北海道の冬の靴|凍った歩道は靴底の溝と歩く分数で選ぶ

**冬の北海道へ行く日が決まったら、上着より先に、持っていく靴を裏返して底を見てください。**溝がどれくらい深いか、底を指で押したときにへこむか。この2つが、旅の数日を左右します。
冬の北海道の歩道は、雪が積もっているだけではありません。踏み固められて光る雪、表面が溶けてから再び凍った氷、溶けかけの水っぽい雪が、同じ道の中で入れ替わります。見た目が雪道でも、実際に足を取られるのは、靴底と路面の間に水の膜ができて滑る場面です。
この記事の結論は、靴底の溝の深さと、外を続けて歩く分数で靴を決めることです。そこに、最高気温が0度前後かどうかを重ねて、着脱できる滑り止めを足すかどうかを決めます。上着や中に着るものの全体の組み方は北海道旅行の服装は冬が別世界|氷点下と暖かい室内で決めるにまとめているので、この記事では足元だけを掘り下げます。
結論:靴底の溝の深さと、外を続けて歩く分数で決める
冬の北海道の靴を決めるときに見るのは、次の3つです。
- 靴底の溝の深さ:硬貨を差し込んで、どこまで隠れるか
- 外を続けて歩く分数:1日のうちで、屋根のない道をいちばん長く続けて歩く時間
- 最高気温:0度前後まで上がるか、氷点下で止まるか
溝が深く、外を歩く時間が短く、最高気温が氷点下で止まる日なら、手持ちの防水の靴でも十分に歩けます。反対に、溝が浅く、外を長く歩き、最高気温が0度前後まで上がる日は、雪道用の靴を用意するか、着脱できる滑り止めを足してください。
3つのうち、どれか1つでも厳しい側に入るなら、その1つに対して手を打つ。2つ以上厳しい側に入るなら、靴そのものを雪道に向いたものにする。この考え方で、旅の日程に合わせて靴を選べます。
なお、この記事で扱うのは、都市部や観光地の歩道を歩く旅の靴です。雪山に入る、スキー場で過ごす、といった場面の装備は別に考えてください。
この3つを先に確かめておく理由は、靴だけは旅先で替えにくいからです。上着が寒ければ現地で1枚買い足すこともできますし、中に着るものも重ねれば調整できます。けれど、靴は1日中履き続けるうえ、合わない靴を履いて歩くと足が痛くなったり、滑る不安で歩くのが楽しくなくなったりします。旅の満足度を大きく左右するのは足元だと考えて、準備の最初に靴を決めてください。
冬の北海道の歩道は、どんな滑り方をするか
冬の歩道の状態は、大きく分けて3つあります。どれに当たるかで、靴に求めるものが変わります。
- 踏み固められた雪:多くの人が歩いて押し固められた雪。表面が白く、ところどころ光っている。溝の深い底ならある程度かみつく
- 凍った歩道:昼間に溶けた雪が夜に凍り、表面がつるつるになった状態。見た目は濡れた道や黒っぽい道に見えることもある。溝だけでは止まりにくい
- 溶けかけの雪:気温が上がった日に、雪が水を含んで重くなった状態。滑るうえに、靴の中に水がしみやすい
とくに注意したいのは、交差点の横断歩道や、建物の出入り口の前です。人や車が何度も通るため、雪が磨かれて氷のようになっていることが多く、平らな道よりずっと滑りやすくなります。坂道や、日陰になる建物の北側も、凍った状態が長く残ります。
街なかでは、滑りやすい場所に砂がまかれていることがあります。砂のある場所は比較的歩きやすいので、歩く道を選べるなら、砂の上を選んで歩くのも一つの方法です。
この3つの状態は、同じ日の同じ道でも時間帯によって入れ替わります。朝は凍った歩道、昼は溶けかけの雪、夕方にまた凍り始める。1日のなかで状態が変わることを前提に、どの状態でも歩ける靴を選ぶのが基本です。
本州の雪の多い地域と比べても、北海道の冬の歩道は凍った状態が長く続きます。気温が低い日が多く、一度凍った路面が昼間もなかなか溶けないためです。旅の数日間、ずっと同じような路面が続くと考えておくと、靴の準備に迷いがなくなります。到着してから路面の様子を見て判断しようとすると、最初の移動で滑ってしまうこともあるので、出発前に準備を済ませておくことが大切です。
境目① 靴底の溝の深さを、硬貨で測る
持っていく靴の候補を裏返して、溝の深さを測ってください。いちばん手軽なのは、硬貨を溝に縦に差し込んで、どこまで隠れるかを見る方法です。
- 硬貨の厚み2枚ぶん以上隠れる:踏み固められた雪でもかみつきやすい。雪道用の靴に近い
- 硬貨の厚み1〜2枚ぶん:踏み固められた雪なら歩けるが、凍った歩道では滑り止めがほしい
- 硬貨の厚み1枚ぶんに満たない:凍った歩道でも踏み固められた雪でも滑りやすい。持っていかない
溝は深さだけでなく、模様の形も見てください。細かい溝が縦横に入っているもの、ジグザグの溝が底全体に広がっているものは、いろいろな向きに力がかかっても止まりやすい作りです。逆に、溝がかかと側に少しだけ、つま先側に少しだけという靴は、土踏まずのあたりが平らで、そこから滑ることがあります。
すり減り具合も確かめてください。よく履いている靴は、かかとの外側やつま先の溝が先に減っています。減った場所の溝の深さで判定しないと、新品のときの感覚で選んでしまい、現地で滑ることになります。
溝の深さを測ったら、底の素材も確かめてください。ゴムの底か、硬い樹脂の底か、革の底かで、凍った路面での止まり方が違います。革の底は溝がほとんどなく、濡れるとさらに滑りやすくなるので、冬の北海道には向きません。硬い樹脂の底は軽くて歩きやすい反面、寒さで硬くなりやすい素材もあります。ゴムの底で溝が深いものが、いちばん安心して歩ける組み合わせです。
靴の重さも見ておきましょう。底の厚い雪道用の靴は、普段の靴より重くなることがあります。片方ずつ手に持って、普段よく履く靴と比べてみてください。重さが大きく違う靴で長く歩くと、旅の後半に足が疲れやすくなります。旅の前に近所を30分ほど歩いて、重さに慣れておくと安心です。
境目② 外を続けて歩く分数
靴を決める2つめの目安は、1日のうちで、屋根のない道をいちばん長く続けて歩く時間です。合計の時間ではなく、続けて歩く時間で見てください。
- 5分以内:駅から建物、建物から車への移動だけ。手持ちの防水の靴に滑り止めを足せば対応できる
- 5〜15分:街なかの散策や、駅から観光地までの徒歩。溝の深い底か、滑り止めが必要
- 15分以上:観光地を歩いて回る、坂の多い町を歩く、郊外を散策する。雪道用の靴を用意したい
続けて歩く時間が長いほど、滑る場面に出会う回数が増え、足の冷えや靴の中の湿りも進みます。短い移動なら、滑りそうな場所で慎重に歩けば済みますが、15分以上続けて歩くと、気をつけ続けることそのものが疲れになります。
旅の予定を立てたら、日ごとに「いちばん長く続けて歩く時間」を書き出しておいてください。旅の中でいちばん長く歩く日に合わせて靴を選べば、ほかの日はそれより楽になります。旅先での歩く時間の数え方は、金沢旅行の服装 冬|みぞれの日数と歩く分数で、靴と上着を決めるでも同じ考え方を使っています。
観光地では、目的の場所に着いてからも、建物の外を歩いて回る時間が意外に長くなります。たとえば運河沿いの町並みや、坂の上から海を見下ろす場所、雪をかぶった庭や公園などは、見ているうちに20分、30分と外にいることがあります。そうした場所を予定に入れているなら、移動の時間だけでなく、現地で外にいる時間も足して数えてください。
写真を撮るために立ち止まる時間も、足元の冷えには影響します。歩いているときより、立ち止まっているときのほうが足先は冷えやすくなります。外にいる時間が長くなりそうな日は、靴の中に敷く厚手の中敷きを足しておくと、足裏から伝わる冷たさをやわらげることができます。
境目③ 最高気温が0度前後か、氷点下で止まるか
3つめの目安は気温です。意外に思われるかもしれませんが、寒さが厳しい日ほど滑りにくく、気温が0度前後まで上がる日のほうが滑りやすくなります。
氷点下で止まる日は、雪が乾いた状態を保ちやすく、踏み固められた雪の上でも靴底がかみつきます。ところが最高気温が0度前後まで上がると、雪や氷の表面が溶けて水の膜ができ、その上に靴が乗ると摩擦が小さくなって滑ります。夕方に気温が下がると、その水が凍って、つるつるの歩道になります。
天気予報で見るのは、最高気温と最低気温の両方です。
- 最高気温が氷点下で止まる:乾いた雪の日。溝の深い底なら歩きやすい
- 最高気温が0度前後、最低気温が氷点下:昼に溶けて夜に凍る日。最も滑りやすい。滑り止めを足す
- 最高気温が3度以上:溶けかけの雪が多い日。滑りやすさに加えて、靴の中に水がしみやすい。防水を最優先にする
旅行の期間のうち、0度前後まで上がる日が1日でもあれば、着脱できる滑り止めを持っていく価値があります。
天気予報は、出発の1週間前から毎日確かめておくと安心です。旅の日程が近づくにつれて予報の精度は上がり、0度前後まで上がる日がどれくらいあるかが見えてきます。直前になって予報が変わることもあるので、滑り止めは迷ったら持っていく、と決めておくと、荷物の準備で慌てずに済みます。小さくたためるものが多く、バッグの隙間に入れておけます。
筒の高さ:積もった雪と、歩道脇の雪の山
靴の筒の高さは、積もった雪の深さで決まります。都市部の歩道は除雪されていることが多いですが、歩道の端や、横断歩道の手前には、除雪で寄せられた雪が山になっていることがあります。
- 足首まで:除雪された歩道を中心に歩くなら十分。雪の山をまたぐ場面では雪が入りやすい
- ふくらはぎの下まで:歩道の端の雪や、新しく積もった雪の上を少し歩くくらいなら対応できる
- ふくらはぎの中ほど以上:除雪されていない道や、雪が降り続いている日にも安心
新しく雪が降った翌朝は、除雪が追いつかない道も多くなります。予報で雪の日が続くなら、筒の高い靴のほうが靴の中に雪が入りにくく、足が濡れずに済みます。
筒の高さと一緒に、履き口の作りも見てください。履き口がゆるく開いている靴は、雪が上から入りやすくなります。履き口をひもやベルトで締められるもの、履き口に内側の布がついていて雪を防ぐものは、雪の日でも安心です。
筒の高い靴は、脱ぎ履きに時間がかかるという面もあります。ひもで締めるタイプの長い靴は、履くたびにひもを通し直す必要があり、靴を脱ぐ場面の多い日には手間になります。筒の高さを選ぶときは、雪の深さだけでなく、その日に靴を脱ぐ回数も考えてください。脱ぐ回数が多い日は、ファスナー付きの長い靴か、足首までの靴に滑り止めを足す組み合わせが向いています。
防水と、寒さで硬くなる底
靴の素材で見るのは、防水かどうかと、底が寒さで硬くならないかの2つです。
防水は、とくに溶けかけの雪の日に効いてきます。布やスエードの靴は、雪が付いたまま暖かい室内に入ると、溶けた水が生地にしみ込みます。外に出るとそれが冷えて、足先が冷たくなります。表面が防水の加工をされた革や合成素材、ゴムの靴を選んでください。手持ちの靴を持っていくなら、出発の前に防水のスプレーをかけておくと、しみ込みを遅らせることができます。
底の柔らかさは、見落とされがちなポイントです。靴底のゴムには、寒さで硬くなるものがあります。底が硬くなると、路面の細かい凹凸にかみつかなくなり、溝があっても滑りやすくなります。
確かめ方は、底を親指で強く押してみることです。爪の跡が少し残るくらい柔らかい底は、寒い中でも路面になじみやすい作りです。指で押してもまったくへこまない硬い底は、寒い屋外ではさらに硬くなるので、凍った歩道では滑り止めを足してください。
靴の縫い目も見ておきましょう。表面が防水でも、縫い目から水がしみ込むことがあります。とくにつま先と甲の境目、かかとの縫い目は、雪が付きやすく水がたまりやすい場所です。縫い目の少ない作りの靴や、底と上の部分が一体になった作りの靴は、水がしみにくい傾向があります。手持ちの靴に防水のスプレーをかけるときは、縫い目に念入りにかけてください。
着脱できる滑り止めを持っていくか
靴の底に後から付けられる、着脱できる滑り止めがあります。ゴムのベルトで靴に巻き付けるもの、かかとだけに付けるもの、底全体を覆うものなど、いくつかの形があります。
持っていくかどうかの目安は次のとおりです。
- 靴の溝が硬貨1〜2枚ぶんで、外を5分以上続けて歩く日がある:持っていく
- 最高気温が0度前後まで上がる日がある:持っていく
- 溝が硬貨2枚ぶん以上あり、外を歩くのは5分以内で、氷点下で止まる日ばかり:なくてもよい
滑り止めは、屋外では頼りになりますが、室内では床を傷つけたり、かえって滑ったりすることがあります。建物に入る前に外し、出るときに付け直す手間がかかるので、付け外しが簡単な形を選んでください。かかとだけに付けるものは付け外しが早く、短い移動が多い日に向いています。底全体を覆うものは滑りにくさが高い代わりに、付け外しに少し時間がかかります。
現地のお店でも手に入ることが多いですが、到着した空港や駅からの最初の移動で滑ることもあるので、心配な人は出発前に用意しておくと安心です。
滑り止めを付けたまま歩くと、歩き心地が普段と少し変わります。底に金属やかたい突起があるものは、歩くたびに路面をとらえる感触がはっきりあり、慣れないうちは足が重く感じることもあります。旅の前に家の近くで一度付けて歩いてみると、付け外しの手順と歩き心地の両方を確かめられます。現地で初めて付けると、付け方に迷っているうちに体が冷えてしまうので、事前に練習しておくと安心です。
手持ちの靴で行くなら:持っていける靴・置いていく靴
新しく靴を買わずに行くなら、手持ちの靴を次の軸で分けてください。表は判断の軸を並べたもので、最終的には溝の深さと歩く分数で自分の靴に当てはめます。
| 靴の種類 | 溝 | 防水 | 判断 |
|---|---|---|---|
| ゴム底の防水ブーツ | 深い | あり | そのまま持っていける |
| 革のブーツ(底に溝あり) | 中くらい | 加工すれば可 | 防水スプレーと滑り止めを足して持っていく |
| 布やスエードのスニーカー | 浅い〜中くらい | なし | 地下中心の日だけ。外を歩く日は置いていく |
| 底が平らな革靴・細いヒール | ほぼなし | なし | 置いていく |
手持ちの靴で迷うのは、2段目の「革のブーツで溝が中くらい」のものです。この靴は、滑り止めを足せば多くの場面に対応できますが、溶けかけの雪の日には水がしみることがあります。旅の日程に溶けかけの雪の日がありそうなら、防水のスプレーをしっかりかけておき、宿で乾かせるようにしておきましょう。
普段の通勤で履いている靴を持っていく場合は、出発前に底の状態をもう一度確かめてください。毎日履いている靴は、自分で思っているよりも溝が減っていることがあります。かかとの外側がすり減って平らになっていたら、その靴は凍った歩道では滑りやすいので、滑り止めを必ず足すか、別の靴を選ぶようにしましょう。
歩き方:小さな歩幅と、足裏全体での着地
靴を整えても、歩き方が普段のままだと滑ることがあります。雪道では、歩き方を少し変えるだけで、滑る回数がぐっと減ります。
- 歩幅を小さくする:普段の半分くらいの歩幅にすると、体の重心が足の真上に来て、滑っても立て直しやすい
- 足裏全体で着地する:かかとから着地すると、かかとの角が氷に当たって滑りやすい。足の裏全体を一度に下ろす
- 重心を少し前に置く:体を少し前に傾けると、後ろに転ぶことを防ぎやすい
- 手を空けておく:ポケットに手を入れたまま歩くと、滑ったときに手がつけない。手袋をして、両手を空けておく
両手を空けるためには、バッグの持ち方も大切です。手で持つバッグより、肩にかけるか背負う形のバッグのほうが、雪道では歩きやすくなります。
横断歩道や建物の出入り口の前など、とくに滑りやすい場所では、さらに歩幅を小さくして、ゆっくり進んでください。急いで横断歩道を渡ろうとして滑ることが多いので、信号が変わりそうなときは次の青を待つくらいの余裕を持つと安心です。
バスや電車の乗り降りのときも気をつけてください。乗り物の床やステップは、乗客の靴から落ちた雪が溶けて濡れていることが多く、思わぬところで滑ることがあります。手すりにつかまり、足を一歩ずつ確かめるように下ろすと安全です。乗り物を降りてすぐの歩道も、人が多く踏んで磨かれていることがあるので、降りた直後は歩幅を小さくしてください。
室内で脱ぐ場面:飲食店・宿・温泉
冬の北海道の建物の中は、暖房がよく効いています。そのため、靴と靴下の組み合わせは、外の寒さだけでなく室内の暖かさも考える必要があります。
飲食店や宿では、靴を脱いで上がる場面も少なくありません。そのたびにひもを全部ほどいて結び直すのは手間がかかります。横にファスナーがついた靴や、履き口の広い靴、ひもを結んだまま脱げる作りの靴は、脱ぐ場面の多い旅で役に立ちます。
靴の中の作りも見てください。内側に厚い起毛のあるブーツは外では暖かいですが、室内に長くいると足が汗ばみ、その汗が外に出たときに冷えて足先が冷たくなることがあります。室内で過ごす時間が長い日は、内側が薄めの靴に厚手の靴下を合わせ、室内では靴下で温度を調整するほうが快適です。
宿に着いたら、靴の中に丸めた新聞紙や乾いたタオルを入れて、湿気を取っておきましょう。翌朝、湿ったまま履くと、外に出てすぐに足が冷えます。
温泉や宿の大浴場へ行くときは、宿の中で履く室内用の履物を使う場面も多くなります。外に出るときにまた雪道用の靴に履き替えるので、宿の玄関で履き替えやすい靴は、この場面でも便利です。夜に宿の近くを少し散歩するだけでも、外の路面は凍っていることが多いので、宿の履物のまま外に出ないように気をつけてください。
どちらとも取れる場合① 都市部だけで、地下の通路を歩ける
旅の予定が都市部の中心だけで、駅と建物を地下の通路でつなげるなら、屋根のない道を歩く時間はかなり短くなります。この場合、靴の選び方は少し緩めてもかまいません。
目安は、地下で移動できない区間がどれくらいあるかです。地下の通路の出口から目的地まで、屋根のない道を歩く時間を数えて、5分以内に収まるなら、手持ちの防水の靴に着脱できる滑り止めを足すだけで十分です。
ただし、地上に出る出口の階段や、出口を出てすぐの歩道は、人の出入りが多いため磨かれて滑りやすくなっています。出口付近だけは歩幅を小さくして、慎重に歩いてください。
また、都市部が中心の旅でも、1日だけ郊外や観光地に足をのばす日があるなら、その日に合わせて靴を選んでください。いちばん長く外を歩く日の条件で決めるのが、靴選びの基本です。
夜の移動にも気をつけてください。昼間は溶けていた歩道も、日が落ちると急に凍り始めます。夕食に出かけて、帰りに同じ道を歩いたら行きより滑りやすくなっていた、ということはよくあります。夜に外を歩く予定がある日は、地下中心の日でも滑り止めをバッグに入れておくと安心です。
どちらとも取れる場合② 旅の途中で気温が上下する
旅の期間中、最高気温が氷点下の日と0度前後の日が入れ替わる予報なら、靴を2種類用意するか、1足に滑り止めを足して対応するかを考えます。
靴を2足持っていくのは荷物が増えますが、溶けかけの雪で靴が濡れたときの替えにもなります。3泊以上の旅で、外を歩く日が多いなら、2足に分けておくと安心です。1足は溝の深い防水のブーツ、もう1足は室内で過ごす日や移動の日のための、脱ぎ履きしやすい靴にしておくと、役割がはっきりします。
2泊以内の短い旅なら、溝の深い防水のブーツを1足にして、0度前後の日だけ滑り止めを足す方法で十分です。荷物を減らしたい人は、この方法を選んでください。
気温が上下する日は、上着の調整も必要になります。0度前後の日は、氷点下の日より上着を薄くできることもありますが、足元は逆に滑りやすくなるので気を抜けません。上着は軽く、足元はしっかり、と分けて考えると、気温の変化に振り回されずに済みます。
どちらとも取れる場合③ 雪道用を買うか、手持ちの靴で行くか
雪道用の靴を新しく買うかどうかは、旅の日数と、帰ってからも使うかどうかで決めてください。
- 1〜2泊で都市部が中心:手持ちの防水の靴に滑り止めを足す方法で足りる
- 3泊以上、または外を15分以上続けて歩く日がある:溝の深いゴム底の防水ブーツを1足用意したい
- 毎年冬に雪の多い地域へ行く、住まいの地域でも雪が降る:買って長く使う価値がある
買うときは、底の溝の深さと柔らかさ、防水かどうか、筒の高さ、脱ぎ履きのしやすさを確かめてください。店で試すときは、旅で履く厚手の靴下を持っていき、それを履いた状態でサイズを合わせます。普段の薄い靴下で選ぶと、旅先で厚手の靴下を履いたときにきつくなり、血の巡りが悪くなって足先が冷えやすくなります。
雪道用の靴は、見た目が普段の服と合わないことを心配する人もいます。最近は、ゴム底でも上の部分が革や合成素材で、普段の服に合わせやすい形のものも増えています。帰ってからも雨の日に履けるかどうかを考えて選ぶと、旅の後も出番が続きます。雨の日の靴とボトムスの合わせ方はレインブーツの合わせ方|筒の高さと裾の位置で、秋冬のボトムを選ぶも参考にしてください。
靴に合わせる靴下と、ボトムスの裾
靴を決めたら、合わせる靴下とボトムスの裾も整えます。足元は、靴だけでなく靴下と裾までがひとつのまとまりです。
靴下は、毛やそれに近い素材の厚手のものが、冷えにくく湿気も逃がしやすいです。綿だけの靴下は汗を吸ったまま乾きにくく、外に出たときに冷えやすいので、旅の靴下には向きません。5本指の薄い靴下を下に、厚手の靴下を上に重ねると、指先の冷えが和らぎます。
ボトムスの裾は、靴の筒との関係で決めます。
- 筒の長いブーツなら、パンツの裾をブーツの中に入れる。雪が裾に付かず、濡れにくい
- 筒の短いブーツなら、パンツの裾をブーツの上にかぶせる。雪が靴の中に入りにくい
- スカートの場合は、厚手のタイツと筒の長いブーツで脚を覆う
裾が雪に触れる長さのパンツは、歩くうちに裾が濡れて重くなります。裾がくるぶしより上で止まるか、ブーツの中に入れられる細さのものを選んでください。秋の北海道の服装との違いは、北海道旅行の服装は秋が別物|9月10月11月を本州の何月で読むと見比べると、足元の準備がどれだけ変わるかがよくわかります。
足元の色は、雪の白と路面の灰色の中でどう見えるかも考えておくと、旅の写真がきれいに残ります。黒や濃い茶の靴は雪の上でくっきりと映り、全身の輪郭が引き締まります。明るい色の靴は雪景色になじみますが、溶けかけの雪の日には汚れが目立ちやすくなります。旅の日程に溶けかけの雪の日が多そうなら、濃い色の靴を選ぶほうが気楽に歩けます。
泊数と、替えの靴
最後に、泊数ごとの靴の数をまとめます。
- 1泊:靴は1足。溝の深い防水の靴に、必要なら滑り止めを足す
- 2泊:靴は1足。宿で必ず乾かす。溶けかけの雪の日がある予報なら、替えの靴下を多めに
- 3泊以上:靴は2足。外を歩く日のための防水ブーツと、室内中心の日や移動日のための脱ぎ履きしやすい靴
靴下は、泊数より1〜2足多めに持っていくと安心です。溶けかけの雪の日には、靴の中がしみて靴下が濡れることがあります。濡れた靴下で歩き続けると足が冷えるので、昼に1回替えられるように、バッグに1足入れておきましょう。
冬の北海道の旅は、足元が整えば、あとは上着と中に着るもので調整できます。出発前に靴を裏返して、溝の深さを硬貨で測る。予定を見て、いちばん長く外を歩く分数を数える。予報で、最高気温が0度前後まで上がる日があるかを確かめる。この3つを済ませておけば、凍った歩道でも落ち着いて歩けます。
帰りの日の靴も考えておきましょう。帰りの日は、荷物が増えて両手がふさがりやすく、空港や駅までの移動で滑ることがあります。スーツケースを引いて凍った歩道を歩くと、思った以上に足元が不安定になります。帰りの日こそ、溝の深い靴を履き、必要なら滑り止めを付けて移動してください。
旅から戻ったら、靴の底に付いた砂や汚れを落とし、よく乾かしてからしまいましょう。雪道で使った靴は、底の溝に細かい砂が詰まっていることがあります。歯ブラシなどで溝をきれいにしておくと、次に履くときにも溝が働き、雨の日の普段履きとしても長く使えます。
よくある問い
- Q. 冬の北海道は、普段のスニーカーで歩けますか
- 靴底の溝の深さと、外を続けて歩く分数で決まります。溝が浅く平らな底のスニーカーは、踏み固められた雪や凍った歩道で滑りやすく、水もしみやすいので、外を10分以上続けて歩く日には向きません。駅と建物を地下でつなぐ通路を中心に動く日だけなら、着脱できる滑り止めを持てば対応できる場合もあります。
- Q. 雪道用の靴を新しく買うべきですか
- 旅の日数と、帰ってからも使うかどうかで決めてください。1〜2泊で都市部が中心なら、手持ちの防水の靴に着脱できる滑り止めを足す方法で足ります。3泊以上で郊外や観光地を歩く日が多いなら、溝の深いゴム底の防水ブーツを1足用意したほうが、毎日の不安が減ります。
- Q. ヒールのあるブーツは避けたほうがいいですか
- 細いヒールは接地面が小さく、凍った歩道ではかかとから滑りやすくなります。ヒールがあるなら、太さが3センチ以上あり、底に溝があるものにしてください。それでも、外を歩く時間が長い日は、底が平らに近い靴のほうが安心です。
- Q. 室内が暖かいと聞きましたが、靴はどうすればいいですか
- 建物の中は暖房がよく効いているので、厚手の靴下と内側に起毛のあるブーツでは足が汗ばむことがあります。飲食店や宿で靴を脱ぐ場面もあるため、ひもを全部ほどかなくても脱げる作りか、横にファスナーがついた靴が便利です。
— メグラシ編集部





