バッグの選び方|秋冬は手袋をしたまま開く口の形で決める

**秋冬に使うバッグは、いつもの手袋をはめたまま、3秒以内に口を開けて閉められるものを選んでください。**つまり、口の形で決めます。大きさや色や素材を考えるのは、その条件を満たしたバッグの中からです。
夏のあいだは素手で開け閉めしていたので、口の形を気にする場面はほとんどありませんでした。けれど、手袋をはめる季節になると、小さな引き手がつまめない、留め具に指がかからない、という困りごとが急に増えます。改札の前で手袋を外し、片手に持ったまま財布を探す。レジで手袋を口にくわえる。そうした小さな手間が、一日に何度も重なります。
この記事では、手袋の厚みと、家で測れる3つの数字から、秋冬に向くバッグの口を決める方法を書きます。肩にかけたときの紐の長さについてはバッグの選び方|秋冬は肩紐の長さを、コートを着た上で測って決めるにまとめているので、あわせて見てください。
結論:手袋をした手で、3秒以内に開けて閉められる口を選ぶ
秋冬のバッグ選びで、最初に見るのは口です。
条件は1つだけ。いつも使う手袋をはめた手で、バッグを肩にかけたまま、口を開けて、また閉めるまでが3秒以内に済むかどうかです。3秒というのは、改札の前で立ち止まらずにカードを取り出せる長さの目安です。これを超えると、人の流れの中で立ち止まることになります。
3秒以内に済むかどうかは、口の形でほぼ決まります。口が開いたままの形や、マグネットで留める形なら、手袋の厚みにかかわらず、たいてい3秒以内です。フラップに留め具がついた形は、留め具の大きさしだいです。ファスナーは、引き手の大きさと、ファスナーの滑りのよさで決まります。
どの形がいいかは、手袋の厚みと、一日に何回開け閉めするか、そして中身をどこまで守りたいかで決まります。ここから順に見ていきます。
秋冬にバッグの口で困る場面
まず、どんな場面で困るのかを整理しておきます。自分の一日を思い浮かべて、当てはまるものがいくつあるか数えてみてください。
駅の改札。カードをバッグに入れている人は、改札の手前でバッグを開けることになります。後ろに人が並んでいるので、急ぎます。手袋のままではファスナーがつまめず、結局手袋を外すことになります。
お店のレジ。財布やスマホを取り出すとき、片手に買ったものを持ち、もう片方の手でバッグを開けます。手袋のままでは留め具が外せず、手袋を外して、その手袋をどこに置くかで迷います。
傘を差しているとき。片手がふさがっているので、もう片方の手だけでバッグを開ける必要があります。両手を使う留め具は、傘を差している日には開けられません。
手袋を外す回数が増えると、そのたびに手が冷え、手袋を落とす機会も増えます。片方だけ落としてなくした経験がある方は、たいていこうした場面で外したときに落としています。
この4つの場面のうち、2つ以上が毎日の暮らしに入っているなら、バッグの口を見直すことで、秋冬の外出がずいぶん楽になります。
口の形ごとに、手袋をしたときの開けやすさを比べる
バッグの口の形を、手袋をしたときの開けやすさと、中身の守りやすさの2つの軸で比べます。
| 口の形 | 手袋で開ける動作 | 中身の守りやすさ | 雨・雪 |
|---|---|---|---|
| 開いたまま | 0動作。手を入れるだけ | 低い | 入りやすい |
| マグネット | 1動作。フラップか口を引く | 中 | フラップがあれば防げる |
| フラップ+差し込み金具 | 1〜2動作。金具の大きさしだい | 中〜高 | 防げる |
| 巾着(ひもで絞る) | 2動作。ひもを緩めて口を広げる | 中 | 口を絞れば防げる |
| ファスナー | 1動作。ただし引き手をつまめるか | 高い | 防げる |
表で見ると、開けやすさと守りやすさは、ほぼ逆向きに並んでいます。開けやすい口ほど守りにくく、守りやすい口ほど開けにくい。どこで折り合いをつけるかは、その人の一日の過ごし方で決まります。
大事なのは、同じ形でも、つくりによって開けやすさが大きく変わることです。ファスナーでも、引き手が大きく、滑りがよければ、薄手の手袋で開けられます。フラップでも、金具が小さく固ければ、手袋では外せません。形の名前だけで決めず、次に書く3つの数字で確かめてください。
手袋の厚みで、開けられる口が変わる
開けやすさは、バッグの側だけでは決まりません。手袋の側の厚みでも変わります。秋冬に使う手袋を、厚みで3つに分けて考えます。
薄手の手袋。革の手袋や、薄いニット、スマホを操作できるタイプの手袋がここに入ります。指先の感覚がある程度残るので、ファスナーの引き手でも、長さが2cmほどあればつまめます。差し込み式の金具も、たいてい外せます。
中厚の手袋。普通のニットの手袋や、裏地のついた手袋です。指先が太くなるので、細い引き手はつまめません。ファスナーなら、引き手が3cm以上あるか、引き手に輪やタブがついているものが必要です。
厚手の手袋とミトン。雪の日や、自転車に乗るときに使う手袋です。指先でつまむ動作はほとんどできません。開けられるのは、口が開いたままの形か、マグネットか、手のひら全体で引けるフラップくらいです。
自分がいちばんよく使う手袋がどれに当てはまるかを、先に決めてください。秋冬のあいだに手袋を2種類使い分けるなら、厚い方で決めます。薄い手袋で開けられる口は、厚い手袋で開けられないことがありますが、その逆はありません。
家で測る3つ:引き手、開く幅、動作の数
いま持っているバッグが秋冬に向くかどうかは、家で3つのことを確かめれば分かります。手袋を用意して、バッグを肩にかけた状態で試してください。
1つ目は、引き手や留め具を、手袋をしたままつまめるかです。親指と人差し指の2本でつまんでみて、すべらずに引けるかを見ます。つまめない場合は、引き手の長さを測ってください。2cmに届かない引き手は、中厚以上の手袋ではまずつまめません。
2つ目は、口がどこまで開くかです。口を開けた状態で、手袋をした手をそのまま入れられるかを試します。手袋をした手は、素手より1〜2cm幅が広くなります。口の開く幅が手袋をした手の幅より狭いと、手を入れるたびに口に引っかかり、中のものを取り出しにくくなります。目安として、口が手袋をした手の幅に3cmを足した幅まで開けば、中で手を動かせます。
3つ目は、開けて閉めるまでに何動作かかるかです。フラップを持ち上げて、金具を外して、ファスナーを開ける、というように、動作の数を数えてください。2動作までなら、片手でも3秒以内に済むことが多いです。3動作以上になると、片手では難しく、傘を差している日には開けられません。
3つのうち2つ以上でつまずくなら、そのバッグは秋冬の毎日には向きません。週末だけ使う、手袋をしない日に使う、と役割を分けるか、次に書く工夫で開けやすくします。
中身の取り出しやすさは、口の幅と手の幅の差で決まる
口が開いても、中身が取り出しにくいことがあります。秋冬は手袋をした手が太くなるので、なおさらです。
中身を取り出しやすいかどうかは、口の幅と、手袋をした手の幅の差で決まります。口の幅が手の幅に比べて広いほど、中で手を動かせるので、底に沈んだものも探せます。差が小さいと、手を入れたまま指を動かす余裕がなく、目当てのものをつかめません。
秋冬は、バッグの中身も増えがちです。折りたたみ傘、使わなくなった手袋、マフラーをしまうこともあります。中身が増えると、口の近くにものが詰まり、底のものに手が届きにくくなります。
対策は2つあります。1つは、口が大きく開くバッグを選ぶことです。口の両端にまちがあるものや、口の金具が左右に広がるものは、中が見渡せます。もう1つは、よく取り出すものを、口の近くに置けるようにすることです。これは次の「ポケット」の話につながります。
よく取り出すものは、外ポケットか口の近くに置く
手袋をしたまま一日に何度も取り出すものは、それほど多くありません。たいていは、交通系のカード、スマホ、鍵、それにハンカチくらいです。
この4つを、バッグの口を開けなくても取り出せる場所に置ければ、口の形はそれほど問題になりません。外側にマグネットや差し込み口のポケットがあるバッグなら、カードやスマホをそこに入れておけば、改札やレジの前でも口を開けずに済みます。
外ポケットを見るときも、手袋で確かめてください。ポケットの口が狭く、手袋をした指が入らないものは、使えません。ポケットの深さも見ます。浅すぎると歩いているうちにものが落ち、深すぎると手袋の指先が底に届きません。カードなら、ポケットの口から少し頭が出るくらいの深さが、手袋でもつまみやすい深さです。
外ポケットが無いバッグなら、口の内側に小さなポケットがあるかを見てください。口を開けてすぐの場所にあるポケットは、手を深く入れずに済むので、手袋でも取り出しやすくなります。
口の形ごとに、手袋で使うときの細かい見どころ
同じ口の形でも、つくりの細かいところで、手袋をしたときの使いやすさが大きく変わります。売り場で手に取ったとき、どこを見ればいいかを形ごとに書いておきます。
ファスナー
ファスナーで見るのは、引き手の大きさ、引き手の向き、それから端の止まり方です。
引き手は、長さが2cm以上、できれば3cmほどあるものを選んでください。指2本でつまめる大きさがあれば、中厚の手袋でも引けます。引き手が平たい板のような形なら、手袋の指でもすべりにくくなります。丸い粒のような引き手は、手袋ではつまみにくい形です。
引き手の向きも見てください。閉めたときに引き手がどちらの端にあるかで、開ける方向が決まります。肩にかけたときに、体の前側から後ろ側に向かって開く向きなら、片手で引きやすくなります。逆向きだと、手首をひねる動きが入って、手袋では力が入りにくくなります。
ファスナーの端が、口の端まで届いているかも見どころです。端まで開くファスナーは口が大きく広がりますが、途中で止まるファスナーは、口の幅が狭くなります。左右どちらからも開けられる両開きのファスナーなら、手を入れたい側だけを開けられるので、手袋でも中身を探しやすくなります。
マグネット
マグネットで見るのは、磁石の強さです。強すぎると、手袋をした指で引き離すのに力がいります。弱すぎると、歩いているうちに口が開きます。
売り場で、手袋をした手で一度開け閉めしてみてください。片手で引いて開き、離すと自然に閉じるくらいの強さが、秋冬にはちょうどいい強さです。両手で引かないと開かないなら、強すぎます。
マグネットの位置も見ます。口の真ん中に1つだけあるものは、両端が少し開きやすく、中身が見えやすくなります。口の両端に2つあるものは、口全体が閉じますが、開けるときに両方を外す必要があります。
フラップと差し込み金具
フラップの留め具は、金具の大きさと、差し込む深さで使いやすさが決まります。差し込む部分が浅く、金具が大きいものは、手袋でも外しやすくなります。小さな金具を深く差し込むものは、手袋では外せないことが多いです。
ひねって留める金具は、指先でひねる動きが必要なので、薄手の手袋でないと難しいことがあります。手袋の厚みに合わせて選んでください。
フラップの重さも見ます。重いフラップは、留め具を外すと自然に開くので、片手で中に手を入れやすくなります。軽いフラップは、手で押さえていないと閉じてしまうことがあります。
巾着
巾着の口は、ひもを緩めるだけで開くので、手袋でも開けやすい形です。見どころは、ひもの太さと、ひもを止める部品です。
ひもが細いと、手袋の指でつかみにくくなります。太めのひもか、平たいテープのひもを選んでください。ひもを止める部品は、手袋をしたままでも押して緩められる大きさがあるかを確かめます。
巾着は口を広げるのに両手がいることが多いので、傘を差す日には向きません。片手で口を広げられるか、売り場で試してください。
通勤・休日・旅行で、口の条件をどう変えるか
一つのバッグをいつも使うなら、口の条件は通勤で決めるのが確実です。けれど、場面ごとにバッグを持ち替えるなら、それぞれの場面で口の条件を少しずつ変えられます。
通勤のバッグは、開け閉めの回数が多く、立ち止まれない場面が多いので、開けやすさを優先します。マグネットか、外ポケットのあるバッグが向いています。中身を守りたいものは、内ポケットに入れてください。
休日のバッグは、開け閉めの回数が少なく、時間にも余裕があります。開けやすさより、荷物が入るかどうかや、服との釣り合いで選んでも、困ることは少ないはずです。ただし、休日に人の多い場所へ出かけるなら、守りやすさを少し上げてください。
旅行のバッグは、慣れない場所で、手袋をしたまま切符や地図を取り出す機会が増えます。寒い土地へ出かけるなら、厚い手袋で開けられる口を選んでください。旅行中は、外ポケットに切符やカードをまとめておくと、何度も本体の口を開けずに済みます。
子どもと出かける日のバッグは、片手が子どもの手でふさがっていることが多いので、片手で開けられる口が欠かせません。開いたままの口か、マグネットが向いています。
場面ごとにバッグを分けると、それぞれの口の条件がはっきりします。一つのバッグにすべての条件を求めないことが、秋冬のバッグ選びで迷わないこつです。
手袋の側を選び直すという手もある
ここまで、バッグの口を手袋に合わせる話をしてきました。けれど、逆に手袋をバッグに合わせる、という手もあります。
気に入っているバッグがあって、口の形を変えたくないなら、手袋の方を薄手に替えると、開けやすさが上がります。薄い革の手袋や、指先の感覚が残る薄手のニットなら、小さな引き手でもつまめます。
指先だけが開いている手袋や、指先のカバーを折り返せる手袋も、バッグの開け閉めには向いています。開けるときだけ指先を出し、終わったらまた覆います。手袋を外す必要がないので、落とす心配も減ります。
スマホを操作できる手袋は、指先の素材が薄く作られていることが多く、引き手をつまむ動きもしやすいことがあります。ただし、指先の薄さは商品によってまちまちなので、手にはめて確かめてください。
バッグと手袋を、どちらか一方だけで合わせようとせず、両方を見て選ぶと、秋冬の外出の手間はぐっと減ります。新しいバッグを買う前に、いまの手袋を見直すだけで解決することもあります。
素材によって、冷えたときの開けやすさが変わる
秋冬は気温が下がるので、バッグの素材によっては、口まわりが固くなります。
革のバッグは、冷えると革が固くなり、フラップや留め具の動きが重くなることがあります。とくに、新しく買ったばかりの革や、厚い革は、冬の朝に開け閉めすると固く感じます。使い込んでやわらかくなった革なら、それほど気になりません。
合成の素材やナイロンは、冷えても固くなりにくく、口の動きも変わりにくいのが利点です。ただし、表面がすべりやすいものは、手袋をした手で持つと、つかみにくいことがあります。
布のバッグは、口まわりがやわらかく、手袋でも開けやすいものが多いですが、雨や雪がしみこみやすいのが難点です。
ファスナーそのものの素材も、開けやすさに関わります。金属のファスナーは、冷えると指先から熱を奪い、手袋越しでも冷たく感じることがあります。樹脂のファスナーは冷たさを感じにくく、滑りも軽いものが多いです。
口の縁と、濡れた手袋のこと
素材の話で見落としやすいのが、口の縁です。口の縁が厚い革で縁どられているバッグは、形がしっかりしているぶん、開いた口が自然に閉じようとします。手袋をした手を入れているあいだも口が狭まってくるので、中身を探しにくくなります。縁がやわらかい布やナイロンなら、開いた口がそのまま開いているので、手袋でも中を探しやすくなります。
逆に、縁がやわらかすぎると、口が開いたまま形を保てず、中身が見えやすくなります。口を開けたときに形がどう変わるかを、売り場で一度見ておいてください。
雨や雪の日は、手袋そのものが濡れることもあります。濡れた手袋で引き手をつまむと、すべって引けないことがあります。革の引き手は濡れるとすべりやすく、布やゴムを巻いた引き手はすべりにくい傾向があります。雪の多い地域で使うなら、引き手の表面がすべりにくいものを選ぶか、引き手に太めのひもを足しておくと安心です。
濡れた手袋でバッグの中に手を入れると、中身まで湿ってしまうことも気になります。雨や雪の日は、よく取り出すものを外ポケットに移しておくと、本体の口を開ける回数が減り、中身も濡れにくくなります。
防犯と開けやすさの兼ね合い
開けやすい口のバッグを選ぶと、気になるのが防犯です。口が開いたままのバッグや、マグネットだけで留めるバッグは、混んだ場所で後ろから手を入れられないか、心配になります。
開けやすさと防犯は、口の形だけで両立させようとすると、どちらかを諦めることになります。けれど、持ち方を工夫すれば、両立させられます。
まず、口を体の前側に向けて持つことです。肩にかけるバッグなら、口が体の前に来るようにかけ、混んだ場所ではバッグの上に片手を添えます。後ろに回したバッグの口は、自分から見えないので、開けやすい口ほど危なくなります。
次に、本当に守りたいものだけを、ファスナー付きの内ポケットに入れることです。財布や鍵など、なくすと困るものは内ポケットに、カードやハンカチなど、すぐ取り出したいものは外ポケットや口の近くに、と分けます。こうすれば、口そのものはマグネットでも、大事なものは守れます。
それでも不安が残るなら、混んだ電車に長く乗る日だけ、ファスナーのバッグに持ち替えてください。毎日を1つのバッグで済ませようとせず、日によって持ち替えるほうが、結果として迷いが減ります。
どちらとも取れるとき:ファスナーとマグネットで迷ったら
いちばん多い迷いは、ファスナーにするか、マグネットにするかです。どちらにも良さがあるので、決めきれない方が多いはずです。ここは、自分の一日の過ごし方で決めます。
まず、一日に何回バッグを開け閉めするかを数えてください。朝家を出てから帰るまでに、改札、コンビニ、職場、ランチ、帰りの買い物と、口を開ける回数を思い出します。
一日10回を超えるなら、マグネットか、フラップに大きな金具がついた形を選んでください。10回のうち毎回手袋を外していたら、それだけで手は冷え切ります。回数が多い人ほど、開ける手間の差が大きく効いてきます。
一日5回以下で、混んだ電車に長く乗るなら、ファスナーを選んでください。ただし、引き手が大きく、手袋でつまめるものに限ります。回数が少なければ、多少開けにくくても大きな負担にはなりません。そのかわり、守りやすさの利点が生きます。
5回から10回のあいだなら、どちらでも大きな差は出ません。この場合は、外ポケットがあるかどうかで決めてください。外ポケットにカードとスマホを入れられるなら、本体の口を開ける回数が減るので、ファスナーでも困りません。外ポケットが無いなら、マグネットのほうが楽です。
もう一つの迷いは、通勤と休日で1つのバッグを兼ねたいときです。通勤は回数が多く、休日は荷物が多い、というように、条件がちがいます。兼ねるなら、通勤の条件を優先してください。休日は時間に余裕があるので、多少開けにくくても困りませんが、通勤の改札では立ち止まれないからです。
雨や雪の多い地域では、開いたままの口は避けてください。マグネットなら、フラップがかぶさる形を選びます。フラップがあれば、口の上から雪が入るのを防げます。
中身が多い日と少ない日で、口の使いやすさが変わる
同じバッグでも、中身の量によって口の使いやすさが変わります。秋冬は、朝は寒くてマフラーや手袋を身につけていても、昼に暖かくなって外したものをバッグにしまう、ということがよくあります。そうすると、夕方には中身が朝より増えています。
中身が増えると、口の近くまでものが詰まり、口が閉じにくくなります。ファスナーなら、閉めるときに中身を押し込みながら引くことになり、手袋をした手では力が入りません。マグネットなら、口が少し浮いて、しっかり閉じなくなります。
外したマフラーや手袋をしまうことが多いなら、口の大きさに余裕のあるバッグを選ぶか、外したものだけを入れる小さな袋を別に持つと、本体の口の開け閉めが楽なまま保てます。売り場で試すときも、マフラーを一本入れた状態で口を閉めてみると、夕方の使い心地に近くなります。
店で確かめるときは、手袋を持っていく
秋冬のバッグを店で選ぶときに、いちばん大事なことは、ふだん使う手袋を持っていくことです。
売り場では素手で触るので、引き手が小さくても、留め具が固くても、気づきません。家に帰って手袋をはめて初めて、開けられないことに気づきます。手袋をはめて、肩にかけた状態で、口を開けて、中に手を入れて、閉める。この一連の動作を、売り場で一度試してください。
試すときは、実際に入れるものを想定して、カードやスマホを出し入れする動きをしてみるとよく分かります。中が空のバッグは口が軽く開くので、中身が入ったときより開けやすく感じます。手持ちのスマホやカードケースを中に入れて試すと、実際の重さに近くなります。
それから、肩にかけた状態で試すことも忘れないでください。机の上に置いたバッグは両手で開けられますが、肩にかけると片手で開けることになります。秋冬にコートの上からかけるなら、できればコートを着て試すと、口の位置も実際に近くなります。
試すときに数える3つのこと
売り場で試すとき、なんとなく開け閉めするだけでは、使いやすさの差が分かりにくいものです。次の3つを数えると、2つのバッグを比べるときにも判断がはっきりします。
1つ目は、開けてから閉めるまでの秒数です。手袋をはめて、肩にかけたまま、口を開けて、中に手を入れて、カードをつまんで出して、口を閉める。この一連の動きを、心の中で数えてください。3秒以内なら、改札の前でも立ち止まらずに済みます。5秒を超えるなら、混んだ場所では後ろの人を待たせることになります。
2つ目は、手袋を外したくなった回数です。試しているあいだに、一度でも「手袋を外したほうが早い」と感じたら、そのバッグは手袋との相性がよくありません。毎日使えば、そのたびに外したくなります。
3つ目は、片手で済んだかどうかです。もう片方の手でバッグを押さえたり、口を広げたりしたなら、傘を差している日や、荷物を持っている日には使いにくくなります。片手で最後までできるかを見てください。
2つのバッグで迷ったら、この3つを両方で数えて、少ない方、片手で済む方を選びます。色や形で迷うより、ずっと早く決まります。
いま持っているバッグを、秋冬向けに直す工夫
新しく買わなくても、いま持っているバッグを、手袋で開けやすくすることはできます。
いちばん手軽なのは、ファスナーの引き手に、ひもやタブを足すことです。細い引き手に、短いひもを輪にして通すだけで、手袋をした指がかかるようになります。ひもの長さは、輪にして指2本が入るくらいが目安です。長すぎるとぶらぶらして、ほかのものに引っかかります。
フラップの留め具が固い場合は、留め具を使わずに、フラップをかぶせるだけにする日を作ってもいいでしょう。混んだ場所に行かない日なら、それで十分です。
中身の配置を変えるのも効果があります。よく取り出すものを口の近くの内ポケットに集め、底には取り出す回数の少ないものを入れます。こうすると、口を少し開けるだけで用が済むので、開けにくい口でも負担が減ります。
小さなポーチを一つ足すのも手です。カードとスマホと鍵を入れた小さなポーチを、バッグの口の近くに入れておけば、手袋のまま、ポーチごと取り出せます。
よくある行き違い
最後に、秋冬のバッグ選びでよくある行き違いをまとめます。
「売り場では開けやすかったのに、冬になったら開けられない」。売り場では素手で試しているからです。いつもの手袋を持って行って、はめたまま試してください。
「大きなバッグなら何でも入って便利だと思った」。大きなバッグでも、口が狭いと中身を取り出せません。秋冬は手袋をした手が太くなるので、大きさより口の開く幅を見てください。
「防犯のためにファスナーにしたら、毎回手袋を外している」。開け閉めの回数が多いなら、外ポケットのあるバッグにするか、マグネットに替えて、持ち方で防犯を補ってください。
「手袋を2種類持っていて、薄い方で決めた」。厚い方の手袋をはめた日に開けられなくなります。厚い方で決めてください。
「夏と同じバッグをそのまま使っている」。夏のバッグは、素手で開けることを前提に作られていることが多いです。引き手を足すか、秋冬だけ持ち替えてください。
秋冬のバッグは、口で決まります。いつもの手袋をはめて、3秒で開け閉めできるか。それを確かめてから、色や形を選んでください。改札の前で手袋を外す回数が減るだけで、冬の朝はずいぶん軽くなります。
よくある問い
- Q. 手袋をしたままでも開けやすいバッグの口はどれですか
- いちばん開けやすいのは、口が開いたままの形と、マグネットで留める形です。ただし開いたままの形は中身が見えやすく、雨や雪も入りやすいので、混んだ電車に長く乗る日には向きません。ファスナーでも、引き手が大きく、指2本でつまめる長さがあれば、薄手の手袋なら開けられます。
- Q. ファスナーのバッグしか持っていません。冬に開けにくいのをどうにかできますか
- 引き手に短いひもや革のタブを足すと、手袋をしたままでもつまめるようになります。輪になったひもを通すだけで済むので、縫う必要はありません。ひもの長さは、輪にして指2本が入るくらいが目安です。
- Q. 防犯が気になります。開けやすい口は危なくないですか
- 開けやすさと防犯は、口の形よりも持ち方で両立させるほうが簡単です。マグネットやフラップの口でも、口を体の前側に向けて持てば、後ろから手を入れられにくくなります。どうしても不安な日だけ、内側にファスナー付きのポケットがあるバッグを選び、財布や鍵はそこに入れてください。
- Q. 手袋を外せばいいだけではないですか
- 外せば開けられますが、秋冬は外した手袋を片手に持ったまま改札やレジで財布を探すことになり、手袋を落としやすくなります。一日に何度も外したりはめたりするなら、そのたびに手が冷えます。外す回数が一日5回を超えるなら、バッグの口を見直す価値があります。
— メグラシ編集部





