編み下ろしのアレンジ|束を1本にするか2本にするかは、毛量の直径で決める

編み下ろしを1本にするか2本にするか。これは好みではなく、束をゆるく握った直径で決まります。
編み下ろし全体の起点の高さや背中への触れ方は、すでに別の記事で整理しています。この記事は、1本にするか2本にするかの分岐だけに絞ります。
測るのは1つ。所要10秒
束をゆるく握って、輪の直径を見ます。強く握ると細く出るので、指の力を抜いてください。親指と人差し指で作った輪がおよそ直径4cmです。
| 直径 | 背中の面積との釣り合い | 選ぶ本数 |
|---|---|---|
| 3cm未満 | 1本でも細く見える | 1本にまとめる |
| 3〜4cm | どちらでも成立する | 好みで選べる |
| 4cm以上 | 1本だと重く見えることがある | 2本に分ける候補 |
なぜ直径で決まるのか
背中は、装いの中でも面積が広い部分です。この面積に対して、束が細すぎると存在感が負けて、編んでいることが伝わりません。逆に太すぎる束を1本のまま置くと、面積に対して情報が1点に集中しすぎて、重たい印象になります。
「編み下ろしをアレンジする」というとき、多くは起点の高さや位置の話に向かいがちですが、実際に鏡の前で迷うのは「今日は1本でまとめるか、2本に分けるか」という場面です。この分岐だけを切り出して、直径という測れる数字に置き換えたのがこの記事です。
2本に分けると、同じ毛量でも1本あたりの直径が小さくなります。 束を2つに分けると、直径はおよそ0.7倍になります。直径5cmの束は、2本に分けるとそれぞれ3.5cm前後になり、太すぎる印象が和らぎます。
この0.7倍という係数は、円の面積と直径の関係から来ています。同じ毛量(断面積)を2つに均等に分けると、それぞれの面積は半分になりますが、直径は面積の平方根に比例するため、単純な半分にはならず、およそ0.7倍で収まります。感覚的には「半分に分けても、細さは半分にはならない」と覚えておくと、分けたときの見え方を予想しやすくなります。3本に分けた場合はさらに直径が小さくなりますが、編み下ろしでは2本までにとどめるほうが、後ろ姿としてのまとまりが保てます。
判定①|直径3cm未満のとき
1本にまとめても背中の面積に対して細く見える太さです。この場合、2本に分けるとさらに細くなり、編んでいることが伝わりにくくなります。1本にまとめてください。
束をまとめる前に、頭頂の髪を少量足して直径を調整する方法もあります。全体の毛量をわずかに増やして結ぶと、1本の存在感が保てます。
もう1つの方法は、編み目のピッチを詰めることです。編み目1段の縦を狭くすると、同じ毛量でも束が引き締まって見え、直径が実際より太く見える効果があります。細めの毛量で1本にまとめたい日は、この2つを組み合わせると、無理に毛を足さなくても存在感を出せます。
判定②|直径4cm以上のとき
1本のまま背中に置くと、面積に対して情報が1点に集中し、重たく見えることがあります。2本に分ける候補です。
分ける位置は、頭の中心の分け目に合わせてください。分け目からずれた位置で分けると、左右の量が不均一になり、バランスが崩れて見えます。
2本に分けたあとは、それぞれの束をどこに落とすかも決めておくと仕上がりが安定します。左右対称に真後ろへ垂らす方法と、左右をそれぞれ少し前へ回して肩の前に出す方法があります。背中の面積が広く開いた服の日は、真後ろに垂らして背中の面を活かすと束の存在感が伝わります。襟の詰まった服の日は、前へ回すことで襟と束の位置が重ならず、それぞれがはっきり見えます。
判定③|どちらでも成立する帯(直径3〜4cm)
この帯にいる場合は、その日の服で決めてください。 背中の面が広く開いた服の日は、1本で縦の線を通すとまとまります。背中の面積が狭い服(詰まった襟や厚手の上着)の日は、2本に分けると窮屈さが出ません。
服だけでも決まらない場合は、その日の予定を見てください。座っている時間が長い日は、1本のほうが背もたれに当たっても形が保ちやすく、2本は左右にばらけやすくなります。動きの多い日は、2本のほうが軽く、歩くたびに揺れる動きも均等になります。この帯にいる日は、服・予定のどちらかが決め手になるので、両方を確認してから選んでください。
判定④|留め具の位置
1本の場合は、背骨の上、束の中心に留め具を合わせてください。中心からずれると、後ろ姿全体が左右非対称に見えます。留め具を隠したい場合は、束のすぐ上の毛を少量かぶせると目立たなくなります。逆にリボンやクリップを見せたい日は、束の側面ではなく正面に来るよう角度を合わせると、後ろから見たときに留め具そのものが装いの一部として読まれます。
2本の場合は、左右対称の位置に同じ高さで留めてください。高さが1cm以上違うと、後ろから見たときにバランスの崩れが目立ちます。留め具の高さをそろえる簡単な方法は、鎖骨のラインや肩甲骨の下端など、体の左右対称な目印を基準に測ることです。目分量よりも、体の目印を使ったほうが毎回同じ高さに合わせやすくなります。
判定⑤|後れ毛の扱い
1本にまとめる日は、後れ毛を耳の後ろに1本残すと、束の太さに動きが加わります。2本に分ける日は、後れ毛を残すとさらに情報が増えるので、残さないほうがすっきりまとまります。
後れ毛を残す位置も、本数によって効き方が違います。1本の場合は、後れ毛が束の縦の線に対して斜めの線を1本添えるので、硬さがやわらぎます。2本の場合はすでに左右の対称という秩序ができているので、そこへ後れ毛を足すと対称性が崩れて見えることがあります。2本の日にどうしても後れ毛を入れたい場合は、左右に1本ずつ同じ位置で残すと、対称性を保ったまま情報を足せます。
判定⑥|身長で釣り合う直径が変わる
身長が低い場合、背中の面積そのものが小さいので、直径3.5cm程度でも1本で釣り合います。判定の境目を通常より0.5cmほど下げて考えてください。
身長が高い場合は背中の面積が大きいぶん、直径4cm程度でも1本で軽く見えます。2本に分ける判断は、直径4.5cm以上を目安にしてください。同じ直径でも、身長によって釣り合う本数の境目がずれます。
判定⑦|毛先の始末で本数の見え方が変わる
1本の毛先を編み切って先細りにすると、直径がやや大きめでも重たさが和らぎます。逆に毛先で留めて太さを保ったままにすると、直径が同じでも重く見えやすくなります。
2本の場合は、左右で毛先の始末をそろえてください。片方だけ編み切り、もう片方をそのまま留めると、左右で印象が変わってしまいます。
毛先を折り返して留める方法もあります。編み終わりを折り返すと終点の位置が上がり、1本なら背中の余白が増え、2本ならそれぞれの終点がそろいやすくなります。長さが左右で微妙に違う場合、折り返す幅を調整することで見た目の終点をそろえられるので、切らずに長さの差を吸収したいときに使える方法です。
どちらとも取れるとき①|1本か2本か決まらない
直径が3〜4cmの帯で服も決め手にならない場合は、その日の予定の長さで選んでください。長時間同じ髪型で過ごす日は、崩れにくい2本のほうが安定します。短時間の外出なら、縦の印象が強い1本でも問題ありません。
どちらとも取れるとき②|2本にしたら左右の太さが違う
分け目の位置がずれている可能性があります。頭の中心を指で確認してから分け直し、左右それぞれの直径を測って、差が0.5cm以内に収まっているか確認してください。差が大きい場合は、太いほうから細いほうへ少量の毛を移してそろえます。
分け目そのものが左右対称でも、日常的な分け方の癖で片側に髪が寄りやすい人もいます。いつも同じ側に多く寄ってしまう場合は、分ける前に頭頂で一度指を使って均等に振り分けてから、それぞれの束を集め始めると差が出にくくなります。この作業は数秒で済みますが、省略すると毎回同じ側が太くなる原因になります。
どちらとも取れるとき③|1本にしたら重く見える
直径が4cm以上あるのに1本を選んでいる場合は、判定②の対象です。今日だけ2本に分け直すか、留め具の位置を背骨の上からわずかに下げて、視線が集まる位置を下げると、重さの印象が和らぎます。
どちらとも取れるとき④|洗い立てで直径が読みにくい
洗ったばかりの髪は表面が膨らみ、実際の毛量より直径が大きく出ることがあります。判定は、乾かしてから半日程度落ち着いた状態で行ってください。洗い立てのまま判定すると、本来1本で釣り合う毛量でも2本を選んでしまい、翌日には物足りなく感じることがあります。
一度、洗い立ての日と2日目以降の日、それぞれで直径を測って記録しておくと、自分の髪がどれくらい変動するかが分かります。変動の幅が小さい人は毎回同じ判定で構いませんが、幅が大きい人は、その日の朝に必ず測り直す習慣にしておくほうが失敗が減ります。
今日の1回で決める手順
- 束をゆるく握って直径を測る
- 3cm未満なら1本、4cm以上なら2本を基準にする
- 3〜4cmの帯は、その日の服の背中の開き方で決める
- 留め具の位置を1本なら中心、2本なら左右対称に合わせる
- 後れ毛は本数に応じて残すかどうかを決める
まとめ
- 編み下ろしを1本にするか2本にするかは、束の直径で決まる
- 3cm未満は1本、4cm以上は2本が背中の面積に釣り合いやすい
- 3〜4cmの帯は、その日の服の背中の開き方で選ぶ
- 2本にすると崩れにくくなるが、縦の印象は1本より弱くなる
- 身長や毛先の始末によって、判定の境目は前後に動く
直径を測る10秒があれば、その日の背中に釣り合う本数が決まります。
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よくある問い
- Q. 1本と2本、どちらが崩れにくいですか。
- 2本のほうが崩れにくくなります。1本の束は重さが1点に集中しますが、2本に分けると重さが左右に分散し、それぞれの束が軽くなるためです。
- Q. 毛量が多い場合はどちらを選べばいいですか。
- 直径で判断してください。ゆるく握った束の直径が4cm以上あれば、1本でも背中の面積に釣り合います。5cmを超えるようなら、2本に分けたほうが1本ずつの重さが軽くなり、扱いやすくなります。
- Q. 毛量が少ない場合はどちらを選べばいいですか。
- 直径が3cm未満なら、1本にまとめると背中の面積に対して細く見えます。2本に分けるとさらに細くなるので、この場合は1本にまとめたほうが、束としての存在感が保てます。
- Q. 留め具はどこにつければいいですか。
- 1本の場合は背骨の上、束の中心に合わせてください。2本の場合は左右対称の位置に、それぞれ同じ高さでつけます。左右で高さが違うと、後ろ姿のバランスが崩れて見えます。
- Q. 2本にすると縦の印象が弱くなりますか。
- はい。1本は背中に縦の線を1本作りますが、2本に分けると線が2本に分かれ、それぞれが細くなる分、縦への効き方は弱くなります。縦の印象を強めたい日は1本、動きや軽さを出したい日は2本を選んでください。
— メグラシ編集部





