ランニングシューズの選び方は、走る時間ではなく歩く・脱ぐ・濡れる・立つの4条件で決まる

走るために選ぶ人ばかりではありません。選ぶ理由を、走ることに置かなくてかまいません。
この形の一足が持っている実用上の特徴は3つです。底に厚みがあること。甲がやわらかいこと。留め具で締め具合を変えられること。
この3つが効くのは、走る日ではなく、長く歩く日、脱ぐ場面が多い日、濡れる日、立ち続ける日です。だから見る条件も、その4つに置き換えます。
4つの条件と、それぞれの境目
| 条件 | 数える単位 | 境目 |
|---|---|---|
| 歩く | 1回の外出でいちばん長い連続歩行 | 20分 |
| 脱ぐ | 一日に足を抜く回数 | 4回 |
| 濡れる | 濡れる可能性のある日 | 週2日 |
| 立つ | 続けて立っている時間 | 2時間 |
4つのうち1つも当てはまらない日は、この形を選ぶ理由がありません。 底の厚みも留め具も使われないまま一日が終わります。
1つでも当てはまるなら、そこから先は「どの一足か」の話になります。
歩く|20分が、底の厚みが効き始める境目
1回の外出で、いちばん長く続けて歩く時間を数えてください。駅から目的地まで、店から店まで。合計ではなく、途切れずに続く時間です。
20分を超えると、底の厚みが足の裏に伝わる感覚の差として出ます。20分以内なら、厚みの違いはほとんど分かりません。
- 20分未満:底の厚みは判定に入れなくてよい
- 20分〜40分:厚みのある一足が向く
- 40分超:厚みに加えて、底の硬さも見る
底が硬いと、地面の形がそのまま伝わります。やわらかいと沈みます。40分を超える日は、硬すぎず沈みすぎない中間を選んでおくと、途中で気になりません。
硬さの見分け方は、手で1回試せば済みます。つま先とかかとを持って、軽く曲げてみる。 ほとんど曲がらないなら硬い側、真ん中からくの字に折れるならやわらかい側です。中間は、指の付け根のあたりだけがなめらかに曲がります。
もうひとつ、歩く道の種類も条件に入ります。平らな床が続く場所と、段差や坂が多い場所では、同じ20分でも足の動く回数が違います。段差の多い道が続く日は、1段階上の時間として扱ってください。 20分でも40分の判定を使う、という置き換えです。
脱ぐ|ひもを緩めずに足が抜けるか
一日に足を抜く回数を数えます。玄関、席、試着、和室。4回を超えるなら、そのたびに結び直す形は選べません。
1回につき20秒かかるとして、4回で80秒。人を待たせる場面だと、この80秒は長く感じられます。
確かめ方は簡単です。いつもの締め具合のまま、かかとを押さえて足を引き抜いてみる。 抜けるなら、その一足は脱ぐ回数の多い日に使えます。
抜けないときの直し方は2つです。
- 留め具の位置を1つ手前に変える:甲の上に空きができて抜けやすくなる
- 甲の低い一足へ替える:締めなくても足が動かない
脱いだあとの見え方も、条件に入る
席で脱ぐ場面がある日は、脱いだあとの中側が見えます。
内側が明るい色だと、汚れが分かりやすくなります。暗い色だと分かりにくいかわりに、湿りが見えません。
脱ぐ回数が多い日は、内側の色が濃いものを選ぶか、脱ぐ前提で中敷きの状態を朝に一度見ておくかのどちらかにしてください。これは見た目の話なので、履き心地とは別に判定します。
濡れる|一晩で乾くかどうかを先に確かめる
濡れる可能性のある日が週に2日以上あるなら、乾く時間が条件に加わります。
夜に濡らして、翌朝に内側へ手を入れてください。湿りが残るなら、その一足は連日の雨には使えません。同じ用途の2足目が必要になります。
- 目の詰まった表面:水が入りにくい。乾きは遅い
- 目の粗い表面:水が入りやすい。乾きは早い
どちらが向くかは、濡れる頻度ではなく連日かどうかで決まります。 週に1日だけなら目の詰まったほう、連日なら乾きの早いほうです。
乾く時間は、置き方でも大きく変わります。中敷きを抜いて、履き口を上に向けて立てる。 これだけで乾く時間はおよそ半分になります。抜かずに床へ置いたままだと、内側に湿りが残ったまま朝になります。
濡れたあとにもう1つ見るのが、乾いたあとの表面の変化です。乾くと色が濃く残る、白い筋が出る、形が変わる。このどれかが起きる一足は、雨の日には使えません。判定は一度でよく、初めて濡らした翌日に確かめておけば、その後は迷いません。
立つ|2時間を超えると、底の面積が効く
続けて立っている時間が2時間を超える日は、底の厚みより接している面積を見てください。
底が地面に触れている面積が広いほど、体重が分散します。先が細くすぼまっている形は面積が小さく、先まで幅のある形は大きくなります。
判定は、靴を平らな場所に置いて上から見るだけです。足の指の位置にあたるところが、かかとと同じくらいの幅で残っているか。 残っていれば面積は足りています。
4つが重なったときの優先順位
脱ぐ回数がいちばん先です。理由は、脱ぐ回数だけが人と一緒にいる場面で表に出るからです。
歩く時間と立つ時間は自分の中の話で、濡れは天気の話です。脱ぐ回数だけが、その場で待たせる時間になります。
次が濡れです。乾かない一足は翌日も使えないので、影響が2日に及びます。
歩く時間と立つ時間は、底の厚みという同じ数字で両方をまかなえることが多いので、最後で足ります。
服とつなぐ数字①|裾から甲までの距離
ここから先は、服の側の話です。
裾の先端から、靴の甲のいちばん高いところまでの距離を測ります。2センチ以内なら、足元と脚がつながって見えます。
- 0〜2センチ:つながる
- 2〜4センチ:中間。靴下の色で決まる
- 4センチ超:靴だけが下に置かれて見える
4センチを超えているときの直し方は、裾を下げるか、甲の高い一足に替えるかです。運動の形をした靴は甲が高いものが多いので、この距離はもともと詰まりやすい特徴があります。
服とつなぐ数字②|足元の色が、全身で何点目か
足元の色と同じ色が、上半身にもう1点あるかどうかを見てください。
あれば、足元は全身の一部として読まれます。 なければ、足元だけが独立した点になります。
2点目を置く場所は、鞄でも、上着でも、首元でもかまいません。位置よりも、上半身にあることのほうが効きます。 足元と同じ色が下半身にもう1点あっても、視線は下で往復するだけで上へ上がりません。
この形の靴は色数の多いものが少なくありません。その場合、いちばん面積の広い色だけを数えてください。 細い線として入っている色は数えなくてかまいません。
服とつなぐ数字③|靴下の見える丈
履き口の上に1センチから3センチ出ているか、まったく見えないか。 この2つのどちらかにしてください。
中間、つまり履き口とちょうど同じ高さで見え隠れする状態がいちばん落ち着きません。歩くたびに出たり隠れたりするからです。
まったく見えない形を選ぶときは、履き口の高さより2センチ低い丈を選びます。同じ高さの丈だと、歩いているうちに中へ入り込みます。
出す形を選ぶときは、出す高さを一日を通して保てるかを見てください。厚みのある靴下は履き口に引っかかって位置が動きませんが、薄いものはずり下がります。朝に3センチ出していたものが、昼には見えなくなっている。この落差は薄い靴下でよく起きます。
出す高さは、裾との関係でも決まります。裾が靴の甲まで届いている日は、靴下を出しても見えません。裾が足首より上で止まっている日にだけ、出す形が意味を持ちます。 つまり、靴下の丈はその日のボトムスの丈とセットで決めるものです。
どちらとも取れる場合①|連続歩行がちょうど20分
境目です。判断材料は、その日に持つ荷物の重さです。
肩や手に荷物があると、同じ20分でも足の裏にかかる重さが増えます。荷物のある日は、20分を超えたものとして扱ってください。
手ぶらに近い日は、20分未満として扱ってかまいません。荷物の有無で1段階動くと覚えておくと、境目で迷いません。
どちらとも取れる場合②|脱ぐ回数が3回
上限のすぐ下です。ここは、その3回がどこで起きるかで決めます。
3回とも自宅の玄関なら、待たせる相手がいないので結び直す形でも問題ありません。人がいる場所で3回なら、4回として扱ってください。
回数そのものより、待たせる場面の数のほうが実態に近い数字です。
どちらとも取れる場合③|裾から甲までが3センチ
中間の帯です。ここは靴下の色で決まります。
靴下が靴と同じ色なら、3センチの空きは靴の一部として読まれ、つながって見えます。
靴下が脚の色に近いなら、空きは脚の続きとして読まれます。これもつながります。
靴とも脚とも違う色の靴下だと、3センチの帯だけが独立します。 この帯を作りたくないなら、靴下を靴か脚のどちらかに寄せてください。
手持ちの1足で、どこまで足りるか
4つの条件をすべて満たす一足は、なかなかありません。週の予定を見て、どの条件が何日出るかを数えてください。
脱ぐ回数の多い日が週3日、濡れる日が週2日。この2つが重ならないなら、1足でまかなえることがあります。重なる日があるなら、そこだけが2足目の理由になります。
2足目を買う理由は、好みではなく重なりの日数で説明できます。 重なりが月に1日なら、その日だけ別の形を選ぶほうが早い判断です。
数えるときは、条件ごとに正の字を書くだけで足ります。脱ぐ日、濡れる日、長く歩く日、長く立つ日。1週間ぶんを数えれば、どの条件がいちばん多いかが見えます。いちばん多い条件に合わせた一足が、その人にとっての1足目です。
2足で回すなら、分け方は条件で分けてください。 色や形で分けると、朝にどちらを履くか迷います。「濡れる日はこちら」「脱ぐ日はこちら」と決めておけば、天気と予定を見た時点で決まります。使う頻度も自然に半分ずつに近づき、片方だけが早く傷むことがなくなります。
判定の順番
脱ぐ → 濡れる → 歩く → 立つ → 服とつなぐ3つの数字の順です。
前の4つで一足が決まり、後ろの3つで着る服が決まります。順番を逆にして服から決めると、脱ぐ場面で困る日が出ます。
サイズが合っているかどうかは、足長や足囲といった別の寸法で判定します。この記事で扱ったのは、サイズが合っている前提で、どの一足を選ぶかという話です。
4つの条件は、どれも自分で数えられます。時計を見る、回数を数える、天気を見る。特別な道具も、専門の知識も要りません。選ぶ理由を運動の話に置かないことで、判定に必要なものが全部手元に来るというのがこの並べ方の要点です。
条件が変われば、答えも変わります。仕事の場所が変わる、送り迎えが終わる、通う道が変わる。そのたびに4つを数え直せば、同じ手順で次の一足が決まります。 数え直す時期は決めなくてかまいません。今の一足が合わないと感じた日が、そのまま数え直す日です。
関連記事
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 走らないのに、走る形の靴を選んでもいいのですか
- 選ぶ理由を、走ることに置かなければ問題ありません。この形の一足が持っている実用上の特徴は、底に厚みがあること、甲がやわらかいこと、留め具で締め具合を変えられることの3つです。長く歩く日、脱ぐ場面が多い日、濡れる日には、この3つがそのまま効きます。逆に、これらの条件が一日に1つも当てはまらない日は、この形を選ぶ理由がありません。選ぶ基準を運動の話ではなく、歩く時間と脱ぐ回数と濡れと立つ時間に置き換えてください。答えははっきり出ます。
- Q. 脱ぐ場面が多い日は、何を見ればいいですか
- ひもを緩めずに足が抜けるかどうかです。脱ぐ回数が4回以上ある日は、そのたびにひもを結び直す形は選べません。1回につき20秒かかるとして、4回で80秒。人を待たせる場面だと、この80秒が長く感じられます。確かめ方は簡単で、いつもの締め具合のまま、かかとを押さえて足を引き抜いてみてください。抜けるなら、その一足は脱ぐ回数の多い日に使えます。抜けないなら、留め具の位置を1つ手前に変えるか、甲の低い一足に替えてください。
- Q. 雨の日にも履きたいのですが、判定は変わりますか
- 乾く時間が条件に加わります。濡れる可能性のある日が週に2日以上あるなら、一晩で乾くかどうかを先に確かめてください。夜に濡らして、翌朝に内側へ手を入れて湿りが残っていないかを見ます。残るなら、その一足は連日の雨には使えません。同じ用途の2足目が必要になります。目の詰まった表面は水が入りにくいかわりに乾きも遅く、目の粗い表面は水が入りやすいかわりに乾きが早い。どちらが向くかは、濡れる頻度ではなく連日かどうかで決まります。
- Q. 服から浮いて見えます。どこを直しますか
- 3つの数字を見てください。1つめは、裾から靴の甲までの距離。2センチ以内に収まっていれば、足元と脚がつながって見えます。空きが4センチを超えると、靴だけが下に置かれている状態になります。2つめは、足元の色が全身で何点目か。足元の色と同じ色が上半身にもう1点あれば、足元は全身の一部として読まれます。3つめは、靴下の見える丈。履き口の上に1センチから3センチ出ているか、まったく見えないか。中間がいちばん落ち着きません。
- Q. 4つの条件のうち、複数が当てはまるときはどう選びますか
- 脱ぐ回数を優先してください。理由は、脱ぐ回数だけが人と一緒にいる場面で表に出るからです。歩く時間と立つ時間は自分の中の話で、濡れは天気の話です。脱ぐ回数だけが、その場で待たせる時間になります。次に優先するのは濡れです。乾かない一足は翌日も使えないので、影響が2日に及びます。歩く時間と立つ時間は、底の厚みという同じ数字で両方をまかなえることが多いので、最後に見てかまいません。この順で決めると、迷いが1回で終わります。
— メグラシ編集部




