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流行色の決め方|どの棚に出た色かで、何年続くかを読む

メグラシ編集部//読了 9分
窓辺の木の机に、同じオリーブがかった茶色のウールのコート・ニット・ストール・靴下が重なって置かれている

**秋の売り場で目に留まった色があるなら、それを買う前に、コートの棚を見に行ってください。**同じ色のコートが並んでいれば、その色は数年続くつもりで作られています。小物とカットソーの棚にしか無ければ、今季だけで入れ替わる色である可能性が高いと考えてください。

流行色は、ある日だれかが一言で決めるものではありません。店に並ぶおおむね2年前から段階を追って絞り込まれ、**準備に時間のかかる服ほど早い段階で色を決めます。**だから、売り場のどの棚まで色が届いているかを見ると、作り手がその色をどれくらい長く使うつもりなのかが読めます。

この記事は「今年は何色か」ではなく、目の前の色が何年続きそうかを自分で数えて、買う物の大きさを決めるための手順です。

結論:コートの棚まで来た色は長く、小物だけの色は短い

判断の軸は1つだけです。その色が、売り場の5つの棚のうち何か所に出ているか。

  • 1〜2か所(小物・カットソーだけ)……今季だけで終わりやすい色
  • 3か所(ニットやボトムまで)……2季節ほど続きやすい色
  • 4〜5か所(コートの棚まで)……3年ほど使われやすい色

数えたあとは、続く年数に合わせて買う物の大きさを決めます。短い色は小さく、長い色は大きく。これだけで、翌年に着なくなる1枚をかなり減らせます。

早見表|出ている棚の数と、続きやすさ

出ている棚続きやすさの目安置く場所
小物・カットソーのみ1季節スカーフ、靴下、薄手のトップス
+ニットかボトム2季節トップス1枚、スカート1枚
+ニットとボトムの両方2〜3季節ニット、パンツ
+コート3年前後コート、厚手のニット、バッグ

この表は目安です。店の規模や客層で出方は変わるので、1店だけで決めず、できれば2店で数えてください。

流行色はおおむね2年前から順に決まっていく

流れを大まかに書くと、次のようになります。

  1. およそ2年前……国際的な色の委員会が、次の季節の大きな方向を出す
  2. およそ1年半前……各国の色の団体が、自国の売り場に合わせて候補を絞る
  3. およそ1年前……糸や生地の作り手が、染める色を決めて見本を出す
  4. 半年〜1年前……服の作り手が生地を選び、形と色の組み合わせを決める
  5. その季節……売り場に並ぶ

段階を下るたびに候補は減ります。最後に残るのは、それぞれの作り手が「これなら売れる」と判断した色です。店先で見る流行色は、上から配られた1色ではなく、何段階もの判断を通って残った色の集まりだと考えると、読み方が変わります。

なぜコートの棚が目印になるのか

服の種類によって、色を決める時期が違います。

コートは生地が厚く、染めてから仕立てるまでの工程が多い服です。作る量も前もって決めなければならず、売れ残ると負担が大きい。だから作り手は、**確信の持てる色しかコートには使いません。**ここに色が入っているということは、1年以上前の段階で「この色は続く」と判断されたということです。

反対に、小物や薄手のカットソーは準備期間が短く、季節の途中からでも色を足せます。売り場の反応を見てから追加した色は、ここに出ます。早く出て、早く消える色が集まりやすい棚です。

ニットとボトムはその中間にあります。糸の段階で色が決まるニットは比較的早く、ボトムは定番色が多いぶん、新しい色が入ると目立ちます。

数え方|5つの棚を10分で回る

売り場で数える手順です。

  1. 気になった色を1つ決め、その色の服を1枚手に取る
  2. 次の5つの棚を順に回る。小物、カットソー、ニット、ボトム、コート
  3. 同じ色が1枚でもあれば、その棚に「出ている」と数える
  4. 出ている棚の数を控える
  5. 別の店でも同じように数え、少ないほうの数を採用する

1つの棚で1枚だけでも数えます。量ではなく、その棚の作り手がこの色を選んだかどうかを見ているからです。

色名ではなく、明るさと鮮やかさで同じ色を数える

店ごとに色の呼び名は違います。同じ茶系でも、ある店では豆の名前、別の店では木の名前が付いていることがあります。名前で数えると、同じ色を別の色として数えてしまいます。

同じ色かどうかは、2つの物差しで決めてください。

  • 明るさ……白から黒までを5段に分けたとき、何段目か
  • 鮮やかさ……くすんでいる・中くらい・澄んでいる、の3段のどれか

両方が同じ段に入れば、名前が違っても同じ色として数えます。明るさが1段ずれるものは、似ていても別に数えたほうが判断を誤りにくくなります。

1季節型の色の取り入れ方

小物とカットソーの棚にしか出ていない色は、面積の小さいものに置きます。

  • 首に巻くもの、靴下、ヘアアクセサリー
  • 薄手のカットソー1枚(羽織りの内側に着て、見える面積を小さくする)
  • 手持ちの服の上から足せるもの

この色は翌年に売り場から消えても、手持ちの側で困ることはありません。手持ちの色の中に1点だけ入れて、その季節を楽しむ色と割り切ってください。高いものや、長く使いたいものには置かないほうが後悔しません。

2季節型の色の取り入れ方

ニットかボトムの棚まで出ている色は、トップス1枚かボトム1枚まで入れて構いません。

2季節というのは、今年の秋冬と来年の春、あるいは今年と来年の秋冬です。どちらになるかは、その色が軽い素材にも出ているかで分かれます。薄手のニットやとろみのあるボトムにも出ていれば、春にまたがる色。厚手や起毛の生地だけに出ていれば、来年の秋冬まで続く色です。

組み合わせは、手持ちの無彩色か、手持ちで一番多い色と組むと失敗が少なくなります。

3年型の色の取り入れ方

コートの棚まで来ている色は、コート、厚手のニット、バッグに置いても数年使えます。

ただし、コートを1着買うなら、同じ色の中でも明るさが中間のものを選んでください。3年のあいだに、同じ色でも売り場の明るさは少しずつ動きます。中間の明るさなら、明るい側に動いても暗い側に動いても離れすぎません。

3年型の色は、翌年以降に手持ちの定番になっていく色でもあります。定番の黒や紺の代わりにこの色を1着持つ、という考え方で選ぶと、買う理由がはっきりします。

どちらとも取れるとき①|ニットとボトムにはあるが、コートに無い

数えると3か所。2季節型の目安ですが、コートの棚にだけ無い理由は2つ考えられます。

1つは、その色がまだ新しく、作り手が様子を見ている段階であること。この場合、翌年にはコートの棚に入ってきます。もう1つは、その色が重い生地では映えにくい色であること。明るい色や澄んだ色は、厚手の生地に乗せると色が鈍りやすいので、コートには使われにくいのです。

見分けるには、その色の明るさを見てください。明るさが5段の真ん中より暗ければ前者、明るければ後者の可能性が高くなります。前者なら、翌年の秋に同じ手順で数え直してから大きい物を買う。後者なら、2季節型として扱います。

どちらとも取れるとき②|コートにはあるが、1色の濃さだけ

コートの棚にその色が1着だけあり、ほかの棚では見かけない。この場合は、3年型ではなく、その店の定番色である可能性があります。

店によっては、毎年同じ色のコートを置いています。流行とは関係なく、その店の客層に合わせた色です。確かめるには、同じ店の他の棚を見ます。ニットやボトムに同じ色が1枚も無いなら、流行色ではなく定番色と考えて、数から外してください。

どちらとも取れるとき③|店によって出ている棚が違う

1店目では4か所、2店目では2か所。この差は珍しくありません。若い客層の店ほど新しい色を早く入れ、落ち着いた客層の店ほどコートに慎重です。

判断は少ないほうの数で行ってください。多いほうで判断すると、1店だけの事情で大きな物を買うことになります。少ないほうで判断して外れても、失うのは小物1つぶんで済みます。

気になるなら、3店目で数えて多数決にします。3店とも違う数になったら、真ん中の数を取ります。

秋冬に数えるなら、10月の半ば

数える時期も大事です。季節の立ち上がりの9月は、前の季節の残りと新しい色が混ざっていて、棚の数が実際より多く見えます。逆に12月に入ると、残っているのは売れ残りの側に寄ります。

秋冬の色を数えるなら、10月の半ばから下旬がいちばん読みやすい時期です。新しい色が一通り出そろい、まだ入れ替えが始まっていません。春夏なら、3月の下旬から4月の半ばが同じ位置にあたります。

数えた結果は、スマートフォンのメモに色の写真と棚の数を残しておくと、翌年に同じ色が続いているかを比べられます。

去年買った色が、今年も続いているかを確かめる

同じ手順は、手持ちの服にも使えます。去年の秋に買った色の服を1枚持って売り場へ行き、5つの棚を回ってください。

  • 去年より出ている棚が増えている……その色はまだ上り調子。今年も安心して着られる
  • 去年と同じ数……続いている。組み合わせを変えずに着てかまわない
  • 去年より減っている……引き始めている。手持ちの1枚は、小物や無彩色と組んで着る側に回す

棚の数が減っていても、手持ちの服を手放す理由にはなりません。減り始めた色は、面積を小さく見せる組み方に切り替えるだけで、あと1〜2季節は十分に着られます。羽織りの内側に入れる、ボトムに回す、同じ色の小物を外す。この3つのどれかで、全身に占める割合が下がります。

反対に、去年は小物の棚にしか無かった色が、今年はニットやコートの棚まで広がっていることもあります。その場合は、去年の小物がそのまま今年の全身のつなぎ役になります。翌年に数え直すと、手持ちの使い道がはっきりするのも、この数え方の利点です。

よくある行き違い

**「雑誌やネットで見た流行色が、今年の色だ」。**発表される色は、段階でいえば最初のほうの方向です。実際に売り場に並ぶ色は、そこから何段階も絞られています。発表と売り場がずれるのは、どちらかが間違っているのではなく、見ている段階が違うからです。

**「たくさん並んでいる色ほど長く続く」。**量は目安になりません。小物の棚一面に同じ色が並んでいても、コートの棚に無ければ、その色は短い側です。見るのは量ではなく、どの棚まで届いているかです。

**「流行色は毎年まったく違う色になる」。**実際には、前の年の色が明るさや鮮やかさを少し変えて残ることが多く、まったく新しい色に入れ替わることはそれほど多くありません。3年型の色を1着持っていると、翌年は明るさの違う同じ系統の色が出てきて、手持ちとつながりやすくなります。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. 流行色は誰が、どうやって決めているのですか
一人や一社が決めているわけではありません。国際的な色の委員会が、おおむね2年前に次の季節の方向を出し、それを受けて各国の色の団体、糸や生地の作り手、服の作り手が順番に絞り込んでいきます。段階を下るごとに候補が減り、最後に売り場に並ぶのは、それぞれの作り手が「これなら売れる」と判断した色です。つまり店先の流行色は、上から降ってきた1色ではなく、何段階もの判断をくぐって残った色の集まりです。
Q. 今年の流行色を1枚買うなら、何から買えばいいですか
その色が何年続きそうかで変わります。売り場で小物とカットソーの棚にしか出ていないなら、スカーフや靴下、薄手のカットソーなど面積の小さいものから。ニットやボトムの棚まで広がっているなら、トップス1枚まで。コートの棚にも出ているなら、ニットやコートに置いても数年使えます。先に棚を数えてから、買う物の大きさを決めてください。
Q. 同じ色なのに、店によって呼び名が違って数えにくいです
色の名前は店ごとに付けるので、名前で数えると別の色に見えます。数えるときは名前を見ずに、明るさと鮮やかさの2つで同じ色かどうかを決めてください。明るさは白から黒までを5段、鮮やかさは3段に分けて、両方が同じ段に入れば同じ色として数えます。手持ちの服の中から近い1枚を写真に撮って持っていくと、売り場で比べやすくなります。
Q. 流行色が自分に似合うか分かりません
何年続くかと、自分に似合うかは別の問題です。この記事は続く年数を読むほうだけを扱っています。似合うかどうかは、顔から離れた場所に置けばほとんど問題になりません。3年続く色でも、顔まわりに置くと合わないと感じたら、ボトムやバッグに回してください。色そのものを着られるかの判定は、関連記事にある明るさと鮮やかさの記事で手順を分けてあります。

— メグラシ編集部

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