似合う髪型がわからない|顔の形より先に、髪質を3つ測る

**似合う髪型がわからないなら、顔の形を見る前に、髪の量・広がり・うねりの3つを測ってください。**この3つで、あなたの髪で毎朝作れる髪型が、ほぼ半分に絞れます。顔の形で選ぶのは、その残りの中からです。
似合う髪型を探すとき、多くの人は顔の形から入ります。丸顔ならこれ、面長ならこれ、という早見表はたくさんあり、どれも間違ってはいません。ところが、その早見表どおりに切っても、思っていた形にならないことがあります。理由はたいてい、髪質がその形を作れなかったことです。
写真で見た髪型は、その髪型に向いた髪質の人がモデルになっています。髪の量が多くてうねる人が、細くてまっすぐな髪のモデルの写真を持っていくと、切った当日はなんとか近づけても、翌朝には別の形になります。似合わないのではなく、その形が毎朝再現できないのです。
だから順番を入れ替えます。先に髪質で「作れる形」を絞り、そのあとで顔の形で「似合う形」を選ぶ。この記事は、その最初の段階、髪質の測り方と、測った値から候補を絞る方法を書いたものです。顔の形と長さの関係は髪型と顔の形|あごと襟の距離で長さを決めるに、前髪の選び方は似合う前髪診断|切る前に3通り試すにまとめています。
結論:3つのうち2つが同じ側なら、その側の髪型から選ぶ
先に結論を書きます。測るのは次の3つです。
- 量:首の後ろで一つに束ねた束の太さ
- 広がり:乾かして一晩たった翌朝、耳の高さで髪が頬の外に何cm出ているか
- うねり:自然に乾かした毛先が、どちらにどれくらい曲がるか
それぞれ、「収まる側」と「ふくらむ側」に分けます。量が少なめ、広がりが小さい、うねりが少ないのが収まる側。量が多め、広がりが大きい、うねりが強いのがふくらむ側です。
3つのうち2つ以上が収まる側なら、髪の重さで形を保つ髪型、たとえば段の少ないボブや、まっすぐ下ろすロングが作りやすくなります。2つ以上がふくらむ側なら、段を入れて量を減らした髪型や、毛先の動きを生かす形が毎朝再現しやすくなります。
3つが割れたときは、広がりの値を優先してください。量とうねりは広がりの原因で、毎朝の見え方を直接決めているのは広がりだからです。このあと、測り方と、割れたときの細かい決め方を順に書きます。
なぜ顔の形より先に髪質を見るのか
顔の形で選ぶ方法は、髪型が顔のどこに線を作るか、どこを隠すかを考えるものです。丸顔なら縦の線を作り、面長なら横の線を作る。これ自体は筋の通った考え方です。
ただ、その線を作るのは髪です。髪が多くて広がる人は、縦の線を作ろうとしても、耳の横で髪がふくらんで横の線ができてしまいます。髪が少なくてまっすぐな人は、横の線を作ろうとしても、髪がぺたんと落ちて縦の線になります。顔の形で選んだ線が、髪質しだいで反対の線になるのです。
つまり、顔の形の早見表は「髪が思いどおりに動く」ことを前提にしています。美容室で切って整えてもらった当日は、その前提がだいたい成り立ちます。でも、毎朝自分で乾かして整える日には、髪質がそのまま形に出ます。
似合う髪型というのは、美容室を出た瞬間の形ではなく、平日の朝に5分か10分で作れる形のことです。その形を決めているのは、顔よりも髪です。だから先に髪を測ります。
測る前にそろえること
髪質を測るときは、条件をそろえないと、日によって値がばらつきます。次の3つをそろえてください。
一つ目は、洗ってから乾かして一晩たった翌朝に測ることです。洗った直後の夜は、乾かし方やスタイリング剤の影響が強く出ます。一晩たつと、髪は本来の状態に戻りかけます。毎朝見ている形に近いのは、この状態です。
二つ目は、スタイリング剤やオイルを付けない状態で測ることです。ふだん付けている人は、測る前の晩だけ付けずに乾かしてください。付けた状態で測ると、量もうねりも小さく出ます。
三つ目は、これから過ごす季節の部屋で測ることです。秋冬に髪型を変えるなら、暖房の入った部屋で一晩過ごした翌朝が向いています。空気が乾くと、水分の抜けた髪は広がりやすくなり、静電気で顔や襟に貼りつきやすくもなります。夏の湿気の多い朝に測った値とは、広がりの値が1〜2cm変わることも珍しくありません。
もう一つ、測る前に髪の長さもそろえておくと、値が読みやすくなります。前に切ってから3か月以上たっていて、段が伸びて崩れている状態だと、量や広がりの値に、伸びた段の影響が混ざります。その場合は、測った値を「いまの長さでの値」として扱い、切ったあとにもう一度測り直してください。切った直後の値と、伸びた状態の値を両方持っておくと、次にどのくらいの間隔で切ればいいかも見えてきます。
測るのは一度で済ませず、2日か3日続けて測ると安心です。3日の値がそろえば、それがあなたの髪質です。1日だけ大きく違う値が出たら、その日はほかの2日の値を使ってください。
測る1:量は、首の後ろで束ねた束の太さで見る
まず量です。髪を全部、首の後ろの低い位置で一つに束ねてください。ゴムで結ぶ前に、親指と人差し指で輪を作って、束を囲みます。
| 指の状態 | 量 | 側 |
|---|---|---|
| 指先が重なる | 少なめ | 収まる側 |
| 指先がちょうど届く | 中くらい | どちらとも言えない |
| 指先が届かない | 多め | ふくらむ側 |
指の輪で測るのは、手の大きさがだいたい人によって近く、道具がなくてもすぐ測れるからです。メジャーがあるなら、束の周りを測ってもかまいません。その場合は、束の周りがおよそ6cm未満なら少なめ、6〜8cmなら中くらい、8cmを超えると多めが目安です。
ロングで束ねにくい人や、ショートで束ねられない人は、耳の後ろで片側の髪だけをつかんで測ってください。片側の束の周りが3cm未満なら少なめ、3〜4cmなら中くらい、4cmを超えると多めです。
束ねるときは、手ぐしでざっとまとめるだけにして、ブラシで強く引っぱらないでください。ブラシで引くと髪がつぶれて、束が実際より細く出ます。逆に、寝ぐせのまま束ねると、髪のあいだに空気が入って太く出ます。手ぐしで2回か3回とかしてから束ねると、毎朝の髪の状態に近い太さが測れます。測った値は、鏡の横にメモしておくと、2日目と3日目に比べやすくなります。
ここで見ているのは、髪1本の太さではなく、全体の量です。1本1本は細くても、本数が多ければ束は太くなります。逆に、1本が太くても本数が少なければ、束は細くなります。髪型の形を左右するのは全体の量のほうなので、束で測ります。
測る2:広がりは、耳の高さで頬の外に出る幅で見る
次に広がりです。3つのうち、これがいちばん大事な値です。
一晩たった翌朝、何もしないで鏡の正面に立ちます。耳の上端くらいの高さで、髪がいちばん外に出ている位置を見てください。その位置が、頬骨のいちばん外側から何cm外にあるかを、片側ずつ測ります。
定規を顔に当てるのは難しいので、指の幅で測ると楽です。人差し指1本の幅がだいたい1.5cm、2本で3cmと覚えておくと、鏡の前で当てやすくなります。
| 頬骨から外への幅(片側) | 広がり | 側 |
|---|---|---|
| 1cm以内 | 小さい | 収まる側 |
| 1〜3cm | 中くらい | どちらとも言えない |
| 3cmを超える | 大きい | ふくらむ側 |
広がりが大きい人は、顔の横にもう一つ面ができます。顔の形の早見表で縦の線を作る髪型を選んでも、この面が横の線になって、思った形になりません。逆に広がりが小さい人は、髪が顔に沿って落ちるので、横に量を出したい形を選ぶと、乾かすたびに手間がかかります。
左右で値が違うことはよくあります。分け目やつむじの向き、寝る向きで、片側だけ広がる人は多いものです。左右の差が2cm以上あるときは、広いほうの値を使ってください。髪型は、広い側に合わせて作らないと、毎朝その側だけ形が崩れます。
測る3:うねりは、自然乾燥した毛先の曲がり方で見る
最後にうねりです。洗った髪を、ドライヤーを使わずに自然に乾かしてください。全部を自然乾燥させるのが難しければ、顔の横の毛束を1本だけ、乾かさずに残しておく方法でもかまいません。
乾いたら、その毛束の毛先10cmくらいを見ます。机の端にまっすぐ垂らすか、平らな面に置いて、毛先がどれだけ曲がるかを確かめます。
- ほぼまっすぐ、または毛先がわずかに曲がる程度:うねりが少ない(収まる側)
- 毛先10cmのうちに、ゆるいカーブが1つ出る:中くらい(どちらとも言えない)
- 毛先10cmのうちに、カーブが2つ以上出る、または毛束が縮んで短くなる:うねりが強い(ふくらむ側)
あわせて、毛先が内に曲がるか外に曲がるかも見ておいてください。これは側には入れませんが、長さを決めるときに効いてきます。外に曲がる人は、肩に毛先が当たる長さで外に跳ねやすく、内に曲がる人は、あご下で内に収まりやすくなります。
うねりは、顔の横、えり足、頭の上で違うことがあります。顔の横だけうねる人、えり足だけ縮れる人もいます。部位で違うときは、顔のいちばん近くの毛束の値を使ってください。髪型の印象を決めるのは、顔のまわりだからです。
3つの組み合わせから、作れる形を絞る
3つの値が出たら、組み合わせで候補を絞ります。ここでは、それぞれの側の数で4つに分けます。
| 収まる側の数 | 作りやすい形 | 避けたほうが楽な形 |
|---|---|---|
| 3つ | 段の少ないボブ、まっすぐ下ろすロング | 根元から量を出す形 |
| 2つ | 段を少し入れたボブやミディアム | 量を大きく減らす形 |
| 1つ | 段を入れたミディアム、毛先を動かす形 | 重さで形を保つボブ |
| 0 | 段を多く入れた形、うねりを生かす形 | まっすぐを前提にした形 |
この表は、候補をしぼるための目安です。避けたほうが楽な形も、絶対に似合わないわけではありません。毎朝のアイロンやスタイリングに時間をかけられるなら、作ることはできます。ただ、平日の朝の5分で再現するのは難しくなります。
収まる側が3つの人は、髪の重さが形を保ってくれるので、切り口をそろえた重めの形が得意です。逆に段を多く入れすぎると、毛先が薄くなって、髪が少なく見えることがあります。
収まる側が0の人は、量を減らし、毛先の動きを形の一部にすると、毎朝の手間が減ります。段の入れ方は、表面ではなく内側から量を減らしてもらうと、うねりが表に出すぎません。
測った値の読み方:3人の例
表だけでは分かりにくいので、3人の例で読み方を通して見ておきます。どの人も、これまで顔の形の早見表で髪型を選んで、うまくいかなかった人です。
一人目は、丸顔で、縦の線が作れるという理由で、顔まわりに段を入れた長めのボブにしてきた人です。測ってみると、束は指先が届かないくらい太く、朝は耳の横で片側3cm以上外に出ていて、毛先は自然乾燥で外に2回曲がりました。3つともふくらむ側です。この人の場合、顔の形から選んだ「段の少ない重めのボブ」は、髪の量とうねりで毎朝横にふくらみ、かえって丸い輪郭を強めていました。候補を段の多い形に切り替え、顔まわりの段を頬骨より下に置いたところ、広がりがそのまま縦に流れる線になりました。
二人目は、面長で、横の線を作るために、耳の高さでふくらませるミディアムを選んできた人です。測ると、束は指先が重なるほど細く、広がりは片側1cm以内、毛先はほぼまっすぐでした。3つとも収まる側です。この人は、横にふくらませる形を作るために、毎朝アイロンで根元を立てて15分かけていました。それでも昼には髪がぺたんと落ち、縦の線に戻っていました。候補を段の少ない形に切り替え、横の線は前髪と、あご下で切りそろえた毛先で作ることにしたところ、朝の時間は5分になりました。
三人目は、量は中くらい、広がりは片側2cm、うねりは少ないという、ちょうど真ん中の人です。この人は、春夏は段の少ない形でうまくいっていたのに、毎年冬になると広がりが気になっていました。秋冬に測り直すと、広がりが片側3cmを少し超えていました。冬だけふくらむ側に寄る髪質だったのです。この人には、冬に入る前に表面に浅い段を足し、春になったら段の少ない形に戻すという、季節で切り方を変える方法が合っていました。
3人に共通しているのは、顔の形の考え方そのものは間違っていなかったことです。間違っていたのは順番で、髪質で作れない形を、顔の形の理由だけで選んでいたことでした。
どちらとも取れる場合1:3つのうち2つが「中くらい」
測ってみると、3つのうち2つ以上が「どちらとも言えない」に入ることがあります。量も広がりも中くらいで、うねりだけ少ない、という形です。
この場合は、まず広がりの値を細かく見直します。1〜3cmの範囲のうち、2cmより狭いか広いかで寄せてください。2cmより狭ければ収まる側、広ければふくらむ側に寄せて、表で候補を絞ります。
それでも決めきれないときは、髪型を選ぶ基準を「これから半年の季節」に置きます。秋冬は、暖房の乾いた空気で髪が広がりやすく、マフラーやニットとの摩擦で毛先が上がりやすい季節です。中くらいの人は、この季節にはふくらむ側に寄ると考え、ふくらむ側の形を選んでおくと、冬の朝に困りません。
もう一つの決め方は、毎朝のスタイリングに使える時間で決めることです。朝に10分以上かけられる人は、収まる側の形を選んで、乾かし方で広がりを抑えることができます。5分以内で済ませたい人は、ふくらむ側の形を選んで、髪が自然に広がっても形として成り立つようにしておくほうが、崩れたときに慌てません。中くらいの髪質の人ほど、髪型は「どちらが似合うか」より「どちらが毎朝楽か」で選んだほうが、結果として似合って見える日が増えます。
中くらいの髪質は、どちらの形も作れるということでもあります。季節ごとに切り方を少し変えて、秋冬は段を少し多めに、春夏は少なめにする、という楽しみ方もできます。
どちらとも取れる場合2:量は少ないのに広がる
量とほかの2つが反対になる組み合わせも、迷いやすいものです。とくに多いのが、束は細いのに、朝は横に広がるという人です。
量が少ないのに広がる人は、髪の1本1本が乾燥やうねりで外に向いていることが多いものです。この場合、量を減らす段を入れすぎると、さらに薄く見えて、広がりだけが残ります。
決め方は、広がりの値を優先しつつ、量を減らさない方法を選ぶことです。段は入れても、毛先だけに浅く入れる。長さは、毛先の重さで広がりを抑えられる、肩より少し下までのミディアムが作りやすい形です。広がりの原因がうねりなら、表面の毛だけ長めに残して、内側の毛の動きを覆うように切ってもらうと収まります。
反対に、束は太いのに広がらない人もいます。髪の1本1本がまっすぐで重く、下に落ちるタイプです。この人は量が多くても、広がりは小さいので、収まる側の形も作れます。ただし重さで頭の形が平らに見えやすいので、頭の上だけ少し段を入れて、上に丸みを作ると、全体が重く見えません。
どちらとも取れる場合3:季節で値が大きく変わる
夏と冬で、広がりの値がまったく違う人もいます。夏は湿気でふくらむのに、冬は静電気でぺたんと顔に貼りつく、という人です。あるいはその反対で、夏は落ち着くのに冬は乾燥で広がる人もいます。
季節で値が3cm以上変わる人は、1年中同じ形を保つより、季節の変わり目に髪型を少し調整するほうが楽です。秋冬に向けて切るなら、秋冬に測った値で形を決めてください。
冬に貼りつくタイプの人は、顔の横に髪がぴたっと沿って、顔の輪郭がそのまま出やすくなります。この場合は、顔まわりに浅い段を入れて、髪が顔から少し離れるようにすると、貼りつきが目立ちません。乾燥で広がるタイプの人は、毛先を軽くしすぎないことが大切です。毛先に重さを残しておくと、乾いた空気の中でも形が保てます。
暖房と乾燥で起きる広がりや静電気を、その日のアレンジで抑える方法は簡単な髪型アレンジで静電気の広がりを抑えるに書いています。髪型を決めたあとの毎朝の対処として、あわせて使ってください。
絞った候補の中で、顔の形を合わせる
髪質で候補が絞れたら、ようやく顔の形の出番です。ここからは、ふつうの早見表の考え方がそのまま使えます。ただし、表で絞った候補の中から選ぶことを忘れないでください。
たとえば収まる側が3つで、候補が段の少ないボブとまっすぐなロングに絞れた人が、丸顔だったとします。丸顔の早見表では、顔まわりに縦の線を作る形がすすめられます。この人の場合、段の少ないボブなら、あごより少し下まで長さを出し、顔の横の髪をまっすぐ下ろすと縦の線になります。ロングなら、顔まわりにだけ浅い段を入れて、縦に流れる線を作ります。
反対に、収まる側が0で、段を多く入れた形が候補になった人が、面長だったとします。面長の早見表では、横の線を作る形がすすめられます。この人は、髪がもともと横に広がりやすいので、横の線は無理なく作れます。段の位置を頬の高さに集めると、広がりがそのまま横の線として働きます。
こうして、髪質が作る線と、顔の形が求める線が同じ向きになる髪型が、いちばん楽に似合う形です。2つが反対の向きになるときは、髪質のほうを優先して、顔の形は前髪や分け目の位置で調整するほうが、毎朝の手間が少なく済みます。
秋冬の服と合わせて見ておくこと
秋冬は、髪と服がふれ合う面積が増える季節です。タートルネックやマフラー、コートの襟が、首まわりの髪に当たります。髪型を決めるときに、ここも一度だけ見ておいてください。
ふくらむ側の人は、肩より少し上の長さだと、襟やマフラーに毛先が当たって外に跳ねやすくなります。外に曲がるうねりがある人は、とくに跳ねが目立ちます。この長さを選ぶなら、毛先の内側を少し重めに残してもらうか、思い切ってあごの高さまで上げるか、肩より下まで伸ばすほうが、冬の朝は楽です。
収まる側の人は、マフラーを巻くと髪が首の後ろでつぶれて、外したときにぺたんとした跡が残りやすくなります。根元が立ちにくい髪質なので、頭の上に浅い段を入れておくと、マフラーを外したあとも形が戻りやすくなります。
うねりが強い人は、秋冬の雨の日と、暖房の効いた室内とで、同じ日のうちに髪の状態が変わることにも気をつけてください。外の湿った空気でうねりが強まり、室内に入って乾くと今度は広がる、という動きが1日に何度も起きます。この往復で形が崩れにくいのは、毛先がはじめから少し動いている形です。まっすぐを前提にした形は、往復のたびにうねりが目立ちます。
コートの背中に髪が当たる長さの人は、髪とコートの生地がこすれる場所も見ておくと安心です。ウールや起毛の生地は、髪を引っかけて表面を毛羽立たせやすく、収まる側の人でも、背中の髪だけがふくらんで見えることがあります。この長さを選ぶなら、背中に当たる部分の毛先を、ほんの少し内に入るように切ってもらうと、こすれる面積が減ります。
ニット帽をかぶる日が多い人は、帽子を外したあとの形も考えておくと安心です。前髪の形と合わせて、帽子の跡が残りにくい長さと分け目を決めておくと、外で帽子を脱いでも慌てません。
測っても迷うときに、やらないほうがいいこと
髪質を測っても迷いが残るとき、ついやってしまいがちなことがいくつかあります。どれも、似合う髪型から遠ざかる方向に働くので、先に知っておいてください。
一つ目は、髪質の値が気に入らないからといって、測り直して値を変えようとすることです。スタイリング剤を付けて測ったり、湿気の少ない日だけを選んで測ったりすると、値は収まる側に寄ります。でもそれは、毎朝の自分の髪ではありません。値を変えても髪は変わらないので、測った値をそのまま受け取ってください。
二つ目は、ふくらむ側と出たのに、量を一度に大きく減らしてもらうことです。量を減らしすぎると、毛先が軽くなりすぎて、乾燥した季節にはかえって広がりが増えることがあります。量を減らすのは、一度に全体の3割くらいまでにして、4週間後の答え合わせで足りなければ、次の回でもう少し減らす、という順番で進めると失敗が少なくなります。
三つ目は、髪質が反対の人の写真を持っていくことです。どんなに好きな髪型でも、写真の人の髪がまっすぐで細く、自分の髪が多くてうねるなら、同じ形は再現できません。好きな写真があるなら、その髪型の何が好きなのか、たとえば毛先の軽さなのか、顔まわりの線なのかを言葉にしてから、自分の髪質で近づけられる形を美容師と相談してください。
四つ目は、一度の失敗で髪質の考え方ごと捨ててしまうことです。測った値から選んだ形がうまくいかなかったときは、測り方か、選んだ候補のどちらかを一段階ずらせば、たいてい次で近づきます。髪質の値は、何度か使うほど、自分の髪の読み方として精度が上がっていきます。
美容室での伝え方
測った値は、美容室でそのまま伝えてください。数字があると、美容師は顔の形を見る前に、あなたの髪で作れる形を絞ってくれます。
伝える内容は、次の3行で足ります。
- 量:束ねると、指が届かないくらい多い(または、ちょうど届く、重なる)
- 広がり:朝、耳の横で片側2cmくらい外に出る。左のほうが広い
- うねり:自然に乾かすと、毛先が外に1回曲がる
そのうえで、なりたい髪型の写真を見せます。写真を選ぶときは、髪型そのものより、写真の人の髪質が自分と近いかを見てください。自分の髪が多くてうねるなら、写真も、毛先に動きのある、量のある髪の人を選びます。髪質の近い写真ほど、切ったあとに同じ形が再現できます。
それでも写真の形と自分の髪質が合わないときは、美容師が「この形なら、ここを変えれば近づけられる」と提案してくれるはずです。その提案は、髪質を知ったうえでの調整なので、素直に受けると外れにくくなります。
伝えるときに、毎朝どれくらいの時間をかけられるかも、あわせて言っておいてください。同じ髪質でも、朝に10分かけられる人と3分しかない人とでは、勧められる形が変わります。乾かすだけで終わりにしたいのか、アイロンやスタイリング剤を使ってもいいのかを伝えると、美容師は切り方の段階で、その手間に合う形を選んでくれます。
初めての美容室なら、切る前に、測った3つの値を美容師にも確かめてもらうといいでしょう。自分で測った値と、美容師が手で触って感じた値がずれることもあります。たとえば自分では量が多いと思っていたのに、美容師からは「本数は普通で、1本が太い」と言われることがあります。そのずれ自体が、次に髪型を選ぶときの大事な手がかりになります。
切ってから4週間で答え合わせをする
髪型を変えたら、切った当日ではなく、4週間たったところで答え合わせをしてください。似合う髪型かどうかは、美容室で整えてもらった当日ではなく、自分で毎朝作るようになって、髪が少し伸びたころに分かるからです。
答え合わせのやり方は、測ったときと同じです。一晩たった翌朝、何もしない状態で鏡の正面に立ち、耳の高さで広がりを測ります。切る前の値より広がりが小さくなっていれば、その髪型はあなたの髪質に合っています。変わらないか、大きくなっていれば、段の入れ方か長さが髪質と合っていない可能性があります。
もう一つ見てほしいのは、朝のスタイリングにかかる時間です。切る前と比べて、毎朝の時間が短くなっていれば、それはあなたの髪で作りやすい形だということです。時間が延びたなら、次に切るときに、どこが手間だったかを美容師に伝えてください。
答え合わせのときには、写真も1枚残しておくと役に立ちます。正面と横から、何もしない状態の髪を撮っておけば、次に切る前に見返して、どこが伸びてどこが広がったかを美容師に見せられます。言葉で「横が広がって」と伝えるより、写真があるほうが、どの高さの、どのくらいの広がりなのかがすぐに伝わります。
広がりの値と朝の時間が両方よくなっていたら、その髪型はあなたの髪質に合った形です。次に切るときも、同じ形を基本にして、長さだけを季節に合わせて調整すれば、大きく外すことはありません。片方だけよくなっていたら、悪かったほうの原因を、段の入れ方か長さかに分けて考えてみてください。広がりが残ったなら段、時間が延びたなら長さが合っていないことが多いものです。
4週間の答え合わせを1回やると、次に髪型を変えるときの候補が、さらに絞りやすくなります。似合う髪型は、一度で当てるものではなく、自分の髪質を知るたびに近づいていくものです。
次にやること
今日の夜にできることは、スタイリング剤を付けずに髪を乾かすことです。そうすれば明日の朝、広がりの値が測れます。
そのあと、首の後ろで髪を束ねて量を測り、顔の横の毛束を1本だけ自然に乾かして、うねりを見てください。3つの値が出たら、表で候補を絞ります。
髪質の値は、一度測れば、しばらく変わりません。半年後、季節が変わったころにもう一度測れば、その季節に向いた形も分かります。顔の形で何度も迷ってきた人ほど、先に髪を測るだけで、似合う髪型の候補がはっきりしてきます。
よくある問い
- Q. 似合う髪型を顔の形で選んだのに、うまくいきませんでした
- 顔の形で選んだ髪型が、そもそもあなたの髪質で作れない形だった可能性があります。髪の量が多い人が、少なめの髪を前提にした形を選ぶと、毎朝ふくらんで写真のようになりません。先に髪の量・広がり・うねりの3つを測り、作れる形を絞ってから、その中で顔の形に合うものを選んでください。
- Q. 髪の量が多いのか少ないのか、自分ではわかりません
- 首の後ろで髪を一つに束ね、親指と人差し指で輪を作って束を囲んでください。指先が重なるなら少なめ、ちょうど届くなら中くらい、届かないなら多めです。ロングで束ねにくい人は、耳の後ろで片側だけつかんで同じように測ります。
- Q. 季節によって髪の広がり方が違います。いつ測ればいいですか
- これから半年でいちばん長く過ごす季節に合わせて測るのがおすすめです。秋冬に髪型を変えるなら、暖房の入った部屋で一晩過ごした翌朝に測ってください。乾燥で広がる人と、静電気で顔に貼りつく人とで、向く形が変わるからです。
- Q. 美容室で何と伝えればいいですか
- 測った3つの値をそのまま伝えてください。「束ねると指が届かないくらい多い、朝は耳の横で片側2cmくらい広がる、毛先は自然乾燥で外に曲がる」と言えば、美容師は顔の形を見る前に、作れる形を絞ってくれます。写真を持っていくなら、自分と髪質の近い人の写真を選ぶと外れにくくなります。
— メグラシ編集部





