最高気温と最低気温、服装はどっちを見る|外にいる時刻で決める

**明日、家を出る時刻と、帰ってくる時刻を書いてみてください。**その2つの時刻の気温が、あなたが服を決めるときに見るべき数字です。最高気温も最低気温も、そのままでは、あなたが外にいる時刻の気温ではないことがほとんどです。
天気予報には、最高気温と最低気温の2つの数字が並びます。服を決めるとき、どちらを見ればいいのか。最高気温を見て薄着で出たら朝が寒かった。最低気温を見て厚着で出たら昼に汗をかいた。そういう経験は、多くの人にあると思います。
この記事では、予報の2つの数字がそれぞれ何時ごろの気温かを知り、そこから自分が外にいる時刻の気温を出して、服を決める順番で考えます。気温ごとの具体的な服の組み方は、18度の服装や15度の服装、12度の服装にそれぞれ書いています。ここでは、その記事を読む前に、どの数字を基準にするかを決める方法を扱います。
結論:見る数字は、外にいる時刻で替える
最高気温と最低気温のどちらを見るか。その答えは、あなたが何時に外にいるかで決まります。
朝早く家を出て、夜に帰ってくる人は、最低気温に近い時間帯に外にいます。昼過ぎに外を歩く人は、最高気温に近い時間帯に外にいます。同じ予報を見ても、外にいる時刻が違えば、見るべき数字が変わります。
そして、服は2つに分けて決めます。
| 決めるもの | 基準にする気温 |
|---|---|
| 中に着る1枚(ニットやシャツ) | 外に長くいる時刻の気温 |
| 羽織り(上着やコート)の有無 | 外にいる中で、いちばん寒い時刻の気温 |
中に着る1枚と羽織りを、別々の数字で決める。これが、朝は寒く昼は暑い日に、一日を通して困らないための考え方です。1つの数字で全身を決めようとすると、どこかの時刻で必ず合わなくなります。
予報の最高気温と最低気温は、いつの数字か
まず、予報の2つの数字が、それぞれ何時の気温なのかを知っておきましょう。
天気予報でいう最低気温は、夜中の0時から朝の9時までのあいだで、いちばん低くなる気温です。たいていは、日の出の少し前、朝の5時から6時ごろに記録されます。
最高気温は、朝の9時から夕方の6時までのあいだで、いちばん高くなる気温です。晴れた日なら、たいてい昼の2時ごろに記録されます。
つまり、2つの数字は、1日の中のそれぞれいちばん端の気温です。朝の8時に家を出る人にとって、最低気温は数時間前の、もう過ぎた気温です。夕方6時に帰る人にとって、最高気温は4時間前の、もう下がり始めた気温です。
ここで見落としやすいのが、夕方6時より後の気温は、どちらの数字にも入っていないことです。夜に外にいる人は、予報の2つの数字だけでは、帰り道の気温がわかりません。秋冬は、夕方から夜にかけての下がり方が速いので、帰りが遅い人ほど、この点を意識してください。
1日の気温の動き方|朝いちばん低く、昼過ぎにいちばん高い
晴れた日の気温は、だいたい決まった形で動きます。日の出前にいちばん低くなり、日が昇るにつれて上がり、昼の2時ごろにいちばん高くなって、そこから夜にかけてゆっくり下がっていきます。
この形を使うと、最高気温と最低気温から、ほかの時刻の気温のおおよその値が出せます。2つの数字の差を「1日の気温差」として、そのうちどのくらい上がっているかを、時刻ごとの割合で表すと、次のようになります。
| 時刻 | 最低気温から、1日の気温差の何割ぶん上か(晴れの日の目安) |
|---|---|
| 朝6時 | 0割(最低気温とほぼ同じ) |
| 朝8時 | 2割 |
| 朝10時 | 5割 |
| 昼12時 | 8割 |
| 昼2時 | 10割(最高気温とほぼ同じ) |
| 夕方5時 | 7割 |
| 夜7時 | 5割 |
| 夜9時 | 3〜4割 |
たとえば、最低気温が12度、最高気温が22度の日なら、1日の気温差は10度です。朝8時はその2割の2度を足して14度前後、昼12時は8割の8度を足して20度前後、夜7時は5割の5度を足して17度前後、という計算になります。
この表は、晴れて風の弱い日の目安です。曇りや雨の日、前線が通る日は、この形どおりには動きません。その場合の考え方は、あとの「どちらとも取れる場合」で書きます。それでも、晴れの日なら、この表で出した数字は、実際の気温から1〜2度の範囲に収まることが多いはずです。
表の割合を全部覚える必要はありません。覚えておくと便利なのは、朝8時は2割、昼12時は8割、夜7時は5割の3つだけです。朝の通勤、昼の外出、夜の帰り道という、外にいることの多い3つの時刻を押さえておけば、ほとんどの日はこれで足ります。
もう1つ覚えておきたいのは、気温は上がるときより、下がるときのほうがゆっくりということです。朝6時から昼2時までの8時間で10割上がるのに対して、昼2時から夜9時までの7時間では6〜7割しか下がりません。そのため、同じ割合の時刻でも、夜のほうが朝より暖かいことが多くなります。朝と夜の両方に外にいる人は、この差を知っておくと、羽織りの選び方で迷いにくくなります。
住んでいる場所によっても、気温の動き方は少し変わります。海に近い町は、1日の気温差が小さく、朝と昼の差が予報より小さく感じられることがあります。逆に、内陸の盆地や山に近い町は、朝の冷え込みが強く、表の目安より朝が寒くなりがちです。予報の発表地点と自分の家が離れている場合は、何度か外の温度計と比べて、自分の町のくせを知っておくと安心です。
自分の外にいる時刻を書き出す
次に、自分が明日、何時から何時まで外にいるかを書き出してください。細かく書く必要はありません。家を出る時刻、外を歩く時間、建物の中にいる時間、帰り道の時刻。この程度で足ります。
書き出すと、多くの人は、外にいる時間が思っていたより短いことに気づきます。通勤で駅まで歩く10分、乗り換えの5分、駅から職場までの10分、昼食に出る20分、帰りの25分。合計すると1時間ほどで、残りは電車や建物の中です。
外にいる時間を、朝・昼・夕方・夜の4つの時間帯に分けて、それぞれ何分ずつかを書いてください。そのうち、いちばん長い時間帯が「外に長くいる時刻」、いちばん気温の低い時間帯が「いちばん寒い時刻」になります。
書き出すときに見落としやすいのが、駅のホームやバス停で待つ時間です。歩いているあいだは体が温まりますが、立ち止まって待っているあいだは体が冷えます。同じ気温でも、歩いている10分より、ホームで待つ5分のほうが寒く感じることがあります。待つ時間が長い人は、その時間帯を「いちばん寒い時刻」として扱ってください。
自転車に乗る人も、同じように気をつけてください。自転車は歩くより速く進むので、風のない日でも、自分で風を受けることになります。自転車で移動する時間は、予報の数字から2〜3度引いて考えると、実際の体感に近くなります。
通勤の人なら、外に長くいるのは朝と夕方で、いちばん寒いのは朝か夜のどちらかです。昼から出かけて夕方に帰る人なら、外に長くいるのは昼で、いちばん寒いのは帰り道の夕方です。朝の散歩と夜の買い物だけ外に出る人なら、どちらも寒い時間帯になります。
出かける時刻の気温を、2つの数字から出す
外にいる時刻がわかったら、さきほどの表を使って、その時刻の気温を出します。
例を3つ挙げます。どの例も、最低気温12度、最高気温22度の、秋の晴れた日とします。
朝8時に家を出て、夜7時に帰る通勤の人。朝8時は14度前後、夜7時は17度前後です。昼は建物の中にいて、外に出るのは昼食の20分だけ。外に長くいるのは朝と夜で、いちばん寒いのは朝の14度です。
昼1時に出かけて、夕方5時に帰る人。昼1時は21度前後、夕方5時は19度前後です。外に長くいるのは昼で、いちばん寒いのは帰りの19度です。
朝6時半に散歩をして、夜8時に買い物に出る人。朝6時半は12〜13度、夜8時は16度前後です。外に長くいるのは朝で、いちばん寒いのも朝の12度です。
同じ予報の日でも、外にいる時刻によって、見るべき数字は12度から21度まで、9度も違います。「最高気温22度の日は何を着るか」と考えるのをやめて、「外にいる時刻は何度か」と考えるだけで、服の選び方はずいぶん変わります。
もう少し寒くなった日の例も挙げておきます。最低気温6度、最高気温14度の、冬の入り口の晴れた日です。1日の気温差は8度です。朝8時に家を出る人なら、6度に8度の2割の1.6度を足して、8度前後。夜7時に帰る人なら、6度に5割の4度を足して、10度前後です。予報の最高気温14度だけを見ていると、薄手のコートで足りそうに思えますが、外にいる時刻の気温は8度から10度なので、ウールのコートが必要な日だとわかります。
このように、最高気温だけを見て服を決めると、朝と夜に外にいる人は、たいてい薄着になります。最高気温の数字は、昼の2時ごろにしか当てはまらないからです。逆に、昼にしか外に出ない人が最低気温だけを見ると、厚着になります。予報を見るたびに、自分がどの時刻に外にいるかを一度思い浮かべるだけで、こうしたずれは防げます。
長くいる時刻の気温で、中に着る1枚を決める
外にいる時刻の気温が出たら、まず中に着る1枚を決めます。基準にするのは、外に長くいる時刻の気温です。
中に着る1枚は、1日のあいだ脱がない服です。羽織りは脱いだり着たりできますが、中の1枚は、建物の中でも、電車の中でも、ずっと着ています。だから、外に長くいる時刻の気温に合わせつつ、建物の中で暑すぎない厚さを選ぶ必要があります。
目安として、外に長くいる時刻の気温が20度以上なら、薄手の長袖か半袖に薄い羽織り。15度から20度なら、長袖のシャツか薄手のニット。10度から15度なら、中厚手のニット。10度を下回るなら、厚手のニットか、薄手のニットにもう1枚重ねる、という具合です。
ここで大事なのは、中に着る1枚は、いちばん寒い時刻に合わせないことです。朝の14度に合わせて厚手のニットを着ると、昼の建物の中で暑くなり、脱ぐこともできません。朝の寒さは、羽織りで受け止めます。
秋冬の建物の中は、暖房が入り始めると22度から25度ほどになります。中に着る1枚は、この室温で長時間過ごしても汗をかかない厚さにしておくと、一日を通して楽に過ごせます。
中に着る1枚で迷いやすいのは、外に長くいる時刻の気温が、ちょうど境目にある日です。たとえば外に長くいる時刻が15度で、長袖のシャツと薄手のニットのどちらにするか。こういう日は、建物の中にいる時間の長さで決めてください。建物の中に6時間以上いるなら薄い方、外と中が半々なら厚い方です。中に着る1枚は、外より中で過ごす時間のほうが長い服なので、長くいる場所に合わせるほうが、一日の終わりに疲れが残りません。
もう1つの方法は、中に着る1枚を2枚に分けることです。薄手の長袖の上に、前の開く薄いニットを重ねておけば、外では2枚、建物の中では1枚にできます。2枚に分けると、境目の気温の日でも、どちらに転んでも調整がききます。
いちばん寒い時刻の気温で、羽織りの有無を決める
中に着る1枚が決まったら、次は羽織りです。羽織りを持つかどうか、持つならどのくらいの厚さにするかは、外にいる中で、いちばん寒い時刻の気温で決めます。
羽織りは、寒い時刻に着て、暖かい時刻や建物の中で脱ぐものです。だから、いちばん寒い時刻に合わせて選んでかまいません。暖かい時刻には脱げばいいからです。
目安として、いちばん寒い時刻の気温が18度以上なら、羽織りはなくても過ごせることが多いです。15度から18度なら薄手の羽織り、12度から15度なら薄手のコートや厚手のカーディガン、8度から12度ならウールのコート、8度を下回るなら厚手のコートやダウン、という具合です。
さきほどの例でいえば、朝8時に家を出る通勤の人は、いちばん寒い時刻が14度なので、薄手のコートか厚手のカーディガン。昼1時に出かける人は、いちばん寒い時刻が19度なので、羽織りはなくても過ごせるかもしれませんが、帰りが遅くなりそうなら薄手のものを1枚持つと安心です。
羽織りの厚さを決めるときは、風の予報も合わせて見てください。風が強い日は、同じ気温でも体感が下がるので、羽織りを一段厚くするか、首元を覆えるものを選ぶと、寒さを感じにくくなります。
羽織りを選ぶとき、つい迷うのが、ちょうど境目の気温の日です。いちばん寒い時刻が15度ちょうどで、薄手の羽織りと薄手のコートのどちらにするか、という日です。こういう日は、外にいる時間の長さで決めてください。いちばん寒い時刻に外にいるのが10分以内なら薄い方、20分を超えるなら厚い方です。短い時間なら、少し寒くても我慢できますが、長い時間になると体が冷えきってしまいます。
気温差が10度を超える日は、脱いだ羽織りの置き場所まで決める
最高気温と最低気温の差が10度を超える日は、秋によくあります。こういう日は、朝に着た羽織りを、昼にはほぼ確実に脱ぐことになります。
ここで困るのが、脱いだ羽織りをどこに置くかです。手に持てば片手がふさがり、バッグに入れようとしても入らない。結局、昼のあいだずっと腕に掛けて歩くことになります。
気温差が10度を超える日は、出かける前に、脱いだ羽織りの置き場所を決めてください。
- バッグに入るなら:薄手でたためる羽織りを選ぶ。たたんでバッグの底に入る厚さが目安
- バッグに入らないなら:腰に巻けるか、肩に掛けて歩ける長さのものを選ぶ
- 職場や学校に置けるなら:朝に着て行き、置いて帰る日を作るのも1つの方法
もう1つの方法は、羽織りを持たずに、中に着る1枚を前の開く服にすることです。前の開くカーディガンやシャツを中に着て、その下にもう1枚薄いものを着ておけば、寒い時刻は前を閉め、暖かい時刻は前を開けるか脱ぐだけで調整できます。脱いだ1枚も薄いので、バッグに入れやすくなります。
どちらとも取れる場合1|外にいる時間が、朝と夜に半分ずつ
通勤の人に多いのが、外にいる時間が朝と夜にほぼ半分ずつ、という場合です。朝の気温と夜の気温が近ければ迷いませんが、秋は朝より夜のほうが2〜3度高いことが多く、どちらに合わせるか迷います。
この場合は、どちらの時刻のほうが、外を長く歩くかを比べてください。たとえ数分の差でも、長く歩く方の気温に中の1枚を合わせます。羽織りは、どちらか寒い方に合わせます。
それでも同じくらいなら、朝に合わせてください。朝は家を出たばかりで体が温まっておらず、同じ気温でも寒く感じやすいからです。夜は一日動いたあとで体が温まっていることが多く、朝より2〜3度低くても、同じくらいに感じることがあります。
ただし、帰りが夜9時を過ぎる日は別です。表を見ると、夜9時は最低気温から1日の気温差の3〜4割しか上がっておらず、朝8時の2割とそれほど変わりません。さらに、夜は日が当たらないので、同じ気温でも朝より寒く感じることがあります。帰りが遅い日は、夜の気温を基準に羽織りを選んでください。夜の帰り道に合わせた組み方は、19度の服装 夜でも書いています。
どちらとも取れる場合2|曇りや雨で、予報どおりに気温が動かない
さきほどの表は、晴れた日の気温の動き方です。曇りや雨の日は、この形どおりには動きません。
曇りの日は、日差しが届かないので、昼になっても気温があまり上がりません。最高気温と最低気温の差が小さくなり、5度以下になることもよくあります。こういう日は、1日の気温がほぼ同じと考えて、最高気温と最低気温の真ん中の数字で全身を決めてかまいません。気温差が小さいので、真ん中で決めても、どの時刻にもそれほど外れません。
注意が必要なのは、最高気温が朝に記録される日です。前線が通ったり、冷たい空気が流れこんだりする日は、朝がいちばん暖かく、そこから一日中気温が下がり続けることがあります。予報の言葉に「気温が下がる」「北風が強まる」とある日は、この形を疑ってください。こういう日は、最高気温の数字は朝だけのものなので、外にいる時刻が昼以降なら、最低気温に近い数字で羽織りを選ぶほうが安全です。
雨の日は、気温の数字以上に寒く感じます。濡れた服や髪が体温を奪うからです。雨の日は、予報の数字から1〜2度引いて、羽織りを選んでください。
予報の天気が「晴れ時々曇り」や「曇り一時雨」のように変わる日は、天気が変わる時刻と、自分が外にいる時刻を重ねて見てください。外にいる時刻が晴れの時間帯なら表の目安を、曇りや雨の時間帯なら、表の目安から1〜2度引いた数字を使います。時間ごとの天気が出る予報なら、それを見るのがいちばん確かです。
曇りの日は、朝の冷え込みが弱くなることも覚えておいてください。雲が布団のように地面の熱を逃がさないので、晴れた日より朝が暖かくなります。前の晩から曇っている日は、最低気温の予報が高めに出ていることが多く、朝の羽織りを一段薄くしてもかまいません。
どちらとも取れる場合3|室内と外を、何度も行き来する
仕事で外回りをする人や、買い物で店を何軒も回る人は、外と室内を1日に何度も行き来します。この場合、外にいる時刻の気温だけで決めると、室内で暑くなります。
この場合は、中に着る1枚を、室内の温度に合わせてください。秋冬の室内は暖房で22度から25度ほどあるので、中の1枚は薄手にしておきます。そのうえで、外に出るたびに羽織りを着ます。
羽織りは、すぐに着たり脱いだりできるものを選びます。ボタンの多いコートより、前を合わせるだけのものや、ボタンが少ないものが向いています。行き来が1日に5回を超えるなら、脱ぎ着の手間が積み重なるので、羽織りの前を開けたまま歩ける程度の気温かどうかも、あわせて考えてください。
室内と外の温度差が大きいと、汗をかいたまま外に出て、急に冷えることがあります。中の1枚を、汗を吸いやすく乾きやすい素材にしておくと、この冷えを感じにくくなります。
電車やバスの中も、室内として考えてください。秋冬の車内は暖房が強く、混んでいると外より10度以上暖かいことがあります。乗っている時間が長い人は、乗る前に羽織りの前を開けるか、首元のものを外しておくと、降りたときに汗で冷えずに済みます。
風と日差しで、体感を何度ずらすか
予報の気温は、風の弱い日陰で測った数字です。実際に外を歩くときは、風と日差しで、感じる温度が変わります。
風は、強くなるほど体感を下げます。目安として、風が1メートル強くなるごとに、体感はおよそ1度下がると言われます。予報で風速が5メートル前後の日なら、予報の数字から3〜5度ほど低く感じることがあります。風の強い日は、羽織りを一段厚くするか、首元を覆えるものを足してください。
日差しは、体感を上げます。晴れた日の日なたは、日陰より数度暖かく感じます。秋の晴れた昼に、予報の数字より暖かく感じるのは、このためです。逆に、ビルの影や木の下を歩く道が多い人は、予報の数字どおりか、少し低く感じます。
自分がよく歩く道が、日なたが多いか日陰が多いか、風が抜ける道かどうかを知っておくと、予報の数字を自分の体感に読み替えやすくなります。毎日同じ道を歩く人は、一度だけ意識して歩いてみてください。駅前の広い通りは風が強く、住宅街の細い道は風が弱い、といった違いが見えてきます。
風と日差しは、同じ日の中でも時刻によって変わります。秋冬は、午後から北風が強まる日が多く、朝は穏やかでも、帰りの夕方には風が冷たくなっていることがあります。予報で風の強まる時刻が出ているなら、それが自分の外にいる時刻と重なるかを見てください。重なるなら、その時刻をいちばん寒い時刻として扱い、羽織りを選びます。
日差しについても、秋冬は日が低いぶん、建物の影が長く伸びます。夏には日なただった道が、秋冬の朝夕には影になっていることがよくあります。同じ道でも季節によって体感が変わることを、頭の片すみに置いておいてください。
秋冬の立ち上がりで、とくに気をつけること
秋から冬に移る時期は、1年の中でも、最高気温と最低気温の読み方を間違えやすい時期です。気をつけたいことが3つあります。
1つ目は、夕方の下がり方が速くなることです。日が短くなると、日が沈む時刻が早まり、夕方の気温が一気に下がります。夏の終わりと同じ感覚で夕方6時に外にいると、表の目安よりさらに寒く感じることがあります。日の入りの時刻が5時台になったら、夕方の気温は表の目安から1〜2度引いて考えてください。
日の入りの時刻は、天気予報や暦で確かめられます。自分の帰る時刻が日の入りの前か後かを、季節の変わり目に一度確かめておくと、帰り道の羽織りを忘れずに済みます。日の入り前に帰れる日と、日の入り後になる日とでは、同じ予報でも、帰り道の気温は2〜3度違うことがあります。
2つ目は、朝の最低気温が、1週間で大きく下がることです。秋の深まる時期は、数日のうちに最低気温が3〜5度下がることがよくあります。先週と同じ服で朝に出ると、急に寒く感じます。週の初めに、その週の最低気温の予報をまとめて見ておくと、羽織りを替える日がわかります。
3つ目は、建物の中の暖房が入り始めることです。外が寒くなるのと同じ時期に、室内は暖かくなります。外の寒さに合わせて中の1枚を厚くすると、室内で汗をかき、外に出たときに冷えます。この時期こそ、中の1枚と羽織りを別々の数字で決める考え方が役に立ちます。
この時期は、クローゼットの中も入れ替えの途中で、薄手の羽織りと厚手のコートが両方そろっていないこともあります。手持ちの羽織りが少ない人は、薄手の羽織りと中厚手のカーディガンの2枚を重ねて、厚手のコートの代わりにする方法もあります。2枚に分けておけば、気温差の大きい日にも、1枚ずつ脱いで調整できます。
毎朝1分でできる、数字の読み替え方
ここまでの内容を、毎朝の1分でできる手順にまとめます。
- 天気予報で、最高気温と最低気温、天気、風を見る
- 2つの気温の差を出す(1日の気温差)
- 今日、外に長くいる時刻と、いちばん寒い時刻を思い浮かべる
- 表の割合を使って、その2つの時刻の気温を出す
- 長くいる時刻の気温で、中に着る1枚を決める
- いちばん寒い時刻の気温で、羽織りを決める。風が強ければ一段厚く
- 気温差が10度を超えるなら、脱いだ羽織りの置き場所を決める
慣れないうちは計算が面倒に感じるかもしれません。けれど、毎日同じ時刻に出かける人なら、2〜3日続けると、自分の時刻の割合を覚えてしまいます。たとえば朝8時に家を出る人なら、「最低気温に、気温差の2割を足す」とだけ覚えておけば、あとは予報を見るたびに頭の中で計算できます。
もう1つ、計算の答え合わせとして、家を出たときに感じた寒さを、一言だけ書き留めておくことをおすすめします。「ちょうどいい」「少し寒い」「暑い」のどれかで足ります。1週間分たまると、自分が予報の数字より寒がりか暑がりかがわかり、計算した数字を自分用に1〜2度ずらせるようになります。
迷ったら、寒い側に寄せて、脱げる側で調整する
最後に、どうしても迷ったときの考え方を書いておきます。
予報の数字を読み替えても、どちらとも決められない日はあります。そういう日は、寒い側に寄せて、脱げる服で調整するほうが、一日を通して困りません。暑いときは脱げばいいのですが、寒いときに着るものがなければ、どうしようもないからです。
ただし、寒い側に寄せるのは羽織りだけにしてください。中に着る1枚まで寒い側に寄せると、室内で脱げずに困ります。中の1枚は長くいる時刻の気温で、羽織りは寒い側で。この2つを分けておけば、迷った日でも大きく外れることはありません。
寒い側に寄せた羽織りが、実際には暑くて一度も着なかった、という日もあるでしょう。それは失敗ではありません。その日の記録として、「この予報、この時刻なら、この羽織りはいらなかった」と覚えておけば、次に同じような予報の日に、一段薄い羽織りを選べます。予報の数字の読み替えは、何度か外れながら、自分に合う幅を見つけていくものです。
家族の服を一緒に決める人は、家族それぞれの外にいる時刻で、同じ予報を読み替えてください。朝早く家を出る人と、昼から出かける人とでは、同じ家に住んでいても、見るべき数字が違います。子どもの通学なら、登校の朝と下校の夕方で数字を出し、羽織りを持たせるかどうかを決めると、帰り道に寒い思いをさせずに済みます。
最高気温と最低気温は、どちらか一方を見るための数字ではありません。2つの数字から、自分が外にいる時刻の気温を出すための材料です。予報を見る目が変わると、朝のクローゼットの前で迷う時間も短くなります。
よくある問い
- Q. 結局、最高気温と最低気温のどちらを見ればいいですか
- 外にいる時間が朝と夜に多い人は最低気温に近い数字を、昼に多い人は最高気温に近い数字を見てください。通勤で朝と夕方に外を歩き、昼は室内にいる人なら、最低気温に2〜3度足した数字が、外にいるあいだの気温に近くなります。
- Q. 最高気温と最低気温の真ん中の数字で決めてはいけませんか
- 真ん中の数字は、昼前と日暮れごろの気温に近い数字です。その時刻に外にいる人には合いますが、朝早く出て夜遅く帰る人には暖かすぎ、昼だけ外に出る人には寒すぎます。真ん中で決めると、どちらの時刻にも合わない服になりやすいので、自分の外にいる時刻で決めてください。
- Q. 天気予報の数字より、実際は寒く感じます
- 予報の気温は、風の弱い日陰で測った数字です。風が吹けば体感は下がり、日が陰ればさらに下がります。風が強い予報の日は、予報の数字から2〜3度引いて服を選ぶと、実際の感じに近くなります。
- Q. 朝は寒いけど昼は暑い日、羽織りを持つと荷物になります
- 羽織りを薄く、たためるものにするか、羽織りを持たずに中に着る1枚を前の開く服にして、脱ぎ着で調整する方法があります。バッグに入れる余裕がない日は、腰に巻けるか、肩に掛けて歩ける長さのものを選ぶと、荷物になりません。
— メグラシ編集部





