初冬コーデ|暖房で暑く外で寒い日は、前を開けられる1枚を中に足す

**今朝、家を出てから職場に着くまで、外を歩いていたのは合計で何分でしたか。**それが30分に満たないなら、あなたの冬の入り口の服は、上着を厚くするより、上着の内側に前を開けられる1枚を足すほうが合っています。
冬の入り口は、外と中の温度差がいちばん扱いにくい時期です。朝の駅のホームは息が白くなるほど冷えているのに、電車に乗ると暖房が入っていて、5分もすると額に汗がにじむ。職場に着けば空調は効いているし、昼に外へ出るとまた寒い。上着を厚くすれば中で暑く、薄くすれば外で寒い。どちらに合わせても、1日のどこかで困ります。
この行き来を埋めるのは、上着ではなく、上着の内側に足す1枚です。**前を全部開けられて、たたむと小さくなる1枚を中に入れておく。**外では閉めて熱を保ち、中では開けて逃がす。上着は1段薄いままで、冬に入れます。
上着を厚くしたくなる気持ちは自然です。朝いちばんに感じる寒さは、1日のうちでもっとも強く記憶に残るので、その寒さに合わせて服を決めてしまいます。けれど、1日を振り返ると、寒かった時間より、暑くて困った時間のほうが長かった、という人が少なくありません。朝の寒さに合わせるのではなく、1日の時間の長さで服を決める。この記事は、そのための数え方と組み方を順に書いています。
本格的な寒さの日の組み方は真冬コーデ|手首・首・足首の隙間に風が通るかで、防寒の合否が決まるにまとめてあります。この記事は、その手前の、秋の服で冬に入っていく時期の話です。
結論:外にいる時間が短い日は、上着ではなく中で調整する
先に答えを書きます。冬の入り口で何を足すかは、外にいる合計の分数で決めます。
外にいる合計が30分以下の日は、上着は秋のままか、1段だけ厚くして、その内側に前を開けられる1枚を足します。カーディガン、薄手の前開きベスト、シャツ素材の羽織り。外では閉めて、中では開けます。
外にいる合計が30〜60分の日は、内側の1枚に加えて、首まわりにストールやマフラーを足します。首は外すのがいちばん簡単な場所なので、暖かい場所に入ったらまず首から外します。
外にいる合計が60分を超える日、または朝の最低気温が5度を下回る日は、上着の側で厚みを足します。外にいる時間が長いと、中で暑くなる時間より、外で寒い時間のほうが長くなるからです。
この3つの段階を、その日の予定に合わせて選びます。毎日同じ服を着る必要はありません。外を歩く日と、ほとんど中にいる日とで、足す場所を替えます。
まず数える:外にいる分数と、中にいる分数
判断に使うのは、気温より先に、その日に外にいる時間の合計です。家から駅まで歩く分数、ホームで電車を待つ分数、乗り換えで外を歩く分数、駅から目的地まで歩く分数。昼休みに外へ出るなら、その分も足します。帰りも同じように数えて、1日の合計を出します。
次に、暖かい場所にいる時間のうち、上着を着たままの時間を数えます。電車の中、店の中、エレベーターや廊下。上着を脱いで座っている時間は数えません。困るのは、上着を着たまま暖かい場所にいる時間だからです。
たとえば、家から駅まで10分、ホームで5分、乗り換えで3分、駅から職場まで7分。行きの外は25分です。帰りも同じなら、1日の外は50分になります。電車に乗っている時間が片道30分なら、上着を着たまま暖かい場所にいる時間は1日60分です。
この人の場合、外にいる時間は50分で、30〜60分の段階に入ります。そして上着を着たまま暖かい場所にいる時間が、外にいる時間より長い。こういう人こそ、上着を厚くするより、内側と首で調整するほうが、1日を通して楽に過ごせます。
数えるのは一度だけで構いません。いつもの平日と、よく出かける休日の2つの日について数えておけば、あとは予定を見るだけで、どの段階かが分かります。
境目①:外にいる合計30分と60分
外にいる合計を、30分と60分の2つの境目で分けます。
| 外にいる合計 | 足す場所 | 上着 |
|---|---|---|
| 30分以下 | 内側の前開きの1枚 | 秋のまま、または1段厚く |
| 30〜60分 | 内側の1枚+首まわり | 1段厚く |
| 60分超 | 上着の厚み+首まわり | 冬の上着 |
30分が境目になるのは、体が外の寒さに慣れてくるまでの時間と重なるからです。家を出てすぐは寒く感じても、歩いていると体が温まってきます。外にいる時間が30分以内なら、歩いて温まった体のまま暖かい場所に入ることになるので、そこで上着が厚いと暑く感じます。
60分を超えると、歩いて温まった分を、外の寒さが上回ってきます。立ち止まって待つ時間が含まれていると、なおさらです。こうなると内側の1枚と首だけでは足りず、上着の側で受け止める必要が出てきます。
数えた分数が日によって大きく違う人は、1週間のうちで外にいる時間がいちばん長い日と、いちばん短い日を分けて考えてください。たとえば月曜と木曜は取引先を回るので外にいる時間が90分、ほかの日は20分という人なら、月曜と木曜だけ上着を厚くして、ほかの日は内側の1枚で調整します。1週間を通して同じ上着を着ようとすると、どちらかの日に合わなくなります。上着を2枚持っていない場合は、厚いほうの日に合わせた上着を選び、短い日は内側を薄くして、中で暑くならないようにします。
この表は、外を歩いている時間を前提にしています。外で立ち止まっている時間、たとえば屋外で待ち合わせをする、子どもの送り迎えで立って待つ、といった時間が長い日は、同じ分数でも1段寒い側に読んでください。歩いている30分と、立っている30分では、体の温まり方がまるで違います。
境目②:朝の最低気温5度と10度
外にいる時間とあわせて、朝の最低気温も見ます。冬の入り口では、最低気温が10度を下回る日が増え、やがて5度を下回る日が出てきます。
最低気温が10度以上の日は、外にいる時間が60分を超えても、秋の上着に内側の1枚を足せば足ります。朝の寒さはあっても、日中に気温が上がるので、上着を厚くすると昼に持て余します。
最低気温が5〜10度の日は、表のとおりに分数で決めます。冬の入り口でいちばん多いのがこの帯で、この記事が主に扱っているのもここです。
最低気温が5度を下回る日は、外にいる時間が短くても、上着を1段厚くします。家を出てから駅まで歩く10分でも、手先や首が冷えて、体が温まる前に暖かい場所に着いてしまうからです。そのかわり、内側の1枚は薄手にして、中で暑くなったときに上着とあわせて前を開けられるようにします。
最高気温ではなく最低気温を見るのは、家を出る時刻の気温に近いからです。朝早く家を出て、暗くなってから帰る人ほど、最低気温に近い寒さの中を歩くことになります。逆に、昼前に出て夕方前に帰る日は、最低気温より3〜5度高い中を歩くので、1段暖かい側に読んで構いません。
中に足す1枚の条件:前を全部開けられること
内側に足す1枚は、何でもよいわけではありません。条件は2つです。前を全部開けられること。たたむと厚さ3cm以内に収まること。
前を全部開けられるものは、着たままでも熱を逃がせます。ボタンを全部外せば、前が開いて体の前面に空気が通ります。上着の前も開ければ、2枚分の熱が一度に逃げます。脱がずに調整できるので、電車の中のように脱ぎにくい場所でも困りません。
たたんで厚さ3cm以内というのは、脱いだときにバッグに入る大きさです。暖かい職場で脱いだあと、椅子の背に掛けておける場所があれば問題ありませんが、掛ける場所がないと、どこかにしまう必要があります。たたむと手のひら2枚分の厚みになるようなものは、バッグに入らず、手に持ち続けることになります。
この2つを満たすのは、薄手から中厚手のカーディガン、前開きの薄いベスト、シャツ素材の羽織り、ファスナーで開く薄手の中綿ベストなどです。どれも秋に着ていたものが使えます。新しく買い足す必要はほとんどありません。
もう1つ確かめたいのが、上着の内側に入れたときの袖です。カーディガンやシャツ素材の羽織りは袖があるので、上着の袖の中で重なります。袖が太いと上着の袖に引っかかり、腕を通すたびに中の袖が肘までずり上がります。上着を着た状態で腕を前に伸ばし、中の袖が手首から5cm以上上がってしまうなら、その組み合わせは袖が合っていません。袖の細いものに替えるか、袖のない前開きのベストにします。
ベストは袖がないぶん、上着の袖の中がすっきりします。腕の寒さは上着の袖だけで受けることになりますが、冬の入り口の寒さなら、多くの人はそれで足ります。体の真ん中を温めれば、腕の寒さは感じにくくなるからです。腕が冷えやすい人は、袖の細いカーディガンを選んでください。
中に足す1枚の素材と厚み
前を開けられることと、たたんで小さくなることのほかに、素材と厚みでも使い分けます。同じ前開きでも、素材によって熱の保ち方と逃がし方が違うからです。
ウールのカーディガンは、外の寒さに対していちばん頼りになります。目が詰まった中厚手なら、薄手の上着の内側に入れるだけで、上着を1段厚くしたのに近い暖かさが出ます。そのかわり、暖かい場所では熱がこもりやすいので、前を開ける前提で着ます。汗をかいても冷えにくいのも、ウールのよいところです。
綿のカーディガンやシャツ素材の羽織りは、ウールより熱を逃がしやすく、暖かい場所で過ごす時間が長い日に向いています。外にいる時間が30分以下の日は、こちらで十分なことが多いです。ただし、汗を吸うと乾きにくく、濡れたまま外へ出ると冷たく感じます。暑がりの人が綿を選ぶなら、汗をかく前に前を開ける習慣とあわせて使ってください。
化学繊維の薄手の中綿ベストは、軽くて小さくたためるのが強みです。たたむとこぶし1つ分ほどになるものが多く、バッグに入れて持ち歩けます。風を通しにくいので、外を歩く時間が長い日の内側に向いています。表面がつるっとしているので、上着の内側で滑りやすく、着脱が楽です。
厚みは、外にいる時間で決めます。30分以下の日は薄手、30〜60分の日は中厚手、60分を超える日は中厚手に上着の厚みを足します。内側の1枚をいちばん厚くするのではなく、上着と分け合うと考えると、暖かい場所での調整がしやすくなります。
厚いプルオーバーのニットを、冬の入り口に着ない理由
冬の入り口で失敗しやすいのが、首まで詰まったプルオーバーの厚いニットです。暖かいので、朝の寒さに合わせて手に取りたくなります。けれど、この時期の行き来には向いていません。
理由は、中で脱げないからです。プルオーバーは頭からかぶって着るので、脱ぐには上着を脱ぎ、ニットを頭から抜く必要があります。電車の中や店の中では、まずできません。暑くなっても、上着の前を開けるくらいしか逃がす方法がなく、厚いニットの熱は体のまわりにこもったままです。
もう1つの理由は、脱いだあとに困ることです。職場で脱げたとしても、その下は肌着か薄いシャツで、昼に外へ出るときにもう一度着るのが面倒になります。厚いニットはたたんでも厚く、バッグにも入りません。
厚いニットを着たいなら、外にいる時間が60分を超える日か、最低気温が5度を下回る日に回してください。そういう日は、中で暑くなる時間より外で寒い時間のほうが長いので、厚いニットの暖かさが活きます。ニットの厚さを替える目安はニットはいつから?|最高気温22度で薄手、19度で中厚手に替えるでも書いています。
冬の入り口でニットを着るなら、前開きのカーディガンにするか、薄手のプルオーバーの上に前開きの1枚を重ねます。熱を逃がせる場所を、必ず1か所作っておきます。
首まわりは、いちばん先に外せる場所
外にいる時間が30〜60分の日は、内側の1枚に首まわりを足します。首は、足すのも外すのもいちばん簡単な場所です。
ストールやマフラーを1枚巻くと、上着を1段厚くしたのに近い暖かさが出ます。首まわりは肌が薄く、外の空気が入りやすい場所なので、ここをふさぐだけで体の感じ方が変わります。それでいて、暖かい場所に入ったら、ほどいて外すだけで済みます。上着を脱ぐより、はるかに手間がかかりません。
暖かい場所に入ったときの順番は、首、上着の前、内側の1枚の前、の順です。首を外すだけで足りることも多く、それでも暑ければ上着の前を開け、さらに暑ければ内側の前を開けます。3段階で逃がせると、汗をかく前に調整が間に合います。
首まわりに巻くものは、厚手のマフラーより、薄手で大判のストールが冬の入り口には向いています。薄手なら外してもバッグに入り、大判なら肩まで覆えるので、寒い日は巻き方で厚みを変えられます。
巻き方でも暖かさは変わります。首に1周だけ軽く掛けて前に垂らす巻き方は、首の後ろだけをふさぐので、少し寒い日に向いています。首に2周巻いて結び目を作る巻き方は、首の前までふさぐので、外にいる時間が長い日に向いています。大判のストールを肩から羽織るように掛けると、肩と胸の上まで覆えて、上着をもう1枚着たような暖かさになります。同じ1枚で3段階に変えられるので、朝と夜で巻き方を替えるだけで、持ち物を増やさずに済みます。
首まわりの色は、上着と内側の1枚のどちらかに合わせると、全体がまとまります。上着の色に合わせると、首まわりが上着の一部のように見えて、巻いていても重く見えません。内側の1枚の色に合わせると、上着の前を開けたときに、首から胸までが1本につながって見えます。どちらでもない色を選ぶなら、顔の近くに置く1色として、上着と内側の両方より明るいものにすると、冬の暗い色の中で顔まわりが沈みにくくなります。
上着は、秋のものを1段厚くするところまで
外にいる時間が60分以下の日は、上着は秋のままか、1段厚くするところまでで止めます。冬の上着、たとえば厚手のウールのロングコートや、中綿がたっぷり入った上着は、まだ出さなくて構いません。
1段厚くするというのは、秋に着ていた薄手のトレンチやシャツジャケットから、裏地のあるジャケットや薄手のウールのコートに替えるくらいの変化です。中の1枚と首を足せば、それで多くの日は足ります。
冬の上着を早く出しすぎると、1日のうち暑い時間が長くなります。そして、冬の上着を出すと、それより薄い上着に戻りにくくなります。いったん厚い上着の暖かさに慣れると、薄い上着が頼りなく感じるからです。冬の上着は、外にいる時間が60分を超える日か、最低気温が5度を下回る日が週に2日以上になってから出すと、無理がありません。
手持ちの秋の上着が何枚あるか、どれをいつまで着るかは衣替えで出す秋冬服は何枚?|洗濯の間隔と外出の日数で上下の数を出すの数え方も参考になります。
どちらとも取れる場合①:外にいる時間が30分前後の日
ここからは、境目の近くで迷う日の決め方です。検索しても答えが出てこない部分なので、少し丁寧に書きます。
外にいる時間が25分や35分など、30分の境目のすぐ近くになる日があります。こういう日は、外にいる時間のうち、立ち止まっている時間がどれくらいあるかで決めてください。ほとんど歩いているなら、30分以下の側、つまり内側の1枚だけで足ります。電車を待つ、信号を待つ、待ち合わせで立っている時間が10分以上あるなら、30〜60分の側に読んで首まわりを足します。
もう1つの見方は、帰りの時刻です。行きは朝、帰りは夜で、帰りのほうが寒くなる日は、帰りに合わせて首まわりを持っていきます。行きに巻く必要はなく、バッグに入れておいて、帰りに巻けば足ります。薄手のストールなら、持ち歩いても邪魔になりません。
それでも迷うなら、首まわりを持っていく側を選んでください。首まわりは、使わなければバッグに入れておくだけで済みます。持っていかずに寒い思いをするより、持っていって使わないほうが、1日の困り方は小さくなります。
どちらとも取れる場合②:上着を脱げない場所にいる日
外にいる時間は短いのに、中に入っても上着を脱げない日があります。店先や受付で立って過ごす仕事、取引先を回る日、病院や役所の待合で順番を待つ日、映画や観劇で座席に着くまでの時間が長い日。暖かい場所にいても、上着を脱いで置いておけない状況です。
こういう日は、上着を1段薄くして、内側の1枚を1段厚くします。上着を脱げないなら、上着そのものを薄くしておけば、中で暑くなりにくくなります。そのぶん外の寒さは内側の1枚で受け止めます。前を開ければ熱を逃がせるので、上着を着たままでも調整できます。
上着を脱げない時間が長い日は、上着の前を開けたままでも形が崩れないものを選ぶと、見た目も整います。前を開けると裾が広がって見えるものより、開けても前の端がまっすぐ落ちるもののほうが、着たまま過ごす時間に向いています。
前を開けたまま過ごすなら、内側の1枚が見える面積が広くなります。上着と内側の色の組み合わせを、前を開けた状態で鏡に映して確かめておいてください。上着の前を閉めた姿しか見ていないと、開けたときに内側の色が思ったより強く出て、ちぐはぐに見えることがあります。上着より1段明るいか暗いか、どちらかにはっきり寄せると、開けたときにも1つの組み合わせとして見えます。
上着を脱げない日が週に何日もある人は、上着そのものを、中に1枚足すことを前提にした大きさで選ぶと楽です。内側にカーディガンを着ても肩がつっぱらず、腕を前に伸ばしても背中がきつくならない大きさ。試着のときに、いつも中に着る1枚を着ていくか、店で同じくらいの厚みのものを借りて重ねてみると、買ったあとに中が入らないという失敗が避けられます。
どちらとも取れる場合③:朝は寒く、昼は暖かい日
冬の入り口には、朝の最低気温と昼の最高気温の差が10度近く開く日があります。朝は5度、昼は15度。朝に合わせると昼に暑く、昼に合わせると朝に寒い。
こういう日は、昼に何をしているかで決めます。昼に外を歩く予定がある日は、昼の気温に合わせて上着を薄めにし、朝は首まわりと内側の1枚で寒さを受けます。昼に外へ出るころには首まわりを外し、内側の前を開けて歩けます。
昼はずっと中にいる日は、朝と夜の寒さに合わせて構いません。昼の暖かさを受けることがないので、外にいる時間だけを考えればよくなります。
迷ったら、脱いだものをどこに置くかを考えてください。昼に暑くなって上着を脱いだとき、手に持って歩くことになるなら、上着は薄い側を選びます。厚い上着を手に持って歩くのは、思った以上に負担です。秋から冬の変わり目の組み方は晩秋の通勤コーデ|気温の急変に対応する3層レイヤードでも扱っています。
寒がりと暑がりで、境目をずらす
ここまでの境目は、寒さの感じ方がふつうの人を前提にしています。寒がりの人と暑がりの人は、境目をずらして読んでください。
寒がりの人は、外にいる時間の境目を10分ずつ短く読みます。30分を20分に、60分を50分に置き換えます。そのうえで、上着を厚くする前に、首と足首を先に足します。靴下を1段厚いものにする、足首が隠れる丈の靴にする。上半身を厚くしなくても、首と足首をふさぐと寒さの感じ方が変わります。
暑がりの人は、境目を10分ずつ長く読みます。30分を40分に、60分を70分に置き換えます。内側の1枚は薄手にして、上着も1段薄くします。そのかわり首まわりで外の寒さを受け、暖かい場所に入ったら首から外します。
同じ人でも、その日の体調や睡眠で寒さの感じ方は変わります。寝不足の朝や、食事を抜いた朝は、ふだんより寒く感じることがあります。そういう朝は、ふだん暑がりの人でも、境目をずらさずに読むか、寒がりの側に寄せてください。ずらし方は固定ではなく、その朝の感じ方で1段動かしてよいものです。
年齢を重ねて、以前より寒さを感じやすくなったと思う人もいます。その場合も、去年までの服をそのまま出すのではなく、今年の感じ方で境目を読み直してください。首まわりと足首を先に足す順番は、寒がりの側に移った人ほど役に立ちます。
自分がどちらか分からないなら、去年の冬の入り口を思い出してください。電車で汗をかいて困った記憶が多いなら暑がりの側、駅のホームで震えていた記憶が多いなら寒がりの側です。両方とも同じくらいなら、ずらさずにそのまま読んで構いません。
汗をかいてしまったときの直し方
調整が間に合わず、電車の中や店の中で汗をかいてしまうことがあります。そのまま外へ出ると、濡れた肌着が冷えて、朝より寒く感じます。冬の入り口に風邪を引いたように感じる人の中には、この冷えを繰り返している人が少なくありません。
汗をかいたと気づいたら、まず外へ出る前に、上着と内側の1枚の前を開けたまま、2〜3分だけ暖かい場所にとどまってください。肌着が少し乾いてから外へ出るほうが、濡れたまま出るより冷えにくくなります。
外へ出たら、首まわりを先に巻き直します。首をふさぐと、背中から熱が逃げにくくなり、濡れた肌着の冷たさを感じにくくなります。そのうえで、内側の1枚の前を閉め、最後に上着の前を閉めます。開けたときと逆の順番です。
汗をかきやすい人は、肌着の素材を見直すと楽になります。綿の肌着は汗を吸いますが乾きにくいので、冷えやすい側です。汗を外へ逃がす化学繊維の肌着や、ウールの混ざった薄い肌着は、乾きが早く、濡れても冷たく感じにくい側です。冬の入り口に汗で困った記憶がある人は、上着より先に肌着から替えてみてください。
足元は、靴下と靴の丈で1段ずつ進める
上半身ばかり考えていると、足元が秋のままになりがちです。冬の入り口では、足元も1段ずつ冬に寄せます。
最初の1段は、靴下を厚いものに替えることです。薄手のストッキングやくるぶし丈の靴下から、厚手のタイツや中厚手の靴下に替えるだけで、外にいる間の寒さがずいぶん変わります。足首は首と同じように、外の空気が入りやすい場所です。
次の1段は、靴の丈を上げることです。足首が出る浅い靴から、足首まで覆うショートブーツに替えます。外にいる時間が60分を超える日や、最低気温が5度を下回る日から、この段に進みます。
足元は、中で暑くなってもすぐには脱げません。だからこそ、上半身より1段遅れて冬に寄せるくらいでちょうどよくなります。上半身で内側の1枚を足し始めたら靴下を、上着を1段厚くしたら靴の丈を。この順番で進めると、足元だけが暑すぎる、寒すぎるということが起きにくくなります。
秋の服のまま冬に入る、足す順番
最後に、秋の服を活かして冬に入っていく順番をまとめます。新しく何かを買い足す前に、手持ちの秋の服でどこまでいけるかを確かめます。
1段目は、首まわりです。薄手のストールを1枚バッグに入れておき、寒い時間だけ巻きます。
2段目は、内側の前開きの1枚です。秋に上着として着ていた薄手のカーディガンやシャツ素材の羽織りを、上着の内側に回します。秋の羽織りが、冬の入り口では中の1枚になります。
3段目は、足元です。靴下を厚いものに替えます。
4段目は、上着を1段厚くすることです。裏地のあるジャケットや薄手のウールのコートに替えます。
5段目で、冬の上着を出します。外にいる時間が60分を超える日や、最低気温が5度を下回る日が週に2日以上になってからで構いません。
この順番で進めると、秋に着ていた服がほとんどそのまま冬の入り口に使えます。秋の羽織りが中の1枚に回り、秋の上着が少し厚いものに替わるだけです。いつも同じ組み合わせになっていると感じたら秋コーデがワンパターン|足りない1枚を、色・丈・素材の順に探すの探し方も使えます。
迷ったときの決め方
ここまでの決め方を、朝に迷ったとき戻る順番で並べておきます。
まず、今日の外にいる合計の分数を数える。30分以下なら内側の前開きの1枚、30〜60分なら内側の1枚と首まわり、60分を超えるなら上着の厚み。
次に、朝の最低気温を見る。10度以上なら1段暖かい側に、5度を下回るなら上着を1段厚く。
境目の近くで迷ったら、立ち止まっている時間、帰りの時刻、上着を脱げるかどうかで決める。それでも決まらなければ、首まわりを持っていく側を選ぶ。
冬の入り口は、毎日同じ服を着ない時期です。予定に合わせて、足す場所を替える。それだけで、外で寒く中で暑い行き来を、ずいぶん楽に過ごせるようになります。
よくある問い
- Q. 職場では上着を脱ぐので、中は薄くていいのではありませんか
- 職場の席に着いてからは薄くて構いません。困るのは、そこまでの電車や、上着を脱ぐ前のエレベーター、昼休みの外出のような、上着を着たまま暖かい場所にいる時間です。上着の中が薄いと、外では上着だけで寒さを受け止めることになるので、上着を厚くしたくなります。厚い上着のまま暖かい電車に乗ると、脱げずに汗をかきます。中に前開きの1枚を足しておくと、上着を薄めにできて、暑い場所では上着とその1枚の前を両方開けて逃がせます。
- Q. カーディガンを持っていません。代わりになるものはありますか
- 前を全部開けられるものなら代わりになります。シャツの上に羽織る薄手のジャケット、前開きのベスト、ボタンで開くシャツ素材の羽織り、ファスナーで開く薄手の中綿ベスト。どれも、前を開ければ熱が逃げ、閉めれば保てる点が同じです。注意したいのは、前がファスナーで首まで上がるタイプのもので、首元まで閉めると暖かい半面、開けるときに上着の前も開けないと届きません。上着を着たまま片手で開けられるかを確かめてから選んでください。
- Q. 寒がりなので、外にいる時間が短くても寒いです
- 寒がりの人は、外の分数の境目を10分ずつ短く読んでください。30分を20分、60分を50分に置き換えます。そのうえで、首まわりを先に足します。首にストールを1枚巻くだけで、上着を厚くしたのと近い暖かさが出て、しかも暖かい場所ではすぐに外せます。足首も同じで、靴下を1段厚いものにすると、上半身を厚くしなくても寒さの感じ方が変わります。上着を厚くするのは、首と足首を足しても寒い日からで十分です。
- Q. 暑がりで、電車の中で汗をかいてしまいます
- 暑がりの人は、中に足す1枚を薄手にして、上着も1段薄くしてください。そのかわり、首にストールを巻いて外の寒さを受けます。電車に乗ったら、まずストールを外し、上着の前を開けます。それでも暑ければ中の1枚の前も開けます。3段階で逃がせるようにしておくと、汗をかく前に調整が間に合います。汗をかいてから外に出ると、濡れた肌着が冷えて、かえって寒く感じます。汗をかく前に開ける、を習慣にすると楽になります。
— メグラシ編集部





