔の色が澄んで見えます。自分の肌がどちらか分からないときは、手持ちの青い黒と茶色い黒を顔の下に交互に当て、頬の赤みが残るほうを選びます。
どちらとも取れるときの決め方
鏡の手順で測っても、顔が先に目に入ったのか、服が先に目に入ったのか、はっきりしないことがあります。あるいは、日によって答えが変わることもあります。そのときは次の順に決めてください。
1. その日の顔の状態で決める
寝不足や疲れのある日は、顔の明るさが落ちています。こういう日は、同じ人でも黒に負けやすくなります。普段は2か所の差で足りる人も、顔が疲れている日は3か所に増やしてください。逆に、化粧をしっかりした日や、よく眠れた日は、差を減らしても崩れません。服の組み方を固定せず、その日の顔で増やしたり減らしたりする、と考えると判断が楽になります。
2. 髪のまとめ方で決める
髪を下ろしているか、まとめているかでも、必要な差は変わります。黒髪を下ろすと、髪が首元の黒とつながり、顔のまわりの黒の面が広がります。このときは首元を艶か透けにして、髪と服の境目を作ってください。髪をまとめると首が見えるので、首元の黒が詰まっていても顔は沈みにくくなります。
3. 照明で決める
昼の外では、黒の質の違いがよく見えます。夜の室内、特に暗めの照明の下では、質の違いが見えにくくなり、黒が一つの面に戻りやすくなります。夜に全身黒で出かける日は、昼より差を1つ増やすか、首元に金属や白い光を1点足して、暗い中でも境目が見えるようにしてください。
4. それでも決まらないとき
最後は、写真で決めます。同じ組み方で、首元だけを変えた写真を2枚撮ります。1枚は首元が詰まった黒、もう1枚は首元が開いた黒か艶のある黒。2枚を並べて、顔が明るく見えるほうを選んでください。写真では目の前の印象より差がはっきり出るので、鏡で迷ったときの確かめ方として向いています。
この4つで決まらなかった人は、差を3か所に増やしておくのが安全です。差は多くても崩れませんが、足りないと顔が沈みます。
5. 体の線で決める
顔ではなく、体の線で差の置き場所を決める方法もあります。上半身に厚みがある人は、胴の黒を平らでマットなものにして、首元に艶か透けを置くと、上半身がすっきり見えます。下半身に重さを感じやすい人は、胴に艶か起毛を置いて目線を上に集め、足元はなめらかで細身の黒にします。骨や関節がしっかりしている人は、どの場所にも表情のある黒を使ってかまいません。ざっくりした起毛と、なめらかな革を組み合わせると、体の大きさと黒の重さが釣り合います。
6. 年代で決める
年齢を重ねると、肌の明るさが少しずつ落ち、髪にも白いものが混ざってきます。そうなると、若い頃と同じ組み方でも、黒に顔が負けやすくなります。目安としては、以前より差を1つ増やしてください。首元の黒を詰まったものから開いたものへ、厚い黒のタイツを薄いものへ、どちらか一つで足ります。白髪が増えてきた人は、髪と黒の間に差がはっきりできるので、それ自体が顔まわりの境目になります。髪を染めずにいる人ほど、オールブラックは似合いやすくなることがあります。
7. 自分の答えを記録しておく
差の数が決まったら、その日の組み方を写真に撮って残しておいてください。何枚か撮りためると、自分にとってどの差がいちばん効くのかが見えてきます。艶の差がよく効く人もいれば、透けの差のほうが効く人もいます。自分に効く差が分かれば、次に黒を買うときに、どの箱のものを足せばよいかが決まります。
肌が見える場所を1か所つくる
黒の差だけでは足りない人は、肌の見える場所を1か所足してください。肌が見えると、黒の面の中に明るい色が入り、その前後で黒が分かれて見えます。
冬に肌を見せやすい場所は3つあります。首元、手首、足首です。
首元は、Vネックや浅い丸首で、鎖骨が少し見えるくらいに開けます。顔のすぐ下に肌が入るので、顔の明るさが上がります。手首は、袖を一度折り返すか、袖口の短いニットを選んで、手首の骨が見えるようにします。足首は、くるぶしが見える丈のパンツに、低い靴を合わせます。
見せる肌の量は、思っているより少なくて構いません。首元なら指2本分、手首なら腕時計1本分、足首ならくるぶしが隠れるか隠れないかの境目くらいです。その小さな明るさがあるだけで、黒の面が途中で切れ、目はそこを境目として読み取ります。寒さが気になる日は、肌の代わりに、肌に近い明るさの薄いインナーやタイツを見せても同じ働きをします。
3か所のうち、どこか1か所で足ります。全部見せると、冬の装いとしては寒々しく見えるので、1か所に絞ってください。迷ったら首元から試すと、顔への効き方がいちばん分かりやすいです。
冬のコートを重ねたときの黒×黒
冬は、オールブラックの上にさらに黒いコートが重なります。コートは面積が大きいので、ここで差がなくなると、せっかく作った首元・胴・足元の差がすべて隠れてしまいます。
黒いコートを着る日は、コートの質と、中の服の質を変えてください。コートが起毛のウールなら、中は平らな黒か艶のある黒に。コートがなめらかな化学繊維なら、中は起毛のニットに。前を開けて着ると、コートと中の服の境目が縦に2本できるので、体が細長く見え、重さが和らぎます。
前を閉じて着る日は、コートの襟で首元の差を作ります。襟の大きいコートなら、襟の内側に艶のある黒か、透ける黒のハイネックを見せます。襟の小さいコートなら、黒以外のマフラーを1本足すのが手軽です。黒を貫きたい日は、マフラーを起毛か毛足の長い黒にして、コートとの質の差を出します。
黒いコートの選び方そのものは、ネイビーのコートが似合う人で紺と黒の比べ方も書いています。黒のコートが重いと感じたら、紺を一度試してみるのも一つの道です。
黒いダウンを重ねる日
黒いダウンは、表面に光を返す素材が多く、縫い目ごとにふくらみの影ができるので、それ自体に艶と凹凸の差を持っています。そのため、中の服はマットで平らな黒を選ぶと、ダウンとの差がはっきりします。中にも艶のある黒を合わせると、全身が光って見え、黒の面がまた一つにつながります。ダウンは丈によって体の見え方が大きく変わるので、短い丈なら下を細身の黒にして縦の線を出し、長い丈なら前を開けて中の服を縦に見せてください。
黒い帽子・手袋・マフラーを足す日
冬の小物まで黒でそろえると、オールブラックの印象はいちばん強くなります。そのぶん、小物の質の差が大切になります。帽子は顔のすぐ上に来るので、首元と同じく軽い黒にしてください。毛足のある黒や、目の粗い編みの黒なら、顔の上に重い影ができません。手袋はなめらかな革の黒にすると、コートの起毛との差が手元に出ます。マフラーは首元の役目を兼ねるので、ここまでに決めた首元の黒と同じ考え方で選びます。小物が全部同じ質の黒だと、顔のまわりを黒が囲んで、顔が小さく沈んで見えます。帽子・マフラー・手袋のうち、少なくとも一つは他と違う質にしてください。
黒いブーツで足元を締める日
冬の足元は、ブーツで黒の面が大きくなります。ブーツの黒とパンツやタイツの黒が同じ質だと、脚全体が一本の黒い柱のように見えます。なめらかな革のブーツなら、タイツは薄手に、スエードのような起毛のブーツなら、タイツは少し厚手でも構いません。ブーツの履き口とスカートの裾の間に、透けるタイツが少しでも見えていれば、そこが境目になって、足元が軽く見えます。
場面別:仕事・集まり・弔事との分け方
オールブラックは、場面によって受け取られ方が変わります。同じ黒でも、どこに差を置くかで、場面にふさわしい黒になります。
仕事の日は、きちんと見えることが先に来ます。マットな黒を胴に置き、首元に艶のある黒のブラウスか、白いシャツの襟を少しだけ見せる組み方が向きます。足元はなめらかな革の靴にして、胴との質の差を出します。全身黒でも、首元と足元に差があれば、重さよりきちんとした印象が残ります。
集まりや食事の日は、少し華やかさを足してよい日です。艶のある黒を胴に置いて、首元を開け、小さな金属の光を足します。夜の照明の下では艶が強く光るので、胴の艶は控えめなものを選んでください。強すぎる艶は、照明の下で服だけが目立ちます。
弔事の日は、ここまでと反対です。艶のない黒で上下をそろえ、首元を詰め、差を付けないのが決まりごとです。この日の黒は、似合うかどうかではなく、場にふさわしいかで選ぶ黒なので、この記事の差の付け方は使わないでください。逆に言えば、普段のオールブラックが弔事の装いに見えないようにするには、差を1つ入れればよい、ということです。
オールブラックが向かない日と、逃がし方
どうしても黒が重く見える日があります。顔色がすぐれない日、肌が乾燥している日、髪をまとめられない日。こういう日は、オールブラックをやめて、黒の中に1色だけ別の色を入れてください。
逃がし方は2つです。1つは、首元だけ黒以外にすることです。白、灰色、紺、またはベージュのタートルネックやマフラーを顔のすぐ下に置き、首から下は黒のままにします。全身黒の印象はほとんど変わらず、顔だけが明るくなります。
もう1つは、足元だけ黒以外にすることです。灰色のタイツ、茶色の靴、白いスニーカーなど、足元に別の色を置くと、全身の黒の塊が地面から切り離され、軽く見えます。顔を変えたくない日、たとえば化粧はうまくいったけれど全身が重い日は、足元から逃がすほうが向きます。
黒が似合うかどうかそのものに迷いがある人は、黒が似合う人は7項目中6つで分かるの記事で一度確かめてから、この記事の差の付け方に戻ってきてください。
黒の差を保つ手入れと、よくあるつまずき
黒の差は、買ったときに付いているだけでは続きません。洗い方や着る回数で、艶は鈍り、起毛は寝て、青い黒は灰の黒に近づいていきます。差が消えると、手持ちの黒がだんだん同じ質に寄っていき、ある冬に急にオールブラックが重く見えるようになります。ここでは、差を保つための手入れと、よくあるつまずきの直し方を書きます。
洗うたびに黒が灰に寄っていく
黒い服は、洗うたびに表面の色が少しずつ抜けていきます。特に綿のニットやスウェットは、数回洗うと灰の黒に近づきます。これは悪いことばかりではありません。灰の黒は、新しい黒と並べると明るく見えるので、それ自体が一つの差になります。色が抜けてきた黒は捨てずに、新しい黒と組み合わせる役に回してください。たとえば、色の抜けた黒のスウェットに、新しい深い黒のパンツを合わせると、上下で自然に差ができます。
色を保ちたい黒は、裏返して洗い、日の当たらない場所で干すと、抜け方がゆっくりになります。洗う回数を減らすために、肌に直接触れる場所には薄いインナーを1枚挟むのも効きます。
起毛の黒が寝てしまい、平らな黒と区別がつかない
起毛のニットやコートは、着ているうちに毛が寝て、表面が平らに近づきます。そうなると、平らな黒と並べても差が出にくくなります。着たあとに、柔らかいブラシで毛の流れに逆らって軽くなでると、毛が立ち上がって表情が戻ります。肘や腰など、こすれやすい場所は特に寝やすいので、そこだけでもブラシをかけてください。
艶の黒が鈍って、マットな黒に近づく
艶のあるブラウスや合成皮革のスカートは、こすれや汚れで艶が鈍っていきます。鈍った艶は、マットな黒と組んでも差が出ず、むしろ古びた印象になります。艶のある黒は、首元や胴の外側など目立つ場所に使うことが多いので、鈍ってきたら役目を替えてください。インナーとして中に着る、またはマットな黒の役として使う。新しい艶の黒を一枚だけ足せば、全体の差は戻ります。
黒を重ねると毛玉やほこりが目立つ
黒は、白い毛玉やほこりがいちばん目立つ色です。オールブラックの日は、黒の面が大きいぶん、小さな白い点でも全体の印象を崩します。出かける前に、全身を鏡で見て、肩と袖と膝のあたりだけでも粘着ローラーをかけてください。起毛の黒と平らな黒を重ねる日は、起毛の毛が平らな黒に移りやすいので、平らなほうを念入りに見ます。
黒の服ばかり増えて、何を着ても同じに見える
黒を買い足すたびに、似た質のものを選んでいないか見直してください。手持ちの黒を艶・起毛・透け・色みの4つで分けたときに、同じ箱にばかり入っているなら、次に買う黒は空いている箱のものにします。オールブラックを楽しむための買い足しは、黒の数を増やすことではなく、黒の種類を増やすことです。
手持ちの黒で組んでみる順番
最後に、手持ちの黒で実際に組むときの順番をまとめます。
- 手持ちの黒を全部出し、艶・起毛・透け・色みの4つで分ける
- 鏡から2m離れて、同じ質の黒で全身をまとめたときに、顔と服のどちらが先に目に入るかを見る
- 顔が先なら2か所、服が先なら3か所、顔が暗いなら3か所と肌1か所の差を作る
- 首元は軽い黒、胴は土台の黒、足元は胴と違う黒にする
- コートを重ねる日は、コートと中の服の質を変える
- 迷った日は、差を増やす。足りないより多いほうが崩れない
順番の中でいちばん大事なのは、2番目の測り方です。ここを飛ばして差の付け方だけを真似すると、自分に必要な差より多すぎたり少なすぎたりして、組み方が安定しません。差が多すぎると、黒の中に境目が増えすぎて、全身がこま切れに見えます。少なすぎると、これまで通り黒が一つの面に戻ります。必要な数だけ差を置くために、最初の一回は必ず鏡から2m離れて確かめてください。
また、手持ちの黒が少ない人は、3か所の役目を兼ねさせる工夫もできます。たとえば、艶のある黒のブラウスを首元と胴の両方に見せて、足元だけを起毛のブーツにする。黒が2枚しかなくても、首元から胴にかけての艶と、足元の起毛で、上下の差は作れます。黒の数が少ないことは、オールブラックをあきらめる理由にはなりません。
最初の一着を足すなら、首元に置く軽い黒をおすすめします。艶のある薄手のブラウスか、透ける薄手のハイネックです。首元が軽くなるだけで、手持ちの重い黒がすべて胴と足元の役に回せるようになり、組み合わせの数が一気に増えます。
オールブラックは、黒を足していく装いではなく、黒の違いを並べていく装いです。手持ちの黒が何種類あるかが分かれば、新しく買わなくても、冬の黒×黒は組めます。
よくある問い
- Q. 黒が似合わないと言われた人は、オールブラックをやめたほうがいいですか
- やめる必要はありませんが、顔のすぐ下だけは黒以外にするか、黒の中でも明るく見える素材を選んでください。黒が苦手な人がつまずくのは、顔のすぐ下の黒が影を強くするところです。そこを白いシャツの襟や、透ける薄手の黒、光を返す艶のある黒に変えれば、首から下は黒でまとめても顔は沈みにくくなります。全身黒という印象は、胴と足元が黒であれば十分に残ります。
- Q. 黒の差を付けるとき、何か所変えれば足りますか
- まず3か所のうち2か所で質を変えてください。首元と胴、または胴と足元のどちらかです。鏡から2m離れて、顔が先に目に入れば足りています。服の黒が先に目に入るなら、もう1か所変えるか、肌の見える場所を1つ足します。顔立ちがはっきりしている人や黒髪の人は2か所で足りることが多く、髪や瞳の色が柔らかい人は3か所変えて、さらに肌を少し見せたほうが軽く見えやすい傾向があります。
- Q. 仕事の日に全身黒で行くと、喪服のように見えないか心配です
- 喪の装いと分かれるのは、素材の差と、首元の開き方です。喪の服は艶のない黒で上下をそろえ、首元を詰め、装飾を控えます。仕事の日のオールブラックは、その逆をどこか1か所に入れればよいので、たとえば艶のあるブラウスにマットなパンツを合わせる、首元を少し開けて金属の小さな光を足す、足元を起毛の黒にする、といった差を1つ入れてください。それだけで、同じ黒でも場面の違いが伝わります。
— メグラシ編集部





