孫が生まれた50代、装いの優先順位を見直した話

3行で言うと
- 孫を抱いた朝、私の装いの優先順位が静かに入れ替わった。
- 「祖母らしさ」ではなく「祖母である私らしさ」を探した1年だった。
- 抱っこできる、しゃがめる、汚れても良い、を全部諦めない選択肢があった。
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この記事は、メグラシ編集部の実体験を元にしたエッセイです。
孫を抱いた朝のこと
娘から「赤ちゃんが生まれたよ」と連絡が来たのは、ある秋の早朝だった。
慌てて病院に向かう車の中、私の頭をよぎったのは、不思議なことに「私、今日、何を着てきたっけ」だった。
朝、急いで出てきたから、白いブラウスにベージュのワイドパンツ、薄手のカーディガン。決して特別な装いではない。でも、孫に「初めて会う日」の装いとしては、悪くないと思った。
病院に着いて、看護師さんに案内されて、新生児室の前に立った。ガラスの向こうに、小さな赤ちゃんがいた。私の孫だ。
その瞬間、私は、たぶん人生で初めて「祖母」になった。
「祖母らしい」って、何だろう
その日の帰り道、私はぼんやり考えた。「これから、私はどういう装いをすればいいんだろう」。
「祖母らしい装い」って、何だろう。
頭に浮かんだのは、子どもの頃に見た、自分の祖母の姿。きれいに巻かれたパーマ、落ち着いた色のブラウス、上品なロングスカート。
でも、私はその祖母の年齢になっても、パーマはかけていない。ショートカットだ。スカートよりパンツが好き。ロングスカートを履く日もあるけれど、それは「祖母だから」ではなく「気分でそう選んだ日」だ。
「祖母らしさ」を装いに落とし込もうとした瞬間、私は私から少し離れる気がした。
その夜、私はクローゼットの前に立って、「祖母らしい服って、本当に必要なんだろうか」と、自分に問いかけていた。
優先順位が静かに入れ替わった
孫が生まれてから、私のクローゼットでは、いくつかの優先順位が静かに入れ替わった。
ひとつ目は、抱っこができるかどうか。
新生児を抱くときの、あの繊細な感覚。柔らかい綿のブラウスは、赤ちゃんの肌に触れても安心できる。一方、ザラザラした素材のニットは、しばらく出番がなくなった。
ふたつ目は、しゃがめるかどうか。
ハイハイし始めた孫と目線を合わせるためには、しゃがむ動作が頻繁になる。タイトなスカートよりも、ワイドパンツやプリーツスカートの方が、気持ちが楽。
みっつ目は、汚れても良いかどうか。
よだれ、食べこぼし、土遊び。孫と過ごす日は、どんなに気をつけても、何かしらつく。でも、それを気にしすぎると、孫との時間を楽しめない。「これ、汚れてもいい」と思える服を、私のクローゼットの一軍に揃えていった。
「妥協」じゃなくて「選び方」だった
最初は、「孫のために装いを妥協している」と感じていた。
でも、半年くらい経って、ふと気づいた。これは妥協じゃなくて、新しい「選び方」だ。
50代の私の装いは、もう「他人に良く見られるため」が中心ではなくなっていた。自分の生活と心地よさが、装いの軸になっていた。
抱っこができる柔らかい素材は、私自身の肌触りも気持ちいい。しゃがみやすいワイドパンツは、私の体型にも合う。汚れても良い綿のシャツは、洗濯のしやすさで、私の日常を軽くしてくれる。
「孫のため」のはずだった選択が、実は「今の私自身の心地よさ」と完璧に一致していた。
これは、孫が私に教えてくれた、装いの新しい優先順位だった。
それでも、「私の色」は手放さなかった
ただし、ひとつだけ、私が手放さなかったものがある。
それは、**「私の色」**だ。
孫と過ごす日も、私は私の色を選ぶ。私のパーソナルカラーに合う、深みのあるカーキやテラコッタ。少しくすみのあるベージュ。「祖母らしい淡いピンク」を無理に選ぶことはしない。
なぜなら、孫が大きくなったとき、「おばあちゃんって、いつも〇〇色を着てたよね」と覚えていてほしいから。その「〇〇色」は、私の色であってほしい。
私の色を着ている日、私は私自身でいられる。私自身でいる祖母の姿を、孫に見せたい。
「祖母である私らしさ」を見つけた1年
孫が1歳になった頃、私のクローゼットは、生まれ変わっていた。
抱っこできる柔らかい綿のシャツ、しゃがみやすいワイドパンツ、汚れても良いブラウス。そしてその全部が、「私の色」と「私のシルエット」の範囲で選び抜かれている。
これは、「祖母らしさ」ではない。**「祖母である私らしさ」**だった。
ある日、孫が私のシャツの胸元を、小さな手で触っていた。「ばーば、ふわふわ」と、たどたどしく言った。私はその瞬間、思った。
「ああ、私の装いは、孫の最初の手触りの記憶になるんだ」
それは、誰のためでもない、私自身の喜びだった。50代の装いには、新しい役割が静かに加わっていた。
祖母になって学んだこと
孫が生まれて気づいたことがある。
人生の役割が増えると、装いに新しい優先順位が加わる。でも、それは古い自分を捨てることじゃない。「これまでの私」に「祖母としての私」を、丁寧に重ねていくこと。
「祖母らしくしなきゃ」と思った瞬間、装いは窮屈になる。「祖母である私の心地よさ」を軸にすると、装いは自由に広がる。
孫が大きくなったとき、「おばあちゃん、好きな色を着てたよね」と覚えていてくれたら、嬉しい。それは、孫に「あなたも好きな色を着ていいんだよ」と、装いから伝えてくれることになるかもしれない。
50代の祖母の装いは、世代を超えた、小さな贈り物でもあった。
50代の「心地よさと自分らしさ」を、月に一度の発見に
50代の装いには、心地よさと、自分らしさの両方が大切。でも、両立する一着を自分だけで探すのは、案外むずかしいことです。
エアークローゼットでは、月に一度、プロのスタイリストが選んだ3着が 赤いairClosetの袋 に入って届きます。「これ、孫と過ごせるし、私の好きな色だ」という発見を、毎月の楽しみにしてください。
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よくある問い
- Q. この記事は実話ですか?
- メグラシ編集部の50代スタッフの実体験を元に構成しています。孫育てや祖父母世代の感覚は個人差が大きいことをご了承ください。
- Q. 孫と過ごす日の装いは何を選べば?
- 抱っこやしゃがむ動作に耐えるストレッチ素材、よだれや食べこぼしを気にしないコットン中心、明るすぎず暗すぎない中間色がおすすめです。
- Q. 「おばあちゃんらしい」服を着るべき?
- 「らしさ」より「自分の好きと、孫と過ごしやすさの重なり」を探す方が、長続きします。
— メグラシ編集部





