くすみカラーの重ね着がぼやける|隣り合う2色は明るさを2段あける

**くすみカラーの重ね着がぼやけるのは、色の組み合わせが悪いからではなく、隣り合う2枚の明るさが近すぎるからです。**まずはスマホで今日の服を白黒で撮ってみてください。服と服の境目が消えているところが、ぼやけの原因です。
くすみカラーは、色にわずかに灰色を混ぜたような、落ち着いた色の総称です。灰みのセージ、くすんだピンク、グレージュ、くすんだ青、くすんだラベンダーなど、どれも秋冬に出番が増える色です。1枚で着るとやわらかく、顔にもなじみやすい色が多いのですが、2枚、3枚と重ねたとたんに全体がぼんやりしてしまうことがあります。
この記事では、なぜくすみ色同士の重ね着がぼやけるのかを、明るさの段差で説明します。そのうえで、手持ちのくすみ色の服を使って、どこをどう入れ替えれば境目が戻るかを、場合ごとにまとめます。
くすみカラーそのものが自分に似合うかどうかはくすみカラーが似合う人とくすみカラーが似合わないと感じるときで扱っています。ここでは、似合うくすみ色を持っている人が、それを重ねたときの話に絞ります。
結論:隣り合う2枚は、明るさを2段あける
先に答えを書きます。くすみ色同士を重ねるときは、**隣り合う2枚の明るさを2段以上あけてください。**2段あれば、色みが似ていても境目が残り、全体がぼやけません。
| 隣り合う2枚の明るさの差 | 見え方 | どうするか |
|---|---|---|
| 0〜1段 | 境目が消えて、2枚が1枚に見える | どちらか1枚を入れ替えるか、境目を補う |
| 2段 | 境目がやわらかく残る | くすみ色らしい、いちばんきれいな重ね方 |
| 3段以上 | 境目がはっきり出る | 明るい側の面積を絞ると落ち着く |
ここでいう「段」は、白から黒までの明るさを、目で見分けられる範囲で区切ったものです。白い紙を0段、黒を8段くらいと考えると、くすみ色の多くは2段から5段の間に集まっています。つまり、くすみ色同士は、もともと明るさが近いところに並んでいる色です。何も考えずに2枚選ぶと、1段差か、ほとんど差がない組み合わせになりやすいのです。
まず30秒で確かめる:スマホで白黒写真を撮る
明るさの段差は、カラーで見ているとわかりにくくなります。色みの違いに目がいって、明るさが同じでも違う色に見えるからです。そこで、白黒写真を使います。
鏡の前で全身を撮るか、重ねる予定の服を床に並べて真上から撮ってください。撮った写真を、スマホの編集機能で白黒に変えます。多くのスマホには、写真のフィルターに白黒があります。
白黒にした写真で、次の2つを見てください。
1つ目は、トップスと羽織りの境目です。羽織りの前を開けたとき、中のトップスとの境目がはっきり見えるか、ぼんやり溶けているかを見ます。
2つ目は、トップスとボトムスの境目です。ウエストのあたりで、上と下の服が分かれて見えるかを見ます。
境目が溶けて見えるところは、明るさが1段以内しか離れていません。ここが、ぼやけの原因です。カラーで見たときに「なんとなくぼんやりする」と感じていた場所と、白黒で境目が消えている場所は、ほぼ必ず一致します。
段差を数える物差し:白い紙と黒い靴下
白黒写真で境目が消えているのはわかっても、何段ずらせばいいかまでは写真ではわかりにくいことがあります。そのときは、白い紙と黒い靴下を物差しにします。
床に白いコピー用紙を置き、その横に黒い靴下を置きます。この2つの間に、手持ちのくすみ色の服を、明るい順に並べてみてください。白に近いものから順に、紙の隣から靴下の手前まで1列にします。
並べてみると、くすみ色の服の多くが、列の真ん中あたりに固まっていることに気づくはずです。この真ん中の固まりの中で隣り合うものは、明るさが1段も離れていません。重ねてぼやけるのは、たいていこの固まりの中から2枚を選んだときです。
2段あけるには、この列の中で、**1つ飛ばしか、2つ飛ばしの2枚を選んでください。**真ん中の固まりから1枚、端のほうから1枚、という選び方にすると、自然に2段の差がつきます。
この並べ方は、一度やっておくと、毎朝の服選びが楽になります。くすみ色の服を、明るい順にクローゼットにかけておけば、隣同士を選ばないように気をつけるだけで済みます。
なぜくすみ色は、重ねると境目が消えるのか
くすみ色の重ね着がぼやけやすいのには、理由があります。くすみ色は、明るさも彩度も中くらいに寄っている色だからです。
はっきりした色同士なら、明るさが近くても、色の強さの違いで境目が見えます。たとえば鮮やかな赤と鮮やかな青は、明るさがほぼ同じでも、色の違いが強いので、2枚が混ざって見えることはありません。
ところが、くすみ色はどれも灰色が混ざっているので、色の違いが弱くなります。くすんだピンクとくすんだ青を並べても、鮮やかな赤と青ほどの差は出ません。色の差が弱いぶん、明るさの差がないと、目は2枚を区別できなくなります。
もう1つの理由は、素材です。秋冬のくすみ色は、ニットや起毛の生地に多い色です。こうした生地は表面がやわらかく、光を拡散させるので、服の輪郭がそもそもぼやけて見えます。素材の輪郭がぼやけているところに、色の差も弱いと、2枚の境目がほとんどわからなくなります。
つまり、くすみ色の重ね着では、色の違いと素材の輪郭という、ふだん境目を作ってくれる2つが、どちらも弱くなっています。だから、残った明るさの差で境目を作る必要があるのです。
段差を作れないときの、3つの補い方
手持ちの服の中に、2段あけられる組み合わせがないこともあります。くすみ色の服ばかりで、どれも列の真ん中に固まっている場合です。そのときは、明るさ以外の方法で境目を補います。
補い方1|素材の違いで境目を作る
明るさが近くても、素材の表面が違えば、境目は残ります。たとえば、やわらかい起毛のニットの上に、表面がつるりとした布のジャケットを重ねると、色が近くても2枚が分かれて見えます。
素材の違いは、光の返し方で見ます。2枚を並べて、照明を映してみてください。一方は光をやわらかく散らし、もう一方は光をはっきり返す、という組み合わせなら、境目が作れます。両方とも光を散らす素材なら、明るさの差がないと境目は消えます。
補い方2|細い線を1本入れる
2枚の境目に、細い線を1本入れる方法もあります。ベルト、シャツの襟、カーディガンの縁取りなど、幅1cmから3cmほどの線を、2枚の間に入れます。
線の色は、2枚のどちらよりも2段以上明るいか、暗いものにしてください。明るさの差がある線が1本入るだけで、目はそこを境目として認識します。線が細ければ、くすみ色の柔らかさは崩れません。
ウエストにベルトを入れると、トップスとボトムスの境目が戻ります。シャツの襟を出すと、ニットと顔の境目が戻ります。どちらも、手持ちのもので今日から試せる方法です。
補い方3|顔の真下に、1枚だけ段差のあるものを置く
全身の境目までは直せなくても、顔の真下だけは境目を作ってください。顔の真下がぼやけると、顔そのものまでぼんやり見えるからです。
顔の真下とは、あごの下から胸の上までの約15cmです。ここに、全身のくすみ色より2段明るいか暗いものを置きます。明るいマフラー、白に近いシャツの襟、少し濃い色のストールなどです。顔の真下に段差が1つあれば、全身がくすみ色でまとまっていても、顔は埋もれません。
どちらとも取れるとき、どう決めるか
ここからは、迷いやすい場面ごとに決め方を書きます。くすみ色の重ね着は、「ぼやけているのか、やわらかく見えているのか」の判断が難しく、人によって感じ方が分かれます。
白黒写真で1段半くらいの差がある
境目は見えるけれど、はっきりとは言えない、という差です。この場合は、その組み合わせを着る場所の明るさで決めます。
明るい室内や、晴れた日の屋外で着るなら、1段半の差でも境目は残ります。光が十分にあると、服の陰影が出て、輪郭が見えやすくなるからです。反対に、照明の暗い店内や、曇りの日、夕方以降に着るなら、1段半では足りません。光が弱いと陰影が出ず、明るさの差だけが頼りになるからです。
夕方以降に着る予定があるなら、もう半段あけるか、細い線を1本足してください。
ぼやけて見えるのが、自分にはやわらかく見えて好き
くすみ色の重ね着が好きな人の中には、境目が溶ける感じをあえて楽しんでいる人もいます。それ自体は悪いことではありません。全身が1つの雰囲気にまとまって、やさしい印象になるからです。
この場合に気をつけたいのは、顔まで溶けないようにすることだけです。全身の境目がなくても、顔の真下15cmだけに段差があれば、顔ははっきり見えます。全身のやわらかさを残したいなら、境目を作るのは顔の真下の1か所だけにしてください。
判断に迷ったら、少し離れた場所から自分を撮ってもらってください。2mほど離れて撮った写真で、顔の輪郭がはっきりしていれば、全身がやわらかく溶けていても大丈夫です。顔の輪郭まで背景に溶けているなら、顔の真下に段差を入れてください。
3枚以上重ねるとき、どこに段差を置くか
羽織り、トップス、ボトムスの3枚をくすみ色で重ねる場合、全部の境目に2段ずつ差をつけるのは難しくなります。くすみ色の明るさの範囲は狭いので、3枚の間に2段ずつあけようとすると、どれか1枚がくすみ色の範囲から外れてしまうからです。
3枚の場合は、**段差を作る境目を1か所に決めてください。**おすすめは、羽織りとトップスの間です。羽織りの前を開けると、中のトップスが縦長の面として見えます。この縦長の面と羽織りの間に段差があると、全身に縦の線が入って、すっきり見えます。
トップスとボトムスの間は、1段差か、同じ明るさでもかまいません。上下がつながると、縦長の面がさらに長く見えます。羽織りとトップスの間にだけ段差を置いて、残りはつなげる、という組み方です。
似合うくすみ色と、似合わないくすみ色が混ざっている
手持ちのくすみ色の中に、自分に合う色と合わない色が混ざっていることもあります。たとえば、くすんだピンクは顔になじむけれど、くすんだ青は顔が寒く見える、という場合です。
このときは、似合う色を顔の近くに、似合わない色を顔から遠くに置いてください。顔の真下には似合う色、ボトムスや羽織りには似合わない色、という配置です。似合わない色でも、顔から30cm以上離れれば、顔の色にはほとんど影響しません。
そのうえで、似合う色と似合わない色の間に2段の差があるかを見ます。差がない場合は、似合う色のほうを1段明るいものに替えると、顔が明るくなり、境目もできます。
自分がくすみ色に向いているのか、わからない
そもそも自分がくすみ色を着ていいのか迷っている人もいると思います。その場合は、まず1枚だけ、くすみ色を顔の真下に当ててください。顔の影が増えず、肌がなめらかに見えるなら、くすみ色は向いています。
影が増えたり、肌がくすんで見えたりするなら、顔の真下には澄んだ色を置いて、くすみ色は顔から遠い場所で使ってください。くすみ色の重ね着そのものは、顔から離れていれば楽しめます。
白黒写真では差があるのに、カラーで見るとぼやける
白黒で見ると2段の差があるのに、カラーで見ると全体がぼんやりする、ということもあります。この場合は、明るさではなく、彩度がそろいすぎています。
くすみ色は、どれも灰色が混ざって彩度が低めです。2枚とも同じくらいの彩度だと、明るさに差があっても、色の強さが均一なので、全体が平たく見えます。写真で言えば、コントラストを下げすぎたような状態です。
直すには、2枚のうち1枚を、くすみ色の中でも少しだけ彩度の高いものに替えてください。灰みのセージなら、少し緑の強いセージに。くすんだピンクなら、少し赤みのあるピンクに。ほんの少し色が強くなるだけで、全体に締まりが出ます。
彩度の違いは、2枚を並べて、どちらの色の名前のほうが言いやすいかで見分けられます。「これはピンク」と迷わず言えるほうが彩度が高く、「ピンクのような灰色のような」と迷うほうが彩度が低い色です。
家族や友人に「地味」と言われた
自分ではやわらかくまとまっていると思っていたのに、周りから「地味」「元気がなさそう」と言われることがあります。これは、全身の段差が少なすぎて、遠くから見たときに1色の塊に見えているサインです。
近くで見ると素材の違いや微妙な色の差が見えても、2m以上離れるとそれが消えて、明るさの差だけが残ります。人から見られる距離では、明るさの差がないと、全身がひとかたまりになります。
この場合は、全身のどこか1か所に、3段の差をつけてください。顔の真下がいちばん効果的ですが、靴や小さなバッグでもかまいません。1か所だけはっきりした段差があると、遠くから見ても全身に輪郭ができ、地味な印象が消えます。
同じ色の濃淡だけで、全身をまとめたい
くすんだピンクの濃淡だけ、灰みのセージの濃淡だけ、というように、1つの色の明るさ違いで全身をまとめたい人もいると思います。同じ色同士なので、色みの違いで境目を作ることはできません。境目は、明るさの差だけで作ることになります。
この場合は、全身の中で、いちばん明るいものといちばん暗いものの差を、3段以上にしてください。その間に中くらいのものを挟むと、明るい側から暗い側へ、なだらかに移っていくように見えます。いちばん明るいものを顔の真下に、いちばん暗いものを足元に置くと、上から下へ自然に重心が下がって、落ち着いた印象になります。
同じ色の濃淡でまとめるときに、境目がぼやけやすいのは、中くらいの2枚が隣り合ったときです。中くらいのものを2枚以上使うなら、その間に細い線か素材の違いを入れてください。同じ色の中でも、ニットとつるりとした布を組み合わせると、色が同じでも2枚がはっきり分かれて見えます。
明るい側を上に置くか、下に置くか
段差を作れる組み合わせが見つかったら、明るい側と暗い側を、上下どちらに置くかを決めます。
明るい色を上半身に、暗い色を下半身に置くと、視線が顔の近くに集まります。顔を明るく見せたい日や、人と向き合って話す時間が長い日に向いています。くすみ色の重ね着は全体が落ち着いて見えがちなので、上を明るくすると、顔の周りに少し華やかさが出ます。
明るい色を下半身に、暗い色を上半身に置くと、視線が足元に向かいます。全体が軽やかに見えるので、歩く時間の長い日に向いています。ただし、顔の真下が暗くなるので、首元に明るいものを1つ足してください。
どちらにするか迷ったら、上を明るくするほうを選んでください。くすみ色の重ね着は、顔の周りがぼやけやすいのがいちばんの弱点です。上を明るくしておけば、その弱点が自然に補われます。
面積の配分:明るい側は全体の3割まで
2段の差をつけた組み合わせで、もう1つ気をつけたいのが面積です。明るい色と暗い色の面積が半分ずつだと、2枚が対立して見えて、くすみ色らしいやわらかさが減ります。
くすみ色の重ね着をやわらかく見せるには、明るい側を全体の3割くらいまでにしてください。たとえば、暗めのくすみ色のロングカーディガンの中に、明るいくすみ色のニットを着る場合、前を開けたときに見えるニットの面積が全体の3割くらいになるようにします。
明るい側が少ないと、明るい色が差し色のように働いて、全体が引き締まります。明るい側が多すぎると、暗い側が重しのように見えて、全体が上下に分かれて見えます。
鏡で見たときに、明るい色と暗い色のどちらが「主役」に見えるかを確かめてください。暗い色が主役で、明るい色がそれを引き立てているように見えれば、配分はちょうどいいです。
小物で段差を足す:靴・バッグ・マフラー
服の組み合わせで段差を作るのが難しい日は、小物で足します。小物は面積が小さいので、くすみ色の柔らかさを崩さずに、境目だけを作れます。
靴は、全身のくすみ色より2段暗いものを選ぶと、足元が締まります。くすみ色の重ね着で足元までくすみ色にすると、全身が床に溶けて見えることがあります。暗めの茶や、灰みの濃い色の靴なら、くすみ色とつながりながら、足元に境目ができます。
バッグは、明るさより素材で段差を作ると自然です。服がやわらかい素材なら、バッグは表面がつるりとした革風のものにすると、色が近くても目立ちます。
マフラーは、顔の真下に段差を作るためのいちばん手軽な道具です。全身のくすみ色より2段明るいマフラーを1本持っておけば、どんなくすみ色の重ね着でも、顔の周りを明るく保てます。
秋と冬で、くすみ色の重ね方を変える
同じくすみ色でも、秋と冬では重ね方を少し変えたほうがきれいに見えます。
秋は、日差しがまだ強く、服の生地も薄めです。光が十分にあり、生地の陰影も出やすいので、1段半くらいの差でも境目が残ります。秋のうちは、くすみ色同士のやわらかい重ね方を楽しみやすい季節です。
冬は、日が短くなり、曇りの日も増えます。生地も厚くなり、ニットやコートのように光を散らす素材が増えます。光が弱く、素材の輪郭もぼやけるので、2段以上の差がないと境目が消えます。冬に入ったら、秋の組み合わせのままだとぼやけて見えることがあるので、もう半段あけるか、細い線を足してください。
コートを着る季節になると、外から見えるのはコートと首元とボトムスの裾だけになります。このとき段差を作るべきなのは、コートと首元の間です。コートとマフラーの間に2段の差があれば、コートがくすみ色でも、顔ははっきり見えます。
顔とトップスの間にも、段差がいる
服と服の段差を整えても、まだ顔がぼんやりするなら、顔そのものとトップスの明るさが近すぎる可能性があります。くすみ色の中には、肌の明るさにとても近いものがあります。グレージュ、くすんだベージュ、くすんだピンクなどです。
これらの色を顔の真下に置くと、肌とトップスの境目が消えて、顔と服がつながって見えます。顔の輪郭がはっきりしない、首が太く見える、と感じるときは、この状態になっていることが多いです。
確かめるには、白黒写真で、あごの線と首元の境目を見てください。あごの下と服の境目が溶けていたら、顔とトップスの明るさが近すぎます。
直し方は2つあります。1つは、トップスを肌より1段か2段暗くすることです。顔の下に少し暗い面が来ると、あごの線が浮き上がり、顔の輪郭がはっきりします。もう1つは、首元の開きを変えることです。襟の詰まった形から、少し開いた形に替えると、肌が見える面積が増え、肌と服の境目がはっきり1本の線になります。
肌の明るさに近いくすみ色が好きな人は、首元が少し開いた形を選ぶだけで、顔のぼやけがかなり減ります。開きの深さは、鎖骨の中央のくぼみが見えるくらいが目安です。
柄物を1枚だけ入れる方法
くすみ色の無地ばかりを重ねていると、どうしても境目が弱くなります。そんなときに使えるのが、柄物を1枚だけ入れる方法です。
柄があると、その服の中に明るい部分と暗い部分が同時に生まれます。無地のくすみ色の隣に柄物を置くと、柄の中の明るい部分か暗い部分のどちらかが、隣の無地との間に段差を作ってくれます。
選ぶ柄は、細かいチェックや細いストライプ、小さな織り柄くらいの控えめなものがいいでしょう。大きな花柄や太いボーダーは、柄そのものが目立って、くすみ色のやわらかさが消えます。柄の中の色も、くすみ色の範囲に入っているものを選ぶと、全体がまとまります。
柄物を入れる場所は、ボトムスかストールがおすすめです。顔の真下に柄を置くと、顔より柄に目がいきやすくなります。ボトムスに細かいチェックを入れると、トップスとの境目が自然にでき、全身にほどよい動きが出ます。
柄物を入れたら、無地の服同士の段差は1段でもかまいません。柄が境目の役割を担ってくれるので、全体の段差を気にしすぎる必要がなくなります。
写真に撮られる日の、くすみ色の重ね着
人と会って写真を撮る日、集合写真に入る日は、ふだんより段差を大きめにとってください。写真は、肉眼で見るより明るさの差が縮んで写ることが多いからです。
特に室内の写真では、照明の色や明るさで、くすみ色同士の差がさらに小さくなります。肉眼で2段あった差が、写真では1段くらいに見えることもあります。集合写真の中で、自分だけ輪郭がぼやけて背景に溶けて見えるのは、たいていこの状態です。
写真に撮られる予定があるなら、隣り合う2枚の差を3段にしておくか、顔の真下に白に近いものを置いてください。写真の中で顔がはっきりするだけで、くすみ色の服もきれいに見えます。
撮った写真を見て、思ったよりぼやけていたら、次からはその組み合わせに細い線を1本足すようにしてください。一度写真で確かめておくと、どの組み合わせが写真に弱いかがわかってきます。
よくある組み合わせの直し方
最後に、くすみ色の重ね着でよくある組み合わせと、その直し方をいくつか挙げます。
灰みのセージのニットに、グレージュのパンツを合わせてぼやける場合は、ニットかパンツのどちらかを2段離します。パンツを濃いめの灰茶に替えるか、ニットを明るいセージに替えると、上下の境目が戻ります。どちらも替えたくないときは、ウエストに細めの濃い色のベルトを入れてください。
くすんだピンクのニットに、くすんだラベンダーのカーディガンを重ねてぼやける場合は、この2色は明るさがほぼ同じになりやすい組み合わせです。カーディガンを1段暗いくすみ紫か、灰みの濃い色に替えると、ニットのピンクが浮き上がって見えます。
くすんだ青のシャツに、灰色のニットベストを重ねてぼやける場合は、シャツの襟だけを外に出してください。シャツの襟が顔の真下に来るので、顔の周りの境目が戻ります。ニットベストの縁が1本の線になって、シャツとの境目も見えやすくなります。
グレージュのコートに、グレージュのマフラーを合わせて顔がぼやける場合は、マフラーを2段明るい乳白色か、2段暗い濃い茶に替えてください。コートとマフラーの間に段差ができれば、顔は埋もれません。グレージュの色み自体の選び方はグレージュが似合う人でまとめています。
買い足すなら、列の端に来る1枚を選ぶ
手持ちのくすみ色の服を明るい順に並べてみて、真ん中に固まっていることがわかったら、次に買い足す1枚は、列の端に来るものを選んでください。いちばん明るい側か、いちばん暗い側です。
真ん中の固まりにもう1枚足しても、組み合わせの幅は広がりません。似た明るさの服が増えるだけで、隣同士を選んでぼやける回数が増えるだけです。列の端に1枚あると、真ん中のどの服と組み合わせても2段以上の差がつくので、手持ちの服全部が使いやすくなります。
明るい側に足すなら、乳白色やオートミールのような、白に近いくすみ色がおすすめです。白ほど強くないので、くすみ色の柔らかさを保ったまま、段差を作れます。暗い側に足すなら、灰みの濃い茶や、深いくすみ緑のような色がいいでしょう。黒ほど重くならず、くすみ色の列の中に自然に収まります。
どちらを先に足すか迷ったら、顔の真下に置く機会が多いほうを選んでください。トップスを買うなら明るい側、ボトムスや羽織りを買うなら暗い側です。
売り場で選ぶときも、白黒写真の方法が使えます。候補の服と、手持ちのいちばんよく着るくすみ色の服を思い浮かべながら、候補だけをスマホで白黒に撮ってみてください。家に帰って手持ちの服の白黒写真と並べれば、何段離れているかがすぐにわかります。
鏡の前で、最後に確かめること
今日の服を着たら、スマホで白黒写真を1枚撮ってください。見るのは、顔の真下と、羽織りの縁と、ウエストの3か所です。
この3か所のうち、どこか1か所に境目が残っていれば、くすみ色の重ね着はぼやけていません。3か所とも溶けているなら、顔の真下から直してください。顔の真下に2段の差があるものを1つ置くだけで、全身の印象は大きく変わります。
どこから直せばいいか迷ったら、いちばん面積の小さいものから替えてください。マフラー、ベルト、靴のように小さいものなら、入れ替えても全体の雰囲気は崩れず、境目だけが戻ります。小さいものを替えてもまだぼやけるなら、次にトップス、最後に羽織りやボトムスと、面積の大きいほうへ進みます。大きいものから替えると、くすみ色の重ね着そのものの雰囲気が変わってしまうので、順番を守るのが近道です。
くすみ色は、組み方さえ押さえれば、秋冬にいちばん長く楽しめる色です。手持ちのくすみ色の服を明るい順に並べて、隣同士ではなく、1つ飛ばしで組み合わせることから始めてみてください。セージ系の色を冬に着るときの考え方はセージグリーンが似合う人、くすんだ緑を中心に組む方法はくすみグリーンに合う色にもあります。
よくある問い
- Q. くすみカラーが好きで、手持ちの服がほとんどくすみ色です。全部重ねるのはやめたほうがいいですか
- やめる必要はありません。くすみ色同士でも、隣り合う2枚の明るさを2段あければ、境目ははっきり残ります。まず手持ちの服を明るい順に1列に並べて、端と端、または1つ飛ばしの組み合わせを作ってください。隣同士の2枚だけを重ねるとぼやけやすいので、列の中で離れた2枚を選ぶのが近道です。
- Q. 白黒写真で見ると段差があるのに、カラーで見るとぼやけて見えます
- その場合は、明るさではなく彩度が近すぎる可能性があります。くすみ色はどれも彩度が低めなので、明るさに差があっても、色の強さがそろいすぎて全体が均一に見えることがあります。どちらか1枚を、少しだけ彩度の高い色に替えてみてください。くすみ色の中でも、一段だけ色の濃いものを1枚入れると、全体が締まります。
- Q. くすみカラーが似合わないと言われたことがあります。重ね着も避けるべきですか
- 似合わないと言われた理由が、顔の近くの1枚の明るさや色みにあるなら、顔から離した場所でくすみ色を重ねるのは問題ありません。ボトムスと羽織りをくすみ色にして、顔の真下には自分に合う明るさの1枚を置いてください。顔の下の1枚が決まれば、それ以外のくすみ色は全体の雰囲気として働きます。
- Q. くすみ色の重ね着に、黒や白を足すのはありですか
- ありです。黒や白は明るさの段差をいちばん大きく作れる色なので、境目を作るには確実です。ただし、くすみ色の柔らかさが消えて、黒や白だけが目立つことがあります。足すなら、ベルトや靴、襟の縁など、細い線か小さな面積にとどめてください。面積が手のひら1枚分を超えると、くすみ色の重ね着ではなく、黒や白が主役の組み方になります。
— メグラシ編集部





