えんじ色とボルドー・ワインレッドの違い|秋の暗い赤は、黒みの量と青みで見分ける

秋の売り場に、暗い赤が並びます。ニット、スカート、小物。近くで見るとどれも似ているのに、付いている名前はばらばらです。えんじ、ボルドー、ワインレッド、バーガンディ。
名前が違うのだから中身も違うはずだと思って見比べても、並べたときの差が分かりません。結局、なんとなく暗いほうか明るいほうかで選んで帰ることになります。
この4つを分けているのは、実は2つの要素だけです。
結論:黒みの量と、青みか黄みか
暗い赤の名前は、次の2つの軸の上に並んでいます。
- 黒みがどれだけ入っているか ── 明るいか、深いか
- 赤が青と黄のどちらに寄っているか ── 紫のほうか、茶のほうか
この2つが決まれば、名前も、合わせやすい相手も、顔に近づけられるかどうかも決まります。色の名前を覚える必要はありません。
**えんじは、黒みが中くらいで、わずかに黄に寄る位置にあります。**だから深くしていくと、紫ではなく茶のほうへ近づきます。
早見表|5つの暗い赤の位置
| 名前 | 黒みの量 | 寄っている方向 | 暗くすると近づく色 |
|---|---|---|---|
| ワインレッド | 中くらい | やや青 | 紫 |
| バーガンディ | 強い | やや青 | 暗い紫 |
| ボルドー | 強い | 青 | 紫 |
| えんじ | 中くらい | やや黄 | 茶 |
| あずき色 | 中くらい | 黄 | 灰みの茶 |
ワインレッドとバーガンディは重なる範囲が広く、売り場では入れ替えて使われることもあります。分けるとすれば、黒みの強さです。
見分ける手順|紙と布を順に当てる
家でも店頭でも1分で終わります。
- 白い紙を、その布のすぐ横に置く
- 紙との境目を見る。紫がかって見えるか、茶がかって見えるか
- 次に、黒い布を横に置く
- 黒との差がはっきり出れば黒みは中くらい、溶けるなら黒みが強い
**紙だけでは黒みが測れず、黒だけでは寄る方向が測れません。**2枚を順に当てるのは、そのためです。
光の種類でも見え方が変わります。窓際の自然光で見たときの答えを基準にして、店の照明の下で見た印象は参考にとどめてください。
顔に近づけられるか
黒みの入った赤は、顔の下に広く置くと、顔の明るさも一段下がって読まれます。これは悪いことではなく、落ち着かせたい日にはそのほうが合います。
近づけられるかどうかは、手首の内側で見ます。
- 布を手首の内側に当てる
- 肌との境目がはっきり分かれる → 顔のそばに置ける
- 境目がにじんで溶ける → 腰から下に置くほうが向く
溶ける場合でも、あいだに明るい面を1つはさめば顔のそばに置けます。襟もとから見える幅を狭くして、内側に明るい一枚を入れる。これだけで、境目ができます。
えんじに合わせやすい色
いちばん外さないのは、明るさを2段以上離した色です。
| 合わせる色 | 効き方 | 面積の目安 |
|---|---|---|
| 生成り・明るい灰 | 深さがそのまま出る | 上下どちらでも |
| こげ茶 | 近い位置なので溶けやすい | 素材を変えて差をつける |
| 黒 | 引き締まるが、えんじが沈む | えんじを小さく |
| 深い緑 | 対になる位置で、互いに残る | 片方を小物に |
| 灰みの青 | 寄る方向が逆で、静かに分かれる | どちらも面で置ける |
同じ暗さの色どうしを並べると、境目が消えて1枚の面になります。深い色を2つ使う日は、明るさを離すか、素材を変えるかのどちらかが要ります。
素材で、寄る方向が変わる
同じえんじでも、面の性質で見え方が動きます。
マットな面では、光が散って表面が濁るので、茶のほうへ寄って見えます。光を返す面では、反射のぶん明るい点が乗るので、紫のほうへ寄って見えます。
編んだものと、織って光を返すものが並ぶと、同じ色として買ったはずの2枚が別の色に見えることがあります。これは買い間違いではなく、面の違いです。
**色名で選ぶより、実物の面を見て決めるほうが正確です。**通販で「思っていた色と違う」となるのも、たいていここです。
秋のどの時期に着るか
| 時期 | 向く置き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 9月後半 | 小物に1つ | 周りの色がまだ明るく、面で置くと重い |
| 10月 | 上半身に面で | 木の色と光の角度が合ってくる |
| 11月以降 | 上下どちらでも | 全体が深い色に寄るので、浮かない |
9月の光はまだ高く、明るい面が多く残っています。この時期にえんじを大きく置くと、その一枚だけが季節を先に行きます。小さく始めて、10月に面へ広げるのが扱いやすい順です。
置く場所で、同じ一枚の働きが変わる
面積が決まったあとに残るのは、どこへ置くかです。暗い赤は、置く高さで役割がはっきり変わります。
顔まわり ── 顔の明るさと直接並びます。落ち着いた印象に寄せたい日には向きますが、広く置くと顔まで一段沈んで読まれます。襟もとから見える幅を細くして、あいだに明るい面をはさんでください。
胸から腰 ── いちばん扱いやすい高さです。ここに面で置くと、色そのものの深さが出ます。上に羽織るものを開けて着れば、縦に細い帯として働くので、さらに穏やかになります。
腰から下 ── 顔と離れているので、面積を大きくできます。ただし足元にも暗い色があると、下半身がひとつの塊になります。靴かタイツのどちらかを一段明るくすると、区切りができます。
手元・足元の小物 ── いちばん軽い使い方です。9月のうちは、ここから始めると季節と食い違いません。
和の色名として見たとき
えんじは、洋の色名ではなく和の色名です。ボルドーやバーガンディが土地や飲み物の名前から来ているのに対して、えんじは古くから使われてきた染めの色を指しています。
だから、和の装いの場面で出てくる機会が多く、帯や小物の色として先に覚える人がいます。洋服の売り場では別の名前が付いていることも多いので、同じ色を探しているのに見つからない、ということが起こります。
見つからないときは、名前ではなく、白い紙を当てたときに茶に寄る暗い赤を探してください。売り場の言葉が違っても、紙の上での見え方は変わりません。
どちらとも取れるとき①|紙を当てても分からない
紫にも茶にも見えない、まん中の色があります。
この場合は、その色を茶のとなりに置いてみてください。茶と並べて赤みが立つなら、赤の側の色です。茶に溶けるなら、あずき色に近い位置にあります。
基準になる色を2つ用意して、どちらに寄るかで決める。1枚だけを見て名前を当てようとすると、どこまでも迷います。
どちらとも取れるとき②|手持ちのこげ茶と見分けがつかない
えんじとこげ茶は、黒みを強くすると近い場所に来ます。並べたときに区別がつかないなら、実際に近い色です。
このときは、無理に分けなくて構いません。**同じ役割の色として扱い、2枚を同時に着ないようにするだけで足ります。**分けたいなら、素材を変えて、片方に光を返す面を持ってきてください。
よくある行き違い
「えんじは学生の色」 ── 制服や和の場面で先に覚える色なので、そう感じられることがあります。色そのものは、こげ茶のすぐ隣にある落ち着いた赤です。面積を小さくして小物から入ると、印象は変わります。
「ボルドーとえんじは同じ」 ── 暗さは近くても、寄っている方向が逆です。並べると差が出ますし、合わせやすい相手も変わります。
「暗い赤はどれも顔が沈む」 ── 沈むかどうかは面積と位置の話です。顔から離して置けば、同じ色でも顔の明るさは残ります。
装いに活かすなら
手持ちの暗い赤を1枚出して、白い紙と黒い布を順に当ててみてください。それだけで、その一枚がどちら寄りかが決まります。
寄る方向が分かると、合わせる相手が自動的に絞れます。茶寄りなら生成りと深い緑、青寄りなら灰みの青と明るい灰。色名を覚えるより、自分の一枚の位置を知るほうが早く効きます。
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よくある問い
- Q. えんじ色とボルドーはどう違うのですか
- どちらも黒みの入った赤ですが、寄っている方向が違います。えんじは赤にわずかな黄が混ざる位置にあり、暗くしていくと茶のほうへ近づきます。ボルドーは赤に青が混ざる位置で、暗くすると紫のほうへ近づきます。白い紙の上に並べると差がはっきり出ます。紙のふちで紫がかって見えればボルドー、茶がかって見えればえんじです。和の色名と洋の色名という出どころの違いもありますが、選ぶときに効くのは寄っている方向のほうです。
- Q. ワインレッドとバーガンディは別の色ですか
- どちらも赤ワインの色を指した呼び名で、重なる範囲が広い言葉です。売り場では入れ替えて使われることもあります。あえて分けるなら、ワインレッドのほうが明るく澄んだ赤に寄り、バーガンディは黒みが強く落ち着いた位置にあります。名前で選ぶと迷うので、黒みが強いか弱いかだけを見てください。強ければ、顔から離した場所に置くほうが扱いやすくなります。
- Q. えんじ色は顔のそばに置いてもいいですか
- 置けますが、面積で調整してください。黒みの入った赤は、顔の下に広く置くと顔の明るさも一段下がって読まれます。首から胸までを全部その色にするより、襟もとから見える幅を狭くして、あいだに明るい面を1つはさむと落ち着きます。手首の内側に布を当てて、肌の色との境目がはっきり分かれるなら近づけられます。境目がにじんで溶けるようなら、腰から下に置くほうが向きます。
- Q. えんじ色には何を合わせればいいですか
- いちばん外さないのは、明るさを2段以上離した色です。生成りのような明るい面をひとつ置くと、えんじの深さがそのまま出ます。同じ暗さの色どうしを並べると、境目が消えて1枚の面になります。灰みのある茶やこげ茶とは近い場所にあるので、そろえるなら素材を変えて差をつけてください。黒と合わせるなら、えんじの面積を小さくするほうが、色として残ります。
— メグラシ編集部





