凛々しい表情の作り方|目線の高さと口元の力を、写真と人前で決める

**凛々しい表情は、目線をまっすぐ水平に置き、顎を指1本ぶん引き、口角を左右水平に結ぶ。**この3つで、顔立ちに関係なく、多くの人が凛々しく見えるようになります。
「凛々しい」は、引き締まっていて、きりっとしている様子を表す言葉です。凛々しい顔立ちといえば、眉がまっすぐで目元がはっきりした顔を思い浮かべる人が多いでしょう。けれど、人が誰かを「凛々しい」と感じるのは、顔立ちそのものより、その人の表情や姿勢を見たときであることがほとんどです。
この記事では、凛々しい表情を、目線・眉のあいだ・口元・顎の角度・視線の動かし方の5つに分けて、鏡や指で確かめられる形にしていきます。証明写真や面接、人前での挨拶など、凛々しく見られたい場面ごとの使い分けと、「怖い」と言われてしまう人のための調整も厚めに書きます。
言葉の意味や、凛々しい顔立ちの特徴そのものを知りたい人は凛々しいとは|意味・語源と、そう言われる人の眉・目・輪郭の共通点を、凛々しい顔立ちに似合う服は凛々しい顔に似合う服を見てください。この記事は「表情」だけを扱います。
結論:強さは目線と姿勢に置き、眉のあいだと口元はゆるめる
最初に、凛々しい表情の全体像を表にします。
| 見る場所 | 凛々しく見える側 | 気をつける側 |
|---|---|---|
| 目線の高さ | 相手の眉間、またはレンズより指1本ぶん上 | 相手の口元より下、または見下ろす |
| 眉のあいだ | 眉頭の間隔が指1本半ぶん | 眉頭が寄って縦じわが出る |
| 口角 | 左右の口角を結んだ線が水平 | 片側だけ上がる、両方下がる |
| 顎の角度 | 指1本ぶん引く | 上げる、または引きすぎる |
| 視線を止める長さ | 3秒止めて、文の切れ目で動かす | 1秒以内に動き続ける |
凛々しい表情でいちばん大切なのは、強さを置く場所と、ゆるめる場所を分けることです。目線の高さと顎の角度、背筋の伸びには強さを置きます。一方で、眉のあいだと口元には力を入れません。
凛々しく見せようとして、全部に力を入れてしまう人が少なくありません。そうすると、表情は凛々しいというより、緊張している、怒っている、と受け取られます。力を入れる場所を絞るほど、凛々しさははっきり伝わります。
凛々しい表情と、凛々しい顔立ちは別のもの
凛々しいと言われる人の顔立ちには、いくつかの共通点があります。眉がまっすぐで、目と眉の距離が近め、輪郭や鼻筋に直線的な印象がある、といったものです。こうした顔立ちは生まれつきのもので、変えられる部分ではありません。顔立ちとは何を指す言葉で、顔つきとどこが違うのかは、言葉の側の記事で整理しています。
けれど、凛々しい顔立ちの人でも、うつむいて目線を落としていれば、凛々しくは見えません。逆に、やわらかで丸みのある顔立ちの人でも、まっすぐ前を見て、顎を少し引き、背筋を伸ばしていれば、凛々しく見えます。
つまり、凛々しさには、顔立ちから来る部分と、表情や姿勢から来る部分があり、日常の印象を左右しているのは後者のほうが大きいのです。顔立ちから来る凛々しさは、写真のように一瞬を切り取ったときに強く出ます。表情から来る凛々しさは、話している、歩いている、聞いている、といった動きの中で伝わります。
人と会ったときに受け取る印象は、ほとんどが動きの中のものです。ですから、凛々しく見られたいなら、顔立ちを変えようとするより、表情と姿勢を整えるほうが、ずっと効果が大きく、すぐに変えられます。
もうひとつ、表情から来る凛々しさには、年齢を重ねるほど深まりやすいという特徴があります。若い頃は顔立ちの印象が強く出ますが、年齢を重ねると、その人がふだんどんな表情をしているか、どんな目線で人と向き合っているかが、顔の印象としてにじみ出るようになります。日頃から目線をまっすぐに保ち、口元の力を抜いている人は、年齢とともに、落ち着いた凛々しさが自然に身についていきます。表情を整えることは、その場の印象だけでなく、これからの顔の印象を育てることにもつながります。凛々しい顔立ちの特徴そのものについては、凛々しい顔・凛とした顔の特徴7つで、生まれつきの部分と動かせる部分を分けて説明しています。
境目1|目線は、相手の眉間に置く
凛々しい表情の土台になるのが目線です。目線は、高さと、止める場所の2つで考えます。
対面で話すとき、目線を置く場所は相手の眉間です。目そのものを見つめ続けると、相手に圧を与えやすく、自分も緊張します。眉間なら、相手からは目を見てくれているように見え、自分は落ち着いて目線を保てます。
目線が相手の口元より下に落ちると、自信がなさそうに見えます。逆に、相手の頭より上を見ていると、話を聞いていないように見えます。眉間を中心に、上下は相手の額から鼻先までの範囲に収めると、まっすぐな目線が保てます。
写真の場合は、レンズの中心より指1本ぶん上を見てください。レンズの中心をまっすぐ見ると、写真ではわずかに下を見ているように写ることがあります。指1本ぶん上を見ると、写真の中で目線がまっすぐ相手に向かっているように見えます。
目線の高さを確かめるには、鏡の前で、自分の眉間を見るように意識してみてください。そのときの顎の角度と首の角度が、対面での基本の姿勢になります。
相手との身長差がある場合は、目線の置き方を少し工夫します。相手のほうが背が高いときに眉間を見上げると、顎が上がってしまいがちです。顎の角度は保ったまま、目だけを少し上に向けるか、相手との距離を半歩ぶん広げて、見上げる角度を小さくしてください。相手のほうが背が低いときは、見下ろす形にならないよう、顎を指1本ぶん引いたまま目だけを下に向けます。どちらの場合も、顎ではなく目で高さを合わせる、と覚えておくと、凛々しさを保ったまま自然に向き合えます。
複数の人と話すときは、話している相手に目線を置き、話を聞いているほかの人にも、文の切れ目ごとに目線を配ります。一人だけを見続けると、ほかの人は置いていかれたように感じます。目線を順に配ることで、その場全体に落ち着いて向き合っている印象になります。
境目2|眉のあいだは、指1本半ぶん開けておく
凛々しい表情を作ろうとすると、多くの人が眉に力を入れます。眉を寄せたり、眉頭を下げたりすると、確かに強い表情になりますが、それは凛々しさというより、険しさや怒りとして受け取られます。
確かめ方は、鏡の前で人差し指を横にして、眉頭と眉頭のあいだに当ててみることです。**指1本半ぶんくらい開いていれば、眉に力は入っていません。**指1本ぶんより狭く、眉間に縦のしわが出ているなら、力が入っています。
眉の力を抜くには、いったん眉を思い切り上げて、ゆっくり下ろしてください。下ろしきった位置が、力の抜けた自然な位置です。そこから眉を寄せずに目線だけを相手に向けると、眉はまっすぐのまま、目元に強さが出ます。
凛々しい眉というと、眉の形そのものを思い浮かべるかもしれません。眉の形はメイクで整えられますが、表情としての凛々しさは、形よりも「力が入っていないこと」から生まれます。形の整え方は凛々しい顔に似合う髪型の中で、前髪と眉の距離とあわせて扱っています。
境目3|口角は、左右を結ぶ線を水平にする
口元は、凛々しい表情の中でいちばん誤解されやすい場所です。凛々しく見せようとして、口を真一文字にきつく結ぶ人がいますが、口元に力が入ると、表情全体が硬くなります。
凛々しい口元の条件は、左右の口角を結んだ線が水平になっていることです。鏡の前で、口角の位置を指で示して、左右が同じ高さにあるかを見てください。片側だけ上がっていると、皮肉っぽく見えます。両方が下がっていると、不機嫌に見えます。
口元の力を抜くには、唇は軽く閉じたまま、奥歯を軽く離すのがコツです。奥歯が触れていない状態を作ると、顎の筋肉がゆるみ、口元が自然に水平になります。奥歯をかみしめていると、口元がこわばり、頬のあたりにも力が入ります。
口角を少しだけ上げる、という方法もあります。水平な状態から、口角をほんの少し、髪の毛1本ぶんくらい上げると、やわらかさが加わります。ただし、上げすぎると笑顔になり、凛々しさとは別の表情になります。凛々しさを保ちたい場面では、水平を基本にして、相手や場面に応じて少しだけ上げる、という順で考えてください。
境目4|顎は、指1本ぶん引く
顎の角度は、目線とセットで表情を決めます。顎を上げると、目線が下を向いて見下ろす表情になり、傲慢な印象になります。顎を引きすぎると、上目づかいになり、凛々しさとは逆の、遠慮がちな印象になります。
ちょうどよい角度は、まっすぐ前を向いた状態から、顎を指1本ぶん後ろに引いた位置です。鏡の横に立って、横顔を見ながら確かめてください。顎の先と首のあいだに、指1本ぶんのくぼみができるくらいが目安です。
顎を引くときは、頭を下に向けるのではなく、頭全体を後ろに水平にずらすように意識します。下に向けると、目線も一緒に下がってしまいます。後ろにずらすと、目線の高さを保ったまま、首の後ろが伸びて、背筋もまっすぐになります。
顎の角度が整うと、首から肩にかけての線もすっきりします。凛々しさは顔だけでなく、首と肩の線からも伝わるので、顎を引いて首の後ろを伸ばすことは、表情を整える以上の効果があります。
境目5|視線は3秒止めて、文の切れ目で動かす
表情は、止まっているときよりも、動いているときに多くを伝えます。凛々しい表情の人は、視線の動かし方にも特徴があります。
凛々しく見える人は、視線を一度置いたら、しばらく動かしません。目安は3秒です。話すときも、聞くときも、相手の眉間に視線を置いたら、少なくとも3秒は止めておきます。視線をきょろきょろと1秒以内に動かし続けると、落ち着きがなく見え、凛々しさは伝わりません。
視線を動かすタイミングは、話の文の切れ目です。ひとつの文を言い終えたところで、少し視線を外し、次の文を話し始めるときにまた相手に戻します。文の途中で視線を外すと、言葉に自信がないように見えます。
視線を外すときは、横ではなく、少し下に外すのが自然です。横に外すと、何か別のことを考えているように見えます。下に外して、また戻す。この動きが、話の区切りを相手に伝え、落ち着いた印象をつくります。
どちらとも取れるとき① 凛々しいのか、怖いのか
凛々しい表情を練習していると、「怖い」「怒っている」と言われることがあります。凛々しさと怖さは、隣り合わせの印象です。境目は、力を入れている場所の数にあります。
目線、眉のあいだ、口元、顎、目の下。この5か所のうち、力が入っている場所が2か所までなら凛々しく、3か所以上なら怖く見えやすい、と考えてください。目線と顎の角度に力を置いた時点で2か所なので、眉のあいだ、口元、目の下はゆるめておく必要があります。
とくに見落としやすいのが、目の下です。目を大きく見開こうとすると、下まぶたに力が入り、目の下が張って、にらんでいるような表情になります。目の下の力を抜くには、一度まばたきをして、目を開けたまま下まぶたをゆるめる意識を持ってください。上まぶたは開いていても、下まぶたがゆるんでいれば、目元はやわらかく見えます。
それでも怖いと言われる場合は、口角を髪の毛1本ぶん上げてみてください。目線と姿勢の強さを保ったまま、口元にだけやわらかさが加わり、凛々しさとやさしさが両立します。**怖いと言われたら、強さを減らすのではなく、ゆるめる場所を1つ増やす。**この順番で調整すると、凛々しさを失わずに済みます。
どちらとも取れるとき② 笑顔が求められる場面でも凛々しくいたい
接客や、子どもの行事、人前での挨拶など、笑顔が求められる場面は少なくありません。そういう場面で凛々しさを保つには、笑っている部分と、凛々しさを保つ部分を分けて考えます。
笑顔は主に、口元と頬と目元の下側で作ります。凛々しさは、目線の高さと顎の角度、背筋で作ります。この2つは別の場所なので、両立できます。
気をつけたいのは、笑うときに顎が上がったり、目線が横にそれたりすることです。笑うと自然に顎が上がりがちですが、顎の角度を保ったまま笑うと、笑顔の中に落ち着きが残ります。また、笑いながら目線を外すと、照れているように見えます。笑っているあいだも目線は相手の眉間に置いたままにしてください。
笑顔から真顔に戻るときも、凛々しさが表れます。笑顔の後、口元だけをゆっくり水平に戻し、目線と顎は動かさない。この戻し方ができると、表情の切り替えに落ち着きがあり、凛々しい人という印象が残ります。
どちらとも取れるとき③ やわらかな顔立ちで、凛々しさが出にくい
丸みのある輪郭や、目と眉の距離が離れた顔立ち、幼く見られやすい顔立ちの人は、「自分は凛々しく見えないタイプだ」と思っているかもしれません。けれど、凛々しさの多くは表情と姿勢から来るので、顔立ちがやわらかくても十分に出せます。
やわらかな顔立ちの人が凛々しさを出すときは、目線の止め方と顎の角度を、とくに丁寧に整えてください。顔立ちのやわらかさに、まっすぐな目線と落ち着いた顎の角度が加わると、やさしさと芯の強さが同時に伝わる表情になります。これは、もともと凛々しい顔立ちの人には出しにくい、独自の魅力です。
反対に、やわらかな顔立ちの人が、眉を強く描いたり、口元をきつく結んだりして凛々しさを出そうとすると、顔立ちと表情がちぐはぐになりやすいです。顔立ちのやわらかさはそのまま生かし、強さは目線と姿勢だけに置く、と決めておくと、自然な凛々しさになります。
幼く見られやすい人が仕事の場で頼りなく見られる悩みについては、童顔の仕事服で、服の襟と色から支える方法を書いています。表情と服の両方から整えると、効果がさらに大きくなります。
写真で凛々しく写る:証明写真・集合写真・スナップ
写真は一瞬を切り取るので、動きの中の凛々しさは伝わりません。そのぶん、目線と顎の角度、口元の水平さが、そのまま写ります。
証明写真では、レンズの中心より指1本ぶん上を見て、顎を指1本ぶん引き、口角を水平にそろえます。撮影の直前に一度まばたきをして、目を開けたまま3秒ほど止めると、まぶたの力が抜けた状態で写ります。撮影のたびにまばたきを我慢していると、目の下に力が入り、にらんでいるように写りやすいので注意してください。
集合写真では、自分の目線がレンズに届いているかが大切です。人の後ろに立つときは、背伸びをせずに、顎の角度だけを保ってください。背伸びをすると顎が上がり、見下ろした表情になります。前の人の頭のあいだからレンズが見える位置に、体をわずかにずらすほうが、凛々しく写ります。
スナップ写真では、カメラを見ていない瞬間が撮られることが多いです。誰かと話している最中の横顔や、歩いているところなどです。こうした写真では、目線の止め方と背筋が凛々しさを決めます。日頃から3秒視線を止める習慣があると、撮られた瞬間にも落ち着いた表情が残っています。
自分で撮る写真、たとえばスマートフォンを手に持って撮る写真では、腕の長さのぶんカメラが顔に近く、角度の影響が大きく出ます。スマートフォンを目より下に構えると、顎が上がり、見下ろす表情に写ります。凛々しく写りたいときは、スマートフォンを目の高さか、わずかに上に構え、顎を指1本ぶん引いてください。画面ではなくレンズを見ることも忘れないようにします。画面に映る自分の顔を見ていると、目線が少し下にずれて写ります。
窓の光を使うと、凛々しさがさらに引き立ちます。顔の片側から光が当たると、反対側に影ができて、顔の立体感が出ます。立体感があると、目元と口元の線がはっきり見え、表情の引き締まりが写真にも表れます。正面から光が当たると、影がなくなり、表情がやわらかく平らに写ります。凛々しく写りたい日は横からの光、やさしく写りたい日は正面からの光、と使い分けてください。
写真を選ぶときは、たくさん撮ったものを並べて、目線がまっすぐレンズに届いているものを選びます。笑顔の写真でも、目線がまっすぐなものは凛々しさが残ります。逆に、表情がよくても目線がずれている写真は、どこか頼りない印象になります。写真を選ぶ基準は、表情より先に目線と考えると、選ぶ時間も短くなります。
人前で凛々しく見える:面接・発表・挨拶
面接や発表、改まった場での挨拶は、凛々しく見られたい場面の代表です。こうした場面では、話し始める前の数秒が、印象を大きく左右します。
部屋に入るとき、または話し始める前に、まず相手の眉間に目線を置き、3秒止めてから話し始めてください。いきなり話し出すと、目線が定まらないまま言葉が出て、落ち着きのない印象になります。目線を置いてから話す、という順番だけで、凛々しさは大きく変わります。
話している最中は、境目5で書いたように、文の切れ目で視線を動かします。大勢の前で話すときは、会場の左・中央・右に、それぞれ視線を置く人を決めておき、文の切れ目ごとに順番に視線を移すと、会場全体にまっすぐ語りかけているように見えます。
話し終わったあとも、すぐに目線を外さずに、相手や会場に視線を置いたまま1〜2秒待ってから、お辞儀をしてください。この間があると、言葉に重みが出て、凛々しい印象が残ります。
オンラインの会議や面接
画面越しの会議や面接では、目線の置き場所が対面と変わります。画面に映る相手の顔を見ていると、相手からは、こちらが少し下を見ているように見えます。凛々しく見せたい場面では、話している最中だけでもカメラのレンズを見るようにしてください。レンズの位置が分かりにくい場合は、レンズのすぐ横に小さな目印を貼っておくと、目線を戻しやすくなります。
カメラの高さも重要です。カメラが目より低い位置にあると、見下ろした表情に映り、顎が上がって見えます。カメラを目の高さか、それよりわずかに上に置くと、顎を指1本ぶん引いた自然な角度で映ります。机の上のパソコンなら、本や箱を下に置いて高さを調整してください。
画面では、顔の一部しか映らないぶん、口元と目元の印象が強く出ます。話を聞いているあいだも、口角を水平に保ち、奥歯を軽く離しておくと、聞いている姿にも落ち着きが出ます。相手が話しているときにうなずく場合は、顎を上下に大きく動かすのではなく、小さく1回だけうなずくと、凛々しさを保ったまま、聞いていることが伝わります。
初対面の挨拶
初対面の場面では、最初の数秒で印象が決まります。名前を名乗る前に、相手の眉間に目線を置き、口角を髪の毛1本ぶん上げてから、名乗ってください。目線と口元の準備ができてから声を出すことで、挨拶全体が落ち着いて見えます。お辞儀をするときは、頭を下げる前に一度目線を合わせ、上げたあとにもう一度目線を合わせる。この2回の目線が、凛々しく礼儀正しい人という印象を残します。
秋冬の装いで、凛々しい表情を支える
表情は顔だけで完結するものではなく、首元や肩の線、服の色によっても見え方が変わります。秋冬は首元に量のある服が増える季節なので、表情を支える装いの工夫も知っておくと便利です。
首元が詰まったタートルネックや、厚手のマフラーを顎の近くまで巻くと、顎の角度が見えにくくなり、表情の凛々しさが伝わりにくくなります。人前に立つ日は、首元に少し空間がある服を選び、顎の下から首の線が見えるようにしてください。シャツの襟やVの字の首元は、顎の角度と首の伸びを見せやすい形です。
色は、顔の近くにはっきりした色を置くと、目線の強さが引き立ちます。ぼんやりとした中間色ばかりだと、表情の強さと装いの印象がずれることがあります。濃紺や深い緑、黒など、落ち着いたはっきりした色を首元に持ってくると、凛々しい表情とよくなじみます。
肩の線も大切です。肩が落ちた大きなシルエットのニットは、背筋を伸ばしても肩の線が見えにくく、姿勢から来る凛々しさが伝わりにくくなります。人前に立つ日は、肩の位置が合ったジャケットやコートを選ぶと、背筋の伸びが服の形にも表れます。凛々しい顔立ちに似合う服の選び方は、凛々しい顔に似合う服で予定ごとに詳しく扱っています。
姿勢と呼吸が、表情の凛々しさを下から支える
ここまで、目線・眉・口元・顎・視線の動きという、顔まわりの話をしてきました。けれど、実際に凛々しい人を思い浮かべると、顔だけでなく、立ち姿や座り姿全体から凛々しさを感じているはずです。表情は、姿勢と呼吸の上に乗っています。土台が整っていないと、顔だけ整えても長くは保てません。
背筋は「頭のてっぺんを糸で吊られている」位置
背筋を伸ばそうとして、胸を大きく張る人がいます。胸を張りすぎると、顎が上がりやすく、表情が反り返って見えます。凛々しい姿勢は、胸を張るのではなく、頭のてっぺんが真上に引き上げられているような位置です。
確かめ方は、壁に背中をつけて立ってみることです。かかと、お尻、肩甲骨、後頭部の4か所が壁に触れる位置が、背筋の伸びた基本の姿勢です。後頭部が壁に届かない場合は、顎を上げて届かせるのではなく、顎を指1本ぶん引いたまま、頭全体を後ろに水平にずらしてください。境目4で書いた顎の角度と、ここで同じ動きがつながります。
肩の力を抜くと、首が長く見える
緊張すると、肩が上がって首が短く見えます。首が短く見えると、顎の角度が整っていても、表情に余裕がなく見えます。人前に立つ前に、肩を一度耳に近づけるように持ち上げ、そこから一気に下ろしてください。下ろしきった位置が、力の抜けた肩の位置です。
肩が下がると、首の後ろが伸び、顎の下から鎖骨までの首の線がすっきり見えます。この首の線は、凛々しい表情を引き立てる額縁のような役割を持っています。
呼吸は、話し始める前に一度だけ吐ききる
緊張したとき、呼吸は浅く速くなります。浅い呼吸のままだと、肩が上がり、口元に力が入り、目線も定まりにくくなります。話し始める前や、写真を撮られる直前に、一度だけ息をゆっくり吐ききってください。吸うことより、吐くことを意識します。
吐ききると、肩と口元の力が自然に抜け、表情がゆるみます。そのうえで目線と顎の角度を整えると、力を入れる場所と抜く場所が、自然に分かれた状態になります。**凛々しい表情の前に、まず息を吐く。**この順番を習慣にすると、大事な場面でも表情がこわばりにくくなります。
座っているときの凛々しさ
会議や面接、食事の席など、座って人と向き合う場面も多いでしょう。座ると背中が丸まりやすく、目線も下がりがちです。座っているときは、椅子の背もたれに寄りかからず、座面の前半分に浅めに腰かけてください。骨盤が立ち、背筋が自然に伸びます。
座っているときの目線は、立っているときよりも少し上を意識します。相手が立っている場合はもちろん、同じ高さで座っている場合も、座ると目線は下がりやすいからです。相手の眉間よりわずかに上、額の下あたりに目線を置くと、まっすぐ前を見ている印象になります。
手の置き場所も、表情の印象に影響します。手を顔や髪に持っていくと、落ち着きがなく見えます。机の上で軽く重ねるか、膝の上に静かに置いておくと、表情の落ち着きと手元の落ち着きがそろいます。
鏡の前で1日3分の確かめ方
最後に、凛々しい表情を自分のものにするための、鏡の前での確かめ方をまとめます。毎日続けなくてもかまいませんが、大事な予定の前には一度やってみてください。
- 鏡の前にまっすぐ立ち、自分の眉間に目線を置く(20秒)
- 眉を思い切り上げてからゆっくり下ろし、眉頭の間隔が指1本半ぶんあるか確かめる(20秒)
- 奥歯を軽く離し、左右の口角が水平かを指で示して確かめる(20秒)
- 横を向き、顎を指1本ぶん後ろに引いて、首の後ろが伸びているか確かめる(30秒)
- 正面に戻り、目線を3秒止めて、少し下に外し、また戻す動きを3回くり返す(40秒)
- 口角を髪の毛1本ぶん上げた表情と、水平の表情を交互に作って比べる(30秒)
- スマートフォンで正面と斜めから1枚ずつ撮り、少し離して見る(20秒)
7番目の写真で、鏡の中の自分より硬く見えたら、目の下か口元に力が入っています。写真で硬く見えたら、ゆるめる場所を1つ増やすと覚えておいてください。凛々しさは、力を入れることではなく、入れる場所を選ぶことから生まれます。
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よくある問い
- Q. 凛々しい表情を作ろうとすると、怖いと言われます
- 眉のあいだと口元の両方に力が入っている可能性があります。凛々しい表情は、目線と姿勢に強さを置き、眉のあいだと口元はゆるめておくのが基本です。鏡の前で、眉頭の間隔が指1本半ぶん開いているか、奥歯が軽く離れているかを確かめてください。
- Q. 顔立ちがやわらかいのですが、凛々しく見せることはできますか
- できます。凛々しさの多くは、目線の高さと動かし方、顎の角度、背筋の伸び方といった、顔立ちとは別の部分から生まれます。やわらかな顔立ちの人がこれらを整えると、やさしさと芯の強さが両方伝わる表情になります。
- Q. 証明写真で凛々しく写るにはどうすればいいですか
- レンズの中心より指1本ぶん上を見て、顎を指1本ぶん引き、左右の口角を水平にそろえて唇を軽く閉じてください。撮る直前に一度まばたきをして、目を開けた状態で3秒止めるとまぶたの力が抜けた状態で写ります。
- Q. 笑顔が求められる場面でも、凛々しさを残せますか
- 残せます。口元は笑っていても、目線をまっすぐ相手に置き、顎の角度と背筋を保っていれば、凛々しさは伝わります。笑うときに顎が上がったり、目線が横にそれたりしないよう意識してください。
— メグラシ編集部





