今年のトレンドカラー秋冬|外側に置くか内側に置くかで、同じ色の出方が変わる

去年の秋に選んだ色が、今年になると急に古く見える。そんなことはありません。色そのものは一年で変わりようがなく、変わったのは並べ方のほうです。
秋冬は、一枚で外に出る日がほとんどありません。羽織りと中のトップス、少なくとも二枚が同時に見えています。つまり、この季節の色は一枚ずつではなく、重なった状態の面として読まれます。
だから「今年の色は何か」を覚える前に、決めておくことがあります。その色を、外側に置くのか内側に置くのか。ここが決まらないまま一枚買うと、着る日になって置き場所が定まらず、結局いつもの色の下に埋もれます。
結論:外側か内側かを先に決めると、残りは順番に決まる
色を選ぶときに最初に問うのは、明るさでも鮮やかさでもありません。その色は、一日のうち何分見えているかです。
外側に置いた色は、家を出てから帰るまで、ずっと外に向いています。内側に置いた色は、上着を脱ぐまでは前を開けた幅ぶんしか見えず、脱いだあとに初めて全部が出ます。
同じ一枚でも、この二つは別の使い方です。置き場所が決まると、覗く幅をどれだけ取るか、どの素材にするかが順番に決まります。逆にここを飛ばすと、どの判断も宙に浮きます。
三つを測る|鏡の前で三分
道具はいりません。羽織りと中のトップスを一組決めて、鏡の前に立つだけです。
- その組み合わせで出かける日の、屋外にいる時間と室内にいる時間をざっと比べる
- 羽織りの前を開けて立ち、左右の縁のあいだに縦に見えている帯の幅を数える
- 羽織りを脱いで、そのまま鏡に映る
指を横にして当てると数えやすくなります。指一本がおおよそ二センチです。
一つめで置き場所が決まり、二つめでその色が差し色か主役かが決まり、三つめで室内での見え方が分かります。三つとも、色名を一度も使わずに決められます。
早見表|覗く幅と、色が読まれる役
| 前を開けたときに覗く幅 | 内側の色が読まれる役 | 合う置き方 |
|---|---|---|
| 0〜4cm | 差し色。あることは伝わる | 外側を主役にして、内側は落ち着いた側へ |
| 5〜9cm | 中間。室内で役が入れ替わる | 外側と内側で明るさを一段離す |
| 10cm以上 | 主役。屋外でもここが先に読まれる | 外側を無彩色に寄せて、面を邪魔しない |
この表は、買い替えのための表ではありません。手持ちの一組を、その日どう使うかを決めるための表です。
覗く幅は前の留め方で動きます。留めれば0に近づき、開けたまま歩けば広がります。幅は買った時点で固定されず、その日の手で変えられる数字です。
屋外が長い日と、室内が長い日
外を歩く時間が長い日は、外側が一日の大半を占めます。この日に内側へ色を置くと、見えているのは細い帯だけで、脱いだころには用事が終わっています。
逆に、着いたら上着を預けて座っている日は、内側が本番です。外側は行き帰りの数十分だけの役になります。
出入りを繰り返す日は、どちらにも寄せきれません。この場合は覗く幅を5〜9センチに取っておくと、着ていても脱いでも極端に印象が変わりません。
| その日いちばん長い時間 | 色を置く側 | 反対側の扱い |
|---|---|---|
| 外を歩く・移動が多い | 外側 | 内側は明るさを一段落として面を静かに |
| 室内で座っている | 内側 | 外側は無彩色に寄せて、脱ぐまでの間つなぎに |
| 出入りを繰り返す | 内側 | 前を留めきらず、幅を5〜9cmで保つ |
重ねが厚くなるほど、内側の幅は自然に狭くなる
秋の入り口と、冬の入り口では、同じ組み合わせでも面積が違います。外側に厚みが出ると前身頃が左右へ押し広げられ、あいだの帯が細くなるからです。
色を変えていないのに出方が落ちるのは、たいていここです。厚みの段を上げた日は、面積が目減りしていると考えて構いません。
埋め方は二つあります。内側を一段明るい側へずらして、細い帯でも届くようにする。あるいは色を外側へ移して、そもそも帯に頼らない形にする。どちらでも戻ります。
首もとの巻きものは、外側にも内側にも数えない
秋冬になると、羽織りと中のトップスのほかに、首もとにもう一枚が入ります。ここは外側でも内側でもない、三つめの層として別に数えてください。
巻きものは顔にいちばん近い位置にあって、前を開けても閉めても消えません。外側と内側のどちらを主役にした日でも、そこだけは常に見えている場所です。
だから、外側にも内側にも今年の色を置いた日に、首もとにもう一色足すと、同じ高さに三つの主役が並びます。この日は巻きものを、外側か内側のどちらかと同じ側に寄せておくと、見る場所が二つに収まります。
二つ同時に入れたくなったとき
外側と内側の両方に色を置きたくなる日があります。置けないわけではありませんが、条件が一つあります。
上下に離れていることです。外側の色が肩から腰までの面に出ていて、内側の色が胸のあたりの細い帯に出ているなら、二つは違う高さにあります。同じ高さで二色が隣り合うと、境目がどちらの色なのか読みにくくなります。
離れているかどうかは、鏡から二歩下がると分かります。近くで見ると別々の面に見えていても、離れると一つのかたまりに溶けることがあります。
どちらとも取れるとき|外側にも内側にも使える一枚
前が開く形で、かつ一枚でも着られる。そういう一枚は、どちらの側にも回せます。迷ったら、その週の予定を先に見てください。
外での用事が三つ以上入っている週は、外側として使う日を先に決めてしまうほうが手数が減ります。室内の予定が多い週は、内側として使う前提で、上に重ねる無彩色の一枚を決めておくと朝が早く済みます。
どちらにも使えるという性質は、決めなくていいという意味ではありません。 週のはじめにどちらかへ寄せておくと、その一枚の出番が増えます。
よくある行き違い
「今年の色を覚えれば、今年らしくなる」 ── 色名だけ持ち帰ると、翌年には使えません。売り場の集まる場所は毎年動きます。動いても変わらないのは、外側か内側かという問いのほうです。測り方を持ち帰ってください。
「色は面積が大きいほど効く」 ── 効くのは、見えている時間の長さと掛け合わせたときです。大きい面でも、上着の下で三十分しか出ていないなら、その日の色は外側のほうです。
「暗い色は秋冬向きだから、どこに置いてもいい」 ── 暗い側の色ほど、細い帯では境目が沈んで読まれにくくなります。覗く幅が4センチ以下の日に内側へ暗い色を置くと、帯があること自体が見えません。この日は外側へ回すほうが届きます。
年代で変わるのは、置き場所ではなく幅の取り方
外側か内側かという問いは、どの年代でも同じです。変わるのは、覗く幅をどこに取ると落ち着くかのほうです。
三十代のうちは、前を大きく開けて帯を広く取る形が動きに合います。歩く量が多く、出入りも多いので、幅が揺れても崩れにくいからです。
四十代から上では、帯の幅を一定に保てる形のほうが収まります。前身頃が自分の重さで落ちて、歩いても幅がほとんど変わらない羽織りだと、座ったときと立ったときで見え方がそろいます。
年代で色を変える必要はありません。 変えるのは、幅が揺れてもいいか、そろっていたいかの好みのほうです。
売り場が動いたら、この記事をどう読み替えるか
集まっている色は毎年動きます。しかも直前の主流とは反対側へ動くので、良し悪しではなく違いとして新しく見えているだけです。
動いたあとにやることは二つだけです。棚で三枚取って真ん中の色を見る。そして、その色を外側に置くか内側に置くかを、いまの自分の一日の過ごし方で決め直す。
過ごし方が去年と変わっていなければ、置き場所も変わりません。変わったのは色だけなので、入れ替えるのは一枚で足ります。
装いに活かすなら
今年の色を一枚足すかどうか迷ったら、買う前に手持ちの一組で幅を測ってみてください。覗く幅が普段から10センチ以上あるなら、内側に置いても主役として届きます。4センチ以下なら、外側に置ける一枚を探すほうが早く効きます。
置き場所が先に決まっていると、売り場で迷う時間がずいぶん短くなります。色名を探すのではなく、外側の棚を見るのか内側の棚を見るのかが決まっているからです。
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よくある問い
- Q. 今年の色を一枚だけ足すなら、羽織りと中のトップスのどちらがいいですか
- その一枚を着る日の、屋外にいる時間と室内にいる時間を比べてください。通勤と移動で外にいる時間が長い日が多いなら、外側の羽織りに置くほうが見えている時間が長くなります。座っている時間が長く、着いたら上着を脱ぐ日が多いなら、中のトップスに置くほうが本番の時間に合います。色名は同じでも、見られている時間の長さがまったく違います。
- Q. 中のトップスに色を置いたのに、あまり色が出ていない気がします
- 覗く幅を測ってみてください。羽織りの前を開けて立ち、左右の縁のあいだに縦の帯が何センチ見えているかを数えます。5センチ未満だと、色があること自体は伝わりますが面積としては差し色の扱いになります。もっと出したいなら、前を留めずに歩く、中のトップスを裾までひと続きの面にする、羽織りの前身頃が細く落ちるものに替える、のどれかで幅が広がります。
- Q. 秋が深まるにつれて、同じ組み合わせが去年のように見えてきます
- 重ねが厚くなったぶん、内側が覗く幅が狭くなっている場合が多いです。外側が厚みを持つと前身頃が左右に押し広げられ、あいだの帯は自然に細くなります。色そのものは変わっていないのに、面積だけが落ちている状態です。厚みの段を上げた日は、内側を明るい側へ一段ずらすか、色を外側へ移すかのどちらかで、面積の目減りを埋められます。
- Q. 今年の色をどこで確かめればいいですか
- 売り場の同じ棚で、同じ種類の羽織りを三枚選んで並べ、真ん中の色を取ってください。それがその年に売り場が集まっている場所です。覚える必要はありません。翌年になれば場所は動きますし、動いたあとも、外側と内側のどちらに置くかという問いのほうは変わりません。持ち帰るのは色名ではなく測り方のほうです。
— メグラシ編集部




