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胸がない人のワンピース|秋冬は切り替えの高さと胸の余りを試着で測る

メグラシ編集部//読了 21分
胸の下にギャザーの切り替えがある深いボルドーのウールワンピースを着て、駅の通路を歩く女性の鎖骨から膝まで

**胸がないと感じている人がワンピースを選ぶときは、試着室で2か所だけ測ってください。**胸の前に余る布の量と、アンダーバストから切り替えまでの距離です。この2つの組み合わせで、合う型はほぼ決まります。

ワンピースは、上下が一続きの服です。トップスなら胸で合わなければサイズを替えればいいし、ボトムスは胸と関係がありません。ワンピースだけは、肩と腰で合っていても、胸の前に布が余ると、その余りが縦じわや浮きになって、全体の印象を変えてしまいます。

けれど、それは体のせいではありません。多くのワンピースは、胸に一定のふくらみがあることを前提に、ダーツや切り替えで立体を作ってあります。**その立体と自分の体の厚みの差が、布の余りとして出ているだけです。**差を測って、差が目立たない型を選べば、胸の前の厚みが少ないことはワンピース選びの障害になりません。

この記事は、余りの測り方、切り替えの高さの見方、余りが中くらいの人の決め方、秋冬の生地とニットの場合、場面ごとの選び分けの順に進みます。コートの選び方は胸がない人に似合うコート、ニットは胸が小さい人の秋ニットに分けてあります。

結論:見るのは余りの量と切り替えの高さの組み合わせ

先に、判断の全体を表にしておきます。余りは片側の量、切り替えの高さはアンダーバストの線から切り替えまでの距離です。

胸の前の余り(片側)合いやすい型避けたい型
1.5cm以内どの型でも合う特になし
1.5〜3cm生地と襟ぐりで決める薄く光る生地のウエスト切り替え
3cm以上切り替えなし、アンダーバストから3cm以内のギャザー切り替えダーツで胸を作ったウエスト切り替え

この表は、一覧で答えを出すためのものではありません。どこで判断が分かれるかの目印です。余りが1.5〜3cmの人がいちばん多く、そこがいちばん迷うところなので、後の章で厚く書いています。

切り替えの高さは、型の名前より距離で見てください。同じ「ハイウエスト」と書かれていても、アンダーバストのすぐ下で切り替えてある型と、そこから6cm下で切り替えてある型では、胸の前の余りの出方がまったく違います。

胸の前の余りを測る:脇の縫い目の前をつまむ

余りは、試着した状態で、自分の指で測ります。

  1. ワンピースを着て、背中のファスナーやボタンをすべて閉める
  2. 鏡に正面を向けて、腕を自然に下ろす
  3. 胸のいちばん高い位置の高さで、脇の縫い目から指2本ぶん前の布を、親指と人差し指で横につまむ
  4. つまんだ布の、指で挟んでいる部分の幅を見る
  5. 反対側も同じように測る

つまんだ布の幅が、片側の余りです。指で挟んだときに、布が二重になっている部分の幅を測ってください。人差し指の幅がおよそ1.5cmなので、それを目安にすると試着室でも測れます。

つまむ位置を脇の縫い目の前にする理由

胸の真ん中をつまむと、ボタンや前立て、ギャザーの布量まで一緒につまんでしまい、余りが実際より大きく出ます。脇の縫い目のすぐ前は、ほとんどの型で布が平らに体に沿う場所なので、体と服の差がそのまま出ます。

余りがしわとして見えるかも確かめる

つまむ前に、正面と横から鏡を見て、胸の下にしわがあるかを確かめてください。しわの出方で、余りがどこにたまっているかが分かります。

  • 胸の下から縦に流れるしわ:余りが下に落ちている。ウエスト切り替えで起きやすい
  • 胸の横に斜めのしわ:ダーツの先が体に沿っていない。ダーツの位置が合っていない
  • 胸の前で布が前に浮く:余りが前に出ている。前かがみになると襟ぐりが開きやすい

しわが見えないのに、つまむと2cm以上ある場合は、生地が厚いか、柄があって余りが見えにくくなっているだけです。この場合は、見えないことを優先して構いません。

切り替えの高さを測る:アンダーバストからの距離

切り替えの高さは、アンダーバストの線、つまり胸のふくらみがいちばん下で終わる線から、ワンピースの切り替えの縫い目までの距離で見ます。

試着した状態で、アンダーバストの線に人差し指を横に当て、そこから切り替えまでに指が何本入るかを数えてください。

  • 0〜指2本(0〜3cm):アンダーバストのすぐ下で切り替える型
  • 指2〜5本(3〜8cm):胸とウエストの中間で切り替える型
  • 指5本以上(8cm以上):ウエストで切り替える型
  • 切り替えがない:肩から裾まで一続きの型

距離ごとに余りがどこへ行くか

切り替えの高さが変わると、胸の前の余りの行き先が変わります。

アンダーバストのすぐ下で切り替える型は、胸から切り替えまでの身頃が短いので、余りがあっても布の面積が小さく、目立ちにくいです。切り替えの上にギャザーやタックが寄せてあれば、余った布はふくらみとして見えます。

胸とウエストの中間で切り替える型は、余りが切り替えの縫い目の上でたまり、横じわになりやすいです。いちばん判断が分かれる高さです。

ウエストで切り替える型は、胸からウエストまでの身頃が長く、余りが縦に流れて、胸の下からウエストまで縦じわが続きます。身頃が体に沿う型ほど、余りが見えます。

切り替えがない型は、胸の高さで布を止めないので、余りが問題になりません。肩から布が落ちて、胸の前も腰の前も同じように布が離れているので、胸の前だけ布が余って見えることがないからです。

型ごとの向きと、胸の前の作り方

切り替えの高さに加えて、胸の前の立体をどう作ってあるかも見てください。同じ高さの切り替えでも、立体の作り方で余りの出方が変わります。

ダーツで胸を作ってある型

脇から胸に向かって、あるいはウエストから胸に向かって、縫い込んだ三角の線(ダーツ)がある型です。ダーツの先端が、胸のいちばん高い位置の近くを狙って縫ってあります。

胸の前に厚みが少ない人がこの型を着ると、ダーツの先が体から浮いて、そこだけ布が尖って見えることがあります。試着したら、ダーツの先端が体に触れているかを横から見てください。先端が指1本以上浮いているなら、その型は胸の厚みが合っていません。

ギャザーやタックで胸を作ってある型

切り替えの縫い目に、布を細かく寄せたギャザーや、折りたたんだタックがある型です。布量があらかじめ多めに取ってあるので、胸の前に厚みが少ない人が着ても、余りが「ゆとり」や「ふくらみ」として見えます。

胸の前の余りが大きい人には、いちばん合わせやすい作りです。ただし、ギャザーの量が多すぎると、胸の前だけが大きくふくらんで、肩や腰との差が大きく見えます。目安は、ギャザーを寄せている幅が、自分の胸の幅(左右の脇の縫い目のあいだ)の半分以内であることです。

パネルで胸を作ってある型

肩や袖ぐりから裾に向かって、縦の縫い目が何本か入っている型です。縦の縫い目で体の曲線に沿わせているので、胸の厚みが合わないと、縫い目が胸の前で外に開いたり、内に寄ったりします。

正面の鏡で、縦の縫い目がまっすぐ下に落ちているかを見てください。胸の高さで縫い目が曲がっているなら、その型は胸の厚みを前提にしています。

どちらとも取れるとき:余り1.5〜3cmの人の決め方

余りが1.5cm以内なら迷うことはありませんし、3cm以上なら型を絞れば済みます。いちばん迷うのは、余りが1.5〜3cmの人です。つまむと少し余るけれど、しわははっきり見えない、という状態です。

この場合は、次の3つを順に確かめてください。

① 生地の厚みで決める

生地を指でつまんで、こすり合わせてみてください。指の腹で布の厚みがはっきり分かる生地なら、余りは生地の張りに吸収されて、しわになりにくいです。薄くて指の間で布がすべるような生地なら、余りはそのまましわになります。

秋冬のウール、厚手のジャージー、起毛のある生地は、たいてい前者です。余りが1.5〜3cmの人は、厚い生地ならウエスト切り替えでも着られることが多いです。

② 前かがみになって襟ぐりの浮きを見る

鏡に横を向け、靴を履くときのように上体を前に30度ほど倒してください。そのときに、襟ぐりが肌から離れる距離を見ます。

  • 指1本以内:余りは前に出ていない。そのまま着られる
  • 指1〜2本:お辞儀や物を拾う場面が多い日は、インナーで調整する
  • 指2本以上:余りが前に浮いている。この型は避けるか、上に羽織るものと組む

前かがみの浮きは、立っているときの鏡では見えません。式典やお呼ばれ、仕事でかがむことが多い日に着るなら、ここを必ず確かめてください。

③ 歩いて、胸の下のしわが戻るかを見る

試着室の中で、その場で足踏みを10回して、腕を前後に振ってください。止まったときに、胸の下にしわが残っているか、すっと戻るかを見ます。

戻る生地なら、着ている間ずっとしわが出ているわけではないので、余りがあっても気にせず着られます。残る生地は、座ったり立ったりするたびにしわが増えていくので、1日の終わりには余りがはっきり見えるようになります。

3つの結果の組み合わせ方

①から③で、2つ以上が「そのまま着られる」側なら、その1着は合っています。1つだけなら、ベルトかインナーで調整する前提で選んでください。3つとも合わない側なら、型を替えたほうが、あとで着なくなる心配がありません。

**迷ったときに優先するのは、②の前かがみの浮きです。**しわは羽織りものやベルトで隠せますが、前に浮く余りは、隠す方法が限られるからです。

左右で余りが違うとき

左右を測って、片側は1cm、もう片側は2.5cm、というように差が出ることがあります。体の左右差は誰にでもあるので、珍しいことではありません。

左右で違うときは、**余りが大きいほうの数字で判断してください。**小さいほうに合わせると、大きいほうの側にだけしわが出て、正面から見たときに左右で布の落ち方が違って見えます。大きいほうで表を当てはめておけば、小さいほうの側は余りが目立たないので、全体としてそろって見えます。

差が1.5cm以上ある場合は、インナーで大きいほうの側だけ厚みを足す方法もあります。カップ付きのインナーに薄いパッドを片側だけ入れると、外からは分からないまま布の落ち方がそろいます。

試着室で決めきれないとき

3つの確かめ方を全部やっても決めきれない1着は、その日に買わずに、一度家で手持ちの羽織りものと合わせる場面を考えてから決めるのが確実です。ワンピースは単体で着る日より、秋冬は何かを重ねる日のほうが多いからです。重ねる予定の1着がはっきり浮かぶなら、その1着と合わせた姿で判断して構いません。

秋冬の生地の厚みで変わること

秋冬のワンピースは、春夏よりも生地が厚く、重くなります。これは、胸の前に厚みが少ない人にとっては、選びやすくなる方向の変化です。

厚い生地は、それ自体に張りがあるので、体から少し離れて立体を保ちます。胸の前の余りがあっても、布が自分の張りで形を保つので、しわになりにくいのです。

生地ごとの扱いやすさを、余りの出方で分けておきます。

  • ウールの平織り、ツイード:張りがあり、余りがしわになりにくい。ウエスト切り替えでも着やすい
  • 厚手のジャージー:伸びて体に沿うので、余りが目立ちにくい。ただし体の線も拾う
  • 起毛のある生地(フランネル、起毛ジャージー):表面の毛が光を散らすので、しわの影が見えにくい
  • サテン、光沢のあるポリエステル:光が反射して、余りのしわに強い影ができる。いちばん余りが見えやすい
  • 薄手のレーヨン、シフォン:体に落ちる重みがあり、余りが縦に流れる。切り替えなしの型なら扱いやすい

光沢のある生地は、秋冬のお呼ばれでよく使われます。余りが1.5cm以上ある人が光沢のある生地を選ぶなら、胸の前にギャザーかドレープがある型を選ぶと、布の動きの中に余りが紛れます。

色と柄で余りの見え方を変える

生地の色と柄も、余りの見え方を左右します。余りがしわとして見えるのは、しわの山と谷に光と影ができるからです。影が見えにくい色と柄なら、同じ量の余りでも目立ちにくくなります。

  • 深い色:ボルドー、深緑、濃紺、チャコールなど、秋冬に多い深い色は、しわの影が色の中に沈むので目立ちにくい
  • 淡い色:アイボリーや淡いグレーは、影がくっきり見える。余りが1.5cm以上ある人は、厚い生地と組み合わせる
  • 細かい柄:小さな花柄、千鳥格子、ヘリンボーンなどは、柄の陰影がしわの影を紛らわせる
  • 大きな柄:柄の線がしわで曲がると、そこに余りがあることが分かりやすくなる。特に横の線の柄は、胸の下で曲がって見えやすい
  • 縦の柄:細いストライプや縦のリブは、胸の前に縦の線を作り、平らな面にも立体が出る

迷ったら、深い色の無地か、細かい柄の厚手の生地を選んでください。秋冬は、その組み合わせのワンピースがいちばん多く並ぶ季節でもあります。

襟ぐりの深さ:鎖骨のくぼみから最下点まで

胸の前に厚みが少ない人は、襟ぐりが深い型で、前かがみになったときに胸元が浮きやすくなります。体と布の間にすき間ができやすいからです。

襟ぐりの深さは、首の付け根の中央、鎖骨のあいだのくぼみから、襟ぐりのいちばん低い点までの距離で見てください。

  • 8cm以内:前かがみでも浮きにくい。どの場面でも安心
  • 8〜12cm:浮くかどうかは余りの量しだい。前の章の②で確かめる
  • 12cm以上:余りが少なくても浮くことがある。インナーを重ねる前提で選ぶ

襟の形ごとの扱い方

  • 丸首、ボートネック:深さが浅いことが多く、胸の前の平らな面を布が自然に覆う。合わせやすい
  • Vネック:縦の線が胸の前を通るので、すっきり見える。深さが12cmを超える型は、前かがみで浮きやすい
  • スクエアネック:横の線が鎖骨の下にできる。胸の前の余りが襟の下でたまると、横じわが出やすい
  • ハイネック、タートルネック:胸の前を全部覆うので浮きの心配がない。秋冬は特に使いやすい
  • シャツ襟:前立てのボタンで布が止まるので、余りが前立ての両側に分かれて目立ちにくい

秋冬はハイネックやシャツ襟の型が増える季節です。胸の前の余りが大きい人は、この季節のほうがワンピースを選びやすい、と考えて構いません。

胸元のデザインの見方:布が動いている場所を探す

胸の前に何かデザインが入っている型は、余りを目立たなくしてくれることがあります。見るべきなのは、デザインの種類より、胸の高さで布が動いているかどうかです。

  • ヨーク切り替え:肩から胸の上にかけて別の布で切り替えた型。ヨークの下にギャザーがあれば、胸の前に布量ができる
  • ピンタック:細い縫い目を何本も縦に並べた型。縦の線が胸の前に影を作るので、平らな面に立体が出る
  • フリル、ラッフル:胸の高さに付いていれば、布の動きが胸の前に厚みを作る。肩に付いているものは、胸とは関係が薄い
  • ボウタイ:首元で結んだリボンが胸の前に垂れるので、胸の前を自然に覆う
  • 胸ポケット:小さな四角が胸の前に付くだけで、平らな面に区切りができる

逆に、胸の前に何もない、無地で平らな身頃の型は、余りがそのまま見えます。余りが大きい人は、胸の前に少なくとも1つ、布が動く場所がある型を選んでください。

ニットワンピースの選び方

ニットワンピースは、秋冬のワンピースの中でもいちばん着る機会が多い型です。伸びて体に沿うので、布の余りがしわになりにくく、胸の前に厚みが少ない人には合わせやすい素材です。

見るべきなのは、編み地の厚さと、編み柄の位置です。

編み地の厚さ

  • ハイゲージ(薄く細かい編み):体の線をそのまま拾う。胸の前の平らな面と、おなかや腰の面が一続きに見える
  • ミドルゲージ(中くらいの厚さ):編み地そのものに厚みがあり、体から少し離れる。いちばん合わせやすい
  • ローゲージ(太い糸の粗い編み):編み地のボリュームが大きく、胸の前に自然な厚みができる。全体が大きく見えないよう、丈と袖の太さで調整する

編み柄の位置

縄編みや畦編み、鹿の子編みなど、凹凸のある編み柄が胸の高さに入っている型は、編み目の陰影で胸の前に立体が出ます。柄が胸の高さから始まっているか、全体に入っているかを見てください。柄が裾だけ、袖だけの型は、胸の前は平らなままです。

縦のリブ編みが全体に入った型は、胸の高さで編み目が広がらないので、余りを気にせず着られます。体の線に沿う縦の線が、肩から裾まで続いて見えます。

ニットワンピースの選び方を胸の前の編み地でさらに細かく見たいときは、トップスの考え方を胸が小さい人の秋ニットにまとめています。

場面ごとの選び分け:お呼ばれ・式典・通勤・普段

同じ余りの量でも、着る場面によって優先する測り方が変わります。

秋冬のお呼ばれと式典

結婚式や式典では、お辞儀をする、座って食事をする、立って拍手をする、という動きが続きます。いちばん優先するのは、前かがみの浮きです。襟ぐりの深さが8cm以内、前かがみで浮きが指1本以内の型を選んでください。

生地は光沢のあるものが多くなる場面ですが、余りが1.5cm以上ある人は、マットな厚手の生地か、胸の前にドレープやギャザーがある型を選ぶほうが安心です。秋冬の式なら、ウールの平織りやベロア風の起毛生地も改まった印象になります。

丈は、座ったときに膝が隠れる長さが目安です。座っている時間が長いと、胸の下のしわが増えやすいので、歩いたあとにしわが戻る生地かどうかも確かめておきます。

通勤の日

通勤では、椅子に座っている時間と、机に向かって前かがみになる時間が長くなります。胸の下に縦じわが出る型は、午後には目立つようになります。

通勤用には、切り替えなしの型か、シャツ襟の型が扱いやすいです。シャツ襟は前立てで布が止まるので、余りが左右に分かれます。上にジャケットやカーディガンを羽織る日が多いなら、ウエスト切り替えの型でも、胸の下のしわは羽織りものの前身頃で隠れます。

帰省や食事会など、座る時間が長い日

年末の帰省や、親族の集まり、ゆっくりした食事会など、座って過ごす時間が長い日は、胸の下のしわがいちばん増えやすい場面です。座ると上体がわずかに前に傾き、胸の前の余りが下に落ちて、切り替えの上にたまっていくからです。

この日は、切り替えなしの型か、アンダーバストのすぐ下で切り替えた型を選んでください。ウエスト切り替えの型を着るなら、生地が厚く、歩いたあとにしわが戻るものに限ります。座敷で正座をする場面がある日は、裾の広がりも見ておくと安心です。前かがみの時間が長くなるので、襟ぐりは8cm以内を目安にしてください。

普段の日

普段の日は、余りよりも動きやすさを優先して構いません。ニットワンピースや厚手のジャージーの型なら、伸びて体に沿うので、余りを気にせず過ごせます。気になる日は、次の章のベルトや重ね着で調整してください。

重ねるもので余りを覆う:カーディガン・ジャケット・コート

秋冬は、ワンピースの上に何かを重ねる日がほとんどです。重ねるものの前身頃は、胸の前の余りを覆う役目をします。

  • カーディガン:前を開けて着ると、縦の線が胸の前に2本でき、胸の下の縦じわが目立たなくなる。前を閉めるなら、ボタンが胸の高さにかかる型を選ぶ
  • ジャケット:肩と胸の前に張りがあり、余りを完全に覆う。丈がワンピースの切り替えより下まであると、切り替えの高さも気にならない
  • ロングジレ:袖がないぶん、胸の前と脇を縦に覆う。ニットワンピースとの相性がよい
  • コート:外では胸の前の余りはほとんど見えない。脱いだときのために、ワンピースの側で余りを整えておく

重ねるものの丈と、ワンピースの切り替えの高さが近いと、横の線が2本重なって胸の下が強調されます。重ねるものの裾は、切り替えから指3本以上離してください。

コートの前を開けて着る日の胸の前の見え方は、胸がない人に似合うコートで、胸の余りと襟の深さから選ぶ方法を書いています。

ベルトで切り替えの高さを動かす

手持ちのワンピースに余りがあるとき、いちばん手早いのはベルトです。ベルトを締めると、そこが新しい切り替えの役目をします。

ベルトの位置は、ワンピースの切り替えの高さと、余りがどこにたまっているかで決めます。

  • 胸の下に縦じわがある:ベルトを本来のウエストより2〜3cm上で締める。余りがベルトの上で受け止められ、縦じわが短くなる
  • 切り替えなしの型で、全体が大きく見える:アンダーバストから指3本下に細いベルトを締める。胸の下に横の線ができ、胸の前の布がゆとりとして見える
  • ウエスト切り替えの型で、胸の前が浮く:切り替えの上に重ねて、幅の太いベルトを締める。浮きが下に引っ張られて体に沿う

ベルトの幅は、細いもの(2cm前後)と太いもの(5cm前後)では役目が違います。細いベルトは線を足すだけで、太いベルトは面で布を押さえます。余りが大きい人は太いベルトのほうが、布を体に沿わせる力があります。

ただし、ベルトを締めると、締めた位置から上と下で布が分かれ、上の布が少しふくらみます。胸の前に厚みが少ない人にとっては、このふくらみが自然な厚みになるので、多くの場合は好ましい変化です。

インナーで胸の前の余りを整える

ワンピースの下に着るものでも、余りの見え方は変えられます。目的は胸を大きく見せることではなく、体と布のあいだのすき間を埋めて、布が浮かないようにすることです。

  • 厚みのあるキャミソール:胸の前に一枚分の厚みが足され、余りが1cmほど小さくなる
  • カップ付きのインナー:胸の前の形が安定し、ダーツの先が浮きにくくなる
  • 襟ぐりからのぞくインナー:深い襟ぐりの型の下に、レースやリブのインナーを重ねると、前かがみの浮きを覆える

秋冬は重ね着が自然な季節なので、インナーで調整しても不自然に見えません。ハイネックのインナーを深いVネックのワンピースの下に重ねるのは、浮きを覆う方法としていちばん確実です。

試着室での手順:5分で決める

ここまでの測り方を、試着室での順番にまとめておきます。

  1. **肩と腰で合うサイズを先に選ぶ。**胸の余りのためにサイズを下げない
  2. 着てすべて閉めたら、正面と横から胸の下のしわを見る(20秒)
  3. 脇の縫い目の指2本前を、胸の高さでつまんで余りを測る。左右とも(30秒)
  4. アンダーバストから切り替えまでに指が何本入るかを数える(20秒)
  5. 上体を30度前に倒して、襟ぐりの浮きを見る(20秒)
  6. 足踏みを10回して、胸の下のしわが戻るかを見る(30秒)
  7. 持っている羽織りものやベルトを思い浮かべ、余りを覆えるかを考える(1分)

3と4で表のどこに当たるかが決まり、5と6で迷ったときの決め手が出ます。7は、買ってから着る日を具体的に想像するための手順です。羽織りものもベルトも合わせる予定がない1着なら、3から6の結果だけで決めてください。

お直しで直せる範囲と、型を替えたほうがいい範囲

気に入った1着に余りがあるとき、お直しという方法もあります。直せる範囲を知っておくと、試着室で判断が早くなります。

直せる範囲

  • 余りが片側1〜2cm:脇の縫い目を詰めるか、ダーツを縫い足すことで直せる。仕上がりが自然になりやすい
  • ダーツの先が浮いている:ダーツの長さを短くするか、位置を少し下げることで直せる
  • 襟ぐりが浮く:襟ぐりの内側に細いテープを縫い付けて、布を体に沿わせる方法がある

型を替えたほうがいい範囲

  • 余りが片側3cm以上:脇を詰めると袖ぐりの形まで変わり、腕を動かしにくくなる
  • パネル切り替えの縫い目が胸で曲がる:パネルの形そのものを直す必要があり、手間が大きい
  • 光沢のある薄い生地:縫い直した跡が光で目立ちやすい

通販で選ぶときに見ておくこと

試着できない通販では、指でつまんで測ることができません。かわりに、商品の写真と説明から、次の3つを読み取ってください。

  • 切り替えの位置:横から撮った写真で、切り替えがモデルのアンダーバストのすぐ下か、ウエストかを見る
  • 胸の前の作り:正面の写真で、胸の高さにギャザー、タック、ダーツのどれがあるかを見る
  • 生地の厚さ:説明に書かれた素材と、写真で裾がどれだけ広がって落ちているかを見る。裾が張って広がるものは厚い

切り替えがアンダーバストのすぐ下か、切り替えがなく、胸の前にギャザーかタックがあり、生地が厚いもの。この3つがそろっていれば、余りが大きい人でも外れにくいです。ダーツだけで胸を作ったウエスト切り替えの型は、届いてから余りに気づくことが多いので、試着できる場所で選ぶほうが確実です。

お直しを考えるのは、余りが2cm以内で、ほかの場所がすべて合っている1着だけにしてください。それ以上の余りは、型を替えたほうが、着るたびに気にしなくて済みます。

胸の前に厚みが少ない体は、布の余りが出やすいだけで、ワンピースが似合わない体ではありません。余りの量と切り替えの高さを指で測って、余りがしわではなくゆとりとして見える型を選べば、秋冬のワンピースは選びやすい季節です。重ね着全体の厚みの積み方は着膨れしない重ね方も参考にしてください。

よくある問い

Q. 胸がない人には、どんな形のワンピースが似合いますか
形の名前で決めるより、試着で胸の前の余りを測ってから決めるほうが確実です。脇の縫い目の少し前、胸のいちばん高い位置で前身頃を横につまみ、片側で何cm余るかを見てください。1.5cm以内なら、ウエスト切り替えでも切り替えなしでも合います。3cm以上余るなら、胸の高さで布を止めない切り替えなしの型か、アンダーバストのすぐ下にギャザーで切り替えた型が向いています。どちらも、余った布がしわではなく、ゆとりやふくらみとして見えるからです。
Q. ウエスト切り替えのワンピースを着ると、胸の下に縦じわが出ます
胸からウエストまでの身頃が長く、胸の前に余った布が縦に流れてしわになっている状態です。ウエスト切り替えの型は、胸のふくらみを前提にダーツやパネルで立体を作ってあることが多く、その立体のぶんだけ布が余ります。直し方は3つあります。ひとつは、胸の前に厚みのある生地の型に替えること。ふたつめは、ベルトをウエストより2〜3cm上で締め、余りをベルトの上で受け止めること。みっつめは、カーディガンやジャケットを重ねて、しわの出る範囲を覆うことです。持っている1着を生かすなら、ベルトがいちばん手早いです。
Q. 秋冬のお呼ばれで、胸元がさみしく見えないワンピースを選びたいです
胸元の見え方は、胸の大きさより、胸の前に布の動きがあるかどうかで決まります。秋冬のお呼ばれなら、胸の高さにタックやギャザー、ドレープ、ボウタイのいずれかがある型を選んでください。布が動いている場所があると、胸の前に自然な厚みが生まれます。もうひとつは襟ぐりの深さです。鎖骨のくぼみから襟ぐりの最下点まで8cm以内の型なら、お辞儀をしても胸元が浮きにくく、式の間ずっと気にしなくて済みます。光沢のある生地は余りのしわに影が出やすいので、マットな厚手の生地のほうが安心です。
Q. ニットワンピースは胸がない人に向いていますか
ニットは伸びて体に沿うので、布の余りがしわになりにくく、合わせやすい素材です。気をつけたいのは編み地の厚さです。薄いハイゲージのニットは体の線をそのまま拾うので、胸の前の平らな面とおなかの面が一続きに見えやすくなります。胸の高さに縄編みや畦編みなど凹凸のある編み柄が入った型、または中くらいの厚さのミドルゲージを選ぶと、胸の前に編み地の立体ができます。リブが縦に走る型は、胸の高さで編み目が広がらないので、余りを気にせず着られます。
Q. サイズを下げれば胸の余りはなくなりますか
胸の余りだけを見てサイズを下げると、肩や二の腕、腰まわりがきつくなることが多いです。ワンピースは肩から裾まで一続きなので、合わせる場所の優先順位は肩、腰、胸の順にしてください。肩と腰で合うサイズを選んだうえで、胸の余りは型と生地で調整するほうが、着心地を崩しません。どうしても余りが大きいときは、ダーツを縫い足すお直しで1〜2cmまでなら詰められます。それ以上は、型そのものを替えたほうが仕上がりがきれいです。

— メグラシ編集部

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着痩せワンピース・40代ぽっちゃり|切り替えはみぞおちと腰骨の間の、上から4割の高さ

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着痩せワンピース・40代ぽっちゃり|切り替えはみぞおちと腰骨の間の、上から4割の高さ

ワンピースの見え方を決めているのは、身幅でも丈でもなく、横の切り替えがどの高さにあるかです。みぞおちから腰骨までを一区間として、その上から4割の位置に切り替えがあると、上半身と下半身の配分が安定します。区間の測り方、切り替えが高すぎる場合と低すぎる場合の違い、ウエストマークのないワンピースでの代用、40代で位置が動く理由、どちらとも取れる場合まで、寸法で整理しました。

メグラシ編集部/読了 13分
いかり肩をかっこよく見せる服|秋冬に隠すか出すかは首の長さで決める

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いかり肩をかっこよく見せる服|秋冬に隠すか出すかは首の長さで決める

いかり肩をかっこよく見せたいなら、丸襟やドルマンで隠す前に、首の長さを指で測ってください。あご先から鎖骨のくぼみまでが指4本以上なら肩の線はそのまま出す側、3本以下なら肩を隠さずに首を開ける側です。肩先と首の根元の高さの差を足した4つの分岐、秋冬の上着・ハイネック・巻き物でどこを動かすか、指3本半で迷うときと左右で肩の高さが違うときの直し方まで。

メグラシ編集部/読了 9分

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