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ピンクニットは手の甲との境目で決まる|肌と同じ方向の色だから起きること

メグラシ編集部//読了 12分
ピンクの編み地の袖口に手の甲を乗せて、境目に線が出るかを明るい場所で見比べている場面

ピンクのニットが決まらないのは、色が甘いからではありません。 ピンクは、肌の血色と同じ方向を向いた唯一の服の色です。だから他の色では起きないことが起きます。境目が消える場所が、顔・首・手首の3か所あるということです。

他の色と、条件が1つだけ違う

紺や灰や茶を着たとき、肌と服のあいだには必ず線が見えます。色みの向きが違うからです。ピンクだけは、肌が持っている赤みと同じ方向にあります。

その結果、ピンクの面と肌の面は、明るさが近いと1つの面として読まれます。顔がぼやける、手がむくんで見える、首が太く見える。これらは体の話ではなく、境目が消えているという1つのことの現れ方です。

判定の軸は次の2つです。

肌との境目:手の甲を袖口に乗せて、線が見えるか ピンクの段:白寄り・灰寄り・赤寄りのどこか

前者が着られるかどうかを決め、後者が直し方を決めます。

測る|袖口に手の甲を乗せる

顔まわりで判定しようとすると、髪の影・あごの下の影・化粧の色が混ざって読めません。同じことが起きていて、しかも邪魔が入らない場所が袖口です。

袖をまくらずに着て、袖口から出た手の甲を、編み地の上にそのまま乗せてください。そのまま2歩下がって鏡を見ます。見るのは手の輪郭だけです。

見えかた起きていること次にすること
手の縁が線として読める境目があるそのまま着てよい
縁がぼやけて面が続く境目が消えているピンクを1段動かすか、帯を挟む
手のほうが濃く沈む差が開きすぎている首元だけ明るい面を足す

この判定は店の試着室でもできます。 袖に腕を通して、手の甲を袖口に乗せて2歩下がる。それだけです。

ピンクの3段

見分けどころ肌との境目
白寄り白を混ぜた明るいピンク。光をまっすぐ返すいちばん消えやすい
灰寄り灰が混じって沈んで見える消えにくい。輪郭が出る
赤寄り赤に近く、濃さがある消えにくいが対比が強い

手の甲の線が消えたら、灰寄りか赤寄りへ1段動かす。 これが最短の直し方です。色みの方向は変えないので、ピンクを選んだ理由は残ります。

灰寄りと赤寄りのどちらへ動かすかは、その日の予定で決めます。人と近い距離で話す日は灰寄り、遠くから見られる日は赤寄りのほうが読まれやすくなります。

境目が消える3か所と、それぞれの直し方

消える場所は決まっています。肌がピンクに触れている3か所です。

  • 首元:中に別の色の襟を3cm見せる。巻きものを首に沿わせる。髪を下ろして首の横に暗い面を作る
  • 袖口:細い帯を手首に1本置く。袖を1回折り返して、裏の面を線として出す
  • 顔まわり:首元で作った段差がそのまま効く。ここだけ単独では直せない

挟む面の幅は3cmで足ります。 見る人は肌と服の変わり目を探しているので、そこに変化が1回あれば輪郭として読みます。

挟む色は、色みを持たない面から選ぶ

ここが、ピンクでいちばん間違えやすいところです。ピンクの隣に、同じ方向の色を挟んでも境目は戻りません。

赤・オレンジ・紫は、ピンクと同じ側にあります。挟んでも「ピンクと肌」の境目が「ピンクとその色」の境目に置き換わるだけで、どちらも前に出ないまま両方がにじみます。

挟むのは、色みを持たない面です。白・生成り・灰・濃紺・茶。この5つのどれかで1回切れば、ピンクは独立した面として読まれます。

隣に置く色との、前後の争い

全身で見たときにも同じことが起きます。ピンクと、ピンクに近い色を離れた場所に置くと、どちらが前かが決まりません。

上がピンクで、靴が赤。上がピンクで、かばんが紫。この組み合わせは、遠くから見ると2つの色が同じ距離に浮いて見えます。片方を色みのない色に替えるか、あいだに濃い色の面(ベルト・羽織り・パンツ)を置いてください。

同じ方向の色は、全身に1つまで。 これがピンクを扱うときの上限です。

編み地の表面で、ピンクは1段動く

同じ色番でも、生地の表面によって出方が変わります。毛足のある編み地は光を散らすので、ピンクが淡く広がり、白寄りへ半段ずれます。 目の詰まったなめらかな編み地は、色そのままの濃さで出ます。

この時期に多い起毛した編み地や目の粗い編み地を、白寄りのピンクで選ぶと、実際には想定より明るい側に振れます。買うときは、店内で3歩下がって見た印象で決めてください。 手元で見た印象は、離れたときの見えかたと一致しません。

面積|どこまでピンクを置けるか

ピンクは、面積が増えるほど境目の問題が大きくなります。ニット1枚がピンクなら、下は色みを持たない色にしてください。

上下ともピンクにしたい日は、あいだに濃い色の帯(ベルト・羽織りの前立て)を必ず1本入れます。帯がないと、上下のピンクが1つの面としてつながり、体の中心に区切りがなくなります。

小物までピンクでそろえる場合は、全身の中で一点だけ、いちばん濃い色の場所を作ってください。 靴でもかばんでも構いません。そこが基準になって、他のピンクの濃さが読めるようになります。

室内で30分たつと、判定が変わる

ピンクでだけ起きることが、もう1つあります。顔や手が温まると血色が上がり、肌のほうがピンクに近づきます。

屋外で見たときは境目があったのに、暖房の効いた場所で30分たつと顔まわりがぼやける。これは服が変わったのではなく、肌の側が動いたからです。他の色ではこの動きが小さいので気づきませんが、ピンクは同じ方向にあるぶん、差が直接縮みます。

屋内に長くいる予定の日は、屋外で「ちょうどいい」と感じた段より、1段濃いか1段濁ったピンクを選んでおく。 これで室内でも差が残ります。

寒い場所から入ってすぐは、手の甲も赤みが上がっています。判定は室内に落ち着いてから、もう一度やり直してください。

顔色が沈んで見える日

体調や光の加減で、いつもより顔色が沈んで見える日があります。この日は、白寄りのピンクを顔の近くに置かないでください。

肌が沈んでいる状態で明るいピンクを顔の下に置くと、差が開きすぎて、肌の側だけが暗く読まれます。灰寄りのピンクに替えるか、白寄りのまま着るなら、首元に生成りか白の面を1枚挟んで、ピンクと顔のあいだに段を作ります。

どちらとも取れるとき|線が見えるような、見えないような

手の甲の輪郭が、はっきり線とも言えず、完全に消えているとも言えない。この場合は、写真で決めてください。

袖口に手の甲を乗せた状態で撮り、白黒に変換します。手と袖が同じ濃さの灰色に見えたら消えています。どちらかが明らかに濃ければ残っています。目で見た印象と白黒の結果は、ピンクではとくに食い違います。 色みが違うので差があるように感じますが、明るさで見ると同じ、ということが起きます。

どちらとも取れるとき|きちんとした場に着ていく日

ピンクはやわらかい色なので、格のある場では締まりが足りないと感じることがあります。このときは面積を減らすのではなく、置く場所を下げてください。

ピンクを顔の近くに置くと、その日いちばん見られる場所がやわらかくなります。同じピンクをスカートやパンツに移すと、上半身が色みのない面になり、全体が締まります。ピンクを諦めずに格を上げる方法として、これがいちばん扱いやすい形です。

上に着るものは、灰・濃紺・茶のいずれかで。黒でも成立しますが、黒とピンクは明るさの差が大きいので、ピンクの面がより強く前に出ます。

よくある失敗と、その直し方

よくある失敗起きること直し方
顔まわりだけで判定する髪と影が混ざって読めない袖口で手の甲を乗せて見る
境目が消えたので面積を減らす消えている場所は変わらない段を1つ動かすか、帯を3cm挟む
ピンクの隣に赤や紫を置く前後が決まらず両方にじむあいだに色みのない面を1枚入れる
手元で色を見て買う毛足があると白寄りへ半段ずれる3歩下がった印象で決める
屋外で判定して屋内で過ごす血色が上がって差が縮む1段濃いか濁った側を選ぶ

まとめ|手の甲で測って、段を動かす

  1. ピンクは肌の血色と同じ方向の色。境目が消える場所が顔・首・手首の3か所ある
  2. 測るのは袖口。手の甲を編み地に乗せ、2歩下がって輪郭が線として読めるか
  3. 消えていたら、白寄り→灰寄りか赤寄りへ1段動かす
  4. 動かせない1枚なら、3cmの帯を挟む。挟む色は色みを持たない5色から
  5. 同じ方向の色(赤・オレンジ・紫)は、全身に1つまで

ピンクは「似合うかどうか」で仕分けられがちな色です。 けれど分けているのは好みでも顔立ちでもなく、肌と同じ方向にあるという条件ひとつでした。条件は測れますし、消えていれば戻せます。

次に手に取るときは、袖に腕を通して手の甲を袖口に乗せ、2歩下がってください。輪郭が線として読めれば、その1枚は着られます。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. ピンクのニットが子どもっぽく見えます。何を変えればいいですか
面積ではなく、ピンクの段を1つ動かしてください。ピンクには白を混ぜた明るい段・灰を混ぜた濁った段・赤に寄った濃い段の3つがあります。子どもっぽさが出るのは白を混ぜた段で、これは光をまっすぐ返すので面が広く見えます。同じ色みのまま灰寄りか赤寄りに1段動かすと、面の広がりが止まります。形も丈も変えずに済む方法です。
Q. 手の甲との境目を見るというのは、どういう意味ですか
袖口から出た手の甲を、ピンクの編み地の上に置いてください。そのまま2歩下がって鏡を見ます。手の輪郭が線として読めれば境目があります。手の縁がぼやけて、袖と手がひと続きの面に見えたら境目が消えています。顔まわりでも同じことが起きていますが、顔は髪と影があって読みにくいので、条件が同じで見やすい手の甲で代わりに測ります。
Q. 境目が消えていたら、そのニットは着られませんか
着られます。消えているのは肌と接している場所だけなので、そこに別の面を1つ挟めば戻ります。袖口なら手首に細い帯を1本、首元なら中に別の色の襟を3cm見せる。挟む面は色みを持たないもの(白・生成り・灰・濃紺・茶)を選んでください。ピンクと同じ方向の色を挟むと、境目が2つに増えるだけで解決しません。
Q. ピンクに合わせる色で、避けたほうがいいものはありますか
赤・オレンジ・紫は、ピンクと同じ方向にある色です。隣り合わせると、どちらが前に出るかが決まらず、両方の輪郭がにじんで見えます。避ける必要はありませんが、あいだに色みを持たない面を1枚入れてください。羽織りを濃紺にする、ベルトを茶にする、靴を白にする。1回切れば、ピンクとその色は別の面として読まれます。
Q. 暖房の効いた部屋に入ると、ピンクの見え方が変わる気がします
変わります。ピンクは肌の血色と同じ方向の色なので、顔や手が温まって血色が上がると、肌のほうがピンクに近づき、差が縮みます。屋外では差があったのに、室内で30分たつと顔まわりがぼやける、というのはこれです。長く屋内にいる予定の日は、屋外で見て「ちょうどいい」より1段濃いか、1段濁ったピンクを選んでおくと、室内でも差が残ります。

— メグラシ編集部

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