2000年のファッション流行|当時着た人と初めての人で拾う所が逆

2000年ごろの服がまた流行っているとき、取り入れ方を決めるのは年齢ではなく、あなたが当時それを着ていたかどうかです。当時着ていた人は、形を1つだけ戻して、素材と色を今のものにします。初めて着る人は、形をそのまま取ってかまいませんが、一度に取る要素を2つまでにします。
この2人の向きが逆になるのは、見る人の目に入る「懐かしさ」の量が違うからです。当時を着ていた人がその形を全部戻すと、周りには今の流行ではなく、当時の写真のように映ります。初めての人には比べる過去がないので、形が強くても新しく見えます。
秋冬はさらに、厚手の素材やアウターで要素が大きく出ます。どちら側の人も、2000年代らしさは上か下のどちらか片方に置くと決めておくと、外しにくくなります。ここから、自分がどちら側かを決めて、拾う場所を順に選んでいきます。
📋 早見表|当時着た人と初めての人で拾う所
| 見る所 | 当時着ていた人 | 初めて着る人 |
|---|---|---|
| 形 | 1つだけ戻す | そのまま取ってよい |
| 素材 | 今の素材に替える | 当時らしい素材も使える |
| 色 | 落ち着いた色に寄せる | 当時らしい色も1点なら使える |
| 要素の数 | 1つ | 2つまで |
| 秋冬の置き場 | 下半身に置くと落ち着く | 上でも下でもよいが片方だけ |
この表は、どちら側から考え始めるかを見るためのものです。具体的に何を選ぶかは、下で決めていきます。
なぜ同じ流行で、取り入れ方が逆になるのか
流行が20年ほどの間隔で戻ってくるのは、珍しいことではありません。ただ、戻ってきた服は、当時のものとまったく同じではありません。形は似ていても、生地の厚みや色の出し方、合わせる服の丈は、今の感覚に合わせて変わっています。
当時その服を着ていた人は、昔の形をよく覚えています。だから売り場で見たときに、どこが変わったかに気づきにくく、当時の着方をそのまま当てはめてしまいがちです。そうすると、形・素材・色・合わせ方がすべて当時のままになり、今の服の中で浮いてしまいます。
初めての人には、この記憶がありません。売り場に並んでいる今の解釈のものを、そのまま新しい服として着られます。そのかわり、どこまで取り入れていいかの手がかりがないので、要素を足しすぎる方向に失敗しやすくなります。
分かれ目|自分はどちら側かを決める
決め方は簡単です。2000年ごろに、その服を自分で選んで着ていたかどうかを思い出してください。
- 自分で選んで着ていた記憶がある人は「当時着た側」
- その頃は子どもで、親が選んだ服を着ていた人や、写真で見たことがある程度の人は「初めての側」
はっきりしない人もいます。当時は小学生から中学生くらいで、少しだけ真似をしたことがある、という人です。この場合の決め方は、後半の「どちらとも取れるとき」で書きます。
2000年ごろに流行った服の要素
リバイバルで戻ってきている主な要素を、秋冬に着られるものに絞って並べます。
- 股上の浅いボトム、裾が広がるブーツカットのパンツ
- ベロアや起毛した生地の上下
- フードの縁にファーがついた上着
- 細いリブのニット、キャミソールを重ねた着方
- 厚底のブーツやスニーカー
- 小さめで肩にかけるバッグ
- 明るいピンクや水色、光沢のある色
これらのうち、どれをいくつ取るかが、当時着た人と初めての人で変わります。
当時着た人は、形を1つだけ戻す
当時着た人が最初に決めるのは、戻す形を1つだけ選ぶことです。ブーツカット、ファー付きのフード、細いリブのニット、厚底の靴。どれか1つを選んで、それ以外は今の服で固めます。
選ぶときの目安は、当時いちばん気に入っていた形ではなく、今の体と暮らしに無理なく合う形です。たとえば当時は股上の浅いボトムをよく履いていた人でも、今は座ることが多い暮らしなら、股上は今の深さのままにして、裾の広がりだけを取るほうが楽に着られます。
形を1つに絞るのは、懐かしさの量を抑えるためです。1つだけなら、周りには「今年の形を取り入れている」と映ります。2つ以上が重なると、急に当時の服装に見えはじめます。
当時着た人は、素材と色を今のものに替える
形を1つ戻したら、その服の素材と色は、今のものにしてください。
たとえばベロアの上下は、当時は光沢が強く、明るい色のものが多くありました。今のものは毛足が短く、光り方が控えめで、黒や濃い茶、深い緑のような落ち着いた色が中心です。同じベロアでも、今のものを選べば、懐かしさより上品さが前に出ます。
色についても同じです。明るいピンクや水色は当時を強く思い出させる色なので、当時着た人は、小物やインナーの小さな面積にとどめるか、くすんだ色合いのものに寄せると、浮きにくくなります。手持ちの当時の服を使う場合は、その1点を主役にして、合わせる服は今の素材と色で固めます。
初めての人は、形をそのまま取ってよい
初めて着る人の強みは、形を当時のまま取っても古く見えにくいことです。比べる記憶がないので、ブーツカットの広がりも、ファー付きフードの大きさも、そのまま新しい形として受け取られます。
選ぶときは、形がはっきりしているものから始めるのがおすすめです。裾の広がりが大きいブーツカット、ボリュームのある厚底のブーツ、縁のファーが目立つ上着。こうした形の強いものを1つ選ぶと、2000年代らしさがはっきり伝わります。
素材や色も、当時らしいものを使ってかまいません。光沢のあるベロアや、明るいピンクの小物も、初めての人なら新鮮に見えます。ただし、次に書く要素の数だけは守ってください。
初めての人は、要素を2つまでにする
初めての人がつまずきやすいのは、要素を足しすぎることです。ブーツカットに厚底のブーツ、ファー付きの上着、小さな肩掛けバッグ、ピンクのニット。どれも単体では素敵でも、全部が重なると、普段着ではなく仮装のように見えてしまいます。
目安は、一度に取る要素を2つまでにすることです。たとえば、ブーツカットのデニムと厚底のブーツ。あるいは、ファー付きフードの上着と小さな肩掛けバッグ。この2つ以外は、無地で形の落ち着いた服にします。
2つで物足りなくなったら、3つ目は小物から足してください。服を足すより、バッグや髪飾りのような小さいものを足すほうが、全体の強さを崩さずに済みます。
秋冬は厚みで要素が強く出る
秋冬の服は、生地が厚く、面積が大きくなります。夏なら小さく見えた要素も、ニットやアウターになると、ぐっと存在感が増します。
そのため、秋冬はどちら側の人も、2000年代らしさを上か下のどちらか片方だけに置くのが基本です。上にファー付きの上着を着るなら、下は今の形のパンツにする。下にブーツカットを履くなら、上は今の丈のニットとシンプルなコートにする。上下の両方に置くと、厚みが重なって、要素の強さが倍になります。
当時着た人は、下半身に置くと落ち着いて見えやすくなります。顔から遠い位置にあるほど、懐かしさの印象が和らぐからです。初めての人は、上でも下でもかまいませんが、片方だけにしておくことは同じです。
股上とトップスの丈は、測って決める
2000年代らしさが最も出やすいのは、股上の深さとトップスの丈の組み合わせです。当時は股上の浅いボトムに、丈の短いトップスを合わせるのが定番でした。
今これを取り入れるときは、自分の体で測ると決めやすくなります。おへそを基準に、ボトムのウエストがどれくらい下に来るかを見てください。おへそから指3本分以上下に来るものは、当時らしさが強く出ます。
当時着た人は、股上はおへそのあたりか少し下までにとどめ、トップスはボトムのウエストに少しかかる長さにすると、肌が見えすぎず今の着方になります。初めての人は、股上の浅いものを取ってもかまいませんが、その場合はトップスの丈を、ボトムのウエストがちょうど隠れるか隠れないかくらいにすると、出しすぎずに済みます。
どちらとも取れるとき①|当時は子どもで、少しだけ真似をした
当時は小学生や中学生で、少しだけ真似をした記憶がある人は、どちら側とも言い切れません。この場合は、真似をしていた要素だけを「当時着た側」として扱い、それ以外は「初めての側」として扱います。
たとえば、厚底の靴は履いていたけれど、ベロアの上下は着ていなかった人なら、厚底の靴を取るときは今の素材と色に寄せ、ベロアを取るときは当時らしいものを選んでかまいません。自分の記憶にある要素ほど懐かしさが出やすく、記憶にない要素ほど新鮮に着られる、と考えると判断しやすくなります。
迷ったら、要素の数は1つから始めてください。1つで物足りなければ、次の機会に2つに増やせばよいので、外して後悔することがありません。
どちらとも取れるとき②|周りの人に「懐かしい」と言われた
当時着た側として形を1つに絞ったのに、周りから「懐かしいね」と言われることがあります。この場合は、形ではなく素材か色に当時らしさが残っていることが多いです。
まず素材を見てください。光沢の強いベロアや、てかりのある生地を使っていたら、マットなものに替えます。次に色を見ます。明るいピンクや水色が入っていたら、くすんだ色か無彩色に寄せます。それでも言われるなら、合わせている小物に当時のものが混ざっていないかを確かめてください。
反対に、初めての側で「仮装みたい」と言われたら、要素が3つ以上になっていることがほとんどです。いちばん面積の大きいものを1つ外すと、全体が落ち着きます。
手持ちを見直してから買う
売り場に行く前に、クローゼットの中を見ておくと、買うものを1つに絞れます。当時着た人なら、当時の服が残っていないか、残っていればその素材は今も使える状態かを確かめます。初めての人なら、手持ちの服のうち、2000年代の要素と合わせられる無地で落ち着いたものがどれだけあるかを見ます。
どちら側でも、買うのは要素1つ分からで十分です。1つを着て、着回せると分かってから2つ目を足せば、流行が過ぎたあとに着ない服が増えることもありません。
まとめ
2000年ごろの流行を取り入れるときは、まず自分が当時着ていた側か、初めての側かを決めます。当時着た人は形を1つだけ戻し、素材と色を今のものにする。初めての人は形をそのまま取ってよいかわりに、要素を2つまでにする。秋冬はどちら側も、2000年代らしさを上か下の片方だけに置きます。
懐かしさと新しさのどちらを前に出すかは、記憶の有無で自然に決まります。自分の側を知ってから選べば、同じ流行でも無理なく自分の服として着られます。
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よくある問い
- Q. 2000年代の服を当時着ていた世代ですが、また着てもおかしくないですか
- おかしくはありません。ただ、当時と同じ形・同じ素材・同じ色を全部そろえると、懐かしさのほうが前に出て、今の服として見えにくくなります。当時着ていた人は、形を1つだけ選んで、素材と色を今のものにしてください。たとえばブーツカットのデニムを取るなら、色は濃い無地の紺にして、上は今の丈のニットを合わせる。形が当時のものでも、ほかが今なら、懐かしい服ではなく今年の服として着られます。
- Q. 当時の服がまだ手元にあります。そのまま着てもいいですか
- まず、素材が今も元の状態に近いかを見てください。ベロアや起毛した生地は、年数がたつと毛が寝て光り方が変わり、伸縮する生地はゴムが弱って形が崩れていることがあります。状態が良いものなら、その1点だけを主役にして、ほかは今の服で固めると着られます。股上の浅いボトムは、当時より体の線が変わっていると合わせにくいことがあるので、無理に戻さず、上に着る服やバッグなど、体型に左右されにくいものから使うのがおすすめです。
- Q. 20代で2000年代ファッションを初めて着ます。何から取り入れればいいですか
- 形がはっきりしているものを1つ選び、それに合わせるもう1つを決めてください。ブーツカットのデニムに厚底のブーツ、ファー付きフードの上着に細身のボトム、といった具合です。初めて着る人は当時の自分の記憶と比べられないので、形をそのまま取っても古く見えにくいのが強みです。ただ、要素を3つ以上重ねると仮装のように見えやすくなります。最初は2つまでにして、慣れてから足すと失敗が少なくなります。
— メグラシ編集部





