結婚式 ジャケットを椅子にかける|下が袖なしか、席が壁際かで分ける

**下に着ている服が肩を覆っていて、椅子の後ろに人が通らないなら、乾杯のあとにジャケットを脱いで椅子の背にかけてかまいません。**縦に二つ折りにして、裏地を外に向け、肩の線を背もたれの角に合わせて掛けます。
下に着ているのが袖なしなら、話が変わります。脱いでよいのは歓談の時間だけです。挙式、乾杯、祝辞、余興、新郎新婦が席を回ってくる写真の時間は、羽織っておいてください。
もう一つの分かれ目は、席の位置です。椅子の背から後ろの壁や隣のテーブルまでが60cmより狭い席は、スタッフが料理を運ぶ通り道です。そこに掛けると、すれ違うたびにジャケットが引っかかります。この場合は背に掛けず、背中と背もたれの間に挟むか、ひざの上に置きます。
先に確かめるのは2つだけ:袖と、椅子の後ろ
「結婚式でジャケットを椅子にかけていいか」は、一つの答えでは決まりません。決めているのは、次の2つです。
| 確かめること | こうなら | こうなら |
|---|---|---|
| 下の服の袖 | 肩が隠れる(袖あり) | 肩が出る(袖なし・肩が透ける) |
| 椅子の後ろの余白 | 60cm以上ある | 60cmより狭い・通路になっている |
袖ありで余白が広ければ、乾杯のあと脱いで背に掛けて最後までそのままで大丈夫です。袖なしで余白が狭ければ、ほとんど脱がずに過ごす前提で、薄い羽織りを選んでおきます。残りの2つの組み合わせは、この記事の後半でそれぞれ書きます。
下が袖ありなら:乾杯のあとに脱いで、最後まで掛けたままでよい
下の服が肩から二の腕の上まで覆っていれば、ジャケットを脱いでも装いとしては崩れません。昼の会でも夜の会でも、乾杯が済んで料理が出始めたころに脱ぐのが自然です。
脱ぐ時間を乾杯のあとに置くのは、乾杯までは全員が立ったり座ったりを繰り返すからです。受付、挙式、入場、新郎新婦の紹介、乾杯の発声と、席を立つ場面が続きます。そのたびにジャケットを椅子から取ったり戻したりすると、落としたり、しわを作ったりしやすくなります。
乾杯のあとは、ほとんどの時間を座って過ごします。席を立つのは、写真を撮りに行くときと、お手洗いくらいです。背に掛けたまま、送賓の前に羽織り直せば足ります。
下が袖なしなら:脱ぐのは歓談の時間だけ
袖なしのドレスやワンピースの上にジャケットを重ねている場合、ジャケットは「肩を隠す役」を持っています。昼の会ほど、肩や腕を大きく出さない装いが好まれます。
それでも、料理を食べるあいだずっとジャケットを着ていると、袖口がお皿やソースに触れやすくなります。袖なしの人が脱いでよいのは、新郎新婦が退場してお色直しに行っている時間や、料理が続いて誰も前に出ていない時間です。
羽織り直す合図は3つあります。司会がマイクを持って話し始めたとき、スタッフが照明を落とし始めたとき、新郎新婦がこちらのテーブルに向かって歩いてきたときです。この3つのどれかが見えたら、袖を通してください。
椅子の後ろが60cmあるかは、座る前に見る
椅子の後ろの余白は、席に着く前に一度見ておきます。測るのは、椅子の背の一番後ろから、後ろの壁かテーブルの縁までの距離です。
目安は60cmです。人が一人横向きにならずに通れる幅で、料理を運ぶスタッフはこの幅があるところを通ります。60cmより狭い席では、スタッフは体を斜めにして通るか、別の道を通ります。そこにジャケットの裾が垂れていると、トレーや肘が当たります。
座ってから振り返って見るのは目立つので、席に向かう途中で、自分の椅子の後ろが通り道になっているかを見ておきます。後ろが入口や厨房への扉に向いている席は、ほぼ確実に通り道です。
椅子の後ろが狭いなら:背に掛けずに、背中と背もたれの間に置く
後ろが通り道になっている席では、ジャケットは椅子の外に出さないのが基本です。置き場は2つあります。
1つ目は、背中と背もたれの間です。縦に二つ折りにしたジャケットを、さらに横に半分に折り、背もたれに沿わせて立てて置き、その前に座ります。厚みが5cmくらいまでなら、座っていても背中に当たる感じはほとんどありません。
2つ目は、ひざの上です。ナプキンを広げる前に、たたんだジャケットをひざに置き、その上からナプキンをかけます。ソースが落ちてもナプキンが受けるので、ジャケットは汚れません。厚手のツイードやウールで、たたむと8cmを超えるようなら、ひざの上は不安定になるので背中側に回します。
椅子に布のカバーがかかっている会場
ホテルや式場の椅子には、白やアイボリーの布のカバーがかかっていることがあります。背の後ろでリボンを結んでいる椅子もあります。
カバーのかかった椅子は、背の上が丸く滑りやすいので、ジャケットを掛けると少しずつずれて落ちます。後ろにリボンがある椅子に掛けると、リボンの形が潰れ、会場の写真にもそのまま残ります。
こうした椅子では、余白が60cm以上あっても背には掛けません。背中と背もたれの間か、ひざの上に置きます。どうしても背に掛けたいときは、ジャケットの肩の内側を背もたれの角に深く引っかけ、裾を床から10cm以上離してください。裾が床に近いと、椅子を引いたときに脚で踏みます。
掛け方:縦に二つ折り、裏地を外、肩を角に合わせる
背に掛けてよい席なら、掛け方を整えておくと、帰りにしわのない状態で羽織れます。

- ジャケットのボタンを外し、両肩を持って、肩の縫い目どうしを重ねます
- 表地が内側に入るように縦に二つ折りにします。外に出るのは裏地です
- 折った肩の部分を、背もたれの片側の角に合わせて掛けます
- 裾が床から10cm以上離れているかを見ます。近ければ、もう一段たたんで短くします
表地を内側にするのは、背もたれに当たって擦れる面を裏地にするためです。ツイードやウールのように表面に毛足がある生地ほど、この差が出ます。
素材で変わること:ツイード・ウール・サテン
秋冬の結婚式で選ばれやすいジャケットは、ツイード、薄手のウール、光沢のあるサテンの3つです。椅子に掛けたときの扱いが少しずつ違います。
ツイードは、背もたれの角に長く当たると、そこの毛羽が寝て跡が残ります。掛けるなら2時間を超えないうちに一度持ち上げて、角に当たる位置をずらしてください。
薄手のウールは、掛けても形が戻りやすい素材です。椅子に掛けて過ごしても、帰りに羽織れば体温でしわが伸びます。
サテンは、折った線がそのまま残りやすく、背もたれに掛けると角の線が横に入ります。サテンのジャケットは、背に掛けるより、ひざの上でゆるく丸めておくほうが跡になりません。
親族として出るなら:着たまま通すほうが楽
親族として出る結婚式は、ゲストの立場とは時間の使い方が違います。集合写真、新郎新婦が親族の席を回る時間、両家の挨拶と、カメラが向く場面が何度もあります。
そのたびに羽織り直すのは手間なので、親族のジャケットは基本的に着たまま通します。暑くて脱ぎたいときは、お色直しで新郎新婦が退場してから、再入場の前までにしてください。再入場は照明が落ちるので、合図として分かりやすい時間です。
着たまま通すつもりなら、ジャケットは薄手で、袖口が手首の骨より上で止まる長さを選んでおきます。袖口がお皿に触れにくく、食事のあいだも気になりません。
会場が暑い・寒いで変わること
秋冬の結婚式でも、披露宴会場の中は暖房と人の熱で暖かくなります。特に窓のない宴会場は、料理が出始めてから30分ほどで、外より体感で一枚分暖かくなります。
一方で、窓際の席や、扉に近い席は、出入りのたびに冷たい空気が入ります。下が袖なしで扉の近くの席なら、ジャケットは脱がずに過ごすつもりで、ひざ掛けがわりのストールを足しておくと安心です。
暑さが気になる人は、ジャケットの下に重ねる服を薄くしておきます。ジャケットを脱ぐ時間を増やすより、脱がなくても過ごせる重ね方にしておくほうが、袖なしの人も袖ありの人も、時間の区切りを気にせずに済みます。
どちらとも取れるとき:五分袖・透ける袖・余白がぎりぎりの席
ここまでの2つの分け方で決めきれない場合が、3つあります。

袖が肩先だけを覆う形(フレンチスリーブや、二の腕の上で止まる短い袖)は、袖ありとして扱ってかまいません。肩の丸みが隠れていれば、脱いでも写真で肩が出た印象にはなりません。ただし、腕を上げたときに脇が見える形は、写真の時間には羽織ります。
袖が透ける生地のときは、透け方で分けます。腕の肌の色がはっきり分かる薄さなら、袖なしとして扱います。光にかざしたときにだけ透ける程度なら、袖ありとして扱ってかまいません。
椅子の後ろの余白が50〜60cmくらいで、判断に迷う席は、一度掛けてみて、スタッフが最初の料理を運んでくるときに後ろを通るかを見ます。通るようなら、そこで外して背中側に移します。最初の皿が来るまでは、どちらを選んでも困りません。
クロークに預けるか、席に持ち込むか
受付の前にクロークがある会場では、ジャケットを預けることもできます。預けたほうが楽なのは、次の3つがそろうときです。
- 下が袖ありで、ジャケットが無くても肩が隠れている
- ジャケットが厚手で、たたむと8cmを超える
- 席の後ろが狭く、椅子に掛けられない
反対に、下が袖なしなら、預けるのは向きません。挙式と乾杯の間はジャケットを着ている必要があるからです。袖なしで、席の後ろも狭いと分かっている場合は、厚手のジャケットではなく、薄くて小さくたためる羽織りを選んでおくと、席の上で置き場に困りません。
秋冬の装い全体の選び方は冬の結婚式の服装に、平服指定の会の考え方は平服で来てくださいと言われたらにまとめています。
二次会へ移るとき
披露宴から二次会へそのまま移る場合、二次会の会場は披露宴より狭く、立って過ごす時間が長くなります。椅子が少ないので、ジャケットを掛ける場所自体がありません。
二次会では、ジャケットは着たままにするか、クロークや荷物置き場に預けます。立って過ごす会で、ジャケットを腕にかけたまま飲み物を持つと、両手がふさがって乾杯もしにくくなります。下が袖ありなら預けて身軽に、袖なしなら着たまま過ごす、という分け方で足ります。
まとめ
- 先に見るのは、下の服の袖と、椅子の後ろの余白の2つ
- 袖ありで後ろが60cm以上空いていれば、乾杯のあとに脱いで背に掛け、送賓の前に羽織る
- 袖なしなら、脱ぐのは歓談の時間だけ。司会が話し始める、照明が落ちる、新郎新婦が近づくのどれかで羽織り直す
- 後ろが通り道、または椅子に布のカバーがあるなら、背には掛けずに背中と背もたれの間か、ひざの上
- 掛けるときは縦に二つ折り、裏地を外、肩を背もたれの角に、裾は床から10cm以上
よくある質問
Q. 結婚式の披露宴で、ジャケットを脱ぐのはマナー違反ですか
A. 脱ぐこと自体は違反ではありません。目安は、乾杯が終わって料理が出始めてからです。下の服が肩を覆っていれば、最後まで脱いでいてかまいません。下が袖なしの場合は、祝辞や余興、写真の時間には羽織り直してください。
Q. 椅子の背にかけたジャケットが落ちてしまいます
A. 布のカバーがかかった椅子は背の上が滑るので落ちやすくなります。背に掛けず、縦に二つ折りにしてから背中と背もたれの間に挟むか、ひざの上のナプキンの下に重ねてください。
Q. 親族として出る結婚式でも、ジャケットを脱いでいいですか
A. 親族は写真の時間が多いので、着たまま通すほうが楽です。脱ぐなら、お色直しの退場から再入場の前までにしてください。
Q. クロークに預けたほうがいいのは、どんなときですか
A. 下が袖ありで、ジャケットが厚手で、席の後ろが狭いときです。下が袖なしなら、挙式と乾杯の間は着ている必要があるので、預けるのは向きません。
— メグラシ編集部





