着回しできる服|買う前に手持ちと何通り組めるか数えて決める

着回しできる服かどうかは、その服の形では決まりません。あなたのクローゼットにある服と、何通り組めるかで決まります。 買う前に数えて、3通り未満なら、それはあなたにとっての「着回しできる服」ではありません。
白いシャツ、黒のテーパードパンツ、ベージュのカーディガン。着回しの定番として挙げられる服は、誰にとっても便利そうに見えます。ところが実際には、同じ白いシャツが、ある人のクローゼットでは7通りに組めて、別の人のクローゼットでは1通りしか組めない、ということが起きます。手持ちのボトムスの丈や色や場面が違えば、組める数はまるで変わるからです。
この記事では、気になった1枚を買う前に、手持ちの服と1組ずつ照らし合わせて、何通り組めるかを数える方法をまとめます。数えるのに必要なのは、手持ちの服を思い浮かべる時間と、メモ1枚だけです。
襟ぐり・袖・裾の形から着回しやすい服を見分ける話は着回ししやすい服を形で見分ける記事にあります。この記事は、その形を、あなたの手持ちに当てはめて数にする話です。
結論:3通り組めなければ、着回しの1枚に数えない
先に基準を置きます。買おうとしている1枚が、手持ちの服と何通り組めるかを数えて、
| 組める数 | 扱い |
|---|---|
| 0〜2通り | 特定の場面のための服。着回しの1枚には数えない |
| 3〜4通り | 手持ちの穴を埋めるなら買ってよい |
| 5通り以上 | 迷わず買ってよい |
この表は答えの一覧ではなく、数を出したあとに判定するための物差しです。大事なのは、どの服がよいかではなく、あなたの手持ちと組んで何通りになるか、のほうです。
0〜2通りの服を買ってはいけない、という意味ではありません。式典や旅行など、特定の場面のために買う服はあってよいものです。ただ、それを「着回しできる服」として買うと、思ったほど着ないまま季節が終わります。買う理由を先に分けておくと、あとで迷いません。
3通りという数には理由があります。週に5日服を選ぶとして、同じ組み合わせを2日続けて着ないためには、その1枚に少なくとも2〜3通りの組み方が必要です。3通りあれば、同じ服を週に2〜3回着ても、毎回違う組み合わせにできます。2通り以下だと、その服を着る日は、ほぼ同じ見た目が続きます。「また同じ服」と自分で感じるようになると、手に取る回数が減っていき、結果として着回しの1枚ではなくなります。
5通りを超えると、その服はクローゼットの中心になります。毎朝まず手に取り、それに合わせて残りを選ぶ服です。そういう服は1シーズンに2〜3枚あれば十分で、全部の服を5通り以上にする必要はありません。
数える前に:「この3か月に着た服」だけを並べる
数える相手は、クローゼットにある服の全部ではありません。この3か月のうちに、一度でも着た服だけです。
着ていない服と組めることにして数を増やしても、その組み合わせを実際に着る日は来ません。数字が大きく出て安心するだけで、買ったあとに「思ったより着ない」が起きる原因になります。
紙かスマートフォンのメモに、この3か月に着たボトムスとトップスと羽織りを書き出してください。買おうとしている服がトップスなら、照らし合わせる相手はボトムスです。ボトムスならトップス、羽織りなら「いつも着ている上下の組み合わせ」が相手になります。
秋に数えるなら、真夏に着ていた服は外して、9月以降に着た服と、これから冬にかけて着る予定の服を相手にします。季節が合わない服と組めることにしても、同じ日に着ることはないからです。
3か月に何を着たか、思い出せないこともあります。いちばん確かなのは、洗濯した服を思い出すことです。洗濯かごに入った服は、少なくとも一度は着ています。スマートフォンの写真を3か月分さかのぼって、自分が写っている写真の服を拾っていくのも確かな方法です。これから先のために、ハンガーの向きを使う方法もあります。クローゼットのハンガーを全部同じ向きに掛けておき、着て戻した服だけ向きを逆にします。3か月後に向きが変わっていない服は、その期間に着なかった服です。
書き出すときは、トップスとボトムスと羽織りで、それぞれ枚数を数えておいてください。トップスが10枚あってボトムスが3本しかない、というように偏りがあると、トップスを買い足しても組める数は伸びにくくなります。数える前に、手持ちのどちら側が少ないかを知っておくと、そもそも何を買うべきかが先に見えてきます。
1つ目の関門:色は「明るさ」で判定する
照らし合わせる1つ目は、色です。色の相性は好みで分かれやすいので、ここでは色味ではなく、明るさだけで判定します。
方法は、2枚の服を並べてスマートフォンで撮り、白黒に加工して見ることです。白黒にすると、色味が消えて明るさだけが残ります。
判定は2つに分かれます。白黒で2枚がはっきり違う明るさに見えれば、組み合わせとして通ります。濃いパンツに明るいトップス、明るいパンツに濃いトップス、という組み方です。白黒でほぼ同じ明るさに見えるときは、色味が同じ仲間なら通り、違う仲間なら通しません。紺と紺、ベージュと茶色のような同じ仲間は、同じ明るさでも、ひとつながりの服に見えて落ち着きます。紺と茶色のように仲間が違うのに明るさが同じだと、境目がぼやけて、どちらの色もくすんで見えやすくなります。
売り場で手持ちの服を並べられないときは、手持ちの服の写真を1枚ずつスマートフォンに入れておき、売り場の服と一緒に画面に並べて白黒にすると、その場で判定できます。
光沢も、ここで一緒に見ておきます。サテンのように光る生地と、起毛したウールのように光を吸う生地を組むと、明るさが同じでも、表面の差で境目がはっきりします。白黒にしたときに同じ明るさに見えても、片方が光り、片方がつやのない生地なら、通してよい組み合わせです。反対に、両方が強く光る生地だと、明るさが違っても全体がよそ行きに寄りすぎるので、次の「場面」の関門で引っかかりやすくなります。
2つ目の関門:丈と幅は「片方が細い」かどうか
2つ目は、丈と幅です。上下のどちらか片方が体に沿っていれば、組み合わせとして通ります。両方とも広いと、全身の輪郭が四角になって、着ている人より服の量が目立ちます。
幅の目安は、トップスなら身幅、ボトムスなら裾幅で見ます。平置きで、トップスの身幅が自分の体の幅より10cm以上広ければ「広い」、5cm以内なら「沿っている」と考えます。ボトムスは裾幅(片側)が22cm以上なら「広い」、18cm未満なら「細い」です。
丈は、トップスを外に出して着るときだけ見ます。トップスの着丈が、肩の縫い目から測って65cm以上あると、腰が隠れる長さになります。この長さのトップスは、細いボトムスと組むときに通り、ワイドパンツと組むときは通りません。55cm前後の着丈なら、ほとんどのボトムスと組めます。
ボトムスを買うときは、反対に、股上の深さと手持ちのトップスの着丈を照らし合わせます。股上が深いパンツは、ウエストの位置が高くなるので、着丈の長いトップスを外に出すと、ウエストから下の見える部分が短くなります。股上が深いパンツを検討しているなら、手持ちのトップスのうち、着丈が60cm未満のものと、中に入れて着られる薄手のものが何枚あるかを数えてください。その枚数が、そのパンツの組める数の上限になります。
中に入れて着る前提なら、丈の判定は省いて構いません。入れ方で変わる部分は服をズボンに入れる記事にまとめています。
秋冬は、幅のほかに生地の厚みも見てください。厚手のニットと、厚手のウールのワイドパンツを組むと、どちらも体から離れて、幅の判定では通っても全体が重くなります。厚みの目安は、生地を親指と人さし指でつまんだときの感触です。つまんだ指のあいだが5mm以上開くなら厚手、2〜3mmなら中くらい、ほとんど開かないなら薄手と考えます。上下のどちらかが厚手なら、もう片方は中くらいか薄手にする。この条件も、丈と幅の関門に含めて判定します。
3つ目の関門:場面がひとつでも重なるか
3つ目は、場面です。2枚の服に、同じ日に着ていける場面がひとつでもあるかを見ます。
場面は3つに分けると数えやすくなります。仕事の日、休日、少しよそ行きの日。買おうとしている服と、相手の服、それぞれがどの場面に行けるかを書き出し、重なる場面がひとつでもあれば通ります。
たとえば、仕事と少しよそ行きに行けるきれいめのブラウスと、休日にしか着ないデニムは、場面が重なりません。色と幅が通っても、この組み合わせは数に入れません。実際には休日にブラウスとデニムを合わせることもありますが、それはブラウスを「休日にも行ける服」として書き出した場合です。書き出すときに、自分がその服を本当に休日に着るかどうかで決めてください。
場面の書き出しで迷うのは、職場の服装の決まりが緩い場合です。仕事の日にデニムを着てもよい職場なら、デニムは「仕事」と「休日」の両方に書けます。ただし、実際に仕事の日にデニムを着た日が、この3か月で一度もないなら、仕事には書かないでください。書き出すのは、行ってもよい場面ではなく、実際にその服で行った場面です。
少しよそ行きの日は、人によって中身が違います。友人との食事、子どもの学校行事、通院、観劇。自分にとっての「少しよそ行き」を、この3か月で何回あったかと一緒に書いておくと、その場面に行ける服をどれだけ持つべきかも見えてきます。月に一度もないなら、その場面のための服を、着回しの数に入れて買う必要はありません。
1組ずつ照らし合わせて、数を出す
ここまでの3つの関門を、相手の服1枚ずつに当てていきます。
買おうとしている服がトップスで、この3か月に着たボトムスが5本あるなら、5組を順に見ます。色が通るか、丈と幅が通るか、場面が重なるか。3つ全部が通った組だけに丸をつけます。丸の数が、組める数です。
慣れないうちは、メモに表を作るより、相手の服の名前を縦に並べて、横に「色・丈幅・場面」と3つの欄を書くだけで十分です。通ったら丸、通らなかったらばつ。3つとも丸の行だけを数えます。ばつがついた行も消さずに残しておくと、どの関門で落ちたかが一目で分かります。色で落ちた組み合わせが多いなら、その服は手持ちと明るさが近すぎるということです。丈や幅で落ちたものが多いなら、手持ちのボトムスとの形の相性に偏りがあります。場面で落ちたものが多いなら、その服は自分の暮らしの中で着ていく場所が少ない服です。落ちた理由が分かると、同じ形で色違いを選ぶ、少し丈の短いものを探す、といった次の一手も見えてきます。
羽織りを数えるときは、相手が「服1枚」ではなく「上下の組み合わせ1つ」になります。この3か月によく着た上下の組み合わせを書き出して、その上に羽織ったときに、色と丈と場面が通るかを見ます。羽織りの丈は、中に着ているトップスの裾より5cm以上長いか、5cm以上短いかを見ると判断しやすくなります。同じくらいの長さだと、裾が2枚重なって、どちらも中途半端に見えます。
一度数えてみると、思っていたより数が少ない服と、思っていたより多い服がはっきり分かれます。その差を見るだけでも、次に何を買えばよいかが見えてきます。
数えてみる:ボトムス5本のクローゼットで
ひとつの例で、数える流れを追ってみます。この3か月に着たボトムスは、紺のテーパードパンツ、黒のワイドパンツ、明るいベージュのワイドパンツ、濃い色のストレートのデニム、グレーのプリーツスカートの5本です。売り場で、オートミール色の厚手のカーディガンと、紺のとろみのあるブラウスで迷っています。
まず、カーディガンです。色は、白黒にすると明るい側の中間でした。紺のテーパード、黒のワイド、デニムとは、はっきり明るさが違うので通ります。ベージュのワイドとは同じ明るさで、色味も同じ茶系の仲間なので通ります。グレーのプリーツとは同じ明るさで、色味の仲間が違うので通りません。丈と幅では、カーディガンは身幅が広く、黒のワイドとベージュのワイドとは両方が広くなるので通りません。場面は、休日と仕事の両方に行けるので、残った組み合わせは全部通ります。結果、通ったのは紺のテーパードとデニムの2通りでした。
次に、ブラウスです。色は濃い側なので、紺のテーパードとは同じ明るさの同じ仲間で通り、黒のワイドとは明るさが近く色味の仲間も近いので通ります。ベージュのワイドとグレーのプリーツとは、明るさがはっきり違うので通ります。デニムとは明るさが同じで、仲間は同じ青系なので通ります。幅は、ブラウスが体に沿う形なので、ワイドとも組めます。場面は、ブラウスは仕事と少しよそ行き、デニムは休日だけなので、デニムとの組み合わせは外れます。結果、4通りです。
売り場で手に取ったときは、カーディガンのほうが「着回せそう」に見えていました。数えてみると、この人のクローゼットでは、ブラウスのほうが2倍組めることになります。カーディガンを買うなら、細いボトムスか、明るさが違う濃い色のスカートを先に1本足してからのほうが、組める数が伸びます。
どちらとも取れるとき①:組める数は少ないが、相手がいちばん着る服
組める数が2通りしかない。でも、その2通りの相手が、この3か月でいちばん着たボトムスだった。この場合は判断が分かれます。
ここでは、相手の服の着用回数を足して考えます。2通りの相手が、合わせて週に3日以上着ている服なら、買った服も週に2〜3日は出番があります。3通りの基準に届かなくても、実際の出番は十分です。この場合は「3〜4通り」の扱いにして、手持ちの穴を埋める服として買ってよいと考えます。
反対に、組める数が4通りあっても、相手がどれも月に1回しか着ない服なら、実際の出番は少なくなります。数だけでなく、その組み合わせを月に何回着られそうかを、最後にもう一度だけ見てください。
もうひとつの迷い方は、組める数がちょうど3通りで、そのうち1通りが、自分でもあまり好きではない組み合わせだった、という場合です。数の上では合格でも、実際にはその組み合わせを着ないので、出番は2通り分になります。数え終わったら、丸をつけた組み合わせを1つずつ思い浮かべて、「この組み合わせで出かけたいか」をもう一度だけ確かめてください。出かけたくない組み合わせは、丸から外して数え直します。
どちらとも取れるとき②:色の判定が割れる
白黒で撮ってみたら、明るさが「はっきり違う」とも「ほぼ同じ」とも言いにくい中間だった。売り場の照明と家の照明で見え方が変わって、判定がぶれる。これも迷いやすいところです。
中間の明るさの組み合わせは、間に入る3色目で決まります。靴かバッグかベルトに、2枚のどちらか一方と同じ色を入れられるなら通します。たとえば中間の明るさの紺のパンツとグレーのニットなら、紺の靴を合わせると、紺が上下をつなぐので落ち着きます。3色目を手持ちで用意できないなら、その組み合わせは数に入れません。
照明の差が気になるときは、売り場の窓際か入り口近くの自然光で撮ってください。家でも窓際で撮ると、条件がそろいます。
どちらとも取れるとき③:柄物と、強い色の服
柄物や、赤や黄色のような強い色の服は、数えると少なく出がちです。それでも欲しい、という場合の考え方です。
柄物は、柄の中にある色を1つ選んで、手持ちのボトムスかトップスに同じ色があるかを見ます。柄の中の色と同じ色の服と組むと、柄が全身の中で浮かずに収まります。柄の中の色と同じ色の手持ちが3枚以上あれば、柄物でも3通りに届きます。
強い色の服は、相手をすべて無彩色(白・黒・グレー・紺)にしたときに何通りになるかで数えます。無彩色の手持ちが多い人ほど、強い色の服は着回しやすくなります。手持ちに無彩色が少なく、ベージュや茶色が中心なら、強い色の服は組める数が伸びにくいので、まず小物から取り入れるのが無理のない順番です。
柄の大きさも、組める数に効いてきます。柄ひとつが手のひらより大きい服は、相手の服に柄がひとつもないときだけ通します。手のひらより小さい細かな柄なら、遠目には無地に近く見えるので、相手に小さな柄があっても組めることが多くなります。細かな柄の服は、無地と同じ数え方で数えてしまって構いません。
どちらとも取れるとき④:手持ちが多すぎて数えきれない
クローゼットに服がたくさんあって、1組ずつ照らし合わせるのが大変、という方もいます。その場合は、数える相手を絞ります。
この3か月に着た服のうち、着た回数が多い順に、トップスとボトムスをそれぞれ5枚ずつ選んでください。その10枚だけを相手に数えて、3通り以上組めれば合格です。よく着る服と3通り組めるなら、残りの服と組めるかどうかは、実際の出番にほとんど影響しません。
逆に、よく着る5枚と1通りも組めず、あまり着ない服とばかり組める服は、買っても出番が少なくなります。クローゼットに服が多い人ほど、このずれが起きやすいところです。
服が多いと、似た服を何枚も持っていることもよくあります。紺のパンツが3本あるなら、数えるときは1本として扱ってください。似た3本と組めることを3通りと数えると、見た目はほぼ同じ組み合わせが3つ並ぶだけで、実際の着回しは1通りぶんしか増えません。色と幅が近い服は1つにまとめて、まとめたあとの数で3通りに届くかを見ます。
ネットで買うときの数え方
ネットで買う服は、手に取って並べることができません。それでも、寸法を使えば数えられます。
商品ページに書かれている着丈と身幅(トップス)、股上と裾幅(ボトムス)を見て、手持ちのいちばん形の近い服の同じ場所を測ります。差が3cm以内なら、その手持ちの服と同じ組み合わせ方ができる、と考えて数えます。手持ちのその服が4通り組めていたなら、新しい服も4通りに近い数が出ます。
色は、画面の設定で見え方が変わるので、色味の判定には使いません。明るさだけを見ます。商品写真を白黒に加工して、手持ちの服の写真と並べれば、明るさの判定は売り場と同じようにできます。
素材の表示も確かめておきます。商品ページに書かれた素材の割合で、光沢と厚みの見当がつきます。ウールが多ければ起毛した光を吸う生地、ポリエステルが多くとろみと書かれていれば、光る薄手の生地であることが多いです。手持ちの服の洗濯表示の素材と見比べると、厚みの関門も売り場と同じように判定できます。返品できるかどうかも、買う前に見ておいてください。届いてから手持ちと並べて数え直し、3通りに届かなければ返す、という順番にしておくと、ネットでも数え方がそのまま使えます。
秋冬に数えるときに足すこと
秋冬は、トップスとボトムスの上に、羽織りとコートが重なります。数える段数が1つ増えるので、春夏とは少し考え方を足します。
秋冬に買うトップスは、羽織りの下に着たときの袖と首元も見てください。袖が太いニットは、細い袖のジャケットの中に入りません。首元が詰まったニットは、襟の大きいコートと重なって、首まわりが混みます。このどちらかに当たる羽織りが手持ちにあるなら、その羽織りと組む組み合わせは数から外します。
コートは、春夏の羽織りより着る期間が長く、手持ちの上下のほとんどと組む前提で考えるので、5通り以上を基準にすると失敗しにくくなります。コートの形と中に着る服の厚みの関係は、コートの形の名前と中に着る厚みの記事にまとめています。
羽織りを数えるときの例も挙げておきます。この3か月によく着た上下の組み合わせが、紺のパンツと白いシャツ、黒のワイドとグレーのニット、デニムとボーダーのカットソーの3つだとします。キャメルのジャケットを検討しているなら、まず色です。3つとも、白黒にしたときにジャケットと明るさがはっきり違うので通ります。次に丈で、ジャケットの着丈と中のトップスの裾が5cm以上離れているかを見ます。白いシャツは外に出すとジャケットと同じくらいの長さになるので、中に入れて着る前提でだけ通します。最後に場面で、デニムとボーダーは休日だけ、ジャケットは仕事と少しよそ行きなので外れます。結果は2通りで、羽織りとしては少なめです。休日にもジャケットを着るつもりがあるかどうかで、買うかどうかが決まります。
数えたあとに、何を買い足すか
数えてみると、どの服を買っても組める数が伸びない、という結果が出ることがあります。これは手持ちの側に、組み合わせの「つなぎ」になる服が足りていないということです。
つなぎになる服は、手持ちのボトムスのうち、いちばん多い明るさの反対側にあるトップスです。濃いボトムスが多いなら明るいトップス、明るいボトムスが多いなら濃いトップス。幅は体に沿ったもの。場面は仕事と休日の両方に行けるもの。この3つを満たすトップスを1枚足すと、それだけで、手持ちのボトムスのほとんどと組めるようになります。
この1枚を足してから、もう一度、気になっていた服の組める数を数え直してみてください。前は2通りだった服が、4通りに伸びていることがあります。買う順番を入れ替えるだけで、同じ服でも着回しの数は変わります。
数えた結果は、メモに残しておくと次の買い物で役に立ちます。買った服の名前と、組める数と、その相手の服を書いておくだけです。3か月後に見返して、実際によく着た組み合わせに印をつけると、自分にとってどの関門がいちばん効いていたかが分かってきます。色の判定でよく外れていたなら、明るさの差を大きめに取る。丈で外れていたなら、着丈の目安を5cm短めに見る。数え方そのものが、少しずつ自分のクローゼットに合わせて調整されていきます。
服を手放すときにも、同じ数え方が使えます。手持ちの服を1枚ずつ、ほかの手持ちと何通り組めるかを数えて、0通りの服から見直していく。組める相手がいない服は、どれだけ気に入っていても、着る日がなかなか来ません。その服と組める1枚を足すか、手放すかを決めると、クローゼットの中で組み合わせの数が少しずつ増えていきます。
まとめ:服ではなく、組み合わせの数を見る
着回しできる服は、どこかに決まった正解があるわけではありません。あなたのクローゼットにある服と、何通り組めるかで決まります。
この3か月に着た服だけを相手に、色は明るさで、丈と幅は片方が細いかどうかで、場面はひとつでも重なるかで、1組ずつ照らし合わせる。3つ全部が通った組を数えて、3通り未満なら見送る。迷ったら、相手の服をどれだけ着ているかを足して考える。
買う前の数分で数を出しておくと、買ったあとに「思ったより着ない」が減っていきます。
よくある問い
- Q. 着回しできる服は、何通り組めれば合格ですか
- 3通りが目安です。0〜2通りなら、特定の場面のために買う服として扱い、着回しの1枚には数えません。3〜4通りなら、手持ちの穴を埋めるなら買ってよい服、5通り以上なら迷わず買ってよい服です。ただし数えるのは、この3か月に一度でも着た服との組み合わせだけです。
- Q. ネットで買うときは試着できません。どう数えればいいですか
- 商品ページの着丈と身幅、またはパンツの股上と裾幅を、手持ちの似た服と比べてください。手持ちの服を平らに置いて同じ場所を測り、差が3cm以内なら、その手持ちの服と同じ組み合わせ方ができると考えて数えます。色は画面で見え方が変わるので、明るさだけを判定に使い、色味は判定に使わないでください。
- Q. 組める数は多いのに、気に入っていない服はどうすればいいですか
- 数が多くても、手に取らない服は着回しになりません。数える前に、売り場で手に取った最初の3秒で「着たい」と思えたかどうかを確かめてください。そこで迷った服は、組める数が多くても見送って構いません。数は、好きな服の中から選ぶための道具です。
- Q. 手持ちの服が少なくて、何と組めるか数えるほどありません
- 手持ちが10枚未満なら、3通りという基準はそのままで、トップスとボトムスの両方を1枚ずつ足していく順番を決めてください。先に、いちばんよく着るボトムスと3通り組めるトップスを1枚。次に、そのトップスを含めて3通り組めるボトムスを1枚。交互に足していくと、5枚目あたりから数が一気に増えます。
— メグラシ編集部





