25デニール・40デニール・50デニールタイツの違い|黒は一段濃く出る。素足に見えるかで分かれる

引き出しを開けると、薄手が何枚か混ざっている。黒が二枚、明るい色が一枚。タグはとっくに捨てていて、どれが20でどれが40なのか、もう分かりません。
去年の秋の入り口は、このうちのどれかで越えたはずなのに、どれだったか思い出せない。数字が並んでいるのは知っているけれど、20と40と50で何がそんなに違うのか、と手が止まる。9月の半ばは、この山の前でいちばん立ち止まる時期です。
厚いほうの帯なら、判断は単純です。覆えているか、覆えていないか。薄いほうの帯では、その物差しが効きません。どれも下の肌が見えているからです。見えている中で何が違うのかは、別の線で見る必要があります。
結論:薄い帯は「素足に見えるかどうか」で分かれる
60から上の帯は、脚が肌の側に見えるか服の側に見えるかで分かれます。そこは80デニールタイツのほうに書きました。20から50までの帯は、その手前にあります。どの数字を選んでも脚は肌の側にとどまっていて、服の側までは行きません。
だから薄い帯を分けている線は別のところにあります。**その脚が、履いていないように見えるか、何か通っていると気づかれるか。**見ている人が素足として読むか、一枚あると気づくか。この一本だけです。
20と25は、素足の側にいます。40と50は、履いている側に入ります。30はちょうど境目の上に乗っていて、色と光でどちらにも転びます。
数字が上がると何が見えなくなるか、60から先はどうなるかという対応そのものはタイツのデニール数の目安に表で置いてあります。ここでは作り直しません。扱うのは薄いほうの四段だけです。
20・30・40・50を、素足に見えるかどうかで並べる
同じ表に25も入れてあります。売り場に25が置かれている理由は、この並びを見ると分かります。
| 数字 | 素足に見えるか | 脚の上で起きていること | 最低気温のおよその目安 |
|---|---|---|---|
| 20 | 見える | 肌の色がそのまま出る。生地は光を返す面としてだけ残る | 20度前後 |
| 25 | ほぼ見える | 肌の色が主で、生地の色がごく薄く乗る | 18〜20度 |
| 30 | 色と光で転ぶ | 肌の色と生地の色が同じくらいの量で混ざる | 15〜18度 |
| 40 | 見えない | 生地の色が主になり、肌の色は下から支える程度 | 13〜16度 |
| 50 | 見えない | 生地の色でほぼ決まる。肌の色はほとんど関与しない | 11〜14度 |
右の列は屋外に出る時間が短い日の目安です。屋外にいる連続時間が長い日は一段ぶん足りなくなるので、気温と屋外時間を掛け合わせた表のほうを先に見てください。
手元の一枚がどこに入るかを確かめたいときは、履いた足元をそのまま写真に撮って、画面の中で見てみるのがいちばん早い方法です。鏡で見ると目が脚のほうに寄ってしまいますが、画面に映った小さな足元は、他の人が見ているのとほぼ同じ距離感になります。そこで素足と読めたら左側、一枚あると分かったら右側です。
黒とベージュで、同じ数字でも見え方が変わる
ここが、数字だけを見て選んだときにいちばん外れるところです。
黒は光を返しません。だから薄く編まれていても、肌の上に暗い層が乗っていることが分かります。明るいベージュは逆で、下の肌の色と混ざって一つの色になろうとするので、同じ量の生地でも存在が薄くなります。
**同じ数字なら、黒は一段濃いほうへ、ベージュは一段薄いほうへずれる。**この一つだけ覚えておけば、売り場で数字を見たときに補正が入ります。
| 色 | 素足の側にとどまる範囲 | 履いている側に入る数字 |
|---|---|---|
| 黒 | 20まで | 25から上 |
| 濃い色(濃紺・濃い茶など) | 20まで | 25から上 |
| 中間の明るさ(グレージュ・薄い茶など) | 25まで | 30から上 |
| 肌に近いベージュ | 30まで | 40から上 |
25デニールの黒が棚に置かれているのは、この表の左上の事情によるものです。黒で素足に近い側へ寄せたいとき、20の黒は薄すぎて引っかかりに弱く、30の黒はもう一枚あると分かる。そのあいだに一段だけ用意されているのが25です。黒を選ぶときに数字が細かく刻まれているのは、黒だけが薄くしても存在を消しにくいからだと考えてください。
同じ黒でも一枚ずつ濃さが違って見えるのは、また別の理由があります。そこは黒タイツの黒の濃さは何で決まるかに分けてあります。明るい色のほうで、どの明るさが自分の肌と合うかはストッキングの色の選び方のほうです。
9月から11月へ、どの数字からどの数字へ移るか
今日は9月16日です。ここから先の移り方を、先に並べておきます。
- 9月の前半から中ごろまでは、日中はまだ素足で歩けます。出番があるのは夜だけなので、20か25が一枚あれば足ります
- 9月の下旬、最低気温が20度を割った日から、一日を通して履く時期が始まります。ここは25と30
- 10月の上旬から中ごろは40が中心になります。屋外でも室内でも無理がなく、いちばん長く落ち着く段です
- 10月の下旬に入ると40では朝が心もとなくなり、50へ。見え方は変わらないまま、気温だけが下に伸びます
- 11月に入ると50が下限になります。屋外にいる時間が長い日は、薄い帯の外へ出る合図です
替える回数は、思っているより少なくて済みます。20から30、30から40、40から50と一段ずつ動かすと秋のあいだに四回替えることになりますが、実際に見え方が変わる境目は一か所しかありません。素足の側から履いている側へ移る線です。
だから、9月は25、10月は40、11月は50。この三回で通ります。30を飛ばしてよいのは、30が色によって転ぶ段だからです。黒を主に履く人は、黒の30がすでに履いている側に入っているので、25の次は40に行ってしまって構いません。明るい色を主に履く人だけ、9月下旬に30を一度はさむと移り方がなだらかになります。
二段だけ持つなら、25と40
薄い帯の四つを全部そろえる必要はありません。見え方の境目が一か所しかない以上、その線の両側に一枚ずつあれば、秋のあいだの判断はほぼ足ります。
素足の側の代表を25、履いている側の代表を40に置くのが、いちばん取りこぼしが少ない組み合わせです。20ではなく25を選ぶのは、20が素足の側に寄りすぎていて、気温が下がったときに一枚では届かなくなるからです。50ではなく40を選ぶのは、40のほうが屋内でも重く見えず、一日の中で気温が上下しても振れ幅を吸収できるからです。
三枚目を足すなら、何を増やすかは自分の一日で決まります。屋外にいる時間が長い日が多いなら50を足して、10月下旬から11月の前半を延ばす。室内が中心で、上に着るものが軽い日が多いなら、20を足して9月の前半を拾う。どちらでもないなら、三枚目は数字を増やすより、25と40を同じ数字でもう一色ずつ持つほうが使い道が増えます。色が変われば見え方が一段動くので、実質的に段が増えるのと同じことになります。
場面で変わるところ
同じ数字でも、その日の過ごし方で結果が動きます。
室内にいる時間が長い日は、気温の欄より一段下げても足ります。暖房の入った室内で50を履くと、脚だけが季節に先行して見えることがあります。
座っている時間が長い日は、逆の向きに動きます。膝の前で生地が引き伸ばされると編み目が開き、そこだけ肌の色が上がってきて、素足の側へ戻ります。40を履いていても膝だけ30に見える、ということが起きます。立った姿で選ぶより、一度しゃがんで膝の色を見てから決めると外しません。
歩く距離が長い日は、数字より引っかかりのほうが問題になります。薄い帯はどの段でも糸が細いので、爪や指輪の角に弱いところがあります。履くときの手順で防げる範囲はタイツが伝線するかは、履くときに指が触れた場所で決まるにまとめました。
屋外での行事がある日は、気温より光のほうが効きます。秋は太陽の位置が低いので、横から入った光が脚の後ろ側を通ります。薄い帯は通す力が残っているぶん、後ろから光が入ると数字が一段下に見えます。朝に室内で選んだ40が、外に出ると30くらいに見えることがあるのはこのためです。屋外にいる時間が長いと分かっている日は、見せたい側を一段はっきりさせておくと、写真に写ったときに思っていたものとずれません。
よくある行き違い
**「薄いほうが涼しくて、厚いほうが暖かい」**と言われますが、薄い帯の四段の中では、その差はかなり小さいものです。20と50を比べても、体感で一段ぶんあるかどうか。暖かさのために数字を上げるなら、50で止めずにその先の帯まで行ったほうが、一度で結果が出ます。薄い帯の中で数字を動かす理由は、暖かさではなく見え方のほうにあります。
「黒は何デニールでも黒に見える」というのも、薄い帯では当てはまりません。薄い黒は下の肌の色が混ざるので、同じ黒でも数字が下がるほど色が浅くなります。上に着ているものの黒と足元の黒をつなげたい日は、薄い帯の黒だと段が出ます。
「素足に見えるほうが良い」という前提も、置かなくて大丈夫です。どちらが良いという話ではありません。脚を素足のまま見せたい日と、足元まで一続きの色でまとめたい日があって、その日どちらにしたいかで数字が決まる、というだけです。
「薄い帯は季節の変わり目の一時しのぎで、本番は厚いほうから」という順番も、実際の使われ方とは合っていません。秋のうち、薄い帯が担当している期間は9月の下旬から10月いっぱいまであって、厚いほうの帯より長いくらいです。一時しのぎのつもりで手持ちを整えないでいると、いちばん出番の多い時期を、去年の一枚だけで通すことになります。
装いに活かすなら
薄い帯の数字は、暖かさの調整つまみというより、その日の脚の扱い方を決めるスイッチだと考えると迷いが短くなります。上に着ているものが軽い日は素足の側へ、足元まで色を通したい日は履いている側へ。
秋は上半身のほうが先に季節を進めるので、上に何かを羽織った日ほど、足元が置いていかれて見えます。逆に足元だけ数字を上げると、今度は上が薄く見える。上下のどちらを先に決めるかを固定してしまうと、この行ったり来たりが起きなくなります。
秋の入り口は、上と下で季節がずれやすい時期です。スタイリストが顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定するときも、上に何が来るかが決まってから足元の段を決めています。順番を逆にしないと、朝の判断が一回で終わります。
関連記事
よくある問い
- Q. 40デニールのタイツは透けますか
- 一重の部分でうっすら肌の色が下から上がってきますが、見えているのは肌の色そのものではなく、生地の色に肌が混ざった色です。だから透けるかと聞かれれば透けますが、素足に見えるかと聞かれると見えません。40は薄い帯の中で、履いていると気づかれる側に完全に入る最初の数字です。40で迷うときの本当の問いは透け具合ではなく、その日の脚を素足として見せたいかどうかになります。
- Q. 25デニールと30デニールでは、どちらが素足に近く見えますか
- 色が同じなら25です。ただし色が違うと順番が入れ替わります。黒は光を返さないので同じ数字でも一段濃く出て、ベージュは肌の色と混ざるぶん一段薄く出るからです。ベージュの30と黒の25を並べると、履いていると気づかれやすいのは黒の25のほうになります。数字だけで比べられるのは同じ色どうしのときだけ、と考えてください。
- Q. 50デニールと40デニールは、履き分ける意味がありますか
- 見え方の差は小さく、並べないと分かりにくい程度です。差が出るのは気温のほうで、最低気温がおよそ2度ぶん下にずれます。つまり40と50は見た目の選択肢ではなく、同じ見え方のまま季節を少し延ばすための二段と考えると使い分けが決まります。見え方を変えたくて数字を上げるなら、50ではなくその先の帯まで行ったほうが一度で結果が出ます。
- Q. 9月の今、何デニールから始めればいいですか
- 最低気温が20度を割る前なら、出番があるのは夜だけなので20か25で足ります。20度を割ってからは25か30が中心になり、10月に入ると40が一日を通していちばん落ち着きます。9月の半ばで一枚だけ選ぶなら25です。素足の日と厚手の日の両方にまだ寄れる位置にあるので、気温が上下する時期に取り替える回数がいちばん少なくなります。
— メグラシ編集部




