パンツスーツが似合わない女性|着られて見えるか固すぎるかで直す所を分ける

**パンツスーツが似合わないと感じる理由は、2つのどちらかです。**服に着られて見えるか、固すぎて見えるか。前者は寸法が体に合っていないこと、後者は寸法は合っているのに中身がすべて固い側にそろっていることが原因です。
**着られて見えるなら、直すのは寸法です。**肩の縫い目が肩の骨から2センチ以上外に落ちていないか、袖が手の甲にかかっていないか、上着の丈がお尻を全部隠していないかを見てください。どれかが当てはまるなら、インナーや小物を替えても印象は変わりません。
固すぎて見えるなら、寸法はそのままで中身を直します。白いシャツを薄手のニットに替え、上着の前を開けて縦の線を出し、上着とインナーの色の差を縮めてください。自分がどちらの側かは、鏡の前で腕を前に伸ばし、写真を1枚撮れば見分けられます。
裾の長さと靴の合わせ方を先に知りたい人はパンツスーツの着こなし|秋冬は裾が靴の甲にかかる長さで決めるに、この記事では「似合わない」の中身を分けるところから書きます。
結論:着られて見えるなら寸法、固すぎるなら中身
似合わないの中身と、直す場所を並べると次のようになります。
| 見え方 | 起きていること | 直す所 |
|---|---|---|
| 着られて見える・子どもっぽい・借り物に見える | 服が体より大きい、または長い | 肩・袖丈・上着の丈・パンツの幅と丈 |
| 固すぎる・男性っぽい・怖く見える | 寸法は合っているが、中身がすべて直線と濃い色 | インナー・前の開け方・色の差・足元 |
表の左の言葉で、自分の感じている違和感に近いほうを選んでください。どちらとも言えない人、両方に心当たりがある人は、次の章の見分け方で確かめます。
どちらの側かを見分ける|鏡で2つ試す
自分の感覚だけで決めると、着られて見えるのに固すぎると思い込むなど、逆の側を直してしまうことがあります。鏡の前で次の2つを試してください。
1つ目は、上着を着て前を留め、両腕をまっすぐ前に伸ばすことです。肩の後ろがつっぱらず、袖口が手首の骨のあたりまで上がってくるなら、寸法はおおむね合っています。腕を伸ばしても袖口が手の甲に残る、または腕を下ろしたときに肩の縫い目が腕の側に落ちているなら、着られて見える側です。
2つ目は、2メートルほど離れた位置から、全身の写真を1枚撮ることです。写真を見て、最初に顔に目が行くか、服に目が行くかを確かめます。服に先に目が行き、しかも布が体から浮いて見えるなら着られて見える側です。服に先に目が行き、布は体に沿っているのに、全体が硬い板のように見えるなら固すぎる側です。
着られて見える①|肩の縫い目が肩の骨から落ちている
着られて見える原因でいちばん多いのが、肩の寸法です。上着の肩の縫い目が、肩の骨の端から2センチ以上外に落ちていると、肩から下の布がすべて体より外側に垂れ、服の中に体が入っているように見えます。
肩の骨の端は、腕を横に上げたときに肩の上にできるくぼみの少し外側です。そこに指を置き、縫い目までの距離を測ってください。1センチ以内なら合っています。2センチを超えるなら、号数を一つ下げるか、肩幅の狭い形を選び直します。
肩は、お直しでの調整がもっとも難しい場所です。肩が合っていない上着をほかの場所で直しても、着られて見える印象は残ります。買うときはまず肩を合わせ、身幅や袖はそのあとで考えてください。号数の選び方はスーツの選び方|肩と腕と前で見るでも整理しています。
着られて見える②|袖が手の甲にかかる
袖丈が長いと、手が袖に隠れ、子どもが大人の服を借りたような印象になります。腕を下ろしたときに、袖口が手首の骨を越えて手の甲にかかっているなら長すぎます。
目安は、腕を自然に下ろして、袖口が手首の骨にかかるか、その少し下までです。インナーにシャツを着るなら、シャツの袖が1センチほどのぞく長さにすると、腕の先が締まって見えます。
袖丈は、肩と違ってお直しで詰めやすい場所です。袖口にボタンの飾りがある形でも、多くは肩の側から詰めるなどの方法で調整できます。袖だけが長い上着なら、買い直さずに直して着てください。
着られて見える③|パンツの幅と裾のたまり
パンツは脚の線がそのまま見えるので、スカートのスーツより寸法のずれが目に入りやすい服です。
まず裾を見ます。靴を履いた状態で、裾が靴の上で2段以上のしわになってたまっているなら長すぎます。秋冬は、裾が靴の甲に軽く触れて1段だけ折れるくらいが、足首まわりがすっきり見える長さです。
次に幅を見ます。太ももの横に余った布が縦に大きく波打っているなら、幅が広すぎます。反対に、太ももに横じわが何本も出ているなら、幅が狭すぎます。どちらも、パンツ全体が体に合っていない印象につながります。裾と幅はお直しで調整できるので、腰回りが合っているなら直して着てください。
着られて見える④|上着の丈がお尻を全部隠す
上着の丈が長すぎると、上半身が間延びし、脚が短く見えて、全体が服に負けた印象になります。
前を留めて鏡に横向きに立ち、上着の裾がお尻のいちばん高い位置からどこまで下がっているかを見てください。お尻を半分ほど隠す丈なら、多くの人にとって釣り合いの取れる長さです。お尻を全部隠して、太ももの付け根まで届く丈は、背が高い人以外には長く見えやすくなります。
上着の丈は、お直しで短くするのが難しい場所です。丈が長すぎる上着は、パンツの裾を少し短めにして靴の甲を見せ、脚の見える長さを稼ぐ方法で補ってください。
固すぎる①|インナーを白いシャツ以外にする
寸法が合っているのに固すぎて見える人は、インナーから替えます。白いシャツの襟を上着の襟に重ねると、首まわりに直線がいくつも集まり、全体の固さが一段増します。
秋冬なら、目の詰まった薄手のニットか、とろみのある無地のブラウスに替えてください。襟のない丸首や、浅いVの開きにすると、首元に肌が少し見え、顔まわりの線が柔らかくなります。色は白に限らず、上着より少し明るいグレーや生成りでもかまいません。
**来客や面接などで白いシャツが決まっている場面以外は、シャツにこだわる必要はありません。**職場の決まりで迷う人は、まず普段の会議の日だけ替えてみると、周りとの差を確かめながら進められます。
固すぎる②|上着の前を開けて縦の線を出す
上着の前を留めたままだと、胴の部分が1枚の面になり、硬い板のような印象が出ます。前を開けると、インナーの色が縦に1本通り、体の中心に柔らかい線ができます。
座っている時間が長い日や、社内だけの日は、前を開けて着てください。開けたときに、上着の前端が胸の横で左右にきれいに落ちるかを鏡で確かめます。前端が外側に大きく広がるなら、身幅が余っているので、留めて着たほうが整って見えます。
前を開けて着るときは、インナーの丈も見てください。インナーの裾が上着の裾より長く出ると、だらしない印象になります。上着の裾より短いか、パンツの中に入れて着ます。
固すぎる③|上着とインナーの色の差を縮める
黒のパンツスーツに白いシャツのように、上着とインナーの色の差が大きいと、境目がくっきりして固さが増します。色の差を縮めると、全体がなじんで柔らかく見えます。
黒の上着なら、白ではなくグレーや生成りのインナーにする。濃紺の上着なら、水色や薄いグレーのインナーにする。差が一段縮まるだけで、境目が目立たなくなります。
スーツそのものの色を選び直せるなら、黒より濃紺やチャコール、深い茶のほうが固さは和らぎます。手持ちの靴とバッグとの組み合わせで色を選ぶ方法はスーツの選び方|秋冬の1着の色は手持ちの靴とバッグで決めるにまとめています。
固すぎる④|足元で外す
上半身を替えにくい職場なら、足元で固さを和らげます。黒の革のひもぐつや、先の尖った黒のパンプスは、スーツの固さをそのまま足元まで伸ばします。
秋冬なら、甲の浅いローファーや、足首がのぞく丈のパンツに肌に近い色のストッキング、あるいは上着と同じ系統の色のショートブーツに替えてください。パンツの裾が靴にかぶる長さなら、靴の先だけが見えるので、色を茶やグレーにするだけでも印象が変わります。
両方に当てはまる人|先に寸法、次に中身
見分け方を試して、着られて見える側と固すぎる側の両方に当てはまる人もいます。肩は落ちていて、しかも黒に白いシャツ、という組み合わせです。
この場合は、必ず寸法を先に直してください。寸法が合っていないままインナーや色を替えても、服が体から浮いて見える印象は残ります。反対に、寸法を合わせると、それだけで固さの印象が一段和らぐことがよくあります。体に沿った服は、同じ色でも硬い板ではなく体の形として見えるからです。
順番は、肩、袖丈、パンツの裾と幅、そして上着の丈です。肩が合わないなら号数を替え、袖とパンツはお直しで整えます。そのうえで鏡の前に立ち、まだ固く見えるなら、インナー、前の開け方、色の差の順に1つずつ替えてください。一度に全部替えると、どれが効いたのか分からなくなります。
寸法を直す余裕がない場合は、前を開けて着る日を減らし、留めて着ることで身幅の余りを隠しながら、インナーだけ替える方法もあります。根本の解決ではありませんが、買い直すまでのつなぎとして使えます。
どちらでもない人|似合わないのは場面かもしれない
寸法は合っていて、インナーも柔らかいのに、それでも似合わないと感じる人もいます。この場合は、服ではなく、着ている場面とのずれを疑ってください。
社内だけで、周りがカーディガンやニットで働いている職場では、きちんとしたパンツスーツはそれだけで目立ち、本人には浮いて見えます。服が合っていないのではなく、その場の固さより一段上にいるだけです。上着を、同じ色のニットのカーディガンに替えて、パンツだけをスーツのものにすると、場の線に近づきます。
上下を分けて着る考え方はセットアップの着こなし|張りのある生地と落ちる生地で崩し方が逆にも書いています。
秋冬にコートを重ねるとき
秋冬は、パンツスーツの上にコートを重ねます。このとき、上着の丈とコートの丈の関係で、着られて見える印象が強まることがあります。
上着の裾がコートの裾から出ていると、段が2つできて、全体が重く見えます。コートは上着の裾より5センチ以上長い丈を選び、上着がコートの中に収まるようにしてください。肩も、上着の肩の縫い目とコートの肩の縫い目が近い位置にあるほうが、重ねたときに肩が落ちて見えません。上着とコートの丈の合わせ方はジャケットの丈の選び方|秋冬はコートの中に収まるかで決めるで詳しく扱っています。
買い直す前に|直せる所と直せない所
似合わないと感じたとき、すぐに買い直す前に、直せる所かどうかを確かめてください。
お直しで調整しやすいのは、袖丈、パンツの裾、パンツの幅、ウエストです。これらが原因なら、手持ちの1着で解決できます。調整が難しいのは、肩幅、上着の丈、背中の幅です。ここが合っていない場合は、号数や形を選び直したほうが早く、結果として出費も抑えられます。
試着室で見る順番
新しくパンツスーツを選ぶときは、試着室で次の順に見てください。
まず上着を着て前を留め、肩の縫い目が肩の骨の端から1センチ以内にあるか。次に両腕を前に伸ばし、肩の後ろがつっぱらないか。腕を下ろして、袖口が手首の骨にかかるか。横向きに立って、上着の裾がお尻の半分ほどにあるか。最後にパンツを履いて靴を合わせ、裾のたまりが1段に収まっているか。
肩と上着の丈が合っていれば、残りはお直しとインナーで整えられます。この2つだけは、試着室で妥協しないでください。
よくある問い
- Q. パンツスーツを着ると男性っぽく見えてしまいます
- 固すぎて見える側の悩みです。寸法が合っているなら、インナーを襟のないものに替え、首元の肌が少し見えるようにしてください。白いシャツの襟を上着の襟に重ねると、直線が首まわりに集まって固さが増します。薄手のニットか、とろみのある無地のブラウスにすると、首元の線が柔らかくなります。
- Q. パンツスーツを着ると子どもっぽく見えます
- 着られて見える側の悩みであることが多いです。肩の縫い目が肩の骨より外に落ちていないか、袖口が手首の骨を越えて手の甲にかかっていないかを確かめてください。どちらかが当てはまるなら、服が体より一回り大きく、借りてきた服のように見えています。肩が合う号数に替えるか、袖丈を直すと印象が変わります。
- Q. パンツスーツはスカートのスーツより似合わない人がいますか?
- 形そのものが似合わない人はほとんどいません。パンツは脚の線がそのまま見えるので、スカートより寸法のずれが目に入りやすいだけです。裾が靴の上で何段もたまっていたり、太ももに横じわが出ていたりすると、全体が合っていないように見えます。パンツの丈と幅を先に直すと、多くの場合は解消します。
- Q. 買ったばかりのパンツスーツが似合わない場合、買い直すべきですか?
- 肩が合っているなら、買い直さずに直せます。袖丈、パンツの裾、パンツの幅は、お直しで調整できる場所です。反対に、肩の縫い目が2センチ以上落ちている、または肩がつっぱって腕が上がらない場合は、直すのが難しい場所なので、号数や形を替えたほうが早く解決します。
— メグラシ編集部





