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洋服の流行の見分け方|古い1枚と重ねて、動いた部位を1つに絞る

メグラシ編集部//読了 13分
同じ種類の服を2枚、平らに重ねて肩の縫い目の位置がどれだけずれているかを比べているところ

流行っている服の名前をいくつ覚えても、次に振れたときには使えません。名前は入れ替わるからです。

代わりに覚えておくと長く使えるのは、服のどこが動いたかを自分で見つける手順のほうです。

そして服は、いっぺんに全部が変わるわけではありません。同じ種類の服を並べて測ると、差が出るのはたいてい1か所だけです。その1か所を見つけられれば、手持ちのまま寄せることもできますし、買い足すなら何を足せばいいかも決まります。

流行を覚えるのではなく、動いた場所を1つ見つける

やることは単純です。同じ種類の服を2枚、平らに重ねる。 片方は手元にある古いもの、もう片方は新しいもの。

そして、決まった4か所だけを比べます。肩の縫い目の位置、ウエストを絞っている量、裾が終わる場所、袖と胴の太さの比。

差が出た1か所が、いま動いている部位です。それだけです。

なぜ「動くのは毎回1か所」なのか

服の形は、いくつもの部位が同時に変わると成立しなくなります。

肩の位置が動けば、袖の付き方も、胴の太さも、それに合わせて調整されます。裾の終わりが動けば、丈の釣り合いが変わります。1か所を動かすと、周りが自動的についてくる。 だから、作る側も一度に複数の部位を動かしません。

見る側からすると、これはありがたい性質です。原因はいつも1つなので、4か所を順番に見れば必ず見つかります。

逆にいえば、4か所全部で差が出たように見えるときは、比べ方のほうが間違っています。サイズが違う、種類が違う、あるいは洗って縮んでいる。そのどれかです。

用意するもの|同じ種類の2枚と、メジャー1本

必要なのは3つです。

1つ、同じ種類の服を2枚。 上に着るものなら上に着るもの同士、下に穿くものなら下同士。種類をまたぐと比べられません。

2つ、同じ表示サイズであること。 サイズが違うと、全部の部位で差が出ます。

3つ、平らな床かテーブル。 掛けた状態では測れません。前を留めて、しわを手で伸ばし、重ねて置いてください。

もう1つ、判定を外しにくくするための注意があります。同じ「上に着るもの」でも、日常で着るものと、改まった場で着るものでは、動く速さが違います。 改まった場のものは形が固定されやすく、動く幅も小さくなります。

だから、比べる2枚は用途も揃えてください。日常のものどうし、改まった場のものどうし。これを混ぜると、動いていないものと動いたものを比べることになり、差が出すぎます。種類・サイズ・用途の3つが揃った2枚が、比較の最小条件です。

準備ができたら、4か所を順番に測ります。全部で5分ほどです。

部位①|肩の縫い目は、肩先から何cmずれたか

平らに置いた状態で、肩の縫い目の位置を比べます。

袖と胴の境目にある縫い目が、2枚でどれだけずれているか。2cm以上ずれていたら、ここが動いた部位です。

外へずれていれば、肩が落ちる方向へ動いています。内へずれていれば、肩の位置が体に近づく方向です。

この部位が動くと、見え方は大きく変わります。肩は輪郭のいちばん上にあって、離れて見たときに最初に目に入る場所だからです。

部位②|ウエストは、一周で何cm細くなっているか

次に、胴の絞りを見ます。

平らに置いて、脇の下の幅と、いちばん細い位置の幅を測ってください。その差が絞っている量です。差がなければ、その服は絞っていないということになります。

2枚を比べて、絞っている量が2cm以上変わっていたら、ここが動いた部位です。

絞りが増える方向へ動いているのか、消える方向へ動いているのか。この2つは服の性格そのものを変えます。絞りがある服は体の形をなぞり、絞りがない服は布の形をそのまま見せます。

部位③|裾は、どの骨で終わっているか

3つ目は、裾の終わる位置です。

平らに置いた状態の着丈だけで比べると、肩の位置に引きずられます。着た状態で、裾が体のどの骨のあたりで終わるかを見てください。

上に着るものなら、腰骨の上か、腰骨の位置か、腰骨より下か。下に穿くものなら、くるぶしの上か、くるぶしの位置か、床に届くか。

骨1つぶん動いていたら、ここが動いた部位です。裾は、上下の配分を決める場所なので、ここが動くと合わせるものも変わります。

部位④|袖と胴の太さの比

4つ目は、比です。

平らに置いて、二の腕あたりの袖幅と、胸の下あたりの胴幅を測ります。胴幅を袖幅で割った数字が比です。

2枚でこの比が0.3以上動いていたら、ここが動いた部位です。

袖が太くなる方向は、腕まわりに空間を作ります。胴が太くなる方向は、体の輪郭を布で隠します。同じ「ゆったりしている」でも、どちらが太いかで見え方はまったく違います。

4か所を比べて、動いた1か所を決める

4つ測ったら、差の大きい順に並べてください。

いちばん差が大きく、かつ2cm(比なら0.3)を超えているものが、動いた部位です。

差が2cm未満のものは、動いていないものとして扱います。作りの個体差、洗った縮み、置き方のずれで、その程度は動くからです。

差が出たものが1つもなければ、その種類の服は今のところ動いていないということです。買い足す理由がない、という結論になります。これも立派な答えです。

早見表|動いた部位と、手持ちで寄せる場所

動いた部位差の読み方手持ちで寄せられる場所
肩の縫い目2cm以上ずれた上に重ねる1枚で輪郭を作り直す
ウエストの絞り絞り量が2cm以上変わった区切る一本を足す・外す
裾の終わり骨1つぶん動いた入れる・折る・上を重ねて位置を変える
袖と胴の比比が0.3以上動いた袖をまくる・上に羽織って胴を変える

表は見比べる場所を並べたものです。どこが動いたかは、手持ちを測らないと出ません。

動いた1か所だけを寄せる|買い足す前にできること

動いた部位が分かったら、まず手持ちで寄せられないかを考えます。

裾が動いたなら、裾は着方で変えられます。 入れる、折る、上に重ねて隠す。位置を変えるだけなら、買う必要はありません。

袖と胴の比が動いたなら、袖のほうが動かしやすいです。 まくる、折り返す。あるいは上に一枚羽織って、胴の見える幅を変える。

絞りが動いたなら、区切る一本を足すか外すかです。 絞りが増える方向なら一本足し、消える方向なら外して落とします。

肩だけは、着方では動きません。 ここが動いた期のみ、1着足すことを考えてください。逆にいえば、それ以外の期は買わずに済みます。

どちらとも取れるとき①|2か所が同時に動いて見える

サイズ違いを比べている可能性が高いので、まず同じ表示サイズで比べ直してください。

それでも2か所出るなら、原因と結果を分けます。 肩の縫い目が外へ落ちると、袖と胴の比は自動的に変わります。裾が下へ動くと、絞りの位置も相対的に上がって見えます。

順番は決まっています。肩を先に確定させ、次に裾、そのあとで絞りと比を見る。 先に確定した部位が原因で、後の部位は結果です。

どちらとも取れるとき②|比べる古い1枚がない

手持ちに比較対象がない種類もあります。その場合は、店頭の棚を使ってください。

同じ棚のなかで、下段や奥に定番として残っている形が古い側、目線の高さや手前にある形が新しい側です。この2枚を平らに置いて、同じ4か所を測ります。

写真しか見られないときは、測れる部位が2つに減ります。肩の縫い目の位置と、裾が終わる場所。この2つは正面からの写真でも読めます。絞り量と比は、平らに置かないと出ないので、写真では判断しないでください。

素材の重さは、部位とは別に動く

形の4か所とは別に、もう1つだけ見ておくと精度が上がります。生地の重さです。

同じ形でも、重い生地はまっすぐ落ち、軽い生地は体の動きについてきます。握って離したときに、しわが3秒以内に消えるか残るかで分けてください。

重さは形の4か所とは独立して動きます。形は変わっていないのに、以前の1枚と印象が違う。そういうときは、たいてい生地の重さが動いています。

そして重さは、手持ちでは寄せられません。ここだけは、足すか足さないかの判断になります。

動いていない期に、何をするか

測ってみて、4か所とも差が2cm未満だった。この結果は珍しくありません。むしろ、こちらのほうが多い時期もあります。

このとき、買う理由はありません。 手持ちがそのまま使える、という結論です。

そして、動いていない期にできることが1つあります。手持ちの寸法を記録しておくことです。

いま持っている服の、肩の縫い目の位置、絞り量、裾の終わり、袖と胴の比。これを1枚ずつ紙に書いておくと、次に測るときの比較対象になります。古い1枚を探す手間が省けます。

記録は数字だけで構いません。種類と、4つの数字。それだけで、次の判定が1分で終わります。動いていない期にやっておくと、動いた期に迷わずに済みます。

まとめ|4か所を測れば、名前は要らない

流行っているものの名前を覚える必要はありません。

同じ種類の2枚を平らに重ねて、肩の縫い目、絞り量、裾の終わり、袖と胴の比を測る。差が2cmを超えた1か所が、動いた部位です。

動いたのが肩以外なら、たいてい手持ちのまま寄せられます。 買うかどうかを決めるのは、そのあとで構いません。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. 流行っているものを覚えるのと、動いた部位を探すのは何が違いますか。
使える期間が違います。名前で覚えると、その名前が使われなくなった時点で判断の材料が消えます。部位で覚えると、次に振れたときも同じ4か所を見るだけで済みます。たとえば肩の縫い目が外へ動いた時期と、内へ戻った時期では、見るべき場所は同じで、答えだけが反転します。手順が残るほうが、長く使えます。
Q. 比べるための古い1枚が手元にありません。どうすればよいですか。
店頭の同じ棚で、いちばん安定して置かれている形と、いちばん目立つ場所に置かれている形を比べてください。棚の奥や下段に定番として残っているものが古い側、手前や目線の高さにあるものが新しい側です。2枚を平らに置いて同じ4か所を測れば、手持ちがなくても差は読めます。写真だけで判断するときは、肩の縫い目と裾の終わりの2か所に絞ってください。
Q. 4か所のうち2か所が同時に動いているように見えます。
サイズ違いを比べている可能性が高いです。同じ表示サイズどうしで比べ直してください。それでも2か所動いて見えるなら、片方は「動いた結果そう見えているだけ」のことがあります。たとえば肩が外へ落ちると、袖と胴の太さの比も自動的に変わります。原因と結果を分けるには、肩の縫い目の位置を先に確定させてから、袖と胴を見てください。
Q. 動いた部位が分かったあと、何をすればよいですか。
手持ちの中から、その部位が動いた側に近い1枚を探してください。全部を買い替える必要はありません。動いたのが裾の終わりなら、裾の位置を変えられる着方(入れる・折る・上に重ねる)で寄せられます。肩なら、肩の落ちた1枚を1着だけ足せば足ります。動いた1か所だけを合わせると、残りは手持ちのままで釣り合います。
Q. 差がわずかで、動いたのかどうか判断がつきません。
差が1cm未満なら、動いていないものとして扱ってください。作りの個体差や、洗って縮んだ分でその程度は動きます。判断できるのは2cm以上の差です。2cm未満の差しか出ないときは、その部位はまだ動いていないか、動きはじめたばかりです。どちらにしても、いま手持ちを変える理由にはなりません。

— メグラシ編集部

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