ゆるい服は体に沿う場所を三つ残す|全部離すと立っている形が消える

ゆったりした形の服でそろえた日がぼんやりするのは、ゆとりの量が多いからではありません。布が体から離れている場所ばかりになって、体の輪郭の線がどこにも出ていないからです。 沿っている場所を三つ残す。それだけで、同じ服が立っている形として読まれます。
見るのは、体に沿っている場所の数
ゆるい服は、体との距離をわざと空けてある服です。距離が空いていること自体は問題ではありません。空いている場所しか無い状態が問題です。
判定の軸は1つです。
体に沿っている場所の数:三つ以上・二つ・一つ以下
数えるのは首・肩・手首・腰・足首の5か所。この5か所は、体の輪郭が細くなっている場所か、方向が変わる場所です。服がここに触れていれば、外から見たときに体の線がそこに一本出ます。
数え方|5か所を触って、手のひらが入るか
上から順に確かめます。服と体のあいだに、自分の手のひらが平らに入るかどうかを見てください。
首は、襟ぐりと首のあいだ。肩は、肩の縫い目と肩の骨のあいだ。手首は、袖口と手首のあいだ。腰は、いちばん細いところと布のあいだ。足首は、裾と足首のあいだ。
手のひらがまるごと入るなら離れている側、入らないなら沿っている側です。 指が四本まで入って手のひらが入らないなら、沿っている側に数えて構いません。2〜3cm浮いているだけなら、外から見た線は体の線とほぼ重なるからです。
一度全身を数えると、10秒ほどで終わります。朝の鏡の前で、上から下へ順に触るだけです。
数えるときは、腕を下ろした状態で数えてください。腕を上げると袖が下がり、手首が出て見えます。実際に人から見られているのは腕を下ろした状態なので、そこで測るのが正確です。
沿っている数3段階
| 沿う数 | 外から見えるもの | 必要な手当て |
|---|---|---|
| 三つ以上 | 体の輪郭が線として読める | 不要 |
| 二つ | 上下どちらかだけ形が残る | 一つ足す |
| 一つ以下 | 布のかたまりとして見える | 手首と足首を出す |
手当てが要るのは、下の二段だけです。 三つあるなら、他の部分をどれだけゆるくしても構いません。
段を上げるのに、服を替える必要はありません。二つの日に一つ足す作業は、袖か裾のどちらかを折るだけで済みます。一つ以下の日でも、袖と裾の両方を折れば二つ増えて、その場で上の段に届きます。数え終わってから手を動かすまでが、合計で1分ほどです。
なぜ、全部離すと形が消えるのか
人が服を見るとき、最初に読むのは輪郭の線です。線がどこで内側へ入り、どこで外へ出るか。その上下の並びで、体の形が推測されます。
すべての場所で布が離れていると、輪郭は上から下まで同じ幅の面になります。面には方向がないので、どこが上でどこが下かという情報が出ません。結果として、服だけが見えて体が見えない状態になります。
これは体型の話ではありません。線が一本も出ていないという、情報の量の話です。 どんな体型でも、線が三本出れば形は読まれます。
線は多ければよいというものでもありません。5か所すべてで沿っていると、今度はゆとりのある服を着ている意味が消えます。三つというのは、線が読めて、かつゆとりも残る数です。
線の位置にも順番があります。上端と下端に一本ずつあると、そのあいだの距離が縦の長さとして読まれます。中央だけに三本集まっていると、距離が読めません。三つ数えるときは、上半分に一つ、下半分に一つが入っているかを確かめてください。
鏡から2〜3歩下がって見ると、この違いがはっきりします。近くでは布のしわや生地の質感が見えますが、離れると輪郭の線だけが残ります。人から見られている距離は、鏡の前より遠いところです。
三つの作り方①|手首を出す
いちばん速いのは袖です。手首の骨がひとつ見える位置まで、袖口を折り返してください。 折り返しは二回まで。三回折ると袖口が太くなり、そこに新しいかたまりができます。
袖の生地が厚くて折れない日は、袖口を引き上げて肘の下で止めるだけでも働きます。手首が見えていれば、腕の細い部分が線として出ます。
折り返した幅は、3cmから5cmのあいだに収めてください。それより狭いと戻ってしまい、広いと袖口が二重の輪になって目立ちます。
どちらの腕も同じ幅に折ってください。左右で幅が違うと、手首の高さが違って見えます。折ったあとに両腕を下ろして、袖口の縁が同じ高さに並んでいるかを鏡で見る。 これで揃います。
袖口に紐や留め具のある一枚は、折る前にそこを外してください。留めたまま折ると、留め具の厚みが折り返しの中に入り、袖口だけが太くなります。
三つの作り方②|足首を出す
裾です。足首の骨が見える位置まで、裾を折るか、丈の短い靴に替えてください。
折る場合は、外へ二回。内側へ折り込むと、外からは丈が短くなっただけに見えて、線がはっきりしません。外へ折れば折り返しの縁が横の線になり、そこで区切りができます。
靴で作る場合は、履き口が足首の骨より下にある一足を選んでください。足首を覆う靴だと、裾を折っても線が靴に吸収されます。
秋は靴下が厚くなる時期です。厚い靴下を履くと足首の位置が太くなり、せっかく出した線が埋まります。足首で線を作る日は、薄い靴下を選んでください。
三つの作り方③|腰の位置を出す
三つ目が要るときは腰です。方法は二つあります。
一つは、上を下の中に入れること。 前だけを少し入れる形でも、腰の位置に横の線が一本入ります。全部入れると腰が完全に沿うので、線は強く出ます。
もう一つは、羽織りの前を開けること。 左右の布の縁が縦の線になり、そのあいだから中の面が細く見えます。この幅が体の幅として読まれるので、腰に触れていなくても線として働きます。
一本で締める方法もありますが、締めた場所の上下に布が寄るので、ゆとりの多い服では横の広がりが増えることがあります。締めるなら、寄った布を上下に均等にならしてから鏡を見てください。
首元は、沿わせるより開ける
首は、5か所のなかで唯一「沿わせない」ほうがよい場所です。首に布が沿うと、顔と体のあいだの区切りが消えて、頭から胴までが一つの塊になります。
開いた襟ぐりは、鎖骨の線を見せます。鎖骨は横に走る線なので、それ自体が区切りとして働きます。首元で数えるのは、布が沿っているかではなく、鎖骨が見えているかです。
秋に首が詰まった一枚を着る日は、首元の一か所は最初から数えないでください。残る4か所のうち三つで作ればよいと考えると、判断が速くなります。
生地の落ち方で、同じゆとりでも見え方が変わる
同じだけ体から離れていても、生地によって輪郭は変わります。まっすぐ下へ落ちる生地は、離れていても縦の線を作ります。外へ張り出す生地は、離れた分がそのまま幅になります。
見分け方は簡単です。服をハンガーにかけて、真横から見てください。裾が壁と平行に落ちているなら落ちる生地、外へ膨らんでいるなら張り出す生地です。
張り出す生地の一枚を着る日は、沿っている場所を三つではなく四つ確保してください。張り出しは、離れている場所の数を実質的に一つ増やすのと同じ働きをします。
秋に手に取る生地は、夏のものより厚く、外へ張り出す側に寄ります。編み地のもの、起毛したもの、裏に別の生地が入ったもの。同じ形の一枚でも、夏に着たときより離れて見えるのはこのためです。 去年の秋にうまく着られなかった一枚があるなら、サイズではなく線の数を先に数えてください。
どちらとも取れるとき|上下ともゆるいものしかない
上もゆるく、下もゆるい。この日でも三つは作れます。
袖を折って手首、裾を折って足首。これで二つです。 三つ目は、上を下の中に前だけ入れて腰の位置を出すか、上着の前を開けて中の面を細く見せてください。
どれもできない日は、二つで止めて構いません。二つあれば、全身の上端と下端に線が入ります。 中央が読めないだけで、かたまりには見えません。
どちらとも取れるとき|羽織りを足したら数が減った
外側に一枚足すと、それまで出ていた線が隠れます。丈の長い一枚なら腰と足首、袖の長い一枚なら手首。外側の一枚が、下に着たものの線を上書きします。
戻し方は、外側の一枚に対して同じ手順をやり直すことです。外側の袖を折って手首を出す。前を開けて腰を見せる。重ねた日は、数えるのは外側の一枚だけと決めておくと迷いません。
どちらとも取れるとき|ゆとりが多すぎるのか、線が無いのか
鏡を見て違和感があるとき、原因はゆとりの量ではなく線の数であることがほとんどです。確かめ方は、袖を折って手首を出してみることです。
それで見え方が変わるなら、原因は線の数でした。ゆとりはそのままで構いません。変わらないなら、そのときはじめてサイズの側を疑ってください。先に線を試すという順番だけ決めておけば、朝に服を替える回数が減ります。
秋の重ね着で、何が起きているか
気温が下がると、着る枚数が増えます。枚数が増えるほど、外側の一枚が覆う面積が増え、線の出る場所が減ります。
厚い一枚を重ねると、布と体のあいだの距離そのものも広がります。夏に二つ出ていた線が、同じ服の上に一枚足しただけでゼロになることもあります。
対処は、外側の一枚で三つ作り直すことです。袖を折る、前を開ける、丈の短い靴に替える。 中に何枚着ていても、外から見えるのは外側の一枚だけです。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 上下ともゆるく、袖も裾もそのまま | 線が一本も出ず、布のかたまりに見える | 袖と裾を折って二つ作る |
| 袖を三回折る | 袖口が太くなり、そこに新しい塊ができる | 折り返しは二回、幅3〜5cmまで |
| 裾を内側へ折り込む | 丈が短くなるだけで区切りが出ない | 外へ二回折り、縁を見せる |
| 足首を出した日に厚い靴下を履く | 足首が太くなり、出した線が埋まる | 薄い靴下に替える |
| 羽織りを足したあと数え直さない | 下で作った線が上書きされる | 外側の一枚で作り直す |
まとめ|五つ触って、三つ残す
- ゆるい服がぼんやりするのは、体に沿う場所がゼロか一つしか無いため
- 首・肩・手首・腰・足首を触り、手のひらが入るかで数える
- 沿っている場所が三つあれば、ゆとりはどれだけ多くても構わない
- 作りやすいのは手首と足首。袖を折る、裾を折る、丈の短い靴に替える
- 重ねた日は、外側の一枚だけを数え直す
ゆったりした服は難しいと言われます。 けれど実際に起きていたのは、線が一本も残っていないという単純な状態でした。
線は、服を替えなくても作れます。袖を折る、裾を折る、前を開ける。 どれも十秒で終わります。
次にゆるい一式を着る日は、鏡の前で上から下へ五か所を触ってください。三つで指が止まれば、その日はもう形が出ています。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ゆったりした服でそろえると、体の形が分からなくなります
- 体に沿っている場所を数えてください。首・肩・手首・腰・足首の5か所で、服と体のあいだに手のひらが入るかを順に確かめます。入るなら離れている、入らないなら沿っている、という数え方です。沿っている場所が三つあれば、他がどれだけゆるくても、立っている形は読めます。ゼロか一つのときだけ、布のかたまりとして見えます。ゆとりの量そのものを減らす必要はありません。
- Q. どの場所を沿わせればいいですか
- 手首と足首から先に作ってください。この二つは、袖をまくる、裾を折る、丈の短い靴に替える、のどれかで数秒で作れます。腰は、上着の前を開けて中の細い面を見せるか、一本で締めるかで作れます。首と肩は服の形そのもので決まるので、その日変えるのは難しい場所です。変えやすい二か所を先に押さえて、足りなければ腰を足すという順番が速く決まります。
- Q. 手のひらが入るか入らないか、ちょうど境目のときは
- 指が四本まで入って手のひらが入らないなら、沿っている側として数えて構いません。判定の目的は、そこに体の輪郭の線が見えるかどうかです。布が体から2〜3cm浮いているだけなら、外から見たときの線は体の線とほぼ重なります。手のひらがまるごと入る、つまり5cm以上離れている場所だけを、離れている側に数えてください。
- Q. 上下ともゆるいものしか手元にない日はどうしますか
- 袖と裾で二か所作ってください。袖は手首の骨が見える位置までまくり、裾は足首の骨が見える位置まで折ります。この二か所だけで、全身の上端と下端に体の線が戻ります。三つ目が要るなら、上を下の中に入れて腰の位置を出すか、上着の前を開けて中の面を細く見せてください。前を開けると、左右の布の縁が縦の線になり、そのあいだの幅が体の幅として読まれます。
- Q. 秋の重ね着をすると、数が減ってしまいます
- 外側の一枚が、手首と足首を覆っていないかを確かめてください。丈の長い羽織りを足すと、腰と足首の二か所が一度に隠れます。袖の長い一枚を足すと手首が隠れます。重ねる枚数を減らすのではなく、外側の一枚の袖を折り返して手首を出す、前を開けて腰の位置を見せる、という戻し方をしてください。重ねるほど、数えるのは外側の一枚だけになります。
— メグラシ編集部





