ジーンズのトレンド 秋冬|コートの丈から、裾の太さと長さを決める

**いま、いちばんよく着るコートを着て、鏡の前に立ってみてください。**コートの裾から床まで、ジーンズが見えているのは何センチですか。
秋冬のジーンズのトレンドは、その数字で受け止め方が変わります。春や初夏は上半身から靴まで全部がジーンズと一緒に見えるので、形の流行をそのまま受けられます。ところが秋冬は、腰から上と腿のあたりがコートで隠れます。人の目に入るのは、コートの裾から靴までの部分だけです。
同じ太めのジーンズでも、膝下まであるコートの下では「裾だけが広がった筒」に見え、腰までのジャケットの下では「全体がゆったりした形」に見えます。売り場で見た印象と家で見た印象が違うのは、ほとんどがこの差です。
この記事では、コートの丈を基準にして、ジーンズの裾の太さと長さを決める方法を順に書きます。布の厚みや色の落差で流行を測る方法はデニムの流行は布の重さと色の落差で決まるに、手持ちの本数の分け方はジーンズの流行は3本の役割分けで受け止めるにまとめています。ここではそれとは別に、秋冬だけに起きる「コートの下で見える部分」の話に絞ります。
結論:見える長さが40センチ未満か、40〜60センチか、60センチを超えるか
先に答えを書きます。コートの裾から床までの長さを「見える長さ」と呼ぶことにします。
| 見える長さ | よくあるコート | 選ぶ裾の太さ | 選ぶ丈 |
|---|---|---|---|
| 40センチ未満 | ふくらはぎ丈のロング | 膝幅と同じか少し細い、まっすぐ | くるぶしが隠れて靴の甲に少しかかる |
| 40〜60センチ | 膝が隠れる丈 | 膝幅より指2本ぶんまで太くてよい | 靴の甲の半分が隠れる |
| 60センチを超える | 腰丈・腿丈の上着 | 今年の太さをそのまま受けてよい | かかとの上半分まで隠れる長め |
**見える長さが短いほど、ジーンズは細く短く。長いほど、太く長くしてよい。**これが基本の向きです。
なぜそうなるかというと、見える長さが短いと、その中でジーンズが担う「面」が小さくなるからです。小さい面の中で裾だけが大きく広がると、コートの裾の広がりとジーンズの裾の広がりが二段に重なり、足元だけが重く見えます。逆に見える長さが長いと、ジーンズは脚全体の形を見せる役になるので、太さの流行がそのまま伝わります。
表は向きを示すためのものです。40と60という数字は目安なので、自分がちょうど境目にいる場合の決め方は、後ろの「どちらとも取れる場合」の章で詳しく書きます。
まず測る:コートの裾から床まで
測り方はかんたんです。
いつも履く靴を履きます。秋冬に履く回数がいちばん多い靴を選んでください。次に、この秋冬にいちばん着る予定のコートを着ます。鏡の前でまっすぐ立ち、床からコートの裾のいちばん下までをメジャーで縦に測ります。一人で測りにくいときは、床に置いたメジャーの目盛りを鏡越しに読めば足ります。
後ろの裾が前より長いコートや、裾が斜めに切れているコートは、横から見て前と後ろの真ん中の高さで測ってください。前が開くコートを開けて着る人は、開けた状態で測ります。開けると前の裾が少し上がるので、閉めたときより2〜3センチ長く出ることがあります。
身長によって同じコートでも見える長さは変わります。だから「ロングコートならこれ」と一律に決めず、自分の体と自分のコートで測った数字を使ってください。ここがこの記事でいちばん大事なところです。
測った数字はメモしておきます。コートを2着以上持っている人は、それぞれ測ってください。その差が大きい場合の決め方も、後で書きます。
見える長さが40センチ未満の人:まっすぐ、細めに
ふくらはぎの真ん中より下まで届くロングコートを着ると、見える長さは多くの人で30〜40センチほどになります。
この長さの中で、ジーンズは「脚の先端」の役しかしません。形を主張させると、コートの裾とぶつかります。選ぶのは、膝から裾までがまっすぐ落ちる形で、裾幅が膝幅と同じか、少し細いものです。
確かめ方は、ジーンズを平らに置いて、膝の位置の幅と裾の幅を測ることです。裾幅が膝幅より1センチ以上広がっているものは、ロングコートの下では広がって見えます。裾幅が膝幅より細すぎて足首に沿うものは、今度はコートの量に対して足元が頼りなく見えます。膝幅と裾幅の差が1センチ以内に収まるものが、いちばん収まりがいい形です。
丈は、くるぶしの骨が隠れて、靴の甲に少しかかるくらいにします。ロングコートの下で裾を短く切って足首を見せると、コートの裾と足首の間にもう一本線が増え、見える長さがさらに短く分断されます。寒い季節に足首を出す必要もありません。
色は、コートより一段暗いか、一段明るいかのどちらかにすると、面が小さくても境目がはっきりします。同じ明るさにすると、コートとジーンズの境目がぼやけ、足元が長いコートの一部のように見えます。
太さの流行を受けたいとき
ロングコートを着ながら太さの流行も取り入れたい場合は、裾幅ではなく、腿まわりにゆとりのあるものを選んでください。腿はコートで隠れているので、ゆとりがあっても見えません。見えるところはまっすぐに保てます。着ていて楽で、コートを脱いだ室内では今年らしい形が見えるので、両方の利点を取れます。
見える長さが40〜60センチの人:太さを少し受ける
膝がちょうど隠れるか、膝の少し下で止まるコートを着ると、見える長さは40〜60センチほどになります。いちばん多い長さで、選べる幅もいちばん広い帯です。
この長さなら、ジーンズは膝から下の形を見せる役になります。裾幅は、膝幅より指2本ぶん、およそ3センチまで太くしてよい範囲です。それより広がると、膝下の短い区間に台形の広がりが強く出て、コートとジーンズが別々の服に見え始めます。
丈は、靴の甲の半分が隠れるくらいにします。裾が甲に少したまる長さです。この長さのたまりは、見える長さの中で縦の線を床までつなげる働きをします。
コートの裾の形も見てください。裾が広がるAラインのコートなら、ジーンズはまっすぐ寄りに。裾がすとんと落ちる箱型のコートなら、ジーンズの裾に少し広がりがあっても重なりません。広がりはどちらか一方にだけ置く、と覚えておくと迷いにくくなります。
曲線のある形を選ぶなら
腿から膝にかけて外側にゆるく膨らみ、裾に向かって少し絞れる、曲線のある形がこの数年売り場に並んでいます。この形は、膨らみのいちばん大きい位置がどこに来るかで、コートとの相性が決まります。
膨らみの頂点が膝より上にある形なら、膝丈のコートで頂点が隠れ、見える部分では裾に向かって絞れた線だけが見えます。これは収まりがいい組み合わせです。頂点が膝より下にある形だと、コートの裾のすぐ下に膨らみが出て、脚が短く区切られて見えます。試着のときは、頂点の位置を膝と比べてください。
見える長さが60センチを超える人:形の流行をいちばん出せる
腰丈のジャケットや、腿の真ん中までのショート丈の上着を着ると、見える長さは60センチを超えます。秋の前半や、冬でも暖かい日の休日に多い組み合わせです。
この長さでは、ジーンズの形がほぼ全部見えます。太さの流行を受けたいなら、この組み合わせのときにいちばん素直に出ます。裾幅が膝幅より大きく広がる形も、全体がゆったりした太い形も、上着が短ければ釣り合います。
丈は長めにします。かかとの上半分まで隠れるくらい、裾がしっかり床に向かって落ちる長さです。太いジーンズを短い丈にすると、横幅に対して縦が足りず、寸詰まりに見えます。太さと長さは一緒に増やす、と考えてください。
上着が短いと腰まわりも見えるので、ウエストの位置も見られます。股上が浅いと、上着の裾とジーンズのウエストの間に体が見える隙間ができやすくなります。中に着るものを長めにするか、股上が深いものを選んでください。
上着の幅との釣り合い
短い上着の場合は、上着の横幅とジーンズの裾幅も比べてください。上着の身幅がゆったりしているのに、ジーンズが細いと、上が重く下が軽い逆三角の形になります。上着がゆったりなら、ジーンズもある程度の太さを持たせると、上下の幅がそろって落ち着きます。上着が体に沿う細めなら、ジーンズの太さは好みで選べます。
裾の太さは、コートの裾幅との差で決める
ここまでは見える長さで分けましたが、もう一つの物差しが、コートの裾の幅です。
コートの前を閉めて立ったとき、裾の横幅はどれくらいでしょうか。鏡で正面から見て、コートの裾の幅と、ジーンズの両脚の裾を合わせた幅を比べてください。
コートの裾幅のほうが広い場合は、上から下へ細くなる流れができます。これは見える長さがどれでも落ち着く形です。ジーンズの両裾を合わせた幅がコートの裾幅に近づくと、上から下までが一本の太い筒に見えます。これは好みが分かれる形で、上着もジーンズもゆったりした、量感のある装いを狙うなら成り立ちます。ジーンズの裾のほうがコートより広い場合は、下に向かって広がる逆の流れになり、足元にいちばん重さが来ます。
迷ったら、ジーンズの両裾を合わせた幅を、コートの裾幅の8割までに収めると、どのコートでも外れにくくなります。
裾の長さは、靴の甲がどれだけ隠れるかで決める
同じジーンズでも、靴を替えると丈の見え方が変わります。秋冬は靴の幅が広がる季節なので、ここは毎年確かめ直す価値があります。
甲の低い靴、たとえば浅い革靴や甲の見えるフラットな靴なら、裾は甲に少しかかるくらいで止まります。長すぎると裾が甲の上でつぶれ、たまりが横に広がって太く見えます。甲の高い靴、たとえばひも靴やくるぶしまである短い筒の靴なら、裾は靴の上にのって自然にたまります。こちらは少し長めでも収まります。
筒の長いブーツと合わせる場合は、裾を中に入れるか上にかぶせるかで話がまったく変わります。この判断はブーツにパンツ|裾を入れるか、かぶせるかに詳しく書いたので、ここでは筒の短い靴に絞ります。
靴の甲がどれだけ隠れているかを、鏡で真横から見てください。
- 甲が全部見える:見える長さが40センチ未満なら短く感じる。ロングコートには長さを足す
- 甲が半分隠れる:どの見える長さにも合う中間
- 甲がほぼ隠れて、かかとも半分隠れる:見える長さが60センチを超えるときに合う
色の濃さは、コートの明るさと一段離す
形の次に効くのが、色の濃さです。
コートとジーンズの明るさが近いと、境目がわかりにくくなります。これは悪いことではなく、上から下までをつなげて縦に長く見せたいときには使えます。ただ、見える長さが短いロングコートで明るさをそろえると、ジーンズの面が埋もれてしまい、トレンドの形を選んだ意味が消えます。
ロングコートの下では、コートとジーンズの明るさを一段離してください。濃い色のコートならジーンズは中くらいの青か明るい青、明るい色のコートなら濃い青か黒に近い色です。
見える長さが長い短い上着の場合は、明るさをそろえてもジーンズが十分に見えるので、どちらでも選べます。
黒やグレーのジーンズの場合
秋冬は、青ではなく黒やグレーのジーンズを選ぶ人も増えます。黒やグレーは青より境目がつきにくい色なので、コートの色との関係がより強く出ます。
黒いコートに黒いジーンズを合わせると、上から下まで一続きの面になります。この場合はジーンズの形の流行はほとんど見えず、全体の長いシルエットだけが残ります。それを狙うなら成り立ちますが、太さの流行を見せたいなら、どちらかの明るさを変えてください。
グレーのジーンズは、明るいグレーなら暗いコートと、濃いグレーなら明るいコートと合わせると、境目がはっきりします。黒やグレーは色落ちの模様が少ないぶん、裾の形がそのまま見えやすい色でもあります。見える長さのルールを、青のジーンズより少しだけ厳しめに守ると、外れにくくなります。
どちらとも取れる場合の決め方
ここからが、表だけでは答えが出ない人のための章です。実際の相談では、この章にあたる人がいちばん多くいます。
見える長さがちょうど40センチ前後、60センチ前後の人
境目の上にいる場合は、コートの裾の形で決めます。裾が広がるコートなら、狭い側のルールを使います。たとえば42センチでも、Aラインのコートなら40センチ未満のルールでまっすぐ細めを選びます。裾がまっすぐ落ちるコートなら、広い側のルールを使います。38センチでも箱型のコートなら、膝幅より少し太いものまで試してかまいません。
裾の形でも決まらない場合は、靴で決めます。秋冬に履く靴が甲の高いものなら広い側、甲の低いものなら狭い側です。甲の高い靴はジーンズの裾を受け止めてくれるので、少し太さを足しても足元がまとまります。
ロングコートとショート丈の上着を両方着る人
これがいちばん多い相談です。答えは「着る回数が多いほうに合わせる」です。
数えてください。平日に着るほうと、休日に着るほうに分かれていることが多いはずです。秋冬のあいだ、週に何回ずつ着るかをざっくり出します。回数が多いほうのコートの見える長さで、裾の太さと丈を決めます。
回数がほぼ同じ場合は、どちらにも外れにくい形を選びます。裾幅が膝幅と同じか1センチ広いくらいのまっすぐな形で、丈は靴の甲の半分が隠れる長さです。この形はロングコートの下ではまっすぐな筒として収まり、短い上着の下では素直なストレートとして見えます。どちらでも「今年らしい」とまでは言えませんが、どちらでも外れません。
そのうえで、短い上着を着る日だけ靴を甲の高いものに替えると、裾がたまって太さが少し増したように見えます。1本で2つの見え方を作る方法です。
見える長さが冬の間に変わる人
秋の前半は短い上着、冬になったらロングコート、という人も多いでしょう。この場合は、いま買うなら次の3か月で多く着るほうに合わせます。秋口に買うならまだ短い上着の時期が長いので広い側、冬の入り口に買うならロングコートの時期が長いので狭い側です。
身長が高めで、ロングコートでも見える長さが長い人、低めで短い上着でも見える長さが短い人
身長によって、同じ種類のコートでも見える長さは大きく変わります。ロングコートを着ても見える長さが50センチある人は、ロングコートだからといって細くする必要はありません。測った数字のほうを信じてください。
逆に、腰丈の上着でも見える長さが55センチほどにしかならない人は、60センチを超える場合のルールではなく、40〜60センチのルールを使います。太さを受けるとしても指2本ぶんまでにとどめると、上下の釣り合いがとれます。
「ロング」「ショート」という呼び方は売り場の分類で、体に対する長さではありません。この記事が数字で分けているのは、そのずれをなくすためです。
すでに太いジーンズを持っていて、ロングコートしかない人
買い替えずに収める方法があります。裾を内側に一度折り、くるぶしの少し上で止めて、甲の高い靴を合わせます。すると見える長さの中で、ジーンズの裾の広がりが靴の甲の高さで受け止められ、広がりが目立ちにくくなります。色はコートと一段離すと、ジーンズが小さい面でもはっきり見えて、広がりより色の切り替えに目が行きます。
2本持つなら、コートごとに役割を分ける
コートを2着以上持っていて、見える長さが大きく違う人は、ジーンズを2本に分けると判断が楽になります。
1本は見える長さが短いロングコート用の、まっすぐで細めの濃い色。もう1本は見える長さが長い短い上着用の、太さを受けた中くらいの色です。2本の性格を離しておくと、朝にコートを決めた時点でジーンズも決まります。
手持ちが1本だけで、2本目を買うか迷っている人は、まず1本目がどちらの役に近いかを見てください。近いほうの役は1本目に任せ、2本目は反対側の役で選びます。3本以上の分け方はジーンズの流行は3本の役割分けで受け止めるを参考にしてください。
試着室での確かめ方
秋冬にジーンズを買うときは、コートを持って試着室に入るのがいちばん確実です。
試着室でジーンズを履いたら、着てきたコートを羽織ります。靴も、できれば秋冬にいちばん履く靴で行ってください。鏡の前で、正面と真横の2回だけ見ます。
正面では、コートの裾幅とジーンズの両裾の幅を比べます。真横では、靴の甲がどれだけ隠れているかと、曲線のある形なら膨らみの頂点がコートの裾の上か下かを見ます。
試着室の鏡は全身が近くに映るので、実際より見える長さを短く感じやすい点にも気をつけてください。一歩下がるか、試着室の外の大きな鏡で見ると、人から見える距離に近づきます。
コートを持っていけない日は、見える長さの数字を覚えておき、試着室でジーンズの裾から上にその長さぶんだけを見ます。手のひらでそれより上を隠すと、だいたいの見え方がわかります。
通販で買うとき
通販では試着ができないので、数字で判断します。商品ページに載っている寸法のうち、見るのは膝幅、裾幅、股下の3つです。
まず、手持ちのジーンズでいちばん丈がしっくりくる1本の股下を測ってください。股の縫い目から裾までの長さです。商品の股下がそれより長ければ、そのぶん裾がたまります。見える長さが40センチ未満の人は、手持ちと同じか1センチ短いものを、60センチを超える人は手持ちより1〜2センチ長いものを選ぶと、ここまでの丈のルールに近づきます。
次に、膝幅と裾幅の差を計算します。差が1センチ以内ならまっすぐ、3センチ前後なら少し広がる形、5センチを超えるなら広がりがはっきり見える形です。この差を、自分の見える長さのルールと照らし合わせてください。
写真の印象より、この3つの数字のほうが、コートの下での見え方を正確に教えてくれます。
手持ちのジーンズで今年らしく寄せる方法
買い替えなくても、見える長さの中の比率を変えることで、今年の空気に近づけられます。
一つ目は丈です。いまのジーンズが長すぎて裾が大きくたまっているなら、一度だけ内側に折って、たまりを減らします。短すぎるなら、甲の高い靴に替えて、見た目の丈を足します。
二つ目は靴です。秋冬の売り場は、甲が高く幅のある靴に寄っています。細めのジーンズに幅のある靴を合わせると、裾まわりに量が加わり、太さの流行に少し近づきます。
三つ目はコートの前の開け閉めです。前を開けて着ると、コートの縦の開きからジーンズの腿の部分が少し見え、見える長さが実質的に伸びます。太めのジーンズを持っていてロングコートを着る人は、前を開けるだけで、太さの見え方を少し取り戻せます。
形そのもの、つまり太さを変えたいときだけ、買い替えを考えてください。
失敗しやすい組み合わせ
相談でよく出る失敗を5つ挙げます。どれも、ジーンズ単体で見ればおかしくないのに、コートや靴と組んだときにだけ起きる失敗です。売り場や試着室では気づきにくく、家で初めてコートを着たときや、外に出てお店のガラスに映った自分を見たときに気づくことが多いものです。自分の手持ちのコートと靴を思い浮かべながら読んでください。当てはまるものがあれば、ジーンズを替える前に、まず靴か丈か前の開け閉めで直せないかを試してください。
一つ目は、ふくらはぎ丈のAラインのコートに、裾の広がるジーンズを合わせることです。広がりが二段に重なり、足元が重くなります。どちらかの広がりをやめてください。
二つ目は、腰丈の短い上着に、短い丈の細いジーンズを合わせることです。見える長さが長いのに、その中のジーンズが細く短いので、上着の量に対して下が軽く、全体が上にずれて見えます。丈を伸ばすか、少し太さを足してください。
三つ目は、膝丈のコートに、膨らみの頂点が膝より下に来る曲線のジーンズを合わせることです。コートの裾のすぐ下で脚が膨らみ、区切りが一つ増えます。頂点が膝より上の形に替えるか、コートを短い上着に替えてください。
四つ目は、ダウンや中綿の入った膨らみのある上着に、細すぎるジーンズを合わせることです。中綿の上着は、同じ丈でもウールのコートより横幅が大きく出ます。上着の量が大きいぶん、足元が細すぎると、上が重く下が軽い形がはっきりします。膨らみのある上着の日は、見える長さのルールより一段太い側を選んでください。たとえば見える長さが40センチ未満でも、中綿のロングなら、膝幅と同じまっすぐではなく、膝幅より指1本ぶん太い形まで広げてかまいません。
五つ目は、試着のときの靴と、実際に履く靴が違うことです。売り場の試着用の靴や、その日たまたま履いていた夏の靴で丈を決めると、秋冬の靴に履き替えたときに丈が合わなくなります。甲の高さが違うだけで、裾のたまり方は大きく変わります。丈を決めるときは、秋冬にいちばん履く靴を前提にしてください。その靴で試せなかったときは、裾上げをすぐに頼まず、家でその靴を履いてから決めても遅くありません。
秋冬の売り場で見かける形を、どこまで受けるか
最後に、売り場でよく見る形と、見える長さの関係をまとめます。
まっすぐな形は、どの見える長さでも外れません。秋冬にいちばん出番が多いのはこの形です。太めでまっすぐな形は、見える長さが40センチを超える人なら、裾幅だけ確かめれば受けられます。裾に向かって広がる形は、見える長さが60センチを超えるときにいちばんきれいに見え、ロングコートの下では広がりが重なります。曲線のある形は、膨らみの頂点の位置さえ合えば、膝丈のコートとも合わせられます。
どの形が流行っているかより、自分のコートの下でどう見えるかで決めてください。見える長さの数字を一つ持っていれば、売り場で毎年変わる形の名前に振り回されずに済みます。
一日の中で見え方が変わる場面
見える長さは、立って鏡を見たときの数字です。秋冬の一日には、その数字が変わる場面がいくつかあります。買う前に、自分の一日で多い場面を一つか二つ思い浮かべてください。
室内でコートを脱いだとき
職場や店に入ってコートを脱ぐと、ジーンズは腰から下が全部見えます。ここで初めて、腿まわりのゆとりやウエストの位置が人の目に入ります。
ロングコートに合わせてまっすぐ細めを選んだ人は、脱いだあとに上半身が重く見えないかを確かめてください。中に厚手のニットを着る日が多いなら、ニットの裾がジーンズのどこにかかるかで印象が変わります。ニットの裾が腰骨の少し下で止まるなら、細めのジーンズでも釣り合います。腿の半分まで届く長いニットなら、細めのジーンズとの組み合わせで、上が長く下が細い形になり、それ自体が一つの形としてまとまります。
室内で過ごす時間が外より長い人は、コートを脱いだときの見え方も同じ重さで考えてください。その場合、腿にゆとりがありながら裾はまっすぐ、という形が、外と中の両方に合います。
座ったとき
椅子に座ると、ジーンズの裾は3〜5センチほど上がります。立っているときに靴の甲に少しかかる長さでも、座ると足首が見えることがあります。
秋冬は靴下やタイツの色も見られる季節です。座る時間が長い人は、裾が上がったときに見える部分の色を、ジーンズか靴のどちらかにそろえておくと、足首で線が切れません。電車で座る時間が長い人や、会議の多い人は、立って測った丈より1〜2センチ長めを選ぶと、座ったときにちょうどよくなります。
雨の日と、ぬれた路面
秋冬の雨の日は、裾がいちばん傷む日です。床に向かって長く落ちる丈のジーンズは、雨の日に裾の後ろが濡れて、乾いたあとに色が変わったり、ほつれたりします。
見える長さが長い短い上着の日は、長めの丈を選ぶと書きましたが、雨の多い地域に住んでいる人や、駅まで歩く分数が長い人は、かかとの上半分ではなく、かかとの上に少しかかる程度にとどめてください。雨の日の靴と裾の合わせ方はレインブーツの合わせ方にも書いています。
自転車に乗る日
自転車に乗ると、太い裾はチェーンや前の車輪に当たりやすくなります。裾の広がる形や、太めでまっすぐな形を選ぶなら、乗るときだけ裾を一度折るか、裾留めを使うつもりで選んでください。自転車の日が多い人は、見える長さが長くても、膝幅より指1本ぶんまでの太さにとどめると、折らずに乗れます。
階段と段差
太いジーンズの長めの丈は、階段を上がるときに裾を踏みやすくなります。駅の階段を毎日使う人は、試着のときに試着室の段差を一度上がってみてください。かかとで裾を踏むようなら、その丈は秋冬の通勤には長すぎます。
関連する記事
よくある問い
- Q. 今年のジーンズは太いほうがいいのでしょうか
- 売り場の平均は太めに寄っていますが、秋冬に限っては、太さを受けられるかどうかはコートの丈で変わります。コートの裾から床まで40センチを切る長いコートを主に着るなら、太い裾はコートの裾と重なって幅が二重に見えます。その場合はまっすぐな形を選び、太さは春に回してください。
- Q. ロングコートとショート丈の上着を両方着ます。どちらに合わせればいいですか
- この秋冬にいちばん着る回数が多いほうに合わせます。数えるのが難しければ、通勤や平日に着るほうを優先してください。休日だけ着る上着のほうは、靴を替えて調整できます。両方に同じ1本を合わせたい場合は、裾幅が膝幅とほぼ同じまっすぐな形が、どちらにも外れにくい形です。
- Q. 手持ちのジーンズを買い替えずに今年らしくする方法はありますか
- 丈と靴で寄せられます。裾を一度折って靴の甲を見せる、または靴を甲の高いものに替えて裾のたまりを減らすと、見える長さの中の比率が変わります。太さそのものは変えられないので、太さを変えたいときだけ買い替えを考えてください。
- Q. コートの裾から床までは、どうやって測ればいいですか
- いつも履く靴を履いて、コートを着て、鏡の前でまっすぐ立ちます。床からコートの裾のいちばん下までを、メジャーで縦に測ってください。後ろの裾が長いコートは、横から見て前と後ろの平均をとります。
— メグラシ編集部





