練り香水をつける場所|誰に届けたいかと、襟と袖口の位置で選ぶ

**練り香水を指先にとる前に、2つだけ決めてください。**その香りを自分だけで楽しみたいですか、それとも隣に座る人まで届けたいですか。そして今日の服の襟と袖口は、肌のどこに触れていますか。
練り香水は、液体の香水より香りの届く距離が短く、顔を寄せたくらいの近さでしか分かりません。だから、どこにつけるかは、体温の高さより先に、誰に届けたいかで決まります。
もうひとつ、秋冬に効くのが服の襟と袖口です。練り香水は油分を含むので、服が触れる場所につけると、香りと一緒に油分が布に移り、しみになることがあります。この記事は、その2つで場所を選びます。
液体の香水のつける場所は香水をつける場所に、量の決め方は香水のつけ方にまとめてあります。ここでは練り香水だけを扱います。
結論:練り香水は、届けたい相手と服の触れ方で場所を選ぶ
届けたい相手を3つに分け、その日の服が触れるかどうかで、選ぶ場所はほぼ決まります。
| 届けたい相手 | 服が触れない日 | 服が触れる日(秋冬の長袖・詰まった襟) |
|---|---|---|
| 自分だけ | 手首の内側、指先 | 肘の内側、手のひらの付け根 |
| 隣に座る人まで | 耳の後ろ、首すじ | 耳の後ろの高い位置、髪の内側 |
| 向かいの人、すれ違う人まで | 鎖骨のくぼみ、襟足 | 襟足(髪をまとめる日)、膝の裏 |
**自分だけなら腕、隣の人までなら耳まわり、向かいの人までなら首から胸元。**秋冬に襟と袖口が肌に触れる日は、それぞれ1段奥か、1段高い場所に移します。
早見表|10か所の、届く相手と服の触れ方
練り香水をつけられる場所を10か所並べ、届く相手と、秋冬の服で触れやすいかどうかを見ました。
| 場所 | 香りが届く相手 | 秋冬の服で触れやすいか | 出先でつけ直せるか |
|---|---|---|---|
| 手首の内側 | 自分 | 長袖の袖口が触れる | できる |
| 指先・手のひら | 自分 | 触れにくい | できる |
| 肘の内側 | 自分、腕を動かすと隣の人 | 長袖の中で布に触れる | 難しい |
| 耳の後ろ | 隣の人 | 高い位置なら触れにくい | できる |
| 首すじ | 隣の人 | 詰まった襟、首に巻くものが触れる | できる |
| 襟足 | 後ろを通る人 | 髪を下ろすと髪に、襟が高いと襟に触れる | 難しい |
| 鎖骨のくぼみ | 向かいの人 | 襟の詰まった服では触れる | 難しい |
| 胸元 | 向かいの人 | 服の内側で布に触れる | 難しい |
| 膝の裏 | 立っていると下から自分と近くの人 | タイツや裏地が触れる | 難しい |
| くるぶし | 歩くと下から立ちのぼる | 靴下やタイツが触れる | 難しい |
秋冬に服が触れにくいのは、指先・手のひらと、耳の後ろの高い位置の2つです。迷ったらこの2つから始めると、しみの心配がありません。
練り香水が、液体の香水と違うところ
場所を選ぶ前に、練り香水の性質を4つだけ押さえておくと、選び方の理由が分かりやすくなります。
| 性質 | 液体の香水 | 練り香水 | つける場所への影響 |
|---|---|---|---|
| 香りが届く距離 | 1m以上届くこともある | 顔を寄せたくらいの近さ | 届けたい相手の近くにつける |
| 香りの広がり方 | ふわっと広がる | つけた場所の近くに留まる | 場所がそのまま香る場所になる |
| 中身 | アルコールに香りを溶かしたもの | 油分やろうに香りを練りこんだもの | 服が触れると布に移る |
| つけ直し | 吹きつけるので場所を選ぶ | 指先でなでるだけ | 出先でさりげなく直せる |
**届く距離が短いので、つけた場所がそのまま「香る場所」になります。**液体の香水のように、体の下のほうにつけて全体を包む使い方は、練り香水では届きにくくなります。
もうひとつの違いは、香りの立ち上がり方です。練り香水は、肌の温かさで表面の油分がゆるみ、そこから香りが少しずつ出てきます。冷えた手首につけた直後はほとんど香らず、数分たって肌になじんでから香り始めることもあります。つけてすぐに香りが弱いと感じても、その場で量を足さずに、5分待ってから確かめてください。
逆に、暖房の効いた部屋や、人の多い電車の中では、肌が温まって香りが急に強く出ることがあります。秋冬は外の冷たさと室内の暖かさの差が大きいので、屋外で控えめに感じた量が、屋内ではちょうどよいことが多いのです。
先に決める①|誰に届けたいか
練り香水を使う理由は人によって違います。自分の気持ちを切り替えたい人もいれば、近くにいる人にほのかに届けたい人もいます。まず、今日はどちらかを決めてください。
| 届けたい相手 | 届く距離の目安 | 向いている日 |
|---|---|---|
| 自分だけ | 手を顔に近づけたとき | 仕事の日、ひとりで過ごす日 |
| 隣に座る人 | 肩が並ぶくらいの近さ | 友人と並んで過ごす日、移動の多い日 |
| 向かいの人、すれ違う人 | 机をはさんだくらいの近さ | 食事以外の約束、街歩き |
**向かいの人まで届けたい日でも、練り香水は液体の香水ほど遠くへは届きません。**それ以上の距離に届けたい日は、液体の香水を選ぶほうが合っています。
先に決める②|その日の襟と袖口が、肌のどこに触れるか
秋冬の服は、夏より襟が詰まり、袖が長くなります。練り香水の油分は、服が触れたところで布に移るので、つける場所は服によって変わります。
着替えたあと、鏡の前で次の5か所を見てください。
| 見るところ | 確かめること | 触れるなら避ける場所 |
|---|---|---|
| 袖口 | 手首の内側に袖口が当たるか | 手首の内側 |
| 襟 | 首すじに襟の内側が当たるか | 首すじ |
| 首に巻くもの | 首まわりを覆うか | 首すじ、鎖骨 |
| 髪 | 下ろした髪が耳の後ろと襟足にかかるか | 耳の後ろの低い位置、襟足 |
| 脚 | タイツや裏地が膝の裏に触れるか | 膝の裏 |
服を着たあとにつける場所を決めて、つけてから3分置いて上着や首に巻くものを足す。この順番にすると、布に移る量がぐっと減ります。
先に決める③|1日のうちに、つけ直せる場面があるか
練り香水は、液体の香水より香りの続く時間が短めのものが多く、長い1日では途中でつけ直すことになります。つけ直せる場面があるかどうかで、朝につける場所も変わります。
| 1日の予定 | 朝つける場所 | つけ直す場所 |
|---|---|---|
| 半日で帰る | 届けたい相手で選んだ1か所 | つけ直さない |
| 1日外にいて、手洗いに寄れる | 届けたい相手で選んだ1か所 | 手首か耳の後ろ |
| 1日外にいて、ほとんど席を立てない | 服の内側の1か所(肘の内側など) | 席で手首にひとなで |
| 夜に予定がある | 昼は手首だけ | 夜の前に耳の後ろ |
つけ直しの場所を、朝と同じ場所にする必要はありません。朝は服の内側、つけ直しは手首と分けると、重ねすぎにならずに済みます。
手首の内側|自分に届く、いちばん手軽な場所
手首の内側は、練り香水でいちばんよく使われる場所です。手を顔に近づけるたびに、自分に香りが届きます。
秋冬は、長袖の袖口が手首に触れるので、つけ方に工夫が要ります。
| 袖の形 | 手首につけてよいか | つけ方 |
|---|---|---|
| 七分袖、袖をまくる日 | よい | 指先でひとなで |
| 手首で止まる長袖 | 少しなら | 手首の骨より肘寄りにつける |
| 手首を覆う長袖、ニットの袖口 | 避けたほうがよい | 肘の内側に移す |
| 手袋をする日 | 屋外では避ける | 手袋を外す場所でつけ直す |
手首につけたあと、両手首をこすり合わせないでください。こすると香りの立ち上がりが変わり、量も左右で偏ります。片方の手首につけたら、もう片方の手首に軽く当てて移すくらいにします。
手首の骨より肘寄りにつけると、袖口が当たる位置から外れます。目安は、手首のしわから指2本ぶん肘のほうへ上がったあたりです。ここなら、手首で止まる長袖でも袖口の縁が触れにくく、手を顔に近づけたときには香りが届きます。腕時計や腕輪をつける日は、その金具や革にも油分が移るので、反対の腕につけてください。
耳の後ろ・首すじ|隣の人まで届く
耳の後ろと首すじは、顔に近く、体温で温まりやすい場所です。隣に座る人や、肩を並べて歩く人に、ほのかに届きます。
| 場所 | 届き方 | 秋冬に気をつけること |
|---|---|---|
| 耳の後ろの高い位置 | 顔のまわりで香る | 髪がかかる日は香りが髪に移る |
| 耳の後ろの低い位置 | 首まわりで香る | 首に巻くものが触れる |
| 首すじの横 | 隣の人に届きやすい | 詰まった襟の内側に移る |
| 首すじの後ろ寄り | 後ろを通る人に | 髪を下ろすと触れる |
タートルネックや首に巻くものの日は、耳の後ろの高い位置にしてください。耳たぶの付け根から指1本ぶん上で、髪の生え際の手前です。ここなら、襟も首に巻くものも届きません。
耳の後ろは、左右どちらか片方だけでも十分です。隣に座る人が決まっている日は、その人の側だけにつけると、向かいや反対側の人にはほとんど届かず、届けたい相手にだけ香ります。電車で並んで座る、車の助手席に乗る、映画館や劇場で隣り合う。どれも隣の人の位置が決まっている場面です。
襟足|髪をまとめる日に、後ろを通る人へ
襟足は、髪をまとめた日にだけ使える場所です。後ろ姿に香りが残り、すれ違ったあとや、後ろの席の人にほのかに届きます。
| 髪の扱い | 襟足につけてよいか | 理由 |
|---|---|---|
| 高い位置でまとめる | よい | 髪も襟も触れない |
| 低い位置でまとめる | 少しなら | 結んだ毛先が触れることがある |
| 下ろす | 避ける | 髪に油分が移る |
| 襟の高い上着を着る | 避ける | 襟の内側に移る |
襟足は自分では香りが分からない場所です。つけすぎていても気づきにくいので、量は指先でひとなでまでにしてください。
鎖骨のくぼみ・胸元|襟の開いた日に、向かいの人へ
鎖骨のくぼみと胸元は、向かいに座る人に届く場所です。体温で温まった香りが、顔のほうへ立ちのぼります。
ただし、襟の開いた服の日にしか使えません。秋冬の詰まった襟の服では、布に覆われて香りが外に出にくく、布に移ります。
| 襟の形 | 鎖骨・胸元につけてよいか |
|---|---|
| 鎖骨が見える襟の開き | よい |
| 鎖骨の上で止まる丸首 | 鎖骨のくぼみの下の端だけ |
| 詰まった丸首、タートルネック | 避ける |
| シャツの第1ボタンを開ける | 鎖骨のくぼみのみ |
胸元につける日は、服の内側の生地が明るい色や絹のような繊細な素材でないかも確かめてください。油分が移ると、明るい色ほどしみが目立ちます。
肘の内側|長袖の中で、腕を動かすたびに
肘の内側は、秋冬の長袖の日に手首の代わりになる場所です。袖の中にあるので、ふだんは香りが閉じこめられ、腕を曲げたり袖をまくったりしたときにふわっと出ます。
| 向いている日 | 理由 |
|---|---|
| 袖口が手首に触れる長袖の日 | 袖口にしみをつけない |
| 職場で自分だけ楽しみたい日 | ふだんは袖の中で、まわりに届きにくい |
| 腕を動かすことが多い日 | 動くたびに少しずつ出る |
ただ、肘の内側も袖の内側の布には触れます。つけたら3分置いて表面を落ち着かせてから袖を下ろすと、布に移る量が減ります。袖の裏地が薄い色の服は、避けたほうが無難です。
膝の裏・くるぶし|下から立ちのぼる
膝の裏とくるぶしは、液体の香水ではよく使われる場所ですが、練り香水では香りが顔まで届きにくくなります。届く距離が短いからです。
それでも使える場面はあります。
| 場面 | 向いている場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 座敷で正座して過ごす | 膝の裏 | 座ると顔との距離が近くなる |
| 素足にスカートの日 | 膝の裏 | 歩くたびに裾から立ちのぼる |
| 足首の見える靴の日 | くるぶし | 歩くと足元で香る |
| タイツや靴下の日 | 避ける | 布に移る |
秋冬はタイツや靴下の日が多いので、膝の裏とくるぶしは素足の日だけと考えてください。
指先・手のひら|自分だけが分かる
指先と手のひらは、自分の顔に手を近づけたときだけ香る場所です。まわりにはほとんど届かないので、香りの扱いにいちばん気を遣う日にも使えます。
| 向いている日 | 気をつけること |
|---|---|
| 職場で隣の席が近い日 | 書類やキーボードに油分が移ることがある |
| 気持ちを切り替えたい日 | 手を洗うと落ちる |
| 移動中に少しだけ香りがほしい日 | つけ直しやすい |
| 食事の日 | 避ける。食べ物に香りが移る |
食事の前は、指先と手のひらには、つけないでください。器や食べ物に香りが移り、自分にも向かいの人にも、料理の香りの邪魔になります。
髪|手のひらに残った分を、毛先へ
髪に練り香水を直接つけると、油分で毛先がまとまりすぎることがあります。使うなら、ほかの場所につけたあと、手のひらに残ったわずかな分を毛先になじませるくらいにしてください。
| 髪の扱い | 香りの届き方 |
|---|---|
| 毛先になじませて下ろす | 髪が揺れたときに隣の人に |
| 毛先になじませてまとめる | ほとんど届かない |
| 内側の毛先だけ | 自分が髪をかき上げたときに |
髪につけると、首に巻くものや上着の襟に香りが移ることがあります。その日の上着を、香りが移ってもよいものにするかも、合わせて考えてください。
服につかないように|しみが出る場所と、待つ時間
練り香水の油分が服に移ると、明るい色の生地や、絹のような繊細な素材では、しみになって残ることがあります。秋冬の服で移りやすい場所をまとめました。
| 服の場所 | 移ってくる場所 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| ニットの袖口 | 手首の内側 | 肘の内側に移す |
| タートルネックの内側 | 首すじ | 耳の後ろの高い位置に移す |
| シャツの襟の内側 | 首すじ、襟足 | つけて3分置いてから着る |
| 首に巻くもの | 首すじ、耳の後ろの低い位置 | 耳の後ろの高い位置に移す |
| 上着の襟 | 髪の毛先、襟足 | 髪にはつけない |
| タイツ | 膝の裏、くるぶし | 素足の日だけにする |
つけたら、指の腹で薄くのばして、3分ほど置く。これだけで、表面の油分が落ち着いて布に移りにくくなります。厚く塗ったまま服を着ると、香りより先に油分が布に移ります。
秋から冬へ|服が変わるたびに、場所を1つずつ奥へ
10月の初めはまだ半袖や七分袖の日もあり、手首も首すじも出ています。それが冬に近づくにつれて、袖が伸び、襟が詰まり、首に巻くものが増えていきます。練り香水の場所も、服が変わるたびに1つずつ移していくと迷いません。
| 時期の目安 | 服の変化 | 自分に届けたい日 | 隣の人まで届けたい日 |
|---|---|---|---|
| 秋の初め | 七分袖、襟の開いた服 | 手首の内側 | 首すじ、鎖骨のくぼみ |
| 秋の半ば | 手首で止まる長袖 | 手首より肘寄り | 耳の後ろ |
| 秋の終わり | ニットの袖口、丸首 | 肘の内側 | 耳の後ろの高い位置 |
| 冬の立ち上がり | タートルネック、首に巻くもの | 肘の内側、手のひら | 耳の後ろの高い位置 |
季節で場所を変えるのは面倒に見えますが、決めることは「袖口が手首に触れたか」「襟が首に触れたか」の2つだけです。服を替えた最初の日に、その日の場所を1つ奥へずらす。それだけで、しみの心配と、香りが届かない心配の両方が減ります。
量の目安|指先でひとなでを、何か所にするか
練り香水の量は、指先で表面をなでる回数で数えると分かりやすくなります。
| 届けたい相手 | 場所の数 | 1か所の量 |
|---|---|---|
| 自分だけ | 1か所 | 指先でひとなで |
| 隣に座る人まで | 1〜2か所 | 指先でひとなで |
| 向かいの人まで | 2か所 | 指先でふたなで |
3か所以上につけると、香りがいくつもの場所から出て、ひとつの香りとして届きにくくなります。量を増やしたいときは、場所を増やすより、1か所の量を少し増やすほうが、香りがまとまります。
「ひとなで」は、指の腹で練り香水の表面を一度、軽くなでた量です。表面がうっすら光る程度で、指先に塊がつくほどではありません。容器を開けたばかりで表面が固いときは、指の温かさで数秒なじませてからなでると、量がそろいます。指先に余った分は、ティッシュで拭き取らずに、手のひらの付け根に薄くのばしておくと無駄になりません。
つけ直し|人前でさりげなくできる場所
練り香水のよいところは、出先でさりげなくつけ直せることです。小さな容器なら手のひらに収まり、吹きつける音もしません。
| つけ直す場所 | 人前でできるか | 手順 |
|---|---|---|
| 手首の内側 | できる | 指先でとって、手首をなでる |
| 耳の後ろ | できる | 髪を耳にかけるように指を運ぶ |
| 首すじ | 場所による | 手洗いなどで |
| 肘の内側 | 難しい | 手洗いで袖をまくって |
| 襟足 | 難しい | 手洗いの鏡の前で |
つけ直しは、朝つけた時刻から3〜4時間を目安に、時刻で決めてください。香りが分からなくなってからつけ直すと、自分の鼻が慣れているだけのことが多く、重ねすぎになります。
場面ごとの選び方
その日の行き先によって、届けたい相手は変わります。行き先から場所を選ぶときの目安です。
| 行き先 | 届けたい相手 | 合う場所 |
|---|---|---|
| 職場 | 自分だけ | 手首、肘の内側 |
| 食事の席 | 自分だけ、または控える | 肘の内側。指先は避ける |
| 電車や車での長い移動 | 自分だけ | 手首 |
| 友人と並んで歩く | 隣の人まで | 耳の後ろ |
| 人の家に招かれる | 自分だけ | 肘の内側 |
| 屋外の約束 | 隣の人まで | 耳の後ろ、首すじ |
食事の席の香りの量は、液体の香水でも控えめにするのが一般的です。練り香水でも同じで、食事の日は、服の内側の1か所だけにしておくと気を遣いません。
行き先が1日のうちに変わる日は、いちばん控えめにしたい場所に合わせて朝の場所を決め、香りを足したい場面の前につけ直します。たとえば、昼は職場で夜は友人と会う日なら、朝は肘の内側にひとなで、職場を出たら耳の後ろにひとなで。先に広げてしまうと、あとから狭めることはできませんが、狭く始めればあとから広げられます。
液体の香水と重ねる日
練り香水と液体の香水を同じ日に使うこともできます。その場合は、場所を分けてください。
| 組み方 | 液体の香水 | 練り香水 |
|---|---|---|
| 遠くには液体、近くには練り香水 | 腰まわりなど服の内側 | 耳の後ろ |
| 朝は液体、出先で練り香水 | 朝に1か所 | 夕方に手首 |
| 同じ香りの2つを重ねる | 服の内側 | 手首 |
違う香りを重ねると、香りが混ざって、どちらの香りとしても届きにくくなります。重ねるなら同じ香りか、同じ系統の香りにしてください。
確かめ方|自分の鼻は、20〜30分で慣れる
自分の鼻は、同じ香りに20〜30分ほどで慣れて、感じにくくなります。練り香水は届く距離が短いぶん、まわりにどれくらい届いているかが自分では分かりにくい香りです。
| 確かめ方 | 分かること |
|---|---|
| つけてすぐ、手首を顔から20cm離して嗅ぐ | 自分に届く強さ |
| 家族や身近な人に、隣に座ってもらう | 隣の人に届くか |
| 30分後に、もう一度手首を嗅ぐ | 香りの残り方 |
| 着ていた服を脱いで、袖口と襟を嗅ぐ | 服に移っているか |
服に香りが移っていたら、その場所は服が触れていた場所です。次の日から、そこにはつけないようにしてください。
どちらとも取れるとき①|自分にも、隣の人にも届けたい
自分でも楽しみたいし、隣の人にもほのかに届けたい日は、届く相手の違う場所を2か所組み合わせます。
| 組み合わせ | 自分に届く場所 | 隣の人に届く場所 |
|---|---|---|
| 袖をまくれる日 | 手首 | 耳の後ろ |
| 袖口が手首に触れる日 | 肘の内側 | 耳の後ろの高い位置 |
| 髪をまとめる日 | 手首 | 襟足 |
2か所にするときは、1か所の量をひとなでずつに抑えて、合わせて液体の香水1回ぶんより弱いくらいにしておくと、どちらにもちょうどよく届きます。
どちらとも取れるとき②|肌がほとんど出ていない日
タートルネックに長袖、手袋にタイツと、秋冬は肌がほとんど出ていない日もあります。服が触れない場所が見つからないときは、耳の後ろの高い位置がほぼ唯一の場所です。
それも髪で覆われる日は、練り香水を肌につけず、香りを移したい小物に少しだけつけるという方法もあります。ただし油分が移るので、しみになっても気にならない、ハンカチのような小さな布にしてください。
| 肌の出方 | つける場所 |
|---|---|
| 首も手首も覆われている | 耳の後ろの高い位置 |
| 耳まで髪で覆われている | 手のひら(食事のない日) |
| 屋外で手袋もする | 屋内に入ってから手首 |
どちらとも取れるとき③|香りが苦手な人がいるか分からない
初めて会う人と過ごす日や、香りの好みを知らない人と並ぶ日は、どこまで届けてよいか迷います。そういう日は、自分だけに届く場所を1か所にしてください。
練り香水は届く距離が短いので、手首か肘の内側に指先でひとなでなら、隣の人にもほとんど届きません。もし香りを楽しみたいなら、その人と別れたあとに耳の後ろにつけ直せば済みます。届ける範囲をあとから広げられるのも、練り香水の使いやすいところです。
よくある行き違い
| よくある思い込み | 実際に起きること |
|---|---|
| 液体の香水と同じ場所につければ同じように香る | 届く距離が短いので、足元につけても顔まで届きにくい |
| 体温の高い場所ほどよく香る | 服に覆われていると、香りは外に出ずに布に移る |
| 練り香水は控えめだから、たくさんつけてよい | 3か所以上につけると香りがまとまらず、服にも移る |
| 自分で分からなくなったらつけ直す | 鼻が慣れているだけ。時刻で決める |
| 手首はどの季節もいちばんの場所 | 秋冬は袖口が触れて、しみになることがある |
| 食事の前も指先につけてよい | 器や食べ物に香りが移る |
| 髪に直接つけると長く香る | 油分で毛先がまとまりすぎ、上着の襟にも移る |
装いに活かすなら
練り香水をつける前に、今日は誰に届けたいかと、その日の襟と袖口が肌のどこに触れるかを決めてください。自分だけなら腕、隣の人までなら耳の後ろ、向かいの人までなら首から胸元。服が触れる日は1段奥か、1段高い場所へ移します。
つけたら薄くのばして3分置き、それから上着や首に巻くものを足す。この順番を守るだけで、秋冬のニットやタートルネックにしみを残さずに済みます。届く距離が短いことは、練り香水の弱さではなく、届ける相手を自分で選べるということです。その日の服と予定に合わせて、場所を選び分けてください。
関連記事
- 香水をつける場所 ── 4か所の違いと、秋に服が厚くなってからの選び方
- 香水のつけ方 ── 量は、会う人との距離と部屋の広さで決める
- 秋冬のネイルの色の選び方 ── 手元の色を服と合わせる
- 着物の髪型 ── 襟足を見せる日のまとめ方
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 練り香水はどこにつけるのがいちばん香りますか
- 香りがいちばん外へ出るのは、服に覆われていない場所で、しかも体温で温まる場所です。耳の後ろ、首すじ、襟の開いた日の鎖骨のくぼみがそれにあたります。ただ、練り香水は液体の香水より届く距離が短いので、強く香らせるための道具ではありません。自分に届けばいいのか、隣の人に届けたいのかを先に決めて、そこから場所を選ぶほうが、香り方が思ったとおりになります。
- Q. 練り香水をつけたら、服にしみがつきました
- 練り香水は油分を含むので、つけた場所に服が触れると、油分と香りが布に移ります。秋冬は袖口と襟が肌に触れやすく、手首や首にたっぷりつけると、ニットの袖口やタートルネックの内側にしみが出ることがあります。つけたあと、指の腹で薄くのばしてから3分ほど置き、表面が落ち着いてから服を着ると移りにくくなります。服が触れる日は、手首ではなく肘の内側、首ではなく耳の後ろの高い位置に移してください。
- Q. 職場で練り香水をつけても大丈夫ですか
- 練り香水は届く距離が短いので、液体の香水より職場に向いています。それでも、隣の席の人との距離が近い職場では、首や耳の後ろにつけると届くことがあります。自分だけで楽しみたい日は、手首の内側か、長袖の中の肘の内側にしてください。量は指先でひとなでを1か所だけにします。つけ直すときも、席ではなく手洗いなどで済ませると、まわりに気を遣わせません。
- Q. 練り香水はどのくらいで香りが消えますか
- 香りの成分や油分の量によって違いますが、液体の香水より短めのものが多く、数時間で弱くなると考えておくと、つけ直しの計画が立てやすくなります。自分の鼻はつけてから20〜30分ほどで香りに慣れて感じにくくなるので、自分で分からなくなったからといって、まわりにも消えているとは限りません。つけ直しは、つけた時刻から決めておくほうが、つけすぎを防げます。
— メグラシ編集部





