バッグの選び方|秋冬は肩紐の長さを、コートを着た上で測って決める

**いちばん厚いコートを着て、手持ちのバッグを斜めにかけてみてください。**バッグの底が、腰骨より上の脇腹のあたりで止まったら、そのバッグの紐は秋冬には短すぎます。
秋冬にバッグを選ぶときは、薄着の日ではなく、コートを着た日に合わせて長さを決めます。目安は、斜めがけならバッグの底が腰骨の高さから、そこより手のひら1枚分下までに来る長さです。肩掛けなら、腕を下ろしたときに肘の少し下に本体が来る長さです。
紐の長さで困る理由は単純で、コートの厚みが、体のまわりを回る紐の長さを食ってしまうからです。この記事では、その食われる分を自分で測って、何cmの紐を選べばよいかを決めます。
ベルトの長さを使う穴の位置で決める考え方はベルトの選び方|長さは留めた先の余りと、使う穴の位置で決めるに書きました。バッグの紐も、同じように「どの穴で使うか」を先に決めると選びやすくなります。
結論:いちばん厚いコートの上で、底が腰骨のどこに来るかで決める
秋冬のバッグの紐は、次の順で決めます。
| 持ち方 | コートで食われる長さの目安 | ちょうどよい底の位置 |
|---|---|---|
| 斜めがけ | コートの厚みの約6倍 | 腰骨の高さ〜手のひら1枚分下 |
| 肩掛け | コートの厚みの約2倍 | 肘の少し下に本体の真ん中 |
| 腕かけ・手持ち | 袖の太さで持ち手の輪が足りるか | 肘の内側に持ち手が収まる |
表の「厚みの約6倍」というのは、斜めがけの紐が体を一周しているからです。コートの厚みが1.5cmなら、体のまわりは1.5cm×2×円周率で、およそ9cm長くなります。紐の長さは変わらないので、そのぶんバッグの底が上がります。
底が上がる高さは、食われる長さのおよそ半分です。厚さ1.5cmのウールのコートなら底は4〜5cm上がり、厚さ4cmのダウンなら12cm前後上がります。手のひら1枚分ほど上がると、薄着の日にちょうどよかったバッグが、脇の下に詰まったように見えます。
まず測るのは、いちばん厚いコートの厚み
自分のコートの厚みは、思っているより簡単に測れます。コートを平らな台に置き、前身頃の胸のあたりを指でつまんで、つまんだ厚みを定規で測ります。つまんだ厚みは表と裏の2枚分なので、その半分がコートの厚みです。
ウールのコートなら、多くは1〜2cmです。中綿の入ったコートやダウンは、つまむと沈むので、軽くつまんだ状態で測ってください。強くつまむと実際より薄く出て、肩紐の計算が甘くなります。だいたい3〜5cmに収まることが多いでしょう。
コートの下にニットやカーディガンを重ねるなら、その厚みも足してください。厚手のニットは0.5〜1cmあります。コートとニットを合わせた厚みが、紐が食われる分の元になります。
いくつかコートを持っている人は、いちばん厚いものを基準にします。薄いコートの日は紐を短くすれば合わせられますが、厚いコートの日に紐が足りなければ、どうにもならないからです。
斜めがけは、紐が体を一周する分だけ食われる
斜めがけの紐は、片方の肩から背中と胸を通り、反対側の腰へと、体をぐるりと一周しています。体のまわりに厚みが加わると、一周の長さはその厚みの約6倍伸びます。
計算が面倒なら、実際にかけて確かめるのがいちばん確かです。用意するのは、荷造り用のひもか、布の端切れを細く切ったものと、メジャーです。
いちばん厚いコートを着て、ひもを斜めにかけます。ひもの下の端が、バッグの底にしたい位置、つまり腰骨の高さ前後に来るように持ち、肩から下の端までのひもの長さを、ひもを外して測ります。この長さに、バッグの本体の高さの分を考えて、紐の長さを決めます。
売り場の紐の長さは、多くの場合「最長で何cm」と書かれています。測った長さが、最も伸ばした穴で届くかどうかを確かめてください。届かない紐は、どんなに見た目が気に入っても、秋冬は斜めがけでは使えません。
本体の位置は、前か横か後ろかでも変わる
斜めがけのバッグを、体の真横に置くか、前に回すか、後ろに回すかで、ちょうどよい紐の長さは少しずつ変わります。
前に回すと、紐はお腹の上を通るので、コートの前の合わせやボタンの厚みの分だけ食われます。横に置くと、紐は脇から腰を通るので、コートの脇の縫い目あたりの厚みが効きます。後ろに回すと、背中は前より布が重なりにくいので、食われる分は少し小さくなります。
人の多い電車で前に回すことが多い人は、前に回したときに底が腰骨より上に来ないかも確かめてください。前に回したバッグが胸の下に詰まって見えるのは、多くの場合、紐が数cm足りていないからです。
肩掛けは、肩の上の厚みの約2倍が食われる
肩掛けのバッグは、紐が肩の上を越えて、前と後ろに垂れ下がります。体を一周するわけではないので、食われる分は斜めがけよりずっと小さく、肩の上の厚みのおよそ2倍です。
厚さ1.5cmのウールのコートなら3cm前後、ダウンなら8cm前後です。底が上がる高さは、その半分くらいになります。ウールのコートならほとんど気にならず、ダウンなら本体が脇の下に少し近づいたように見えます。
肩掛けで気をつけたいのは、長さより、紐が肩から落ちないかどうかです。コートの肩の生地がつるっとしていると、紐が滑って落ちやすくなります。肩に乗る部分の紐の幅が細いほど、また紐の素材が硬いほど、滑りやすくなります。
肩掛けのちょうどよい位置は、肘で測る
肩掛けのバッグは、腕を自然に下ろしたときに、本体の真ん中が肘の少し下に来ると、腕の振りと本体がぶつかりにくくなります。
コートを着ると袖が太くなるので、腕と体の間の隙間が狭くなります。薄着のときは腕の内側に収まっていた本体が、コートの上では腕に押されて前や後ろへずれやすくなります。本体の厚みが10cm以上あるバッグは、コートの上で肩掛けにすると、腕と体の間に収まらないこともあります。
腕かけ・手持ちは、袖の太さで持ち手の輪が足りるか
腕にかけて持つバッグは、紐の長さではなく、持ち手の輪の大きさが問題になります。持ち手を立てたときの、持ち手の頂点から本体の口までの高さを測ってください。売り場では「持ち手の高さ」や「ハンドルの立ち上がり」と書かれていることがあります。
コートの袖は、肘のあたりで薄着のときより数cm太くなります。持ち手の高さが10cmを切るバッグは、コートの袖の上から腕にかけると、輪がきつくて肘まで通らないことがあります。手で持つ分には問題ありませんが、腕にかけて両手を空けたい人には不便です。
袖の太さに合うかは、いちばん厚いコートを着て、肘の少し上の袖の一周をメジャーで測ると確かめられます。持ち手の輪の一周が、その袖の一周より数cm長ければ、肘まで通ります。
腕時計と袖口の関係は秋冬に腕時計が袖に引っかかるのは、袖口の内周と時計の周りの差に書きました。手首まわりも腕まわりも、秋冬は袖の厚みが入る分だけ、薄着の日とは違う寸法で見る必要があります。
紐は、調節できるものと、できないものに分かれる
肩紐には、穴やスライドの金具で長さを変えられるものと、長さが決まっていて変えられないものがあります。秋冬に薄手のコートと厚手のコートを両方着る人は、調節できる紐を選んでください。
調節できる紐でも、調節できる幅はさまざまです。穴が3つしかない紐と、スライドで20cm以上動かせる紐では、使い勝手がまったく違います。売り場の表示で、最短と最長の長さを両方見てください。
最長の長さは、いちばん厚いコートの上で底が腰骨に届くかで判断します。最短の長さは、薄着の日に、底が腰骨より下に垂れすぎないかで判断します。どちらか片方しか合わない紐は、季節によって使えない期間が出てきます。
調節できない紐を選ぶなら、いちばん長く使う季節に合わせてください。秋冬を中心に使うなら、厚いコートに合わせた長さを選び、薄着の日は肩掛けにして使うという割り切りもできます。
穴で留める紐は、真ん中の穴を秋冬の基準にする
穴で長さを変える紐を選ぶなら、どの穴を秋冬の基準にするかを先に決めておくと便利です。おすすめは、いちばん厚いコートの日に、真ん中より1つか2つ長い側の穴で底が腰骨に来る紐です。
真ん中の穴を基準にしておけば、もっと厚い服を重ねた日には長い側へ、薄着の日には短い側へと、どちらにも動かせる余地が残ります。最長の穴でぎりぎり届く紐は、マフラーを巻いた日やリュックと重ねた日に、もう伸ばせなくなります。
基準の穴が決まったら、その穴の横に小さな印をつけておくと、毎朝の調節が早くなります。革の紐なら、裏側に油性のペンで点を打つだけで十分です。
紐の幅と素材は、コートの生地との相性で選ぶ
紐の幅は、肩に乗ったときの安定と、見た目の重さの両方に関わります。
細い紐は、見た目が軽く、薄着の日にはすっきり見えます。ただ、コートの上では面が小さいぶん滑りやすく、重いものを入れると肩に食い込みます。秋冬に財布や水筒、折りたたみの傘まで入れるなら、幅が2.5〜4cmある紐のほうが疲れにくくなります。
素材の組み合わせでは、つるっとした生地のダウンやナイロンのコートに、つるっとした革の紐を合わせると、いちばん滑ります。布の紐や、裏が少しざらっとした革の紐を選ぶと、コートの上で止まりやすくなります。
逆に、ウールのコートは表面に毛があるので、紐は止まりやすい反面、こすれて毛玉ができやすくなります。紐の裏がなめらかで、縫い目や金具がコートに当たらない作りのものを選ぶと、コートが傷みにくくなります。
紐の色も、秋冬は少し気にしてみてください。コートの上を斜めに横切る紐は、体の前に1本の線を引きます。紐の色がコートと大きく違うと、その斜めの線がはっきり目に入り、体が分断されて見えることがあります。紐をコートに近い色にすると線は目立たず、本体だけが小物として浮きます。逆に、紐の線を見せて縦長の印象をつくりたいなら、コートとはっきり違う色の細めの紐を選ぶ、という使い分けもできます。
本体の大きさは、コートの丈との位置関係で見る
バッグの本体の大きさは、入れる物の量で選ぶのが基本ですが、秋冬はコートの丈との位置関係も見てください。
腰丈の短いコートの上で斜めがけにすると、バッグの底がコートの裾より下に出ます。コートの裾と本体の境目がはっきり見えるので、すっきりした印象になります。
膝丈やロング丈のコートの上では、バッグの本体はコートの面の上に乗ります。本体の色がコートと近いと、バッグがコートに沈んで見えます。本体の色を、コートより明るくするか暗くするか、はっきり差をつけると、バッグの位置がわかりやすくなります。
本体が大きいバッグをロング丈のコートの上で斜めがけにすると、本体がコートの前の合わせを横切り、前が開きやすくなることがあります。前を閉じて着たいコートなら、本体の幅は肩幅の半分くらいまでに収めると、前の合わせを押さえすぎません。
マフラーやストールを巻く日は、首まわりの厚みも足す
寒さが強くなると、コートの上にマフラーやストールを巻く日が増えます。首まわりに厚みが加わると、肩掛けや斜めがけの紐は、その上を通ることになります。
斜めがけの紐は、肩の上の首寄りを通ることが多いので、マフラーの厚みがそのまま紐の長さを食います。厚手のマフラーを二重に巻くと、首まわりは数cm厚くなり、底がさらに数cm上がります。マフラーを巻く日が多い人は、コートの厚みにマフラーの分を足して見積もってください。
もう1つの選択肢は、マフラーを紐の上から巻くことです。先にバッグをかけてから、紐の上にマフラーを巻くと、紐はマフラーの厚みを食いません。ただし、バッグを外すときにマフラーをほどく必要があるので、電車の中で何度もバッグを下ろす人には向きません。
ストールを肩に羽織る日は、紐が肩から滑りやすくなります。ストールの生地はやわらかく、紐を押さえる力が弱いからです。ストールの日は、肩掛けより斜めがけのほうが安定します。
中身の重さで、紐の長さの感じ方が変わる
同じ長さの紐でも、中に入れる物の重さで、底の位置は変わります。重い物を入れると、紐が伸びたり、コートの生地に紐が沈み込んだりして、底が少し下がります。
とくに布の紐は、重さで少し伸びます。秋冬は財布や化粧ポーチに加えて、手袋や折りたたみの傘、温かい飲み物を入れた水筒などで、中身が重くなりがちです。紐の長さを確かめるときは、ふだん入れる物をすべて入れた状態で試してください。空のバッグで合わせると、物を入れた日に底が下がりすぎることがあります。
重さは、肩の疲れ方にも関わります。重い物を入れるなら、紐の幅を太めにして、肩に当たる面を広げてください。斜めがけは、重さが体の前と後ろに分かれるので、肩掛けより疲れにくい持ち方です。重い日が多いなら、肩掛けより斜めがけを中心に考えると、紐の長さもそちらに合わせて選べます。
リュックの肩ベルトも、同じ考え方で合わせる
リュックを使う人も、秋冬は肩ベルトの長さを見直してください。リュックの肩ベルトは、肩の上から脇の下を通って、背中の下のほうへ戻ってきます。体の半分ほどを回っているので、コートの厚みで食われる長さは、肩掛けより大きく、斜めがけよりは小さくなります。
薄着の日にちょうどよかったリュックを、厚いコートの上から背負うと、ベルトが脇の下に食い込んだり、背負った位置が高くなりすぎたりします。リュックの底が、腰骨の少し上に来るように、ベルトを伸ばしてください。
ベルトの長さを伸ばしきっても窮屈な場合は、そのリュックの肩ベルトの調節幅が、厚いコートに足りていないということです。リュックを選ぶときも、厚いコートを着て背負ってみて、ベルトが余裕をもって伸びるかを確かめてください。
リュックの肩ベルトは、コートの肩と脇を強くこすります。背負う時間が長い日は、コートの毛玉やてかりに注意してください。背中に当たる部分の生地も、リュックの背面と擦れて毛羽立つことがあります。
判断が分かれるとき:迷ったら、長い側に合わせて短くする
コートの前を開けて着るか、閉めて着るか
同じコートでも、前を開けて着るか、閉めて着るかで、斜めがけの紐の感じ方は変わります。前を閉めると、コートが体に沿うので、紐は体の厚みの分だけ食われます。前を開けると、紐はコートの前身頃を押さえる形になり、コートの合わせがずれたり、前が開いたまま押さえつけられたりします。
前を開けて着ることが多いなら、紐をコートの内側にかけるという方法もあります。コートの下にバッグを斜めがけにして、その上からコートを羽織ると、紐はコートの厚みを食いません。電車の中で前に回したいときも、コートの前を開ければすぐに取り出せます。
肩の線が落ちた形のコートを着る
肩の縫い目が、自分の肩の先より下に落ちている形のコートがあります。ゆったりとした形で、秋冬によく見かける作りです。この形のコートは、肩の上がなだらかに下がっているので、肩掛けの紐が引っかかる場所がなく、滑り落ちやすくなります。
肩の線が落ちたコートを着る日が多いなら、肩掛けより斜めがけを中心に考えてください。斜めがけなら、紐は首の付け根から反対の腰へと体を回るので、肩の形に左右されません。どうしても肩掛けにしたい場合は、紐の幅が広く、裏が滑りにくい素材のものを選び、紐を肩の首寄りに乗せると、落ちにくくなります。
この形のコートは、袖の付け根も下がっているので、腕と体の間の隙間が狭くなります。腕かけのバッグを持つと、袖の付け根の布が持ち手に押されて、しわが寄りやすくなります。肘より下の位置で持つか、手で持つほうが、コートの形がきれいに保てます。
片側の肩にばかりかける癖がある
いつも同じ肩にバッグをかけていると、その側のコートの肩だけが傷み、紐の長さの感じ方も左右で変わってきます。
斜めがけの場合、どちらの肩にかけるかで、本体が来る腰の側が変わります。左右どちらでかけても、底が同じ位置に来るかを確かめてください。左右で差が出る場合は、コートの左右の厚みが違うか、肩の高さが違うかのどちらかです。ふだんかけるほうの側で長さを合わせ、もう一方は補助と考えてください。
ここからは、表の目安だけでは決めきれない場面を並べます。
薄手のコートとダウンを、日によって着分ける
もう1つ迷いやすいのがこの場面です。厚さ1cmの薄手のコートと、厚さ4cmのダウンでは、斜めがけの紐が食われる長さが20cm近く違います。1本の紐で両方に合わせるには、20cm以上の調節幅が必要です。
調節幅が足りないときは、長いほうに合わせて選んでください。ダウンの日に底が腰骨に来る長さを最長の穴にとり、薄手の日は短い穴にします。短い穴でも底が腰骨より下に垂れすぎるなら、薄手の日は本体を後ろに回すか、肩掛けにして使うと、垂れすぎが目立ちにくくなります。
逆に、短いほうに合わせて選ぶと、ダウンの日にはどうにもならなくなります。紐は長いものを短くすることはできても、短いものを長くすることはできないからです。
室内で脱ぐので、コートの上と下の両方で使う
職場や店に入るとコートを脱ぎ、外ではコートの上からかける人も多いでしょう。この場合、1日のうちに紐の長さが2回変わります。
毎回穴を付け替えるのは手間なので、スライドの金具で長さを変えられる紐が向いています。片手で引けば短くなり、もう一度引けば長くなる作りなら、コートを脱いだついでに長さを直せます。
穴で留める紐しかない場合は、室内では肩掛けに、外では斜めがけにと、持ち方を変えて合わせる方法もあります。斜めがけと肩掛けでは、ちょうどよい紐の長さが違うので、1本の長さで両方にうまく合うことがあります。
背が高い、または低い
身長が高い人は、体を一周する紐の長さそのものが長く必要です。売り場の多くの紐は、平均的な身長に合わせて作られているので、背が高い人は最長の穴でもコートの上で足りないことがよくあります。最長の長さが、測った長さより10cm以上長いものを選ぶと安心です。
身長が低い人は、逆に、最短の穴でも底が下がりすぎることがあります。薄着の日に、最短の穴で底が腰骨から手のひら1枚分以内に収まるかを確かめてください。収まらない紐は、穴を足してもらうか、短い替えの紐をつけることになります。
自転車や抱っこひもを使う
自転車に乗る人や、子どもを抱っこひもで抱える人は、底の位置に加えて、本体がどこにあれば邪魔にならないかも考えてください。
自転車では、本体が前に来るとハンドルに当たり、横に来るとペダルをこぐ脚に当たります。後ろに回して、背中の真ん中より少し下に本体が来る長さにすると、こぐ動きの邪魔をしません。後ろに回すと前より食われる長さが少し小さくなるので、前に回したときより数cm短い穴で合うことが多いはずです。
抱っこひもを使うときは、斜めがけの紐が抱っこひもの肩ベルトと重なります。重なる分だけ、さらに長さが必要です。抱っこひもの肩ベルトの厚みも、コートの厚みに足して考えてください。
ショルダーバッグと斜めがけを1つで兼ねたい
1つのバッグを肩掛けにも斜めがけにも使いたいなら、紐の調節幅がいちばん大事になります。
肩掛けにちょうどよい長さと、コートの上で斜めがけにちょうどよい長さは、多くの人で30cm前後違います。調節幅が30cmない紐で両方を兼ねようとすると、どちらかが中途半端になります。兼ねたいなら、長さの違う替えの紐を1本用意しておき、季節や日によって付け替えるほうが、両方の使い心地が保てます。
売り場で確かめるときは、自分のいちばん厚いコートを着て行く
秋冬のバッグを売り場で選ぶなら、手持ちのいちばん厚いコートを着て行ってください。売り場では、店の中が暖かいので、ついコートを脱いで試しがちです。脱いで試すと、家に帰ってコートの上からかけたときに、紐が足りないことに気づきます。
コートを着たまま斜めにかけて、鏡の前で底が腰骨のどこに来るかを見ます。腕を前に出したり、軽く歩いたりして、本体が脇の下に詰まらないか、腰の上で跳ねないかも確かめてください。
肩掛けなら、コートの上で肩に乗せ、腕を振っても滑り落ちないかを見ます。腕かけのバッグなら、袖の上から肘まで持ち手が通るかを見ます。
試着できないときは、紐の長さの数字で比べる
通信販売のように、手に取って試せないときは、商品の説明にある紐の長さの数字で比べます。まず、手持ちのバッグのうち、コートの上でちょうどよかった1つを選び、その紐の長さを肩の頂点から本体の口まで測ってください。紐が本体の両端についているなら、片方の付け根から肩を通ってもう片方の付け根までの長さです。
商品の説明に書かれた紐の長さが、どこからどこまでを測った数字かも確かめてください。紐の端から端までの長さを書く場合と、肩から本体の口までの垂れ下がる長さを書く場合があります。測り方がわからないときは、紐の端から端までの長さだと考えて、手持ちのバッグも同じ測り方で比べるとずれが少なくなります。
手持ちのちょうどよいバッグと同じか、それより数cm長い最長の数字があれば、コートの上でも足ります。数字が手持ちより短いなら、どれだけ見た目が好みでも、秋冬の斜めがけには向きません。
もし薄手のコートの日も使うなら、そのコートも持って行くか、売り場で紐を最短にして、薄着の上で底が垂れすぎないかも確かめておきます。2つの場面で両方合えば、そのバッグは秋冬を通して使えます。
手持ちのバッグを、秋冬に合わせる工夫
すでに持っているバッグの紐が、コートの上で短いときは、次の順に試してください。
1つ目は、紐の端の金具を見ることです。紐が金具で本体についていて、取り外せるなら、長い替えの紐をつけられます。替えの紐は、布、革、鎖など素材もさまざまです。本体の金具の幅に合うものを選んでください。
2つ目は、穴を足すことです。革の紐なら、お直しの店で紐の先に穴を足してもらえることがあります。ただし、紐の先が短くて、もう穴を開ける余地がない場合は難しくなります。
3つ目は、持ち方を変えることです。紐が足りないバッグは、秋冬は斜めがけをあきらめ、肩掛けや手持ちで使うと決めます。長さが足りないことを、持ち方で受け止める方法です。
どれも難しいときは、そのバッグは薄着の季節に使うものと割り切り、秋冬用に紐の長いバッグを1つ用意するほうが、毎日の小さなストレスが減ります。
コートを紐で傷めないための、お手入れの目安
肩紐は、毎日同じ場所を、同じ向きにこすります。とくにウールのコートは、肩の上と、斜めがけの紐が通る脇の下で、毛玉やてかりが出やすくなります。
毛玉を減らすには、まず紐の裏を指でなでてみてください。ざらっとした感触や、縫い目の段差がある紐は、コートをこすりやすくなります。なめらかな紐に替えるか、紐が当たる位置を日によって左右で替えると、片側だけが傷むのを防げます。
できてしまった毛玉は、指でつまんで引っ張ると、周りの毛まで抜けて生地が薄くなります。毛玉取りの道具で、表面をそっと刈るように取ってください。てかりは、ブラシで毛の向きを起こし、少し離した位置からスチームを当てると目立ちにくくなります。
ダウンやナイロンのコートは、毛玉の代わりに、紐の金具が当たる場所に小さな擦れができることがあります。金具がコートに当たる位置に来ないように、紐の長さや本体の位置を少しずらしてください。
選ぶ前に、この順で確かめる
最後に、秋冬のバッグを選ぶ前に確かめることを順に並べておきます。
まず、いちばん厚いコートの厚みを測ります。次に、使う持ち方を決めます。斜めがけなら厚みの約6倍、肩掛けなら約2倍が食われると見積もり、実際にひもで長さを測ります。そのうえで、売り場の紐の最長が、その長さに届くかを見ます。薄手のコートの日も使うなら、最短の長さで垂れすぎないかも見ます。迷ったら、長い側に合わせて選び、短い日は穴で調節します。
バッグの選び方というと、色や大きさや入る物の量に目が行きがちです。けれど秋冬に毎日使って困るのは、たいてい紐の数cmです。その数cmを、買う前にコートの上で一度だけ測っておけば、季節が変わっても同じバッグを同じ気持ちで使えます。
よくある問い
- Q. 斜めがけのバッグの紐は、何cmあれば足りますか
- 身長や体の厚みで変わるので、一律の数字は出せません。いちばん厚いコートを着て、ひもを斜めにかけ、バッグの底にしたい位置(腰骨の高さ前後)まで垂らして長さを測ってください。その長さが、最も伸ばした穴で届く紐を選べば足ります。薄着の日にも使うなら、そこから10cm以上短くできる調節幅があるかも見てください。
- Q. 手持ちのバッグの紐が、コートの上だと短くて困っています
- 紐の端に金具がついていて付け替えられるなら、長い替えの紐をつけるのがいちばん簡単です。付け替えられない革の紐は、お直しの店で穴を足してもらえることがあります。どちらも難しい場合は、そのバッグは秋冬は肩掛けではなく手持ちで使う、と決めてしまう方法もあります。
- Q. ダウンの上で斜めがけすると、紐が滑ってずれます
- 表面がつるっとした生地の上では、細い紐ほど滑りやすくなります。紐の幅が3cm前後ある布の紐に替えると、面で押さえるので滑りにくくなります。また、バッグの本体を体の真横ではなく、少し前に置くと、紐が肩の頂点を通らなくなり、ずれが減ります。
- Q. コートの生地が紐でこすれて毛玉になります
- ウールのコートは、紐が同じ場所を何度もこする肩と脇で毛玉ができやすくなります。紐の裏が粗い革や金具のないなめらかな素材を選ぶと減らせます。できてしまった毛玉は、引っ張らずに、毛玉取りの道具で表面だけをそっと刈ってください。肩掛けの位置を日によって左右で替えると、片側だけが傷むのも防げます。
— メグラシ編集部





