マタニティパンツの調節と履き方|跡がつく・ずれる・ゆるいを一つずつ

「マタニティパンツを買ったのに、お腹に跡がつく」「歩いているとずり下がってくる」「ゆるいのか、そういうものなのか分からない」。
これらは、選び方を間違えたから起きているとは限りません。むしろ買ったあとに、体のほうが変わり続けるから起きることのほうが多い問題です。だから、買い直す前に調節でどうにかなることがかなりあります。
この記事は、買ったあとの困りごとを一つずつ解くためにまとめました。跡がつく、ずれる、ゆるい、調節のしかたが分からない、履き方が分からない──それぞれ、起きていることが違うので、直し方も違います。
なお、体の変化のしかたや、どこに支えがあると楽かは、人によってまったく違います。この記事の月数や寸法はすべて目安として書いています。当てはまらなくても、それは自分がおかしいということではありません。体調や締めつけについて気になることがあれば、次の健診で相談してみてください。
どのパンツを選ぶか(お腹の覆い方の種類、素材、丈、何本必要か)についてはマタニティパンツの選び方にまとめています。この記事はすでに手元にある一本を、いまの体に合わせる話です。
📋 マタニティパンツの困りごと 早見表
| 困りごと | 起きていること | まず試すこと | それでも直らないとき |
|---|---|---|---|
| お腹に跡がつく | 細い幅のゴムが線で当たっている | 上端を2〜3cm上下にずらす | 幅の広い型・面で覆う型に替える |
| 上端が肋骨に当たる | 覆う高さが体より高い | 上端を外に2〜3cm折り返す | お腹の下で支える型にする |
| 後ろがずり下がる | 前が高く後ろが低い斜めになっている | 後ろだけアジャスターを一段詰める | お腹全体を覆う型で包む |
| 歩くと全体が落ちる | お尻まわりに支えが足りない | ウエストではなくお尻の合いを見る | 一段小さいサイズを試す |
| ウエストがゆるい | 調節幅が余っている | アジャスターを詰める | 内側にゴムを一本足す |
| 座ると食い込む | 座位で前の周囲が数cm増える | 座った姿勢で一段ゆるめる | 伸びる方向が二方向の素材へ |
| 食後にきつい | 一日のなかで張りが変わる | リブを外へ折り返す | 一日に一段動かす前提で選ぶ |
| ゴムが伸びた | 熱・濡れた状態での荷重 | 陰干し・二つ折り干しに変える | アジャスターで詰める |
| 履くのがつらい | 立ったまま前かがみになっている | 座って足を通す | 丈の短い型・伸びる素材へ |
| トイレのたびに乱れる | 上端を毎回巻き下ろしている | 上端を折ってから一度に下ろす | お腹の下で支える型にする |
先に結論|困りごとの多くは「ゴムの位置」で説明がつく
跡がつく、ずれる、食い込む。この三つは別の悩みに見えて、同じ一つの原因から出ていることがよくあります。
それは、支えている場所が、いまの体の形と合っていないということです。
お腹が前に出てくると、ウエストのまわりは水平な輪ではなくなります。前が高く、後ろが低い、斜めに傾いた輪になります。ところがパンツのウエストは水平に縫われているので、そのままでは前で持ち上げられて後ろが引き下ろされます。
| 見えている症状 | 実際に起きていること | 効くのは |
|---|---|---|
| 跡がつく | 接している面積が狭い | 幅・素材(面に散らす) |
| ずり下がる | 前後の高さが違う | 位置(棚に乗せる) |
| 食い込む | 上端が張り出しの真上にある | 位置(上か下へ逃がす) |
| ゆるい | 支える場所が水平でなくなった | 調節(前後の張力をそろえる) |
| 巻き上がる | 上端が体の丸みを越えられない | 高さ(覆いきるか、下げきるか) |
**「もっと強く締める」でも「もっとゆるくする」でもない。**位置と面積を変える、というのがこの記事の基本の考え方です。強さで解こうとすると、きつければ跡がつき、ゆるければ落ちるという行き来から抜けられません。
まず、自分のパンツがどの型か確かめる
直し方は型によって違うので、手元の一本がどれなのかを先に確かめます。タグを見なくても、上端がどこまであるかで判別できます。
| 型 | 上端の位置(目安) | 支えている場所 | 調節できる場所 |
|---|---|---|---|
| お腹全体を覆う型 | アンダーバストの下2〜5cm | お腹全体の面 | 上端の折り返し、内側の紐 |
| お腹の半分を覆う型 | おへその上下あたり | お腹の中ほど | 折り返し、アジャスター |
| お腹の下で支える型 | ふくらみの下側 | 腰骨とふくらみの下 | アジャスター、紐 |
| 普通のパンツ+調節具 | もとのウエスト位置 | もとのウエスト | 延長具の段、ゴムの長さ |
この記事では、以下それぞれの型で対処が変わるところを、その都度書き分けます。三つのうちどれが良いという話ではなく、時期と、その日の体調で快適な型が変わるというのが実際のところです。
お腹に跡がつく|何が起きているのか
「マタニティ パンツ 跡がつく」で調べる人がとても多いのは、それが心配になる見え方をするからだと思います。
跡そのものについては、ここでは体への影響を判断しません。判断できるのは服の側の話だけです。服の側で言えることは、跡は「強さ」より「面積」と「位置」で決まりやすい、ということです。
| 跡がつきやすい条件 | なぜそうなるか | 変えられること |
|---|---|---|
| ゴムの幅が1〜2cmと細い | 力が細い線に集中する | 幅4〜8cmの型に替える |
| 上端が硬い縫い代でできている | 縁が段差として当たる | 縁が縫い返されていない型へ |
| 上端が張り出しの真上にある | 動くたびに同じ場所がこすれる | 2〜3cm上か下へずらす |
| ゴムの戻る力が落ちている | 伸びきると細く硬くなる | 詰めるか、替える |
| 上に何も重ねていない | 肌に直接当たる | 薄い下着を一枚挟む |
| 一日中同じ位置で履いている | 同じ線に当たり続ける | 昼に一度、位置を送る |
| サイズが体に対して小さい | 全周が引かれる | 一段大きい型を試す |
いちばん手軽で効きやすいのは、上端の位置を2〜3cmずらすことです。買い替えなくてよく、その場でできます。
もうひとつ、意外と効くのが薄いインナーを一枚挟むことです。肌に直接ゴムが当たる状態と、綿の一枚を挟んだ状態では、同じパンツでも当たり方が変わります。夏で暑いときは、丈の短いインナーでウエストの部分だけ覆う形でも構いません。
跡の見え方が気になる、長く消えない、痛みやしびれを伴う、といったことがあれば、**服を工夫するより先に、健診で相談してみてください。**ここで書けるのは服の側の話までです。
跡がつくときの直し方|幅・位置・伸びの三つ
具体的な手順にします。上から順に、費用がかからない順です。
| 手順 | 何をするか | 目安 | 変わらなければ |
|---|---|---|---|
| 1 | 上端の位置を上へずらす | 2〜3cm | 次へ |
| 2 | 上端の位置を下へずらす | 2〜3cm | 次へ |
| 3 | 上端を外に折り返す | 2〜3cm折る | 次へ |
| 4 | 薄いインナーを一枚挟む | 綿の薄手 | 次へ |
| 5 | アジャスターを一段ゆるめる | 一段2〜3cm | 次へ |
| 6 | 幅の広い型・面で覆う型を試す | 幅4〜8cm | 次へ |
| 7 | 支える場所そのものを変える | 下で支える型へ | 型の変更を検討 |
**1と2は逆方向ですが、どちらが効くかは体の張り出し方で変わります。**上に逃がすと肋骨に近づくので、そこが当たる人は下へ。下に逃がすとふくらみの下に落ちるので、そこが安定する人は下へ。どちらも試して、楽なほうを採用するのが早道です。
3の折り返しは、上端の硬い縁を内側に隠すという意味もあります。縁が二重になるぶん幅は広がるので、線としての当たりが弱まります。
アンダーバストの位置と、上端をどこに置くか
お腹全体を覆う型を履くとき、上端をどこに置くかで快適さがかなり変わります。高すぎると肋骨に当たり、低すぎると巻き下がります。
| 上端の位置 | 起きること | 向く場面 |
|---|---|---|
| アンダーバストと同じ高さ | 肋骨に当たる、深呼吸で気になる | ほぼ向かない |
| アンダーバストの下2〜5cm | 面で安定しやすい | 座り仕事、長時間の外出 |
| おへその上あたり | 巻き下がることがある | 短時間、家の中 |
| お腹の張り出しの真上 | 上端の線が服に出る | 向かない |
| ふくらみの下側 | 棚に乗って安定しやすい | 動きの多い日 |
数字は目安です。アンダーバストからの距離は身長や胴の長さで変わるので、「肋骨に当たらず、いちばん下がってこないところ」を自分で一度決めてしまうほうが確実です。一度決めたら、毎朝そこに置くだけで済みます。
上端が巻き下がる(くるくると丸まって落ちてくる)場合は、覆う高さが中途半端なことが原因のことが多いです。上げきってアンダーバストの下に置くか、いっそふくらみの下まで下ろすか、どちらかに振り切ると落ち着きます。
ずれる・ずり下がる|重心が変わって起きること
「マタニティ パンツ ずれる」は、履き方の問題として語られがちですが、実際には体の形と重心が変わったことの結果です。
お腹が前に出ると、二つのことが同時に起きます。
ひとつは、ウエストの輪が前上がり・後ろ下がりに傾くこと。もうひとつは、重心が前に移ることで、立ち方や歩き方が少しずつ変わることです。腰の反りが変わると、後ろのウエストと体のあいだにすき間ができやすくなります。
| ずれ方 | 起きていること | 効く直し方 |
|---|---|---|
| 後ろだけ下がる | 前で持ち上げられて後ろが引かれる | 後ろのアジャスターを一段詰める |
| 全体が落ちる | お尻まわりの支えが足りない | サイズか型を見直す |
| 前だけ落ちる | 上端がふくらみを越えられていない | 全体を覆う型にする |
| 左右にねじれる | 履くときに布がねじれている | 座って通し、脇線を整える |
| 歩くと少しずつ下がる | 上端が滑る素材 | 内側に滑り止めのある型へ |
| 座ると落ちる | 座位で前の周囲が増える | 座った姿勢で位置を決める |
後ろだけ下がる場合の「後ろだけ一段詰める」は、覚えておくと便利な操作です。左右のアジャスターを同じ段にする必要はありません。前後・左右で段を変えてよい、と考えると調節の幅が一気に広がります。
クロスオーバーとアジャスターは、支え方が違う
ウエストの作りには、大きく二つの考え方があります。混同されがちですが、ずれ方も、跡のつき方も違います。
| 作り | 支え方 | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|---|
| クロスオーバー(交差する伸縮パネル) | 面で追随する | 前後の高さ差を包む、線が出にくい | 上端の高さを細かく決めにくい |
| アジャスターボタン式 | 一本のゴムの長さを変える | 周囲を数字で決められる | 面で支えないので線が出やすい |
| リブ(幅広の編み地) | 面と伸びの両方 | 日ごとの変化に追随 | 洗濯で戻る力が落ちやすい |
| 紐・ベルト通し | 点で締める | 好みの強さにできる | 一本の線に力が集まりやすい |
跡が気になる人はクロスオーバーやリブのほうが合いやすく、周囲をきっちり決めたい人・体重や張りの変化を数字で追いたい人はアジャスター式が合いやすい、という傾向はあります。ただし体感は本当に人によるので、可能なら両方を一本ずつ持って、その日で選ぶという持ち方が現実的です。
調節のしかた①|アジャスターボタン
「マタニティ パンツ 調節」「マタニティ パンツ 調整」で探されているのは、多くの場合これです。
ウエストの内側に、ゴムテープとボタン穴が並んでいる作りです。ボタンを別の穴に掛け替えることで周囲を変えます。
| 項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 段の数 | 3〜5段 | 型によって違う |
| 一段の変化量 | 2〜3cm | ゴムの伸びで体感は変わる |
| 全体の調節幅 | 8〜15cm | 段数×一段 |
| 左右をそろえる必要 | なし | 前後差があれば変えてよい |
| 動かす頻度 | 週に一度〜数日に一度 | 体調で日々変えてもよい |
使い方のこつは三つあります。
ひとつめ、いちばんゆるい段から始めること。きつい段から緩めていくより、ゆるいところから一段ずつ詰めるほうが、締めすぎに気づきやすくなります。
ふたつめ、座った姿勢で決めること。立って合わせると、座ったときに前の周囲が数cm増えて食い込みます。一日のうち座っている時間が長いなら、座位で合わせたほうが実用的です。
みっつめ、一日のなかで動かしてよいと決めておくこと。朝と夕方、食前と食後で楽な位置は変わります。「一度決めたら固定」と思っていると、我慢する時間が生まれます。
調節のしかた②|リブの折り返し
アジャスターがない型でも、リブや伸縮パネルの扱い方で調節できます。これを知らずに「調節できないパンツ」と思われていることがかなりあります。
| 折り方 | 覆う高さ | 圧 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 上へ伸ばして立てる | いちばん高い | 弱め(面が広い) | 冬、冷えが気になる日 |
| そのまま置く | 標準 | 標準 | ふだん |
| 外に2〜3cm折り返す | 少し低い | 縁が丸くなる | 跡が気になる日 |
| 外に大きく折り返す | 低い | 二重で少し強い | ふくらみの下で支えたい日 |
| 内に折り込む | 低い | 表に段差が出にくい | 薄手のトップスの日 |
**外に折るか、内に折るかで、表から見える線が変わります。**薄手のトップスを着る日は内に折り込むと段差が響きにくく、厚手の日はどちらでも構いません。
折り返しの良いところは、その場で一秒で戻せることです。食後に苦しくなったら外へ折る、冷えたら伸ばして立てる。一日のなかで何度変えても、服は傷みません。
調節のしかた③|紐・ベルト通し・延長具
三つめの調節手段です。
| 手段 | できること | 注意したいこと |
|---|---|---|
| 内側の紐 | 好みの強さに決められる | 一本の線に力が集まる |
| ベルト通し+幅広ベルト | 位置を保つ | ふくらみの上は避けるほうが楽 |
| ボタン延長具 | 手持ちのパンツを数cm広げる | 前中心だけが広がる |
| ゴムを一本足す | 伸びたウエストを詰める | 縫い付ける位置で当たり方が変わる |
| 面ファスナーの調節帯 | 無段階に決められる | 表に段差が出ることがある |
ボタン延長具は、マタニティパンツを買う前の時期に効く手段です。手持ちのパンツのボタンの位置を数cm広げる小さな道具で、初期に「まだマタニティを買うほどではないけれど、ボタンが少しきつい」という状態を越えられます。ただし広がるのは前中心だけなので、全体が窮屈になってきたら役目は終わりです。
「ゆるい」の正体は三つある
「マタニティ パンツ ゆるい」で困っている人は、どこがゆるいのかを分けると解決が早くなります。
| ゆるい場所 | 見え方 | 効く対処 | 効かない対処 |
|---|---|---|---|
| ウエスト(周囲) | 上端に指が3本以上入る | アジャスターを詰める | サイズ変更(大げさすぎる) |
| お尻まわり | 全体が落ちてくる | 一段小さい型・立体的な型 | ウエストを詰める(落ち続ける) |
| もも | 布が余ってたるむ | 細い形か、丈を短く | ウエストの調節 |
| ふくらはぎ・裾 | 裾が広がって重い | 丈を詰める | ウエストの調節 |
| 全体 | 買った時期と体が合っていない | 時期をずらして使う | 無理に着続ける |
**ウエストだけを詰めても全体の落ちが止まらないなら、原因はお尻まわりです。**ここを取り違えると、詰めるほどウエストに跡がついて、しかも落ちる、という状態になります。
妊娠初期に「これから大きくなるから」と大きめを買って、いま合わない場合。無理に使わずに、いちばん必要になる時期のためにしまっておくのは、まったく問題のない選び方です。合わない時期があるのは、買い方の失敗ではありません。
履き方|座って履くのがいちばん楽
「マタニティ パンツ 履き方」が調べられているのは、途中から立って履くのが難しくなるからです。
| 姿勢 | やり方 | 向く時期 |
|---|---|---|
| 立ったまま | 片足立ちで通す | 変化が小さいうち |
| 壁に手をついて | 支えながら片足ずつ | 中期ごろまで |
| 椅子に浅く腰かけて | 両足を通してから立つ | 全期間で安全 |
| ベッドの端に腰かけて | 同上、高さがあると楽 | 後期に向く |
| 座ったまま完了 | 座位で腰まで上げる | 伸びる素材なら可 |
**椅子の端に浅く腰かけて、両足を先に通してから立ち上がる。**これが、どの時期でも変わらず使える方法です。しゃがむ姿勢や片足立ちを避けられるので、バランスを崩す場面が減ります。
もうひとつ、丈の長いパンツほど足を通すのに時間がかかるという点も、地味に効いてきます。後期にかけては、丈が少し短めのものや、裾がすぼまっていないもののほうが着脱が楽です。
履き方|下から上げるか、上から下ろすか
型によって、上端の扱いが逆になります。ここが分かると、朝の数十秒が変わります。
| 型 | 上げる順番 | 上端の仕上げ | やりがちなこと |
|---|---|---|---|
| お腹全体を覆う型 | 腰まで上げてから上端を広げる | 下から上へ布を送る | 上端を先に引き上げてねじれる |
| お腹の半分を覆う型 | 腰まで上げて上端を整える | 折るか伸ばすか決める | 中途半端で巻き下がる |
| お腹の下で支える型 | 腰骨に乗せる | 上端を下向きに整える | 上げすぎてふくらみに乗る |
| 普通のパンツ+延長具 | もとの位置まで | 前中心の余りを確認 | 前だけ引っ張って左右がずれる |
**お腹全体を覆う型は「上から下ろす」のではなく「下から上げて、最後に上端を置く」。**上端を持って引き上げると、お腹の上を布がこすりながら移動するので、気持ちのよいものではありませんし、布もねじれます。
脱ぐときは逆です。上端を先に外へ大きく折り返して、腰の位置まで一度に下ろします。トイレのたびに上端をくるくると巻き下ろしていると、その動作でゴムの戻る力が落ちるのも早くなります。
トイレのたびに乱れるとき
これは地味に回数が多いので、方法を決めておくと楽になります。
| 型 | 下ろし方 | 戻し方 | 楽になる工夫 |
|---|---|---|---|
| 全体を覆う型 | 上端を外へ折ってから下ろす | 腰まで上げて上端を広げる | 折り目を毎回同じ位置に |
| 半分を覆う型 | そのまま下ろせる | 上端を整える | 折り返しの状態を固定 |
| 下で支える型 | そのまま下ろせる | 腰骨に乗せ直す | いちばん手数が少ない |
回数の多さで選ぶなら、お腹の下で支える型がいちばん手数が少ないというのは、実用上わりと大きな違いです。外出が多い日だけ下で支える型にする、という使い分けもできます。
時期別①|〜4ヶ月ごろ
ここから三つの時期に分けますが、**変化の出方も時期も人によってまったく違います。**月数は目安として読んでください。
| 起きやすいこと | 服の側で効くこと | 買い足すなら |
|---|---|---|
| 見た目の変化はまだ小さい人が多い | 手持ちのパンツのボタンを延長 | 延長具、幅広ゴムのボトムス |
| ウエストのボタンだけがきつい | 股上の浅い型を腰で履く | ウエストがゴムのもの |
| 体調に波が出ることがある | 着脱の手数が少ないものを上に | ゆったりしたワンピース |
| まだ人に言っていない場合がある | 外から分かりにくい調節を選ぶ | 内側で調節できるもの |
この時期は「マタニティを買うべきかどうか」で迷いやすい時期です。急いで買わなくても越えられることが多い時期でもあります。手持ちの服の使い方については妊娠期の装いの考え方にもまとめています。
時期別②|5〜7ヶ月ごろ
| 起きやすいこと | 服の側で効くこと | 調節のしかた |
|---|---|---|
| 前に出てくる人が増える | 支える位置を下へ移す | 下で支える型、半分覆う型 |
| ウエストの前後差が出はじめる | 前後で段を変える | 後ろだけ一段詰める |
| 上端が巻き下がりやすい | 高さを振り切る | 上げきるか下げきるか |
| 一日のなかで張りが変わる | 折り返しで微調整 | 朝と夕方で変えてよい |
| 手持ちの服が合わなくなる | 本格的に持ち替える時期 | 2〜3本あると回る |
**この時期にいちばん多い困りごとが「ずれる」**です。前後差が出はじめて、まだお腹が上端を安定させるほど張り出していない、という状態が起きやすいためです。下で支える型に替えると落ち着く人が多い一方、下からの圧が気になるという人もいます。
時期別③|8ヶ月ごろ〜
| 起きやすいこと | 服の側で効くこと | 調節のしかた |
|---|---|---|
| 前の張り出しが大きくなる | 面で覆って包む | 全体を覆う型が安定しやすい |
| 上端の位置が定まりにくい | アンダーバストの下に固定 | 下2〜5cmを目安に一度決める |
| 着脱に時間がかかる | 手数の少ない型 | 座って履く、丈は長すぎないもの |
| 座位と立位の差が大きくなる | 座った姿勢で合わせる | 一段ゆるい設定を基本に |
| 冷えが気になることがある | 覆う面積で調整 | リブを立てる、腹巻きを足す |
**この時期は「全体を覆う型が安定する」という人と、「上端の圧が気になる」という人にはっきり分かれます。**後者の場合は、下で支える型に、丈の長いトップスや長めのカーディガンを合わせて、上端が見えない状態を作るという解き方があります。どちらも間違いではありません。
洗濯と干し方|ゴムの寿命はここで決まる
「マタニティ パンツ ゴム」で調べる人の悩みは、大きく分けて「ゴムが当たる」と「ゴムが伸びた」の二つです。伸びるほうは、扱いでかなり変わります。
| やること | 理由 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 洗濯ネットに入れる | 引っかかりと摩擦を減らす | 他の衣類との絡まり |
| 裏返して洗う | 表面の毛羽立ちを防ぐ | 表のまま洗い続ける |
| 水温はぬるめ以下 | 熱で戻る力が落ちる | 高温での洗い |
| 乾燥機は使わない | 熱がいちばん効いてしまう | 短時間でも繰り返すと影響 |
| 竿に二つ折りで干す | 水の重みを分散する | ウエストを挟んで吊るす |
| 陰干しにする | 直射日光で劣化が進む | 長時間の日なた干し |
| 同じ一本を毎日使わない | 回復する時間を作る | 一本を洗って翌日また着る |
**ウエストを洗濯ばさみで挟んで吊るす干し方は、水を含んだ重み全部がゴムにかかります。**竿に二つ折りでかけるだけで、ここは避けられます。
「同じ一本を毎日使わない」は、結果的に2〜3本あると回りやすいという話につながります。何本必要かはマタニティパンツの選び方にまとめています。
季節で変わること
| 季節 | 起きやすいこと | 効く工夫 |
|---|---|---|
| 夏 | 覆う面積が広いと暑い | 下で支える型、薄い綿のインナー |
| 夏 | 汗で滑って下がる | 内側に滑り止めのある型 |
| 梅雨 | 乾きにくく回転が落ちる | 薄手を一本足して回す |
| 秋 | 一日の中で寒暖差が出る | 折り返しで覆う高さを変える |
| 冬 | 冷えが気になる | リブを立てる、腹巻きを重ねる |
| 冬 | 重ね着で上端の段差が出る | 上端は内に折り込む |
夏のマタニティコーディネートは別記事にまとめています。
締めつけが気になるときの考え方
ここは服の話にとどめます。締めつけの強さと体への影響については、この記事では判断しません。
服の側でできることは、次のとおりです。
| 気になること | 服の側でできること |
|---|---|
| きつい気がする | 一段ゆるめる、下で支える型に替える |
| 跡が残る | 幅を広げる、位置を送る、インナーを挟む |
| 夕方につらくなる | 夕方に一段ゆるめる前提で選ぶ |
| 座ると苦しい | 座位で合わせ直す |
| 判断がつかない | 次の健診で相談する |
**最後の行がいちばん大事です。**服を工夫しても落ち着かない、痛みや違和感がある、いつもと違う感じがする。そういうときは、服の調節で押し通さずに、健診のときに聞いてみてください。数値や見た目でここで判断することはできません。
買うとき・試着で見る場所
いま持っている一本が合わなくて買い足すなら、試着室で見る場所を決めておくと選びやすくなります。
| 見る場所 | 確認のしかた | 合っていないサイン |
|---|---|---|
| 上端の位置 | 立って、上端がどこに来るか | 肋骨に当たる/張り出しの真上 |
| 座ったとき | 椅子に座って前の食い込み | 座ると数cm足りない |
| 後ろのすき間 | 手を腰の後ろに差し込む | こぶし一つ分以上あく |
| お尻まわり | 数歩歩いて落ちないか | 二、三歩で下がる |
| 調節の余り | いちばんゆるい段で余るか | 余りがまったくない |
| 上端の縁 | 指でなぞって段差を見る | 硬い縫い代が立っている |
| 伸びる方向 | 横と縦の両方に引く | 横にしか伸びない |
| 表からの見え方 | 薄いトップスで上端の線 | 段差が響く |
**「いちばんゆるい段で余りがあるか」は、これから数ヶ月使うことを考えると効いてきます。**買った時点でいちばんゆるい段がぴったりだと、調節の余地がありません。
骨格・体型による違い
体型によって、どこで支えると楽かは変わります。ただしこれも傾向の話で、実際は履いてみないと分かりません。
| 特徴 | 起きやすいこと | 合いやすい方向 |
|---|---|---|
| 胴が短め | 全体を覆う型で上端が肋骨に近づく | 半分覆う型、下で支える型 |
| 胴が長め | 上端が中途半端になりやすい | 全体を覆う型 |
| 腰骨が張っている | 下で支える型が乗りやすい | 下で支える型 |
| 腰まわりが丸い | 上端が滑って下がりやすい | 面で覆う型、滑り止め |
| もともと細身 | 全体が余ってずれる | 小さめサイズ+調節 |
| ヒップに厚みがある | ウエストだけ余る | ウエストの調節幅が広い型 |
パンツと体型の一般的な関係は体型別のパンツ選びにもまとめています。
それでもうまくいかないときの直し方
ここまでの内容を、症状から引ける形に並べ直します。
| 症状 | 試す順に | 一つめ | 二つめ | 三つめ |
|---|---|---|---|---|
| 跡がつく | 位置→幅→型 | 上端を2〜3cmずらす | インナーを挟む | 面で覆う型へ |
| 後ろが下がる | 調節→型 | 後ろだけ一段詰める | 上端を下へ | 全体を覆う型へ |
| 全体が落ちる | サイズ→型 | お尻の合いを見る | 一段小さく | 立体的な型へ |
| 上端が巻き下がる | 高さ | 上げきる | 下げきる | 高さの違う型へ |
| 座ると食い込む | 姿勢→調節 | 座位で合わせる | 一段ゆるめる | 二方向に伸びる素材へ |
| 食後につらい | 調節 | 外へ折り返す | 一段ゆるめる | 日中に動かす前提で選ぶ |
| ゆるい | 場所の特定 | どこがゆるいか見る | 該当箇所に合わせる | 時期をずらして使う |
| 履きにくい | 姿勢→丈 | 座って履く | 丈を見直す | 伸びる素材へ |
| 表に線が出る | 折り方 | 内に折り込む | 厚みを減らす | 段差の少ない型へ |
| ゴムが伸びた | 手入れ→調節 | 干し方を変える | 詰める | 内側にゴムを足す |
よくある誤解
| よく言われること | 実際のところ |
|---|---|
| きついから跡がつく | 幅と位置のほうが効くことが多い |
| ずれるのは履き方が下手だから | 体の形が水平ではなくなったから |
| 大きめを買えば長く使える | 合わない時期が長くなることもある |
| 調節はアジャスターだけ | 折り返し・履く順番でも変わる |
| 左右のアジャスターは同じ段に | 前後左右で変えてよい |
| 一度決めたら固定するもの | 一日のなかで動かしてよい |
| 全部を覆う型が正解 | 楽な位置は人と時期で変わる |
| マタニティ用でないと無理 | 条件が合えば手持ちで越えられる時期もある |
| 産後は全部いらなくなる | しばらく使い続ける人も多い |
鏡と手で確認する3か所
出かける前に、三か所だけ見ておくと、外で気にする時間が減ります。
| 場所 | 確認のしかた | 直し方 |
|---|---|---|
| 上端の位置 | 手で上端をなぞる | 2〜3cm上下に送る |
| 後ろのすき間 | 腰の後ろに手を差し込む | 後ろだけ一段詰める |
| 表に出る線 | 横向きで薄手のトップスを見る | 内に折り込む |
まとめ
マタニティパンツの困りごとは、強さではなく位置と面積で解けることが多くあります。
跡がつくなら、締めすぎを疑う前に、細い線で支えていないか、上端が張り出しの真上にないかを見てください。2〜3cm動かすだけで変わることがあります。
ずれるなら、履き方の問題ではありません。お腹が前に出て、ウエストが水平ではなくなったからです。後ろだけ一段詰める、上端をふくらみの下の棚に乗せる、面で包む型に替える、のどれかで落ち着きます。
調節できる場所はアジャスターだけではありません。リブの折り返し、上端の向き、履く順番、そして「一日のなかで動かしてよい」と決めること。これだけで我慢する時間が減ります。
そして、**月数も寸法も、この記事に書いたものはすべて目安です。**体の変わり方には個人差がとても大きく、同じ時期でも快適な型はまったく違います。合わないものがあっても、それは選び方を間違えたからではありません。
体調や締めつけについて気になることがあれば、服で押し通さずに、健診のときに相談してみてください。
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よくある問い
- Q. マタニティパンツでお腹に跡がつくのはなぜですか
- 跡は「強く締めているから」よりも、「細い幅の一本で支えているから」つくことが多いです。幅1〜2cmの細いゴムは、同じ力でも接する面積が狭いぶん、線として残りやすくなります。幅4〜8cmの広いゴムや、お腹全体を覆う伸縮パネルは、同じ支える力でも面に分散するので線が出にくくなります。もうひとつは位置です。上端がちょうど肋骨の下やお腹のいちばん張り出したところに乗っていると、体を動かすたびにそこだけがこすれます。ゴムを替えるより先に、上端を2〜3cm上か下にずらしてみると変わることがあります。跡が長く残る、痛みやしびれがあるなど気になることがあれば、次の健診で相談してみてください。
- Q. マタニティパンツがずれる・ずり下がるのを直したいです
- お腹が前に出てくると、ウエストの線は前が高く後ろが低い、斜めの状態になります。パンツのウエストは水平にできているので、前で持ち上げられた布が後ろへ引かれ、結果として後ろ側が下がります。直し方は三つあります。ひとつは、上端をお腹のふくらみの下側に乗せて「棚」に置くこと。ふたつめは、お腹全体を覆う型に替えて、前後の高さ差ごと包むこと。みっつめは、後ろ側だけアジャスターを一段詰めて、前後の張力をそろえることです。ずれるのは履き方が悪いからではなく、体の形が変わって水平ではなくなったからです。
- Q. マタニティパンツの調節はどこでできますか
- 調節できる箇所は主に三つです。ひとつはウエスト内側のアジャスターボタン。一般に3〜5段あり、一段で2〜3cmほど変わるものが多いです(目安)。ふたつめはリブや伸縮パネルの折り返しで、外に2〜3cm折る、内に折り込む、上へ伸ばして立てる、の三通りで高さと圧が変わります。みっつめは紐やベルト通しです。まずアジャスターで大きく合わせ、日ごとの体調や食後の張りはリブの折り返しで微調整する、という順番にすると迷いにくくなります。
- Q. マタニティパンツがゆるいときはどうすればよいですか
- ゆるさは場所によって対処が変わります。ウエストがゆるいならアジャスターを詰めるのがいちばん早い方法です。お尻まわりがゆるくて全体が落ちてくる場合は、アジャスターでは解決しにくく、一段小さいサイズか、後ろの立体感がある型に替えたほうが落ち着きます。ももがゆるいだけなら、丈を短くするか、細い形に替えると気にならなくなります。妊娠初期に大きめを買って合わない場合は、いま無理に使わず、いちばん必要になる時期のために取っておくという選び方もあります。
- Q. マタニティパンツの履き方にコツはありますか
- 座って足を通すのがいちばん安全で、しゃがむ姿勢を避けられます。椅子かベッドの端に浅く腰かけて、両足を先に通してから立ち上がり、腰まで上げます。お腹全体を覆う型は、腰まで上げたあとに上端の布を下から上へ広げて置く、という順番にすると布がねじれません。お腹の下で支える型は、立った状態で腰骨の上に乗せてから、上端を下向きに一度整えます。上から一気にかぶせるように下ろす履き方は、お腹の上を布が滑るので好まない人が多いです。
- Q. 時期によってパンツの選び方や調節は変わりますか
- 変わりますが、個人差がとても大きい部分です。一般に4ヶ月ごろまでは見た目の変化が小さい人が多く、手持ちのパンツのボタン位置を延長する道具で足りることがあります。5〜7ヶ月ごろは前に出てくる人が多く、お腹の下で支える型やお腹の半分を覆う型が快適という声が増えます。8ヶ月ごろからは上端の位置が定まりにくくなるため、お腹全体を覆う型に安定を感じる人が増えます。ただし出方も時期も人によってまったく違うので、月数より「いまの自分がどこで支えると楽か」を基準にしてください。
- Q. ゴムが伸びてしまいました。防ぐ方法はありますか
- ゴムの戻る力が落ちる主な原因は、熱と、濡れた状態で引っ張られることです。洗うときはネットに入れて裏返し、乾燥機は避けて陰干しにします。干すときにウエスト部分を洗濯ばさみで挟んで吊るすと、水を含んだ重みが全部ゴムにかかるので、竿に二つ折りでかけるほうが長持ちします。着るときも、上端をつまんで大きく引っ張って広げるより、少しずつ位置を送るように上げるほうが傷みません。すでに伸びたものは、アジャスターで詰めるか、内側にゴムを一本足すという直し方があります。
— メグラシ編集部





