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子どもの卒業式で気づいた「親としての装い」|40代の節目の物語

メグラシ編集部//読了 8分
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末っ子の卒業式まで、あと2週間

ある2月の朝、リビングのテーブルに、小学校から届いた一枚のプリントが置いてあった。

「卒業式のお知らせ」

末っ子の小学校生活が、もう終わろうとしていた。長男の入学式から数えれば、私が「卒業式や入学式に出る親」をやってきた年月は、ちょうど12年。

そのプリントを手に、私はしばらくクローゼットの前に立っていた。「何を着ていこう」と装いを選びかけて、なぜか手が止まった。

ふと、口の中でつぶやいていた。「親としての装いって、何だろう」

12年間の「無難な親」を、振り返ってみた

考えてみると、私はこの12年間、ずっと「無難な親」をやってきた。

入学式、卒業式、運動会、保護者会、参観日。どの装いも、紺かグレーか、ベージュ。デザインは、控えめ。アクセサリーは小さなパールだけ。

それは、「目立たないこと」が正解だと、勝手に思い込んでいたから。子どもの晴れ舞台で親が目立ったら、子どもがやりにくいだろう。他のお母さんたちと並んだとき、浮きたくない。

そういう、消極的な選択を重ねてきた12年だった。

でもその朝、私は気づいてしまった。「無難」は「自分らしさを諦めること」と紙一重だったことに。

20代の私は、深い色と質感が好きだった。30代の半ばまでは、好きな色を選んで装いを楽しんでいた。それが、子どもの行事に出るようになってから、いつの間にか「自分の好み」を一度しまい込むようになっていた。

末っ子の卒業式は、私にとって「親の装いの最終章」でもある。これからは、子の行事のために装いを選ぶ機会が、少しずつ減っていく。

その最後の節目を、「無難な親」のままで終えていいのだろうか。

答えはシンプルだった

問いを持って、その夜、私は紙に書き出してみた。

「親としての品」とは、どんな装い?

  • 上品さ
  • 清潔感
  • 年齢相応

「自分らしさ」とは、どんな装い?

  • 好きな色(深いネイビー)
  • 好きな質感(艶のある素材)
  • 好きなシルエット(Iライン、すっきり)

書き出してみて、私はようやくわかった。この2つは、ちっとも対立していなかった。

「上品さ」を諦めて「自分らしさ」を取るか、「自分らしさ」を諦めて「親としての品」を取るか。私はずっと二者択一だと思い込んでいた。

でも本当は、両方を一着の中に重ねればいいだけだった。「品のある装いの中に、自分らしさの一筆を入れる」。それだけで、両立する。

プロのスタイリストに相談した

翌週、私はプロのスタイリストに相談した。「12年ぶりに、自分らしい卒業式の装いがしたい」と。

スタイリストは、私のパーソナルカラーと骨格を確認してから、いくつかの候補を選んでくれた。

最終的に決めたのは、深みのあるネイビーのIラインワンピース

膝下丈で、首回りはクリーンに開いていて、素材は上質なシルクジョーゼット。歩くと、生地がふわりと揺れる。

紺は「親らしい品」の色。Iラインと膝下丈は「年齢相応の清潔感」。そして、シルクの艶と首回りの開きは、私の「好きな質感」と「好きなシルエット」。

鏡の前に立ったとき、私はようやく思った。「あ、これが、私らしい『親としての装い』だ」

20代から好きだった「深い色と質感」が、40代の節目に、もう一度私のもとに戻ってきた瞬間だった。

卒業式の朝、もう一度鏡の前で

卒業式の朝、私はそのネイビーのワンピースに袖を通した。

合わせたのは、母から譲り受けた小さなパールのネックレスと、控えめなパールのピアス。靴は、磨いたばかりの落ち着いたパンプス。

鏡の前で、何度も向きを変えて確認した。これは「親としての装い」だろうか。子どもの隣に並んでも、子どもより目立たないだろうか。

そして、もう一度、自分に問いかけた。「これは、私の好きな装いだろうか」。

答えは「はい」だった。3つの答えが、全部「はい」だった。それだけで、その朝、私はもう少しだけ背筋を伸ばして家を出られた。

娘の一言

式が終わって、帰りの車中で娘が言った。

「お母さんのワンピース、すごく素敵だった」

何気ない一言だったけれど、私は胸の奥が、ふっと温かくなるのを感じた。

12年間、「無難な親」で来た私が、最後の節目で「素敵な親」になれた瞬間。それは、自分のために装いを選んだら、結果として子どもにも喜んでもらえた、という発見でもあった。

「目立たないこと」を選んでいた12年間、私はいい親でいようとしていた。でも、本当に子どもが喜ぶのは、たぶん、**「お母さんがお母さんらしく、整っている装いの中にいること」**だったのかもしれない。

「親の装い」を更新する勇気

子育ては長い。一日一日が忙しくて、自分の装いを優先する余裕がない時期も、確かにある。

そんな日々の中で、「親としての無難」で済ませてしまうのは、ある意味、合理的な選択だった。

でも、節目に立ち止まる時、私たちは少しだけ装いに勇気を持っていい。「自分の好きな色」を、装いの中に入れる勇気。「自分らしいシルエット」を、選び直す勇気。

それを子どもが見ていてくれる。「お母さんって、こんな装いもするんだ」「お母さんは、お母さんでありながら、自分の人生も生きている」。装いは、そんな静かなメッセージにもなる。

子の節目は、親の装いの節目

入学式、卒業式、成人式、結婚式。子のために選ぶ装いだけれど、それは同時に、親としての自分を整え直す機会でもある。

「無難」で済ませてもいい年もある。でも、特別な節目だけは、自分らしさの一筆を入れてみる。

その一筆が、子どもにとっての「お母さんの記憶」になっていく。それは、子育ての豊かな副産物のような気がしている。

末っ子の卒業式は、私にとって、装いと自分の関係を見つめ直す、小さな転機だった。

あなたの節目を、月に一度の発見に

子育ての節目、自分の節目、人生の節目。装いは、その時々の自分を映す鏡です。

エアークローゼットでは、月に一度、プロのスタイリストが選んだ3着が 赤いairClosetの袋 に入って届きます。「子の隣で並ぶ装い」「自分らしさを少しだけ重ねた装い」。そんな出会いを、毎月の楽しみにしてください。

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よくある問い

Q. 卒業式に着るのに「親らしい装い」のポイントは?
上品さ・清潔感・年齢相応の3つが基本。色は紺・グレー・ベージュ系の中間色がおすすめ。アクセサリーはパールなど控えめなものを。
Q. 「無難すぎる装い」から脱したい時は?
一着の中に「自分らしい一筆」だけ入れてみてください。たとえば素材の艶、ネックラインの抜け、控えめなブローチ。全身を変えなくても、印象は変わります。
Q. 40代の卒業式コーデで避けたいことは?
主役は子どもなので、過度に華やかな色・露出・大ぶりアクセは控えめに。「子の隣で並ぶ装い」をイメージすると選びやすくなります。

— メグラシ編集部

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