最近のファッションの流行は、増えたものより「見なくなったもの」で読む

最近の流行を知ろうとして、新しく出てきたものを探すと、候補が多すぎて決まりません。
早いのは逆です。去年まで見ていたのに、今年は見なくなったもの。 こちらを数えます。
減ったものは数が少なく、たいてい2つか3つに収まります。しかもそれは、いま自分が持っている服の中にあります。買わずに、やめるだけで反映できます。
数えるのに必要なのは、去年の同じ時期の写真と、今日すれ違う何人かだけです。
探すのは、消えた要素
新しいものは、出てきた時点では定着するかどうか分かりません。半年で消えるものと、数年残るものが同じ棚に並んでいます。だから新しいものを追うと、当たり外れが避けられません。
消えたものは違います。消えたという事実は、すでに起きた結果です。 これから起きるかどうかを予想する必要がありません。
そして消えた要素は、必ず自分の手持ちの中にあります。去年まで見ていたということは、去年まで自分も持っていたということだからです。
なぜ減ったほうが早いのか
増えるものと減るものでは、数が違います。
新しく出てくる形や色は、季節ごとに数十あります。そのうち広がるのはごく一部です。一方、消えていく要素は、同じ季節に2つか3つしかありません。数え切れる量なので、見落としが起きません。
もう1つ、減ったほうは判断がはっきりしています。「あるかないか」で数えられるので、感覚が入りません。増えたほうは「多いか少ないか」の判断になり、見る人によってずれます。
数え方
やることは2つです。
- 去年の同じ月に撮った自分の写真を開く
- 今日すれ違う人を10人だけ見て、写真にある要素が何人にあるかを数える
去年は5人にあったものが、今年は1人以下。これが減った側の目安です。10人という数は、駅やお店で数分あれば足ります。
同じ月どうしで比べてください。 違う月と比べると、季節の入れ替わりで消えたものまで数えることになります。
減りやすい場所
減るのは、たいてい次のどれかです。
- 肩まわりの張り出し方
- 袖の終わる位置
- 裾の広がり方
- 縁や口の飾りの量
- 金具や留め具の数
この5か所を見て、去年の写真と今日で違っているところを探します。全身を比べようとすると比べきれないので、場所を先に絞るほうが確実です。
減った要素と、その空き
| 減ったところ | 何が起きるか | 手持ちでの動かし方 |
|---|---|---|
| 肩の張り出し | 上半身の幅が変わる | 肩の縫い目が肩先の内側にある1枚に替える |
| 袖の終わり | 腕の見える範囲が変わる | 袖をまくる位置を1か所だけ変える |
| 裾の広がり | 歩いたときの動きが変わる | 幅の狭いほうを選ぶ |
| 飾りの量 | 近くで見た情報が変わる | 飾りのある1枚を外す |
| 金具の数 | 光る点の数が変わる | 数の多いものを小物から外す |
この表は、減った場所を確かめたあとに使うものです。右端はどれも、買わずにできることだけを書いています。
減った要素は、手持ちの中にある
ここがこの方法のいちばん効くところです。
減ったと分かった要素は、去年まで自分も着ていたので、クローゼットにあります。やることは買うことではなく、その1枚を今季は前に出さないと決めることです。
外すのは1つか2つで足ります。全部を入れ替える必要はありません。減った要素が3つ以上見つかっても、そのうち自分がよく着ているものだけを外せば、装い全体の印象は動きます。
「やめる」ほうが早い
足す場合、買う・届く・合わせるという手順が要ります。やめる場合は、その日の朝に決めるだけです。
しかも、やめると装いに空きができます。空いたところは、他の服で埋まります。手持ちの中で出番の少なかった1枚が、そこで前に出てきます。
新しく買った1点より、出番の変わった1枚のほうが、装い全体を動かします。 買い足す判断は、この空きができたあとで構いません。
どちらとも取れるとき①|減ったのか、季節なのか
去年の写真と比べて消えている要素が、季節の入れ替わりで消えただけということがあります。
見分け方は、同じ月どうしで比べること。それでも判断がつかない場合は、去年の写真をもう1枚、別の月から出してください。2つの月の両方にあって、今年はどちらの月にも無いなら、季節ではありません。
もう1つの見分け方は、店の棚です。季節で消えたものは、季節が戻ればまた並びます。減った要素は、季節が戻っても棚の面積が小さいままです。
どちらとも取れるとき②|自分の周りだけ減っている
ふだん通る場所は、年代や職種がそろっていることがあります。そこでは、流行とは別の理由で装いがそろいます。
確かめ方は、数える場所を1つ増やすことです。ふだんの場所と、まったく別の場所の2か所で10人ずつ数えます。両方で減っていれば、広い範囲で減っています。片方だけなら、その場所の事情です。
2か所で数えるのは、1回やれば足ります。 一度差の出方が分かれば、次からはふだんの場所だけで判断できます。
減ったものを、あえて残す
減ったと分かったうえで残すのは、遅れではなく判断です。
決め方は、その要素が自分の装いの中でどれだけ働いているかです。よく着る1枚の主役になっているなら残す。たまたま入っているだけなら外す。この2つで分かれます。
残すと決めたなら、他の場所を減った側に合わせておくと収まります。1か所だけ残っている状態は、意図として読まれます。 全身に散らばっている状態が、いちばん整理されていないように見えます。
増えたほうを見るのは、外したあと
減ったものを2つ外すと、装いに空きができます。ここで初めて、増えたほうが必要になります。
順番を逆にすると、増えたものを足しただけで情報が多くなり、結果として何も変わりません。外してから足す。 この順番だと、買う点数も少なく済みます。
足すのは1点で足ります。空いた場所は2つでも、1点入れれば残りは手持ちで埋まります。
1点を選ぶときは、減った場所と同じところに戻すのがいちばん確実です。肩の張り出しが減ったなら肩まわりの1枚、裾の広がりが減ったなら下の1枚。空いた場所と、足す場所を同じにすると、その1点が全身に効きます。
別の場所に足すと、外した場所は空いたまま、新しい場所に情報が増えます。全体の量は変わらないのに、まとまりだけが減ります。
去年の写真が無いとき
自分の写真が残っていないこともあります。そのときは、手持ちの服そのものを写真の代わりにします。
クローゼットから、去年よく着た5枚を出してください。よく着たかどうかは、たたみじわの多さや、袖口の毛羽立ちで分かります。その5枚に共通している要素を書き出し、それが今日すれ違う10人にどれだけあるかを数えます。
よく着た服は、去年の自分の記録そのものです。 写真より正確なこともあります。写真は特別な日に撮ることが多く、ふだんの装いが残っていないからです。
5枚に共通する要素が見つからない場合は、3枚に減らして構いません。共通が2つ見つかれば、この方法としては足ります。
減ったものと、飽きたものを分ける
「見なくなった」と感じるものの中には、街から減ったのではなく、自分が見飽きただけのものが混ざります。
分け方は、数えた結果を見ることです。10人のうち何人にあったかを実際に数えていれば、飽きは混ざりません。数えずに印象で判断すると、自分の目に入りやすいものほど「多い」と感じ、逆に持ちすぎているものほど「もう見ない」と感じます。
印象と数がずれていたら、数のほうを採ってください。 飽きたものを外すのは好みの話で、それはそれで構いませんが、流行の判断とは別に置いておくほうが、あとで迷いません。
飽きているだけの1枚は、1シーズン置くと戻ってきます。減った要素は、置いても戻りません。この違いは、来年の同じ月にもう一度数えれば確かめられます。
1週間で確かめる手順
急がなくても、1週間あれば終わります。
- 去年の同じ月の写真を3枚選ぶ
- 通勤や買い物のついでに、10人ずつ2回数える
- 減っている場所を書き出す。多くても3つ
- そのうち自分がよく着ているものを2つ外す
- 空いたところに、手持ちから1枚回す
ここまでで、買い物はゼロです。足りないと感じたときだけ、6日目に1点だけ足します。
まとめ
最近の流行は、増えたものではなく見なくなったもので読みます。
去年の同じ月の写真と、今日すれ違う10人を比べる。減っている場所を3つまで書き出し、そのうちよく着ている2つを外す。空いたところは手持ちで埋める。足すのは、その後で1点だけ。
この順番なら、流行を追いかけずに、流行の側へ動けます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 最近の流行を知りたいとき、まず何を見ればいいですか
- 新しく出てきたものではなく、見なくなったものを探してください。新しいものは候補が多く、しかも定着するかどうかが分かりません。見なくなったものは数が少なく、たいてい2つか3つに収まります。しかもそれは手持ちの服の中にあるので、買わなくても反映できます。去年の同じ時期に撮った自分の写真を開いて、今日すれ違った人の装いと違うところを探すのが、いちばん早い方法です。
- Q. 減ったかどうかは、どうやって確かめますか
- 同じ月どうしで比べてください。去年の同じ月に撮った写真と、今月の街です。違う月と比べると、季節の入れ替わりで消えたものまで数えてしまいます。数え方は、すれ違う人を10人だけ見て、その要素が何人にあるかを数えること。去年は5人にあったものが今年は1人以下なら、減った側です。10人という数は、駅やお店で数分あれば足ります。
- Q. 減ったものを、まだ着てはいけないということですか
- そういうことではありません。減ったと分かったうえで残すのは、判断であって遅れではありません。残すかどうかは、その要素が自分の装いの中でどれだけ働いているかで決めてください。よく着る1枚の主役になっているなら残す、たまたま入っているだけなら外す。全部を入れ替える必要はなく、外すのは1つか2つで足ります。
- Q. 増えたほうは、いつ見ればいいですか
- 減ったものを2つ外したあとです。外すと、その分だけ装いに空きができます。空いたところに何を入れるかを決める段になって、初めて増えたほうが必要になります。順番を逆にすると、増えたものを足しただけで情報が多くなり、結果として何も変わりません。外してから足す。この順番だと、買う点数も少なく済みます。
- Q. 自分の周りだけ減っているように見えます
- 見る場所を1つ増やしてください。ふだん通る場所と、まったく別の場所の2か所で数えます。両方で減っていれば、広い範囲で減っています。片方だけなら、その場所の事情です。年代や職種がそろった場所では、流行とは別の理由で装いがそろうことがあります。2か所で数えると、その差が見えます。
— メグラシ編集部




