腕時計の選び方 レディース|秋冬は手首と袖口のすき間で大きさを決める

**手首にメジャーを一周させて、手首周りを測ってください。**次に、この秋冬にいちばん着るニットかコートの袖口を、同じように一周測ります。その2つの差が、あなたが選べる腕時計の厚みを決めます。
腕時計の選び方は、文字盤の大きさやデザインから考えがちです。けれど秋冬は、時計の上に袖口が重なる季節です。袖の下に収まらない時計は、袖に押されて手首の内側に回ったり、ニットの編み目を引っかけたり、時間を見るたびに袖をまくる手間になったりします。夏には気にならなかったことが、ニットとコートの季節になると、毎日の小さな困りごとになります。
この記事では、文字盤の大きさは手首の横幅で、厚みは手首と袖口のすき間で決めて、秋冬に使いやすい腕時計を選ぶ手順をまとめます。店名や型番ではなく、あなたの手首と服で答えが出るようにしています。
結論:大きさは手首の横幅、厚みは袖口とのすき間で決める
腕時計を選ぶときに見る場所は、2つだけです。
1つめは、文字盤の直径です。これは手首の横幅で決めます。横幅の半分から3分の2のあいだに入ると、手首から浮いて見えず、小さすぎて見づらいこともありません。
2つめは、時計の厚みです。これは、いちばん着る袖口の周りと、手首周りの差で決めます。差が大きいほど、厚みのある時計でも袖の下に収まります。
| 袖口周り − 手首周り | 袖の下に収まる時計 | 選び方 |
|---|---|---|
| 6cm以上 | 厚みがあっても収まる | 文字盤の大きさだけで選んでよい |
| 4〜6cm | 中くらいの厚みまで | 文字盤の縁が丸く、側面が低いものを選ぶ |
| 2〜4cm | 薄いものだけ | 薄型を選ぶか、袖の上に巻く前提にする |
| 2cm未満 | ほぼ収まらない | 袖の上に巻くか、その服の日は時計を替える |
表の数字は、袖口がのびない布の場合の目安です。リブ編みのニットのように袖口がのびる服は、手で軽く広げた状態の周りを測ってください。
測るのは3か所:手首周り・手首の横幅・袖口の周り
選ぶ前に、次の3か所を測っておきます。やわらかいメジャーがあれば、どれも1分で測れます。
手首周りは、手の甲側にある小さな骨の出っ張りのすぐ上、ひじ寄りの位置を一周測ります。時計は骨の上ではなく、骨の少しひじ寄りに着けることが多いので、そこを測ります。メジャーは締めつけず、指1本が入るくらいの余裕で回してください。
手首の横幅は、同じ位置で、手首を上から見たときの幅です。メジャーを手首の上にまっすぐ当てて、左右の端から端までを測ります。手首周りが同じでも、平たい手首と丸い手首では横幅が違うので、文字盤の大きさはこちらで決めます。
袖口の周りは、秋冬にいちばん着る1枚の袖口を一周測ります。ニットなら袖口のリブの部分、コートなら袖の折り返しの端です。袖口にボタンがあるシャツやコートは、ボタンを留めた状態で測ります。
3つのうち、袖口の周りは服ごとに違います。迷ったら、通勤や外出でいちばん多く着る1枚にしぼってください。その1枚に合う時計を選んでおけば、ほかの服では袖口が広くなる方向に外れることが多いので、困ることが少なくなります。
文字盤の大きさは、手首の横幅の半分から3分の2
文字盤の直径は、手首の横幅に対する割合で考えると、自分に合う範囲がはっきりします。
横幅の半分より小さい文字盤は、手首の上で小さく見え、アクセサリーに近い印象になります。時間を一瞬で読みたい人には見づらいことがあります。横幅の3分の2を超える文字盤は、手首の端に近づくので、腕の動きに合わせて縁が手首からはみ出したように見えます。
たとえば、手首の横幅が5cmなら、半分は25mm、3分の2はおよそ33mmです。このあいだに文字盤が入れば、手首の上に収まって見えます。横幅が5.5cmなら、およそ28〜37mmが目安になります。
**この割合は、文字盤の直径だけでなく、ベルトをつなぐ部分の端から端までの長さにも当てはまります。**時計を横から見て、ベルトのつけ根から反対側のつけ根までが手首の横幅を超えると、つけ根が手首の外に張り出して、袖口に当たりやすくなります。売り場では文字盤の直径しか書かれていないことも多いので、気になるなら実物を手首に当てて、つけ根が手首の内側に収まるかを見てください。
四角い文字盤は、同じ横幅でも丸より大きく見えます。四角を選ぶなら、目安の範囲の小さい側に寄せると、手首から浮いて見えません。
手首が平たいか、丸いかで、厚みの感じ方も変わる
手首を横から見て、厚みが薄く平たい手首と、厚みがあって丸い手首があります。手首周りが同じでも、平たい手首は横幅が広く、丸い手首は横幅が狭くなります。
平たい手首は、時計の裏ぶたが手首の上に平らに乗るので、厚みのある時計でも安定します。ただし、袖口との関係では、手首の上に時計の厚みがそのまま積み上がるので、袖口に当たりやすくなります。
丸い手首は、時計が手首の丸みに沿って少し傾きやすく、厚みのある時計は手首の内側に回りがちです。裏ぶたが平らで、ベルトのつけ根が手首に向かって下がっている形を選ぶと、丸い手首にもなじみます。
自分の手首がどちらかわからないときは、手首周りを横幅で割ってみてください。3より大きければ丸い側、3に近いか小さければ平たい側と考えると、選ぶときの目安になります。
左右の手首で、測った数字が違うとき
利き手の手首は、反対の手首より少し太いことがよくあります。時計をつける側の手首で測ってください。両方の手首で測って差が大きいなら、ベルトの長さは時計をつける側で合わせます。秋冬にバッグを持つ手を替える予定があるなら、両方の数字をメモしておくと、つける手を替えたときにも迷いません。
厚みは、袖口とのすき間で決める
秋冬に時計で困ることの多くは、文字盤の大きさではなく厚みから来ます。
袖口と手首のすき間が小さいと、時計の厚みが袖口に当たり、袖が時計の上に乗らなくなります。袖は時計の手前で止まり、手首の内側にしわが寄って、時計が袖から半分はみ出した形になります。この形が続くと、ニットの袖口がのびたり、時計の縁に毛玉ができたりします。
すき間が4cmに届かない袖なら、薄い時計を選ぶか、袖の上に巻く前提で選ぶかのどちらかに決めてください。どちらでもない時計を選ぶと、袖の上でも下でも収まりが悪くなります。
厚みは、売り場の表示で書かれていないこともあります。その場合は、時計を横から見て、文字盤のガラスの高さと、裏ぶたの出っ張りを見ます。ガラスが盛り上がっていたり、裏ぶたが手首に向かって丸く出ていたりするものは、表示より厚く感じます。手首に着けて、袖を上からかぶせてみるのがいちばん確実です。
秋冬のニットの袖口と、時計の相性
ニットの袖口は、形によって時計との相性が大きく変わります。
リブ編みの細い袖口は、手首にぴったり沿うぶん、時計とのすき間がほとんどありません。この袖に時計を入れるなら、薄い時計にかぎられます。厚みのある時計を合わせたいなら、袖を一度まくって時計の上に引っかけるか、袖の上から時計を巻くほうが形がきれいです。
袖口がゆったりした広い袖は、時計がすっぽり入ります。ただし、腕を下ろすと袖が時計を完全に隠すので、時間を見るたびに袖を上げる動作が増えます。時間を見る回数が多い仕事なら、文字盤の大きな時計より、袖を少し上げただけで読める、ガラスの面が平らで反射しにくいものが便利です。
袖口に向かって広がる袖は、時計が袖の中で見え隠れします。手首を動かすたびに文字盤がのぞくので、ここだけは小さめの文字盤や、細いベルトの時計がよく合います。大きな時計を合わせると、広がった袖の重さと時計の重さが重なって、手もとが重く見えることがあります。
毛足の長いニットや、ざっくりとした太い編み目のニットは、時計の留め具や、ベルトのつなぎ目に毛を拾いやすい素材です。こうしたニットが多いなら、次の章のベルトの選び方も合わせて見てください。
コートの袖口は、時計を見る動作で考える
コートの袖口は、ニットよりも硬く、のびません。そのため、袖口の周りがそのまま、時計が入るかどうかを決めます。
コートの袖口が手首周りより6cm以上広いなら、たいていの時計は袖の下に収まります。そのかわり、時間を見るには、腕を前に出して手首を返し、袖を少し引き上げる動作が要ります。手袋をしている日は、この動作がさらに大きくなります。
外で時間を見ることが多いなら、コートの日は、時計を袖口の外側に出すという選び方もあります。袖口の上から時計を巻くのではなく、時計をいつもより手のひら寄りの位置に着けて、袖口から少しのぞくようにする方法です。この場合は、文字盤が小さめで、ベルトの細い時計のほうが手の動きをじゃましません。
コートの袖口にボタンやベルトの飾りがあるときは、時計の位置と重なると、時計の縁に当たって傷がつくことがあります。袖口の飾りがどちら側にあるかを見て、時計をつける手を決めるのも一つの方法です。
袖の長さで、時計の見え方が変わる
コートやニットの袖の長さも、時計の見え方を左右します。腕を下ろしたときに、袖口が手首の骨を覆って手の甲のつけ根まで来る長さなら、時計はほとんど隠れます。袖口が手首の骨のあたりで止まる長さなら、手首を動かすたびに時計がのぞきます。
袖が長めの服が多いなら、時計は「見せる小物」ではなく「見るための道具」として選ぶと迷いません。読みやすさと薄さを優先して、デザインは控えめでかまいません。袖が短めの服が多いなら、時計はいつも人の目に入る小物になります。服の色や、ほかのアクセサリーの色とのつながりを、少し丁寧に選んでください。
袖が長い服でも、手首を返して時間を見る瞬間には、時計が人の目に入ります。会議や接客の場で時間を確かめることが多いなら、そのときに見える文字盤の印象も、選ぶ理由の一つになります。
袖をまくって着る日の時計
秋のはじめの暖かい日は、ニットやシャツの袖を肘の下までまくって着ることもあります。まくった袖の端は、手首よりずっと太くなるので、時計とぶつかりません。この日は、袖口とのすき間を気にせず、好きな時計を着けられます。まくった袖の端と時計の距離が指3本ぶんほど空くと、手首から肘までがすっきり見えます。
ベルトの素材:秋冬に気をつけることが違う
時計のベルトは、秋冬に選ぶ理由がいちばん変わる部分です。
| ベルトの素材 | 秋冬に良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| 革 | つけた瞬間が冷たくない。袖にやわらかく沿う | 雨や雪で濡れると傷みやすい。濡れたら早めに拭く |
| 金属 | 汚れに強く、雨の日も気にしにくい | 外気で冷える。留め具や駒のすき間がニットを拾う |
| 布・編んだ紐 | 軽く、冷たくない。袖の中で音がしない | 濡れると乾くまで時間がかかる |
| 樹脂 | 雨や雪に強い。手入れが楽 | きれいめの服に合わせると、手もとだけ軽く見える |
秋冬に外で過ごす時間が長いなら、つけた瞬間の冷たさが少ない革か布のベルトが過ごしやすいです。金属のベルトが好きなら、留め具が平らで、駒と駒のすき間が小さいものを選ぶと、ニットの編み目を拾いにくくなります。メッシュのように細かく編んだ金属のベルトは、すき間が小さいぶん、毛を拾いにくい形です。
革のベルトは、袖口にこすれて色が移ることがあります。白や生成りの明るいニットが多いなら、濃い色の新しい革ベルトは、最初のうちは袖口に色がつかないか気にしてみてください。
どちらとも取れるとき①:細い袖のニットと、広い袖のコートを両方着る
秋冬は、室内ではリブ袖のニット、外ではゆったりした袖のコート、という日がほとんどです。時計は1本で、袖口は2種類。どちらに合わせるかは、次の順で決めます。
まず、細い方の袖、つまりニットの袖口とのすき間を見ます。すき間が4cm以上あるなら、ニットに合わせて選べば、コートでも収まります。時計は1本で済みます。
すき間が4cmに届かないなら、ニットの袖の上に巻くか、薄い時計を選ぶかを決めます。室内で過ごす時間が長いなら、室内の見え方を優先して、袖の上に巻いても形のきれいな、ベルトが細くて薄い時計を選びます。外にいる時間が長いなら、コートの袖口から出し入れしやすい、文字盤の小さい時計を選びます。
どうしても決めきれないときは、ニットを着たまま、コートをはおって時計を着けた状態で、手首を返して時間を見る動作を5回くり返してみてください。どちらの袖でも引っかからずに読めた時計が、あなたの秋冬の1本です。
どちらとも取れるとき②:手首は細いけれど、大きめの文字盤が好き
手首の横幅の3分の2を超える文字盤でも、好きなら選んでかまいません。そのときは、ほかの部分で手首とのつり合いを取ります。
1つめは、ベルトの幅です。文字盤が大きくても、ベルトが細いと、手首の上で時計の面積が小さく見えます。ベルトを文字盤と同じくらいの幅にすると、手首全体が時計に覆われて見えます。
2つめは、色です。文字盤とベルトが服の色に近いと、時計の輪郭がやわらぎます。秋冬のニットがベージュや茶色なら、茶色の革ベルトに白や生成りの文字盤を合わせると、大きめでも手もとがなじみます。
3つめは、つけ方です。手首周りより少しゆるめにベルトを留めると、時計が手の甲側に寄り、手首の細さが時計の大きさに押されにくくなります。ただし、ゆるすぎると時計が手首の内側に回るので、指1本が入るくらいまでにしてください。
大きめの文字盤は、秋冬の厚手の袖口とつり合いやすいという面もあります。袖口のボリュームが大きい服が多いなら、大きめを選んでも、袖と時計の大きさがつり合って見えることがあります。
どちらとも取れるとき③:袖の上に巻くか、袖の下に入れるか
袖の上から時計を巻く着け方は、秋冬ならではの選び方です。どちらにするかは、袖口の素材と、時計の重さで決めます。
**袖口が薄くて平らな服なら、袖の上に巻いても形がきれいに収まります。**シャツの袖や、薄手のハイゲージのニットがこれに当たります。ベルトの穴を1つゆるめて、袖の厚みのぶんだけ余裕を作ってください。
**袖口が厚く、のびる服なら、袖の下に入れます。**ざっくりしたニットや、毛足の長い素材の上に時計を巻くと、ベルトが袖口を押しつぶして、時計がしずんで見えます。押された部分の編み目がのびる心配もあります。
時計が重いときは、袖の上に巻くと、時計の重さで袖口が下に引っ張られます。重い時計は袖の下に入れるか、袖をまくった上に固定するように巻くと、袖口の形が崩れません。
どちらとも決められないときは、その日に時間を見る回数で決めてください。何度も見るなら袖の上、ほとんど見ないなら袖の下です。袖の上に巻いた時計は、いちいち袖を上げなくてよいぶん、見る回数が多い日に向いています。
手袋をする日の時計
冬に手袋をする日は、時計と手袋の口がぶつかります。
手袋の口が短く、手首の骨のあたりで終わるなら、時計は手袋の外に出ます。この場合は、手袋の口と時計の縁がこすれないよう、時計をいつもより少しひじ寄りに着けます。
手袋の口が長く、手首を覆うものなら、時計は手袋の中に入るか、手袋の上に出すかのどちらかです。手袋の中に入れると、時間を見るには手袋を下げなければなりません。外で時間をよく見るなら、口の短い手袋を選ぶか、時計を手袋の上から巻ける長さのベルトにしておくと便利です。
手袋の口の長さは、手首の骨から何cm上まで覆うかで見てください。骨の位置で終わる手袋なら、時計は骨から指1本ぶんひじ寄りに着ければ、手袋とぶつかりません。骨から3cm以上覆う手袋なら、時計は手袋の中に入ると考えて、厚みの薄いものを選ぶか、手袋をする日は時計を反対の手に替えると、手袋の口がのびずに済みます。
革の手袋と金属のケースがこすれると、どちらにも細かな傷がつきます。手袋を外したあと、時計の縁を一度指でなでて、手袋の毛や汚れが残っていないかを見ておくと、長くきれいに使えます。
バッグの口の開け閉めと同じで、手袋をしたまま扱いやすいかどうかは、秋冬の小物選びでいちばん効いてくる点です。バッグの選び方はバッグの選び方|秋冬は手袋をしたまま開く口の形で決めるにまとめています。
色の選び方:秋冬の服の色と、金・銀・黒
時計のケースの色は、服の色と、ほかのアクセサリーの色でそろえると、手もとがまとまります。
秋冬の服に茶色やベージュ、からし色、深い緑などの温かい色が多いなら、金色のケースや、茶色の革ベルトがなじみます。グレーや紺、黒などの冷たい色が多いなら、銀色のケースや、黒の革ベルトがなじみます。
ピアスや指輪の色も合わせて見ます。耳もとが金なら時計も金、というように、顔まわりと手もとの金属の色をそろえると、全体がちぐはぐに見えません。耳もとのアクセサリーの選び方はピアスが似合わない|穴の位置と耳たぶの幅から大きさを出すを参考にしてください。
服の色が温かい色と冷たい色の両方にまたがるときは、黒のケースか、金と銀の中間に見える色味のものを選ぶと、どちらの服にも合わせやすくなります。
どちらの手に、どの位置でつけるか
腕時計は、利き手と反対の手につけるのが一般的です。利き手で字を書いたり物を持ったりするとき、時計が机やものに当たりにくいからです。
秋冬は、これにバッグを持つ手が加わります。肩にかけるバッグでも、手で持つバッグでも、持ち手が時計に当たると、ガラスやベルトに傷がつきます。時計をつける手と、バッグを持つ手を分けておくと、時計を見る動作もしやすくなります。
つける位置は、手首の骨のすぐひじ寄りが基本です。骨の上に時計を乗せると、手首を曲げたときに時計の裏ぶたが骨に当たって痛くなることがあります。秋冬の袖口の下に入れるなら、骨から指1本ぶんひじ寄りにすると、袖口のリブと時計が重なりにくくなります。
ベルトの穴は、秋冬だけ半分ゆるめる
夏に合わせたベルトの穴は、秋冬にはきつくなることがあります。袖の上に巻く日は、袖の厚みのぶんだけ手首が太くなるからです。
ベルトの穴の間隔は、時計によって違いますが、だいたい5〜7mmほどです。袖の上に巻く日は、1つゆるめると、袖口を押しつぶさずに留められます。袖の下に入れる日は、夏と同じ穴でかまいません。
金属のベルトは、穴ではなく駒の数で長さが決まります。袖の上に巻く日と、袖の下に入れる日で長さを変えたいなら、留め具に微調整の穴があるものを選ぶと、駒を足したり外したりしなくて済みます。
例で通してみる:3人の手首と袖口
ここまでの順番を、3人の例で通してみます。数字は一例なので、あなたの手首と服に置き換えて読んでください。
例1:手首の横幅が5cm、いちばん着るのはリブ袖のニット
手首周りは15cm、ニットの袖口を軽く広げて測ると18cmで、差は3cmです。文字盤は横幅の半分から3分の2なので、25〜33mmが範囲になります。すき間が3cmなので、袖の下に入れるなら薄い時計にかぎられます。
この人は室内で過ごす時間が長く、ニットの袖をまくらずに時間を見たいので、袖の上に巻いても形のきれいな、ベルトの細い26mmほどの時計を選びました。袖の上に巻く日は、ベルトの穴を1つゆるめます。
例2:手首の横幅が5.5cm、いちばん着るのはゆったり袖のコート
手首周りは16cm、コートの袖口は26cmで、差は10cmあります。どんな厚みの時計でも袖の下に収まるので、文字盤の大きさだけで選べます。範囲はおよそ28〜37mmです。
外で時間を見ることが多く、手袋もよくするので、口の短い手袋に合わせて、文字盤が読みやすい34mmほどの時計を選びました。ベルトは、冬の外気で冷たくならない革にしています。
例3:手首の横幅が4.5cm、ニットもコートも同じくらい着る
手首周りは14cm、ニットの袖口とのすき間は4cm、コートの袖口とのすき間は8cmです。範囲はおよそ23〜30mmで、細い方のニットでもすき間が4cmあるので、中くらいの厚みまでは袖の下に入ります。
この人は大きめの文字盤が好きでしたが、範囲の上限の30mmにとどめ、ベルトを細くして手首とのつり合いを取りました。ニットの日もコートの日も、同じ1本で済んでいます。
3人とも、測ったのは手首周り、手首の横幅、袖口の周りの3か所だけです。**答えが分かれたのは、袖口とのすき間と、時間を見る回数でした。**文字盤のデザインは、その範囲の中で好きなものを選べば十分です。
時間を見る回数で、文字盤の読みやすさを選ぶ
秋冬は、袖口をよけて時間を見る動作が増えます。一度で読み取れる文字盤だと、その手間が少なくて済みます。
時間を見る回数が多いなら、文字盤の目盛りがはっきりしていて、針が太く、文字盤と針の色の差が大きいものが読みやすくなります。白い文字盤に黒い針、黒い文字盤に白い針、のような組み合わせです。
反対に、時間はほとんど見ず、手もとのアクセサリーとして着けるなら、目盛りの少ない文字盤や、文字盤と針の色が近い、静かな見た目のものでもかまいません。
秋冬の外は日が低く、ガラスに光が反射しやすい季節です。ガラスの面が盛り上がったものは、角度によって反射が強く出ます。外でよく時間を見るなら、ガラスの面が平らなものを選ぶと、手首を少し傾けるだけで読めます。
仕事の日と休日で、時計を替えるかどうか
時計を1本にするか、2本以上で替えるかは、袖口の違いで決めると迷いません。
仕事の日の服と休日の服で、いちばん着る袖口が大きく違うなら、2本に分けたほうが楽です。たとえば、仕事の日はシャツやハイゲージのニットで袖口が細く、休日はざっくりしたニットや大きめのコートで袖口が広い、という場合です。細い袖口には薄い時計、広い袖口には読みやすい大きめの時計、と分けると、それぞれの日に引っかかりや見づらさがなくなります。
袖口の違いが小さいなら、1本で済みます。そのときは、細い方の袖口に合わせて選んでください。広い袖口では、時計が少し小さく見えるだけで、困ることはほとんどありません。
式典や改まった場に着けるなら、文字盤が小さめで、厚みが薄く、ベルトが革か細い金属のものが、袖口の中に静かに収まります。改まった服は袖口が細いことが多いので、ここでも袖口とのすき間が決め手になります。
秋冬の手入れ:雨・雪・結露
秋冬は、時計の手入れで気をつけることが夏と違います。
雨や雪の日に革のベルトが濡れたら、帰ってきてすぐに、乾いた布で表と裏の水気を拭きます。暖房の風に直接当てて急いで乾かすと、革が硬くなったり、反ったりすることがあります。風通しのよい場所で、自然に乾かしてください。
寒い外から暖かい室内に入ったとき、ガラスの内側が曇ることがあります。何度もくり返すようなら、中に湿気が入っているかもしれないので、時計の修理を扱うところに相談すると安心です。
ニットの袖の下に入れて着けた日は、時計の縁やベルトのすき間にニットの毛が溜まっていることがあります。やわらかいブラシで軽く払っておくと、次に着けたときに毛が袖に戻りません。金属のベルトは、駒のすき間に毛が詰まると、留め具の動きが重くなることもあります。
どちらとも取れるとき④:薄いけれど読みにくい、読みやすいけれど厚い
秋冬の時計選びでいちばん迷うのが、この組み合わせです。薄い時計は文字盤が小さく、読みやすい時計は厚みがある、ということがよくあります。
このときは、**袖口とのすき間を先に見て、すき間が足りない側を優先します。**すき間が4cmに届かない袖を毎日着るなら、読みにくさは文字盤と針の色の差で補い、薄い時計を選びます。読みやすさは色の組み合わせで取り戻せますが、厚みは袖口の側では直せないからです。
すき間に余裕があるなら、読みやすさを優先して大丈夫です。厚みのある時計でも袖の下に収まり、袖を上げたときに一度で読めるほうが、秋冬の外では役に立ちます。
よくある行き違い
「華奢な時計なら、どんな服にも合う」 文字盤が小さくても、厚みがあれば袖口に当たります。華奢に見えるかどうかと、袖に入るかどうかは別の話です。厚みは、袖口とのすき間で見てください。
「手首周りだけ測れば、大きさが決まる」 手首周りが同じでも、手首の横幅は人によって違います。文字盤の大きさは、手首周りではなく横幅で決めます。
「夏に選んだ時計を、そのまま秋冬も使えばいい」 夏は袖口がないので、時計の厚みは気になりません。秋冬に同じ時計を使うなら、いちばん着る袖口とのすき間を一度測っておくと、引っかかりや冷たさを先に避けられます。
「金属ベルトはニットに合わない」 合わないのではなく、留め具や駒のすき間がニットを拾いやすいだけです。留め具が平らで、すき間の小さいものを選べば、ニットの季節にも使えます。
関連記事
よくある問い
- Q. レディースの腕時計は、文字盤が何mmくらいがいいですか
- 手首の横幅で決めます。手首のくるぶしの骨のあたりの横幅を測り、その半分から3分の2のあいだに文字盤の直径が入れば、手首から浮いて見えません。横幅が5cmなら、25〜33mmのあたりが目安です。
- Q. ニットの袖に時計が引っかかります
- 袖口の周りと手首周りの差が小さいと、時計の厚みが袖口に当たって引っかかります。厚みのある時計なら袖の上に巻く、袖の下に入れたいなら厚みの薄いものを選ぶ、のどちらかに決めてください。金属ベルトの留め具が出っ張っているものも、編み目を拾いやすくなります。
- Q. 秋冬は金属ベルトと革ベルト、どちらがいいですか
- 外にいる時間が長い日が多いなら、革や布のベルトのほうが、つけた瞬間の冷たさが少なく過ごしやすいです。金属ベルトが好きなら、留め具が平らで、ニットの編み目を拾いにくい形を選ぶと、秋冬も使いやすくなります。
- Q. 時計は右手と左手、どちらにつければいいですか
- 一般には利き手と反対の手につけることが多いですが、秋冬はバッグを持つ手も考えてください。バッグの持ち手が時計に当たると、文字盤やベルトに傷がつきやすくなります。バッグを持つ手と反対の手につけると、時計を見る動作も楽になります。
— メグラシ編集部





